ハイスクールD×D 桜物語   作:孤高の桜

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繋ガレシ絆

(ここが、兵藤の深層心理なのか?)

 

 

清隆が目を開けるとそこには黒い空間が広がっていた。

 

 

そして、遠くの方にイッセーが座り込んでいる姿が目に映った。

 

 

「兵藤!」

 

 

清隆は急いでイッセーに駆け寄る。

 

 

「俺は弱い。俺は弱い。力が、力が欲しい。全てを壊せる力が」

 

 

「兵藤!おい、落ち着けッ!?」

 

 

清隆が話しかけようとするが、突然イッセーの体が透け始め触れられなくなる。

 

 

「こ、これは」

 

 

清隆が驚いているうちにイッセーは姿を消してしまう。

 

 

「な、何なんだ」

 

 

『貴様何者だ?』

 

 

清隆が驚いていると、背後から突然声をかけられ振り向く。

 

 

そこには数人の男性と女性が立っていた。

 

 

「お前らこそ何者なんだ!兵藤をどこにやった!」

 

 

『我々は、ただ彼に力を与えただけです。彼の望む力を』

 

 

「お前ら、まさか!?そういうことかよ。お前らは赤龍帝の歴代の担い手の残留思念か」

 

 

「そこまで分かるか」

 

 

その一言を聞くと、歴代の担い手たちは篭手を装着する。

 

 

「致し方ない。君にはここで死んでもらう。いつだって、理不尽なこの世界は力を求め、愛を否定する。貴様もなのだろう?」

 

 

そう言いながら前にいた二人の男性が清隆に迫る。

 

 

「チッ、交渉はあんた達を倒してからさせてもらうぜ!金色桜!!」

 

 

清隆はすぐさま金色桜を展開させる。

 

 

「この桜は!?なるほど、芳乃の血統者か。だが、この人数の前には無力だ!」

 

 

清隆と歴代の担い手たちとの戦闘が開始される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーside

 

 

ここは……

 

 

俺はどうしたんだ?俺は確か、アーシアを……。失ったのか?

 

 

『力が欲しいか?』

 

 

力?俺は欲しい。全てを守れるだけの!そうだろうが!おい、赤龍帝!俺に力をよこせよ!早くしないと、アーシアを助けられねぇだろうが!

 

 

そう俺が怒鳴った瞬間、俺の中に力が流れ込んでくる。

 

 

そうだ、この力だ。俺に全部よこせ!俺に全てをよこせ。ぶち壊す。

 

 

こんな理不尽な世界なんて全て俺の手でぶっ壊してやる!

 

 

アーシアを殺してしまうようなこんな世界……

 

 

アーシア……。もうすぐ、お前に会いに行くから。

 

 

こんな世界をぶっ潰して、必ず会いに行くから。

 

 

だから……。

 

 

待っていてくれ……。

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こいつら、強すぎるだろ」

 

 

清隆が皮肉そうにつぶやく。

 

 

「当たり前だ。我々は赤龍帝の力を使っているのだ。たとえ、お前達『芳乃』が強い力をもっていようと我々の敵ではない」

 

 

ひとりの男性がそうつぶやく。それにつられて皆が頷く。

 

 

ひとりひとりの力は清隆には及ばなかった。

 

 

しかし、相手は10数名。しかも、それが全員戦闘経験者。

 

 

清隆には分が悪かった。

 

 

「なんのために戦う?ここでお前が倒れても、誰もお前を攻めやしない」

 

 

担い手の声が清隆の精神を揺さぶる。

 

 

「俺は、負けられないんだ……」

 

 

「本当にそうか?それはお前の自己満足じゃないのか?」

 

 

「それは……」

 

 

清隆は担い手の言葉に反対意見が考えられなかった。

 

 

「そうだ。お前はここで負けても誰もお前のことを恨みはしない」

 

 

「恨まれない……」

 

 

「ここで、お前が死んでも誰も後悔しない」

 

 

「俺が死んでも……」

 

 

(………さい)

 

 

清隆が言い終わる前に何かが清隆の頭をかすめた。

 

 

清隆は間一髪のところでよける。

 

 

(必ず生きて帰ってきてください)

 

 

葵の言葉が清隆の頭によぎった。

 

 

「さぁ、何を迷っているのだ?死ねば楽になr「うるせぇ!」なに?」

 

 

清隆は担い手たちを見つめる。

 

 

「俺には帰る場所があるんだ。帰ってきてくれって頼まれたんだ。だから、帰らなきゃいけないんだ!」

 

 

清隆は担い手たちを睨みつけゆっくりと立ち上がろうとする。

 

 

「なぜ、そこまで他人のために戦う?」

 

 

清隆はゆっくりと立ち上がる。

 

 

「弱い自分を認めたくなくてさ」

 

 

(お願い、葛木先輩。イッセー君を助けて!)

