ハイスクールD×D 桜物語   作:孤高の桜

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桜と龍 交わる強き想い

「俺は、ここだぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

イッセーの声が響きわたる。

 

 

「ッ!?これは兵藤の声!」

 

 

清隆は周りの自分の切り裂いた空間を見渡す。

 

 

すると一箇所だけ

 

 

切り裂いた空間の回復が遅い場所が存在した。

 

 

「そこか!」

 

 

「いかせん!」

 

 

担い手が数人清隆の前に現れる。

 

 

「どきやがれぇぇぇぇぇ!!桜炎・不知火!!」

 

 

金色の爆炎が担い手達を燃やし尽くす。

 

 

「兵藤ぉぉぉ!」

 

 

清隆はその空間を切り裂く。

 

 

そこから倒れているイッセーが姿を現した。

 

 

「今、目覚めさせてやる」

 

 

清隆はリライティング・プルーフの力でよびだした桜弁の剣をイッセーに突き刺した。

 

 

「……グフッ!」

 

 

イッセーが意識を取り戻したところで清隆は桜弁の剣を引き抜いた。

 

 

「へへっ、すまねぇな。迷惑かけちまったみたいで」

 

 

「まったくだ」

 

 

清隆はイッセーの手を握り無理やり立たせる。

 

 

「大丈夫か、兵藤」

 

 

「へっ、お前こそボロボロじゃねぇか」

 

 

清隆の言葉にイッセーは笑いながら返し、篭手を出現させる。

 

 

「相棒、いけるか?」

 

 

『あぁ、そこにいるのは芳乃の小僧だな』

 

 

「あぁ、はじめましてになるかな。赤龍帝『ドライグ』」

 

 

「お前、ドライグの言葉が聞こえるのか?」

 

 

清隆の言葉にイッセーは驚く。

 

 

「あぁ。原理はわからんがな。それよりもくるぞ」

 

 

清隆は歴代の担い手たちの方向を見る。

 

 

「葛木、頼みたいことがあるんだ」

 

 

「何だ?手短に言え」

 

 

「ここを切り抜けたら俺に教えてくれないか?お前の強さの秘訣を。お前の想いの強さってやつをさ」

 

 

「……」

 

 

清隆は黙ってイッセーの言葉を待つ。

 

 

「俺は知らなくちゃいけない。この力の使い方を。背負わなくちゃいけないんだ。みんなを守るために。二度とこんな暴走を起こさないために。この力を使いこなすためには背負う覚悟が必要なんだ。ガキみたいな理由だけど、俺はただみんなに笑っていて欲しいんだ。皆に涙は似合わねぇ。みんなには笑顔でいて欲しいんだ」

 

 

「……ガキじゃねぇよ。立派な大人の理由だ。それでかまわない。分かった。教えてやるよ、俺の信念をな」

 

 

「ありがとな、葛木。ドライグ!」

 

 

『おぉ!』

 

 

「行くぜ、金色桜!!」

 

 

二人の魔力が上がる。

 

 

「禁手!あんたらに見せてやるよ、赤龍帝の担い手と呼ばれた俺の力をよ!」

 

 

イッセーが赤龍帝の鎧を装着する。

 

 

清隆も桜を展開させる。

 

 

「お前たちに我々を倒せるかな?」

 

 

ひとりの担い手が言うとその数は数十人まで増えていた。

 

 

『二人とも気をつけろ。ほとんどの担い手がこの戦いに入っているぞ。全員禁手をしていないがそれでも戦闘力は桁外れだ』

 

 

ドライグが言うが、清隆は笑みを崩さなかった。

 

 

「兵藤、そこのドラゴンは分かっていないようだぜ?」

 

 

清隆がイッセーに言う。

 

 

「あぁ、ドライグは分かっていないぜ」

 

 

『何?』

 

 

「葛木は……」

 

 

「兵藤は……」

 

 

「最強の魔法使いだぜ!!」「最強の担い手だ!!」

 

 

その言葉と共に二人が担い手たちの下に駆け抜ける。

 

 

「うぉらぁぁぁぁ!!」

 

 

イッセーが一人を殴り飛ばす。

 

 

「チッ、赤龍帝の面汚しが!」

 

 

イッセーの後ろに数人が拳を振り上げるがその数人を金色桜が包み込む。

 

 

「兵藤!背中は任せろ!だぁぁぁぁぁ!!」

 

 

清隆も金色桜で応戦する。

 

 

赤き魔力と金色の魔力がその場を包み込んでいた。

 

 

「な、なんだこの二人は!」

 

 

「禁手ではないにしろここまで一方的などありえないわ!」

 

 

「何なのだ、芳乃の桜は!いつも、いつも我らの邪魔をする!」

 

 

「今回の担い手は最弱ではなかったのか!」

 

 

『お前たちは勘違いをしている』

 

 

次々と担い手たちの悲鳴が上がる頃にドライグの言葉が空間に響きわたる。

 

 

『たしかに今回の担い手には魔法の才能もなければ武術の才能もない』

 

 

担い手たちの悲鳴が途切れることなく響く。しかし、ドライグの声もまた響きわたる。

 

