SE持ち転生オリ主妄想短編   作:ヒイラギP

2 / 3
また、入隊に漕ぎ着けられなかった……

頑張ってワートリ勉強してますが、まだまだ若輩者なので設定との齟齬があるかもしれません。気軽にご指摘ください。

カチャターヨ設定資料集。

追記:本編の時系列の関係で、元の文章だと矛盾が発生することがわかりました。その影響で年齢を一部変更します。
変更前:今年で5歳になる。→今年で8歳になる。

追記2:大幅な変更!大学ではなく病院に行ってもらう事にしました。


副作用

 色々あって新しい人生をスタートしたわけだが、どうもおかしい。見渡す一面光の粒子が漂っているし、その根源である光はどうやら人の中に流れているようだ。俺にも流れているし、親にも、そこゆく通行人にも、公園ではしゃぐ子供にも……まぁ光の多い少ないはあれど全ての人に光の線が走っている。命あるものから生み出されるもの。光の粒子……魔力的なものなのだろうか。

 

 視界に光がチラついて邪魔という以外にも、屋内など粒子が濃い場所では妙に土臭かったり、耳に近づくとコーラスみたいな音がする。口に入ると爽やかな甘みを感じる……というように五感全てがこの粒子を感じとる。

 

 生まれつきこうだってなら別に疑問はないのだろうが、生憎俺は生前の常識ってもんがある。常に五感が刺激されてるってのは相当疲れる。

 

 てか、親か。俺の親って言うと生前の親への想いもあるから複雑だな。時間が解決してくれる事を願う。この人たちは何も悪く無いのだから、嫌な思いはさせたく無い。

 

 そんな俺も今年で3歳になる。物心が付くまでは自我も無く、急に最近になって意識がはっきりした。初めて立ち上がった瞬間だろうか。ギュワッとこの世の全てが雪崩れ込んで来るような情報量に流石の俺も宇宙猫になった。

 

 ある日突然、強い自我を得た娘に、両親も困惑していた。しくじったかと思ったが、案外親というものは強いらしくそのままの俺を受け入れてくれた。

 

 受け入れてくれるってなら、せっかくこうして産まれ直した命だ。今生の両親には申し訳ないが、出来るだけ自由に生きさせてもらうぜ。もちろん悪いようにはしない。

 

 魔力チックな正体不明の光に関しては追々調べるとして、ガキは良く寝て良く食べるとするか、せっかく成長率にパラメータを振ったんだ。今のうちにタッパを稼ぐための布石を打たせていただく。

 

-------

 

 8月7日、誕生日を迎え今日で8歳になる。なんの因果か生前と同じ誕生日だ。時の流れは早いもので、俺が俺としての自我を確立してからもう5年も経った。

 それはそうと、人体に流れる光の線について、学内にあった人体に関する本を見つけて読んでみたが、光の線については何も書かれていなかった。

 

 どういうことだ。こんなに目立つもの、しかも溢れ出した光の粒子には味や音まである。そんなものをなぜ載せない。

 

 それとなくクラスのガキや先生に光について尋ねても有効な答えは得られない。禁忌に触れてはぐらかされたのか。それとも本当に知らないのか皆目見当もつかない。

 

 不審がられないように気を払っても、同じ事を聞き回っていれば噂は広まる。いつの間にか俺は不思議ちゃん認定を喰らっていた……初めての経験なんだ。2週目の人生だからって上手く行くはずが無い。

 

 どうも浮いている感が否めないが、友達がいないわけじゃない。不本意ながらキャラ立ちしている分、遊びに誘ってくるやつは多い。

 

「ちづきちゃん。なにしてるの」

 

 こんなふうにな。さて、切り替えていこう。

 

「調べ物だ」

「またやってるの?それより遊ぼうよ。ボーダーごっこみんなやるって」

「わかった。すぐ行くからちょっと待ってろ。本戻してくるから」

 

 ボーダー。半年ほど前、近界民による侵攻に抗った謎の武力集団だ。ヒーローのような存在として受け入れられている。ガキ共もボーダーに御執心だ。テレビの中の戦隊ヒーローより、現実の武闘派集団のほうがお好きらしい。ボーダーが異界のゲートを引き付けてくれているとはいえ近界民は現実に存在する脅威だ。よくもまあ呑気に遊びにできるものだ。まぁやるが。

 

 ルールは簡単で、言ってしまえば変則的なドロケイだ。ボーダー側は近界民側に対し、直接手で触れるかボールを的中させる事で無力化する事ができる。近界民はその追求から逃げ切ることが勝利条件だ。だが、これだとボーダー側が有利すぎるので近界民にも反撃の手段が用意されている。ボーダー側の投げたボールが地面に着いた後、それを拾うことで近界民側は攻撃手段を手に入れる。そうして手に入れたボールをボーダー側に的中させる事で、近界民側に寝返らせる事ができるのだ。

