見捨てられた俺と追放者を集める女神さま スキルの真価を見つけだし リベンジ果たして成りあがる   作:腰尾マモル

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【第375話】死の山からシンバードへ

 

 

 ザキールからダンザルグの話を聞き、トーマスとソル兵士長のいるテントへ戻った俺達は早速ザキールから得た情報を伝えた。2人ともザキールの捻くれっぷりに肩を竦めつつも伝えた情報に納得してくれたようだ。

 

 朝からショッキングなことはあったが、一応やれることはやったはずだ。あとはシンバードに帰るための段取りを話し合わなければ。俺達は机を囲み、シンバード帰還に関する話し合いを進めることにした。

 

 結果、リヴァイアサンへ乗り込む為にディアトイルの西にある海岸を目指すことになり、帝国兵・イグノーラ兵と共に移動する流れとなった。これで道中魔獣に襲われても迅速に移動する事が出来そうだ。

 

 リヴァイアサンへ乗り込むメンバーは俺、グラッジ、サーシャ、ソル兵士長、拘束したザキールとブロネイル、パープルズ、一部腕の立つ兵士達、そしてトーマスが乗り込むこととなった。

 

 ソル兵士長とトーマスは軍の要ともいえる存在なのに死の山の戦争を抜け出して大丈夫なのか? と俺が問いかけると2人は『後は部下達に任せれば大丈夫、それよりもシンバードとシンを守り切る方が重要』だと言ってくれた。

 

 話し合いを終えて帝国の野営地から飛び出した俺達は各軍へ伝達兵を派遣してシンバード帰還に関する情報を伝えつつ、早速死の山を北上する。

 

 順調に行けば夜にディアトイルへ辿り着いて、そのまま深夜頃にはリヴァイアサンへ乗り込むことが出来る。俺はまだ完全回復できてない体を考慮されて、黒猫サクや兵士に運ばれたりと度々体調を気遣われていて、少し申し訳ない気持ちを抱えながら進んでいった。

 

 

 

 俺達は順調に進み続け、何の問題もなく夜にディアトイルへ到着する事が出来た。

 

 ディアトイルでは待機していたルドルフと村長に情報を伝えるとルドルフが「俺もシンバードへ連れて行ってくれ、俺もお前ほどではないがずっと修行を続けていた。役に立てるはずだ」と言い、強引に俺達のパーティーに入ることとなった。

 

 ルドルフを加えた大所帯は、その後も速度を落とすことなくディアトイルから西方向へ数時間移動を続け、深夜前にようやく海岸に着く事ができた。海岸でグラッジがリヴァイアサンを呼び寄せるとトーマス達はあまりにも大きなリヴァイアサンの体に目をかっぴらいて驚いていた。

 

 俺達はもう見慣れているから新鮮なリアクションが少し面白い。ざわつく仲間達をモンストル号に乗せた後、リヴァイアサンの泡で覆ってもらって海岸を出発した俺達は内海側の海路を通り、シンバードへと向かう。

 

 リヴァイアサンに乗り込むまでの道のりは仲間達のおかげでゆっくりと休むことが出来たから明日以降は戦えそうだ。最後の休息となるかもしれないからリヴァイアサンに乗っているうちに体力を全快まで回復させなければ。

 

 だが、シンバードの状況が気になってソワソワしてしまう……。加えてアスタロトとの戦いをイメージし過ぎて脳が緊張してしまい中々眠りにつけなかった。

 

 明日以降の戦いで場合によっては俺も人を殺す決断をしなければいけない時がくるかもしれない。何かを天秤にかけて片方を犠牲にする判断をしなければいけない状況だってくるかもしれない。

 

 魔人ブロネイルに凄まじい殺気を放ったグラッジのように俺も強い心を持てるだろうか? 不安や焦りばかりが頭の中を駆けまわっている。

 

 だが、とにかくしっかりと休まない事には勝利の確率が下がってしまう。今はとにかく目を瞑っておこう。俺は眠れますようにと祈りながら瞼を閉じ続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガラルドさん、起きてください。もうすぐシンバードに着きますよ」

 

 グラッジの声で俺はいつの間にか眠っていたことに気が付いた。なんとか体力を回復させる程度には眠る事が出来たようだ。リヴァイアサンの泡の中から見える空は少しだけ曇っているが、時々差してくる太陽の光が気持ちいい。

 

 ほぼ大陸の中心であるディアトイルの西にある海岸から移動してきたから到着は夕方ぐらいになると思っていたが、懐中時計を見る限りどうやらまだ昼過ぎのようだ。

 

 やけに早い到着が気になった俺はグラッジに理由を尋ねるとグラッジはリヴァイアサンの想いを俺に伝えてくれた。

 

「リヴァイアサンに僕達が置かれている状況を伝えたところ、全速力でシンバードへ運んでやると言ってくれたんです。なので普段よりも3割り増しの速度で移動してくれたみたいで今はかなり疲れているようですね。本当にリヴァイアサンには頭が上がりませんよ」

 

 まさか、リヴァイアサンがそこまで頑張ってくれていたとは。元々はリヴァイアサンの海域にガーランド団が入ってしまって追い出される形の悪い出会い方だったというのに。気が付けば多くの場所を共に駆けてきた大切な仲間となっていた。リヴァイアサンにはいつかしっかりとお礼したいものだ。

 

 それからリヴァイアサンの泡で船を水面近くまで上げてもらった俺達は周囲に人や船がいないか確認してから水面に船を浮かべてもらった。あとは俺達の船で慎重にシンバードへ近づいていく事になる。

 

 急いで船を進めること30分。目視でシンバード港が確認できる距離まで近づいたところでグラッジが双眼鏡でより詳細に街の様子を確認していた。すると突然血相を変えて俺達に状況を伝え始める。

 

「た、大変です! シンバード西門と西エリアが燃えています!」

 

 

 

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