 

『それに、悪魔としては底辺の存在で精神も未熟な変態だ。だが』

 

 

「うりゃぁぁぁぁぁ!ドラゴン・ブラスター!!」

 

 

「金色桜!桜火・紅蓮乱舞!!」

 

 

二人の力がその空間に広がり続ける。

 

 

『こいつは、信念をもっている。決して折れることのない信念を。こういう馬鹿程面白い奴はいない。お前たちは普通すぎるんだ。俺も含めてな』

 

 

 

ドライグの言葉が空間の闇に消えていく。

 

 

「兵藤。弱さは罪じゃないんだ」

 

 

「え?」

 

 

二人は敵を倒しながら会話をする。

 

 

それだけの余裕ができるほどまできていた。

 

 

「弱いことを認めなくちゃ前に進むことなんてできない」

 

 

「……あぁ」

 

 

「弱いことを認める強さがお前には必要なんだ」

 

 

「弱いことを認める強さ……」

 

 

「急ぐ必要なんてない。ゆっくりでいい。お前は十分強いんだ。急いで強くなる必要なんてないんだよ。かつて、俺も力に溺れたことがあった。その時、俺は仲間に助けられた。失敗することはいい。だが、二度と同じ失敗をするな。次に、こんな失敗をすればお前は大事な人を失うぞ」

 

 

「あぁ、分かってる。もう、二度とみんなの涙を流す姿なんて見たくないからな!って、お前、体が!」

 

 

清隆の体が少しずつ透けてきていることにイッセーが気づく。

 

 

「そろそろ、俺の力も限界みたいだ。心配すんな。ここは夢の世界。目が覚めたときはみんなが泣いて喜んでくれるさ」

 

 

「でも、俺はみんなを傷つけちまった。どんな顔をしてみんなの前に行けばいいんだよ」

 

 

「心配すんな。みんなお前のことを心配している。もちろん、俺たちもだ。お前がみんなに笑顔でいてもらいたいようにグレモリーさん達だって、お前に笑顔でいてもらいたいに決まってる」

 

 

だんだんと、清隆の体が透けていく。

 

 

「おい!芳乃の体が透けているぞ!今がチャンスだ!」

 

 

『おぉー!!』

 

 

清隆の異変に担い手たちも気がつく。

 

 

「たく、かったるいなぁ!桜炎・十文火!!」

 

 

清隆の桜が担い手たちを吹き飛ばす。

 

 

「兵藤、残りの俺の力を全てお前に移す!こっから先はお前が片付けろ!!」

 

 

清隆が叫び、イッセーの体に桜がまとわりつく。

 

 

「早く、帰って来いよ……」

 

 

清隆は最後にそう言い残し、イッセーの深層心理の世界から姿を消した。

 

 

「これが、あいつの想いの力」

 

 

イッセーはゆっくりと目を開く。

 

 

『cherry spirit! over booster!!』

 

 

篭手から声が聞こえる。

 

 

「芳乃が消えたぞ!次こそは我々の為に眠ってもらうぞ!」

 

 

一人の担い手がイッセーの背中から接近する。

 

 

イッセーはゆっくりと右手を担い手に向ける。

 

 

ドゴーーーン!!

 

 

右手から金色の光が担い手を包み込む。

 

 

「お前たちがどれだけ強かろうと俺は負けない」

 

 

『相棒!大丈夫なのか!この前みたいに白龍皇のような副作用はないか!』

 

 

ドライグの心配そうな声がイッセーの耳に入る。

 

 

「大丈夫だ。なぜか、俺の力に混じってくるみたいだ」

 

 

イッセーはゆっくりと片手に桜を集めるイメージをする。

 

 

するとそこには金色の桜が姿を現す。

 

 

「たしかに受け取ったぜ。お前の想いを!」

 

 

イッセーはもう一度攻撃を放つ。

 

 

「クッ!芳乃の力に頼るなど!お前はただの恥さらしだぁぁ!!」

 

 

イッセーの後ろから担い手が攻撃しおうとするとその攻撃を桜が勝手に動き、カバーする。

 

 

「無駄だ。俺の背中にはあいつの想いがついていてくれる。恥さらしで結構!俺は守りたいものがあるんだよォォ!!」

 

 

次々と担い手を殴り飛ばす。

 

 

「ど、どこにこんな力が…」

 

 

一人の担い手がそう呟く。それにイッセーは簡単に答えた。

 

 

「大事な人たちに笑っていて欲しいから…。あの人たちに涙は似合わねぇ!みんなのためなら俺はどこまでだって強くなってやる!」

 

 

イッセーは最後の仕上げと言わんばかりに担い手と交戦を開始した。




どんなものにも終わりはある……


それはどんな物語にも、存在にも……


終わりを変えることはどんなものにも出来ない……


そう、例外を除いては……


帰還した清隆……


彼に待っていたのは残酷な選択……


誰も望まない選択を迫られる……


次回「最後の灯火 命の対価」


あなたが守ったのよ、彼らの笑顔を。彼らの想いを。そして、あなたが繋ぎ止めたのよ。彼らの絆を、ね……


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