SE持ち転生オリ主妄想短編   作:ヒイラギP

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転生するまでをガッツリ書いた方が、人となりや未練がよく分かって良いよね。という事で一話丸々使ってワートリ要素ほぼ無いです。

あらすじって1話しか載ってない短編で表示されたっけな。思い出せない。表示されてない場合、確認してから読んだ方がわかりやすいのでよろしくお願いします。


秋葉智月⓪

「……じゃあ、俺は死んだってことか」

 

 周囲は白く。体は重い。肌にまとわりつく生暖かく滑らかな感触が気色悪い。上も下もないような空間の中にあっても何故か引き摺り込まれていることだけはわかる。そんな不思議で恐ろしい場所に俺は居た。

 

「はい。貴女の生命活動は2分18秒前に終了しました。現在、魂のカイシュウ作業をしておりますのでしばらくお待ちください」

 

 2分18秒か。思ったより新鮮だな。そして、カイシュウ……回収?

 

「魂ときたか。魂。魂ね」

 

 そんなものが実在しているとは思わなかった。

 というより、都合の良すぎるから信じないようにしていたのだが、つくづく世界は人類に優しく出来ているようだ。

 

「それで、俺はどこに持っていかれるんだ。天国?」

 

「個体名:秋葉智月には特例により『特権』が付与されております」

 

「特権って、そんなもん貰えるほど何か出来た覚えはねぇぞ。精々がんばって働きましたってくらいだろ?誰かのためにってもんでもない。そういうのわかるだろ神様なら」

 

 死後の報いを受けるならもっと相応しい人間を知っている。俺が選ばれる理由が全く浮かばない。死んだけど運が良かったねおめでとう。それじゃ、生きてる間必死で頑張った人は何だ。苛立った口調で尋ねる。

 

「なんで俺だ。もっと他にいたはずだ」

 

「当初、この特権を受け取る対象は貴女ではありませんでした。ある個体の偉業に応じる形で進呈されましたが、当人の希望により貴女へ譲渡されました」

 

「……誰だ」

 

 心当たりはあった。俺より先にここにきて、こんなことを仕出かすようなヤツは一人しか知らない。

 

「個体の詳細を開示することは規定により禁止されています」

 

「秋葉祐一だな」

 

「……個体の詳細を開示することは規定により禁止されています」

 

 尋ねるまでもなく、わかっていた。

 

「偉業、そらそうだろうな。あいつのやってきた事は偉業と呼ぶほかない。天才って呼ばれてたんだぜ」

 

 だが、祐一は死んだ。多くの命を救った天才は交通事故であっさりとこの世を去ってしまった。

 

「死んだ後まで人助けかよ。あいつらしい」

 

「こちらで行える()()作業は全て完了しました。貴女のオーダーを承ります」

 

「はぁ……このまま逝かせてくれよ。祐一も、もう逝っちまったんだろ?」

 

 確かに死ぬには早すぎたと思う。だが、それは常人の話だ。スカスカの身体、狭っ苦しい世界、保証されない明日を祈る日々。それでもできるだけ前を向いて生きてきた。

 明日を迎えたいと思えたのはこんな俺を愛してくれた人が居たからで……その存在がもう居ないことがわかってどうして明日を望めるのだろうか。

 

「特権の放棄は許可されていません。また、特定個体の詳細を開示することはできません」

 

「融通きかねぇな!おい」

 

「本来の有権者の希望により、権利を譲渡された個体は拒否権を行使できない仕様となっております。ご了承ください」

 

 『智月の考えることはお見通しだ!』とでも言われているかのような先回り具合が少し腹立たしい。

 俺の人生の殆どに雄一があった。それは逆に言えばあいつの人生の殆ども俺ということだ。あれほどの頭脳なら、あれほどのお人好しなら、俺に出会わなければもっと多くの人を助けることができただろう。

 俺の人生が祐一を縛りつけてしまった。

 

「……馬鹿」

 

 馬鹿は死ぬまで治らないというが、本当に死んでも治らなかったようだ。

 

「わかったよ。考えるからちょっと待ってくれ」

 

 思えばおかしな人生だった。広いけど狭い部屋の中で、きっと誰より幸せだった。配られた手札の中ではよくやった方だと思う。あれ以上はそう無いとすら思える。

 

 だったら、そうだな。俺じゃ出来なかったことをしよう。祐一が俺に望んだように、果てしない自由を手に入れられるような世界で生きていこう。隣にお前はいないけど、お前の夢を託されてやろう。

 

「決めたぜ」

 

「では改めてオーダーを承ります」

 

「目一杯動き回れる世界が良い」

 

「……」

 

「ばっちり頼む!」

 

「この条件は全ての世界に該当します。この場合、特権の放棄と同等の行為と見なされ、個体名:秋葉智月はこの条件を申請できません」

 

