ハイスクールD×D 桜物語   作:孤高の桜

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立ちふさがる家族と過去

リアスside

 

 

イッセーを取り戻してから数週間私たちはいつもと変わらない毎日を送っているはずだった。

 

 

「……ハァ」

 

 

「大丈夫かい、小猫ちゃん?」

 

 

「…ハイ。大丈夫です」

 

 

裕斗の言葉に小猫は静かに答えた。

 

 

そう、最近学校に葛木が来ていないのだ。

 

 

そして、小猫の姉である黒歌も。

 

 

数日なら風見鶏の用事か何かかと思う。

 

 

以前にもそういうことで休んでいたのを私は知っている。

 

 

しかし、今回はあまりに長すぎる。

 

 

心配になり、彼の家に小猫に行ってもらったが留守だったらしい。

 

 

他にも連絡手段があるらしく、それを利用しても連絡がつながらなかった。

 

 

そして、一番の問題は私達が誰一人として風見鶏の連絡先や場所を知らないということなのだ。

 

 

既に、お兄様に葛木が来ていないことは伝えてある。

 

 

今は、その連絡待ちというところだ。

 

 

彼らがいないことに最もダメージを負っているのは小猫だろう。

 

 

今も元気がない。

 

 

いつも何かを食べているというイメージが私の中ではあった。

 

 

しかし、私が見ている中で彼女が何かを食べている光景がほとんどないのだ。

 

 

「小猫、もう今日は休みなさい」

 

 

「大丈夫です、部長…ッ!?」

 

 

『小猫(ちゃん)!?』

 

 

突然、小猫の周りに黒い霧が発生する。

 

 

「ぶ、部長!」

 

 

小猫はこっちに手を伸ばそうとするがその黒い霧は小猫を包み込んでしまう。

 

 

すぐに裕斗がその霧に手を伸ばすが霧の中には何も感じなかった。

 

 

「な、何がどうなっているというの!?」

 

 

かくいう私も冷静に入られなかった。

 

 

ただ、皆、小猫の取り込まれた黒い霧を見つめるしかないのだった。

 

 

リアスsideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロンドンAチームside

 

 

「どういうことだ?ミスターTが消えていく…」

 

 

「おそらく、本体が分身を維持できるほどの魔力を失ったんだにゃ。つまり、杉並の予想通り風見鶏にミスターTが来て誰かが追い詰めているにゃ」

 

 

愛紗の言葉に黒歌がゆっくりと答えた。

 

 

二人の言うとおり、先程まで倒しても増え続けていたミスターTの姿が徐々に薄れ始めていたのだ。

 

 

『やぁ、地上にいる風見鶏諸君。私の準備した余興には楽しんでいるかな?』

 

 

「「「ダークネス!!」」」

 

 

突然空に現れたダークネスの映像に三人が叫ぶ。

 

 

『ミスターTはやられてしまったようだ。なら、私が出るしかないと思ってね。私は夢幻城に待っている。たどり着けたものと私は戦おう…』

 

 

その言葉と共にダークネスは姿を消した。

 

 

「どういう意味……二人とも構えるにゃ!」

 

 

黒歌がとっさに二人に呼びかける。

 

 

黒歌の言葉に二人もすぐに武器を構える。

 

 

すると、目の前にゆっくりと黒い霧が集まり出す。

 

 

「…こ、ここは?」

 

 

「し、白音!?」

 

 

そのきりから現れたのは白音こと小猫だった。

 

 

「お、お姉さま……ううぁァァァァァ!!」

 

 

「白音!クッ!邪魔にゃ!」

 

 

黒歌が小猫に近づこうとするが周りの霧が邪魔をする。

 

 

そして、小猫にまとわりついていた霧が徐々にに晴れていく。

 

 

「お、お姉さま……逃げて…」

 

 

その言葉と共に小猫が黒歌のもとに走る。

 

 

「フッ!」

 

 

「白音!!」

 

 

黒歌は小猫の攻撃をよける。

 

 

「愛紗!星!二人は先に行くにゃ!」

 

 

「だ、だが!」

 

 

「ここで全員が捕まってはダークネスの思うつぼにゃ!ここは私に任せてはやく行くにゃ!」

 

 

黒歌の言葉に二人は渋々その場から夢幻城の方向に向かって走っていった。

 

 

「白音…」

 

 

「に、逃げて…」

 

 

小猫の両手に黒い氣が溜まっていく。

 

 

「行きます……。霧礫!!」

 

 

小猫両手から黒い礫が飛ばされる。

 

 

「クッ!仙術・掌仙!!」

 

 

霧礫を黒歌は手に氣を溜めてすべて叩き落としていく。

 

 

(何で、白音と戦わなくちゃいけないにゃ…。それに、幻覚じゃない…。本物に似ている…。確証がない状態じゃ、手が出せない。どうすれば…)

 

 

黒歌の考えを無視するかのように小猫は黒歌の懐に潜り込む。

 

 

「ハァァ!」

 

 

「いい加減、目を覚ますにゃ!!」

 

 

黒歌が小猫の攻撃をよけて、小猫に拳を振り上げる。しかし、

 

 

「お姉さま…」

 

 

「えっ!?」

 

 

「フッ!!」

 

 

「ガハッ!!!」

 

 

小猫の瞳に一瞬だけ光が灯る。

 

 

その瞳に黒歌は拳を途中で止めてしまい、小猫の拳を貰い、そのまま吹き飛んでしまう。

 

 

「グフッ…最悪にゃ。氣で守らなくちゃ今頃全身の氣を乱されてた。それに、あのパワー…。クッ!?」

 

 

黒歌は立ち上がろうとするが直ぐに片膝を付いてしまう。

 

 

(今の一撃で足をひねったかにゃ?)

