???side
私たちは風見鶏時代の友達に救援を依頼され、ここロンドンにきていた。しかし…
「なんでこんなに霧が濃いのよ!!」
「そんな怒鳴らないでよ、???。それにしても、これって…」
「そんなこといいのよ!…ッ!?ねぇ、今の分かった!?」
「僕も感じたよ、〇〇。とりあえず、誰かが交戦してるかもしれない。って、早いよ!」
私は事件の予感がして相方を置いて走っていった。
???side out
「ハァハァ。白音、なかなか強いじゃない?」
二匹の猫又の周りには大穴がいくつも空いていた。
それもこれも全て小猫自身が開けたものにほかならなかった。
黒歌もその攻撃を何発か受けており、ダメージが蓄積していた。
さらにその一撃一撃に仙術の力ら込められていたため、黒歌の体の中にある氣がかなり乱されていたのだ。
「お、お姉さま…も……もう…やめて……」
小猫の瞳からは大粒の涙が流れていた。
もう、小猫の顔は涙でぐしゃぐしゃの状態であったのだ。
「だ、大丈夫にゃ…。こんなの昔のじゃれ合いと同じにゃ。だから…、そんな心配そうに涙を流さなくてもいいにゃ…」
小猫の表情とは裏腹に黒歌の笑っていた。
それでも、子猫の声と感情には関係なく次々と黒歌に攻撃を繰り出していく。
その攻撃に反撃をすることもせず、黒歌はよけることしかできない。
「…ミスト・バレット!」
小猫の目の前に魔方陣が突然浮かび上がる。
霧を媒体にして。
「ッ!?……ショット!!」
そのまま、霧の弾丸はボロボロの動けない黒歌を直撃したのだ。
しかし、それでも、黒歌は倒れなかった。
「私は……みんなと約束したにゃ…。葵を…リッカを……そして、清隆を助けるために………戦うと…」
黒歌はゆっくりと小猫の前まで歩いていく。
「戦わなくちゃいけない……みんなの笑顔を取り戻すために…。大好きな人を…初めて出来た私の居場所を取り戻すために……」
小猫は黒歌の言葉を遮るように黒歌の腹部に拳を突き立てる。
「グフッ!?例え、何があろうと、負けちゃいけない……これはそんな戦いにゃ…」
「やめて……もう、やめて…お願いします………お姉さま…」
再び小猫の拳が黒歌を襲う。しかし、血反吐を吐いても黒歌は一歩も下がらなかった。
「だから、私は……白………音には負けるわけには……いかない…にゃ」
黒歌はそのまま白音に倒れ込むように跪く。
「でも………無…理……。だっ…て、あなたは…誰よりも大切な………血の繋がった私のたった一人の……家族だから……ガハッ!?」
黒歌が言い終わると小猫は黒歌を蹴り飛ばす。
「やめて……このままじゃ、お姉さまが……やめてください!!」
小猫は必死で自分を押さえ込もうとする。
それでも、小猫は自分を制御できなかった。
自分がなぜ、こんなことになっているかも理解できなかった。
「大丈夫…。私が……倒れても、必ず………風見鶏が…グレモリーがた…助けてく…れる……にゃ…。あなたを想っているのは私……だけじゃないのだから…」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
黒歌がゆっくりと意識を失いながら倒れていく中、小猫は追撃を放つように拳を引き、ダッシュする。
「やらせないよ!!」
「…え?」
黒歌を守るように氷を盾のように構えた少女が間に入る。
直ぐに小猫は距離をとる。
「え?ねぇ、ホームズ!何も分からないまま突っ込んじゃったけどほんとによかったの!?」
「そんなの私が知るわけないでしょ!それよりも!!」
現れたのはエドワードとメアリーだった。
「あれ、この子の着ている服ってもしかして…清隆君の国の服じゃ?」
「たしか、ワフク?だっけ?ってことはジャッポーネ?もしかして、清隆の友達なんじゃ!?」
その言葉にエドワードは身構える。
「その可能性はあるね。あの小柄な子の拳は尋常じゃなく強かった。一体、このロンドンに何が起こっているの?霧も濃くなっているような気がするし…。もしかして、五月祭がもう始まっているの!?」
「ま、ま……つにゃ」
「え?」
黒歌がゆっくりとメアリーに手を伸ばす。
「やめ……て。白音…妹………傷つけて……欲しく…」
そのままゆっくりと黒歌は意識を完全に手放した。
「く、仕方ない。かわいそうだk「ワトソン、少し待ちなさい!!」え?」