「はぁ!?んだと人の願いをなんだと思ってんだ!」

 

 良い感じの流れだったのにぶった斬りやがって。誰の願いが権利の放棄と同等だとか、こいつ舐めてんのか。

 

「あークソ。じゃあゲームだ。ゲーム。ぐわーっと動き回って、装備の多様性があって……んで、そうだな。カスタムの幅があるのもいいな。ACみたいな。でも、ACはやめてくれ。あの世界終わってるからな。命は大事にしたい」

 

「既存のゲーム作品への転生をお望みということでしょうか」

 

「違え、違えぞ。ゲームってのはそのままの意味だ。娯楽の意味でのゲームだ。それがあれば良い。あー、なんなら最悪作るから文明がそれなりにあれば良い。てか転生するにしたって知らないところが良い。ネタバレされてる人生なんて楽しくないからな」

 

「文明条件:現代〜近未来に範囲設定します。では続きまして……」

 

「結構詳細に決めるんだな。そんなんパパッとそっちで決めれないのか?」

 

「はい。倫理観、スキルの有無、肉体のパラメータの3項目の設定が必要です」

 

 神の声と共に体に纏わりついていたものが形を変えて資料になった。読め、という事だろう。資料を手に取ろうと手を伸ばす。

 

「なんだぁ読んでもねえのにっ」

 

 情報が直接刻まれる。脳みそを鷲掴みにされたような感覚で全身に鳥肌が立つ。

 

「時間短縮を望んでいたようなので、簡潔に説明させていただきました」

 

 無感情かつ無機質な声が、どこか憎らしく思えた。

 

「あーはいそうですかご丁寧にどうも!」

 

 乱暴に要望を言い渡して八つ当たりする。それでも全く意に介さないとばかりに了解しましたと簡素な返事が帰ってきた。こいつとはどうもそりが合わない!

 

 無理やり突っ込まれた知識によれば、超能力だとかサイコパワーだとかそういう特別な力の存在があるかどうか選ぶことすら出来るそうだ。どうせならそういうのがあった方が面白い。現代相当の倫理観にすればそう物騒な目に会うこともないだろう。

 

「次は……体か」

 

 MMOの振り分けのように、各パラメータに数値を振り分ける形で行う。ろくに運動出来ない環境もあって死ぬまでずっとちんちくりんだったからな。ここは成長率をグンとあげて周りの奴ら全員見下ろすくらいのナイスバディを目指すとするか。

 あと欠かせないのは免疫だ。病気になったらいくらデカくなっても意味ないし、目一杯動き回るって夢が叶えられない。

 ……振り分けポイントは、あと2つならカンストさせられるぐらい残ってるが、正直他はどうでも良いな。残ってる項目なんて、声質だとか絵心だとか所謂才能に当てはまる部分な訳で、ここに振ったらチート感あって嫌なんだよな。

 

「なんか意味なさそうな項目は……」

 

 ふと、目に留まったのは運の項目。他より消費が重く設定されている。他のパラメータを1ポイント1メモリだとして、これは1メモリ増やすために5ポイント要求されている。

 

「質問があるんだが」

 

「何なりとお申し付けください」

 

「転生した先が()()()戦場だったり、()()()家庭環境最悪だったり()()()天涯孤独になったりする事は……あるか」

 

「はい。そうなる確率は0ではありません」

 

「運のパラメータを0にした状態で転生するとどれくらいの確率で()()に見舞われるんだ」

 

「運が0となりますと、偏りなくランダムになるため、わかりかねます」

 

 なら、良いかと次の項目に目を移そうとしたとき、神らしきアホタレが続けた。

 

「ただ、地球の尺度で考えると、貴方の言う不幸に見舞われる確率は10倍ほどになるかと」

 

「必須パラメータじゃねーか!」

 

 迷わず残りのポイントを運に振り分けた。それでも全体の4割だ。

 俺は生まれついての環境というものを否定しない。これを否定するのは現実が見えていない綺麗事だとすら思う。まあ、極端な思想だと笑ってくれ。

 

「これで良い」

 

「承りました。これにて全ての条件が確定されました。該当世界13件。これまでの会話データを元に絞り込みます……表示:2件の世界」

 

 声と共に2つの窓のようなものが現れた。中を覗けば、片方は現代日本と大した変わらない風景、もう片方は何やら黒々しいモノリスの集合体が連なっている風景が広がっている。

 

 引き攣った顔でモノリスを指差す。

 

「こっちはどんな世界なんだ」

 

「人類の電脳化が進み、ほぼ全ての人類が仮想空間上で生活しています。ゲームの世界で限りない自由を目指すことができます。また、ゲームクリエイターの地位が高く。個体:秋葉智月の要望に該当する世界と算出されました」

 

「肉体の自由ねえじゃんか。まさかモノリスの中から一生出られねえってんじゃ無いだろうな」

 