 

 

黒歌は小猫を見つめる。

 

 

「まぁ、いいにゃ。例え、何があろうと妹を守る。あの時、そう決めたにゃ。私がどうなろうとも関係ない。白音は必ず私が守るにゃ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒歌が戦闘を行なっている頃、静流やゼノヴィアの前にもダークネスの映像が現れ、そして消えていった。

 

 

「ダークネス!!」

 

 

その映像にゼノヴィアは切りかかる。

 

 

しかし、所詮映像。ゼノヴィアの一撃は空を切ってしまう。

 

 

「落ち着け、ゼノヴィア」

 

 

「これが落ち着いて…!クソ!!」

 

 

ゼノヴィアは地面にデュランダルを叩きつける。

 

 

「静流、奴はどこにいるんだ」

 

 

「あそこだ…」

 

 

静流が指さした場所にはゼノヴィアもはっきりと夢幻城が見えていた。

 

 

「あそこに、あいつがいるんだな…」

 

 

「あぁ、誰だ!!」

 

 

静流は何かの気配に気づき、ナイフを投げる。

 

 

カキンッ

 

 

しかし、そのナイフは何か金属に遮られるように叩き落とされる。

 

 

「……に、逃げろ…静流…」

 

 

そこにはかつての静流の友であったルチアの姿があった。

 

 

しかし、かつての彼女の面影はなく、片手に日本刀を握っていた

 

 

「る、ルチア?ど、どうしてここに…」

 

 

「…しず、る……私を…殺せ!!グァァァァァァァ!!!」

 

 

ルチアはそのまま、静流に向かって突進する。

 

 

静流は咄嗟にゼノヴィアを突き飛ばし、ナイフ二本でルチアの攻撃を防ぐ

 

 

「ゼノヴィア!お前は夢幻城に向かうんだ!」

 

 

「だ、だが!」

 

 

「向かってくれ!!ルチアとは私が決着を付けなくちゃいけないんだ!!」

 

 

「……死ぬなよ、静流」

 

 

そう言い残し、ゼノヴィアは夢幻城のある方向に走っていった。

 

 

「…当たり前だ死んでたまるか…でも」

 

 

ルチアの斬撃を躱し、静流は瞬間加速を行うことで距離を離す。

 

 

「ルチアを…切ることなんて…」

 

 

「ハァァァ!!」

 

 

ルチアの刀からいくつもの斬撃が飛ばされる。

 

 

「クッ!!瞬間加速!!」

 

 

ルチアのそれぞれの斬撃に合わせるようによけていく。

 

 

「ハッ!!」

 

 

「グハッ!?」

 

 

しかし、よけ続けていた静流に一撃の斬撃がぶつかる。

 

 

それだけ彼女の力は強かった。

 

 

カテゴリー5の魔法使いの中でも速さを得意とする魔法使いの一人「中津静流」を捉えるほどの…。

 

 

「……ずる。…を……せ」

 

 

「くぅ……」

 

 

静流のが上を見上げるとルチアが上空から迫っていた。

 

 

「クッ!!」

 

 

ルチアの斬り下ろしの一撃を静流は二本のナイフをクロスさせ受ける。

 

 

「っ!?」

 

 

静流がふとルチアの顔を見ると彼女の瞳から涙が流れていることに気がついた。

 

 

「グッ!!静流……頼む…。私を……殺してくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

ルチアは力越しに静流の横腹を回し蹴りで吹き飛ばす。

 

 

静流はその圧倒的な力に……大切な友達に刃を向けることができずに攻撃をもらうことしかできなかった。

 

 

「ぐぅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

ルチアは狂ったように叫び、静流に追撃をかける。

 

 

静流は途中で踏みとどまり、ナイフでカウンターを決めようとする。

 

 

ルチアの刀が静流の姿を捉える。

 

 

その瞬間、静流のナイフがルチアの視界から消え、ルチアの首筋を捉える。

 

 

『静流、よくサンマばかりで飽きないな』

 

 

『飽きることなんてあるもんか。これはルチアが初めて教えてくれた味なんだ』

 

 

『なぁ、私もいつか静流みたいな魔法使いになれるだろうか』

 

 

『なれるさ。それだけの想いがあるのならな』

 

 

「ッ!?」

 

 

静流は一瞬でルチアの首筋からナイフを引き、ルチアから距離を離す。

 

 

(何で、今さらになってあんなことを…。無理だ……。ルチアをこの手で攻撃するなんて…)

 

 

しかし、静流の想いに関係なくルチアの攻撃は静流を傷つけていった…。

 




大切な人を救いたい……


大切な家族を傷つけたくない……


ダークネスの卑劣な罠の前に黒歌は一つの選択を迫られた……


しかし、時は無情に進んでいく……


同時に少しずつダークネスの正体に近づいていく……


次回「守るもの」


一つ、また一つと命の灯が消えていく……
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