「今の状況理解したわ。このことあの子は姉妹。そして、彼女はあの子を守るためにここまで傷ついた。あの子が涙を流しているのはきっと操られているか何かなの。だから、むやみに攻撃はダメよ!」
「なら、どうするのさ!!」
「少し待って、そのために私がいるじゃない?少し、時間を頂戴」
メアリーはゆっくりと目を瞑る。
「はぁ、分かったよ。でも、彼女相当強いから、僕でもそんなにもたないよ?アイス・ブースト!」
エドワードは小猫との戦闘を開始する。
「行くわよ、『真実を見抜く眼(トゥルースアイズ)』!!」
メアリーの瞳に十字架の模様が浮かび上がる。
そう、この魔法こそがメアリーがホームズの子孫である証だった。
『真実を見抜く眼(トゥルースアイズ)』。その瞳にはすべての本質を見ることができる。
「…ッ!な、何なのこれ…。でも、今は…」
メアリーは何かに気づくが、直ぐに小猫を見る。
「なるほど……そういうことね。これなら、行けるわ!ワトスン!!」
メアリーはすぐにエドワードに話しかける。
「その子はこの霧から出来ている。でも、本体と五缶のみ繋がってるっぽいの!だから、一瞬で決めてあげて!痛みを感じる前に!相手は魔法そのもの!あなたになら出来るはずよ!」
メアリーの言葉を聞いて、エドワードは小猫と一旦距離をとる。
「分かったよ、ホームズ。ねぇ、いいよね?」
エドワードの問いかけに小猫はゆっくりと頷く。
「行くよ……。絶対零度の世界へ誘え…。『ザ・コキュートス』!!」
エドワードの氷が当たり一帯を氷点下の世界へ誘う。
小猫は何かを危険に感じたのか上空にジャンプする。
「無駄だよ、この世界で魔法は『生きることができない』」
ゆっくりと小猫の体が氷とかしていく。
「これで、終わり…。『ブレイク』」
エドワードのその言葉で小猫は砕け散った。
すると、エドワードの魔法もすぐに消えていき、一気に周りの温度も上昇していく。
「『ザ・コキュートス』はその空間の魔法を砕く魔法。っていっても、僕自身の元々の魔力量がかなり低いから、範囲も狭いし、回数もしれてるけど…」
エドワードは直ぐにメアリーたちの下に走っていく。
「ホームズ、その子大丈夫?」
「えぇ、かなり、魔力も枯渇してるし、かなり傷も負ってるけど命に別状はないはずよ。それよりも、ワトスンに聞きたいことがあるのよ」
「ん?何かな?」
「杉並から、私たちに伝わった情報を全部覚えてる?」
「え?う、うん。一応全部覚えていると思うけど」
「じゃぁ、もう一回全部ここで話してくれない?全部」
「え?でも「早く!」う、うん」
エドワードは早く、黒歌を連れて行きたかったようだが、それをメアリーは止めた。
「まず、清隆君がダークネスに襲われて今は眠っていること。その時に別々にリッカさんと陽ノ本さんが拉致されたこと。ダークネスが『永遠に訪れない5月祭』について知っていること。そして、既に五月祭が始まっている可能性があること。要点を絞ればこれぐらいじゃないかな…」
「……それって本当?そこに嘘はない?」
メアリーは信じられないとでも言いたいように聞き返すが帰ってきたのは頷きだった。
「だとしたら、これは何なの?この霧は陽ノ本かリッカさん、そしてダークネスかミスターTを媒体にしているのよね?」
「ま、まぁそのはずだけど」
「この魔力の媒体…微妙に違うけど……魔力と瓜二つ…まさか!」
「ホームズ!?」
エドワードを置いてメアリーは走り出す。
「ワトスンはその子を連れて風見鶏に来て!私は早く真実を突き止めないと!」
「ど、どういう意味だよぉ!!」
エドワードの声を聞かずにメアリーは走り去ってしまう。
「なんでよ!これじゃ、まるでダークネスの正体は……いえ、そんなことがありえるなんて!ふざけんじゃないわよ!何がどうなってるのよ!!」
少し、また少しと真実のピースは埋まっていく……
しかし、時が止まることはなく、戻ることもない……
そして、過去があるから今があり、未来が存在する……
過去に捕らわれたカテゴリー5の魔法使い……
彼女は何を手に持ち、何を切り捨てるのか……
大好きな彼の温もり……
それとも、大切な親友との証……
次回「過去と今 紡ぎ合う絆」
私は二度と友達を傷つけるわけにはいかないんだ!!
少女の叫びに…無情にも刃が突き刺さる……
※なお、ダークネスやミスターTの正体がわかっても感想欄等には書かないでください。