 

 

イリナの声が響きわたる。

 

 

「強くなりたくて力を求めるんだ」

 

 

(先輩、目覚めてくださいぃ)

 

 

ギャスパーの声が響きわたる。

 

 

「でもさ、力を手に入れるのには代償が必要でさ」

 

 

(イッセー先輩、帰ってきてください)

 

 

小猫の声が響きわたる。

 

 

「それがどれだけ周りを傷つけても本人は気づかないんだ」

 

 

(イッセー、早く帰って来いよ)

 

 

ルーツの声が響きわたる。

 

 

「だから、俺が立ち上がるんだ」

 

 

(イッセー君、早く戻ってくるんだ。みんな待ってるよ)

 

 

裕斗の声が響きわたる。

 

 

「ここにはたくさんの強い想いが存在する」

 

 

(イッセー君。早く私たちの前に戻ってきて笑顔を見せてください)

 

 

朱乃の声が響きわたる。

 

 

「どんな、理不尽がそこに存在しようと助けるんだ!」

 

 

(お願い、葛木。イッセーを助けて)

 

 

リアスの声が響きわたる。

 

 

「俺は必ず兵藤を助ける!」

 

 

(葛木先輩。お願いします。どうか、イッセーさんを助けてください)

 

 

アーシアの声が響きわたる。

 

 

清隆は桜弁の剣を握りしめる。

 

 

「こんなにも沢山お前を思う想いが存在するんだ!殻に閉じこもってないで、さっさと出てきやがれよ!」

 

 

清隆は周りに存在する空間全てを切り裂いた。

 

 

「兵藤ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

清隆の声が空間に響きわたった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーside

 

 

何か俺の頭の中に声が響いてきた。

 

 

それは、俺の大好きで大事な仲間たちの声のように聞こえた。

 

 

しかし、体が動かない。

 

 

どれだけ力を入れようと俺の体は動かなかった。

 

 

重たいまぶたを開けるべく懸命に目に力を込める。

 

 

すると、少しだけ目が開いた。

 

 

(な、なんだよ。これは)

 

 

俺の目に映ってきたのは二人の男性が俺を止めようと必死で食らいつく姿だった。

 

 

そして遠くでみんなが、俺の大事な人たちが俺を見つめていた。そして、そこにはアーシアの姿も存在した。

 

 

(アーシア!!ッ!?なんで、みんな辛そうな顔をしているんだよ!)

 

 

俺は必死に皆に手を動かそうとするが全く動かなかった。

 

 

『これがあなたの望んだ力ですよ』

 

 

(俺の望んだ力?俺はこんな力望んでいない!)

 

 

そして、自分の攻撃の流れ弾が仲間の下に飛んでいく。

 

 

(みんなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)

 

 

しかし、その攻撃は男性たちに防がれる。

 

 

『愚かですね、赤龍帝。そこまでして、あなたは全てを失いたいのですか?』

 

 

男性が話しかけてくるがイッセーは声を発することができなかった。

 

 

(そんなわけねぇだろうが!俺はみんなを守りたい。みんなを守れれば何もいらねぇ!)

 

 

イッセーがそう心の中で発するとどこからか声が聞こえてくる。

 

 

(お願い、葛木先輩。イッセー君を助けて!)

 

 

イリナの声が……。

 

 

(先輩、目覚めてくださいぃ)

 

 

ギャスパーの声が……。

 

 

(イッセー先輩、帰ってきてください)

 

 

小猫ちゃんの声が……。

 

 

(イッセー、早く帰って来いよ)

 

 

ルーツの声が……。

 

 

(イッセー君、早く戻ってくるんだ。みんな待ってるよ)

 

 

木場の声が……。

 

 

(イッセー君。早く私たちの前に戻ってきて笑顔を見せてください)

 

 

朱乃さんの声が……。

 

 

(お願い、葛木。イッセーを助けて)

 

 

部長の声が……。

 

 

(葛木先輩。お願いします。どうか、イッセーさんを助けてください)

 

 

そして、二度と聞けないと思っていたアーシアの声が……。

 

 

みんなの声が……想いが俺の中を駆け巡る。

 

 

(俺、こんなに大切なものがあったのに黒い力に飲み込まれちまったんだよな。まじで、今の俺ってかっこ悪いじゃねぇか!)

 

 

俺がそう思うと俺の居た空間に亀裂が入る。

 

 

「兵藤ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

その亀裂の先から俺の最も敵視している奴の声が響きわたってきた。

 

 

昔の俺なら、あいつに頼ることなんてしなかっただろう。

 

 

俺のプライドがそんなことを許さないだろう。

 

 

でも、俺はそんなプライドなんて捨ててやる。

 

 

みんなのもとに戻れるならプライドぐらい捨ててやるよ。

 

 

「俺は、ここだぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

俺の声、頼むからあいつに届いてくれよ。

 

 

気づいてくれ。葛木清隆!!




清隆の想いとイッセーの想いが交わる……


破滅の代名詞である二つの力……


イッセーを束縛するのは強さ……


どんな困難でも守れる圧倒的な強さだった……


しかし、自らの望んでしまった過ちに気づき、イッセーは清隆に問う……


強さの源は何なのかと……


次「桜と龍 交わる強き想い」


こいつは、信念をもっている。決して折れることのない信念を。こういう馬鹿程面白い奴はいない。お前たちは普通すぎるんだ。俺も含めてな……
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