「人類は終了した個体と入れ替わる形で培養槽から誕生します。誕生と共に脳を摘出し、本人が意思によって生命維持機能を停止するまで塔の中で生命活動を続けます。塔から出た人類は200年間存在していません」

 

 絶句した。上位存在との価値観の違いに。

 

「じゃ、じゃあこっちは、こっちはまともなんだろうな!」

 

「トリオンと呼ばれるエネルギーと共に独自の発展を遂げた世界です。個体:秋葉智月の世界との大きな差異は見受けられず、娯楽の質も高い特徴があります。戦う術を持たなければ誘拐される危険性がありますが、大した問題はないかと」

 

「常に誘拐される危険性があるのは十分大した問題だろうが」

 

 とはいえ、脳ぶっこぬかれてモノリスにぶち込まれるより幾分かマシだ。

 

「その、トリオンだったか。それがある世界を選ぶぜ」

 

「承りました。転生開始します。完了まで60秒」

 

 祐一。最後まで俺はお前に守られてばかりだったな。次の人生はお前に恥じないものにして見せるから、どっかで見ててくれ。

 

 長いようで短いロスタイムは終わりだ。覚悟を決めなければならんと気合を入れようとすると、また窓のようなものが出現する。何か言い忘れた事でもあるのだろうか。

 

「メッセージを再生します」

 

 瞬間、映し出されたモノを見て息が止まる。

 

『よう!智月……えっと。怒ってんだろうな〜……ごめんな。1人にして。いつかした約束、智月を旅行に連れてくってやつ。結局生きてる間には叶えられなかったけど、なんとかなったぜ!どうよ、やるって言ったらやる男だぜ俺は!』

 

 もう感極まって、生きてたら涙で何も見えなかっただろうから。不謹慎だけど死んでて良かった。もう2度と会えないと、その声も聞けないんだと思ってたから。

 

『だからさ、智月は優しいから気に病むかも知らないけど、受け取ってほしい』

 

 優しくなんかない。お前を死んだ後まで縛りたくなかっただけだ。

 

『最後に、最後だから……女々しいんだけど、聞いて欲しいんだけどさ。いや、本当に凄いことだと思うんだけどさ。俺、会ってからずっと智月のこと好きだ。死んでも変わらなかった。智月どんだけ魅力的なんだよすげえよ!!クソ!ずっと一緒に居たかった。死なせたくなんてなかった!俺が助けたかったのに、俺が先に、逝っちまって……最後に奇跡が残った。これで俺が出来る事はもう無くなった。だから、智月!俺のこと忘れてくれ!嫌……だけど!新しい恋人とか……嫌だぁ!脳が壊れる!!智月やっぱ俺(お時間です)え、待ってよ。もう終わり?言いたいことめっちゃあるんだけど!あー、リソースが減る?じゃあ早く終わらせないとじゃん!智月!俺もう行くから!幸せになって!』

 

 あっけなく。嵐のように映像はパタリと止まってしまった。まったく。祐一は昔から楽しそうに話す。今みたいに話し過ぎて院長に引きずられて行った事もあった。そんなあいつに救われたんだ。十分すぎるほど幸せだったての。なのに後悔残してんじゃねーよ馬鹿。

 

「60秒経過。強い光に備えてください」

 

 ありがとう。幸せになるよ祐一。俺もお前と一緒にいたかった。

 


 

「まさか、恩寵を他人に譲りたいだなんてワガママを言われるとは思ってもいませんでした」

 

 一人の人間の魂が、形を変えて新たな生命活動を開始する。その様子を眺める者がいた。

 

「よっぽどの事が無ければ非日常と相見えることは無いですが、それでは面白くありませんからね」

 

 限りの無い純白の中に、薄ぼんやりと浮かぶ輪郭ははっきりと笑みを携えているように見える。

 

「望み通り、目一杯動き回れる世界を選んであげました」

 

「神に、感謝するように」




どの隊に入るとか、誰と仲良くなるとか。筆者がワートリ貧者なんで、手に負えないです。それらの要望あれば勉強してきます。まあ……この作品読まれなさそー!!ワールドトリガーと神様転生モノって水と油じゃんね。

なんて事言うんだ。
アンケートで、原作キャラが登場する展開に需要があるか調べようと思います。細かく設定し過ぎた感が否めませんが、あなたの事が知りたいので協力お願いします。

読んでくれたそこのあなた。本当にありがとう。

ランク戦書く前に智月ちゃんのバックボーンとかサイドエフェクトとか装備構成全部吐いちまいそうだ。ワクワクで考えたからね。

原作キャラなど

  • 一切出さないで欲しい
  • 極力出さないで欲しい。
  • 出しても構わないが複雑。
  • 出しても良い。
  • 出来るだけ出して欲しい。
  • 出して欲しい。
  • 出せ
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