 

 ガキの遊びに興味はない。などとカッコつけるつもりは無い。やるなら本気だ。ボーダー役になったしても、近界民役になったとしても、一歩も引く気は無い。勝つ。ゲームは勝つのが1番楽しいんだ。

 

 奇襲、謀略なんでもありのボーダーごっこは、最早ごっことは名ばかりの多対一戦闘訓練と化した。やりすぎて、俺が1人で近界民側をやるはめになってしまったのだ。無論ボコボコに負けた。くやしい。

 

-----

 

 文献を探しても、人に聞いても光の粒子についてはわからなかった。物理的な干渉を試みようとして、叩いて落とそうとしてみたが、粒子に影響を与えることはできなかった。今の所、一方的に俺の神経を刺激するウザ粒子である。

 

 ただ、自分の中で生み出される光に関しては体の末端に集めたり、外に放出したり案外融通がきく事がわかった。だが、逆に言えばそれだけで飛ばして攻撃することも、固めて足場にする事もできない。なんなら自分の中の光を操作すると心臓の辺りが絞り尽くされたように疲れる。産まれ直してからずっと俺はこの光に翻弄され続けている。

 

-----

 

「なあ、母さん。母さんにはこれが見えないのか」

 

 ある夏の日。薄々、光が見えるのが自分だけだと気づいて来た頃。ついに我慢の限界が来た俺は、今生の母に打ち明けてしまった。

 俺と祐一の夢に付き合わせてしまった形になる以上、両親にはこっちの事情にはあまり踏み込ませず早い段階で独り立ちするつもりだった。だが、ただでさえ別の世界から来たという疎外感がある中で、自分にしか見えない光の存在。端的に言えば、孤独に耐えられなくなって味方が欲しくなったのだ。

 やはり俺は弱いな……

 

「何も見えないけど……やめてよ智月、お母さん幽霊とか怖いんだから」

 

 急に切り出した話題に顔を引き攣らせる母。試しに粒子を放出してみる。

 

「やっぱり見えないか。でも信じて欲しい。これは本当の事なんだ。ずっと前から他の人には見えない光が視界中にチラついていたんだ。今も、ずっと」

「え、っと、嘘、じゃないみたいね……」

「自分が幻を見ているんじゃ無いかとすら思った。でも、違う。肌に触れればわかる。耳に近づけば聞こえる。匂いだって……俺にとって当たり前に存在するものが、一般には存在しないものとして扱われているんだ。俺は、怖い。これがなんなのかわからないんだ」

 

 この光に悩まされてもう7年以上経つ。小学5年生になってまだ、誰もこの光の存在を分かち合える相手は現れなかった。調べても調べても、正体不明。個人で行なっていた実験も、光を垂れ流せる量が増えただけだ。背も伸びねえ。何もかもがどん詰まりだった。

 

「この事はお父さんにも相談しよう。智月、良く話してくれたね。お母さんには智月が見てるもの見えないけど……だからこそ怖かったでしょう」

 

 抱きしめられて伝わってくる温もりから、深い愛を感じる。何かと壁を作ってしまった母。それでも母にとって、俺は娘だった。

 

 電話を受け、仕事を早々に切り上げた父が帰って来た。夕飯時にちゃんと話そうと伝えたのだが、気が気でなく仕事が手につかなくなってしまい帰ってきたそうだ。

 

 俺は父に対しても同じように説明した。

 

「……聞いた内容から判断すると……いや、素人判断で結論づけようとするのは良く無いな。一度病院に行って専門的な知識を借りたほうがいいだろう。智月、いいか?」

 

 断る理由はない。もちろん承諾した。承諾したんだが……また病院か。病院に縁のある魂なのかもしれないとふと思った。

 

-----

 

 そんなこんなで家から最も近い心療内科にやってきた。まず考えるべきは幻覚、幻聴の可能性だと話し合いで決めた。

 

 俺からすればここまで長期かつ一貫性を持った幻覚はありえないのだが、俺以外の人からすればそんな事はわからないからな。

 

 受付で保険証を渡し手続きを済ませる。がらんとした印象通りそんなに待たずに済みそうだ。

 

 かくして名前を呼ばれ、問診で俺の五感に起きている異常を伝える。すると医師は幻覚でないのならばと前置きしてから、俺の異常の正体は共感覚に近しいものでは無いかと言った。

 

 共感覚とは、例えば音が色として視界に映るというような五感が互いに強く結びついている場合に起こる現状だ。

 

 その可能性を確かめるためいくつかの検査を受けることになった。

 

 視覚、聴覚などの検査を済ませたら、次は精密検査だ。採血、採尿、CTなどなど、生前嫌というほど受けて、受けすぎて慣れたメニューをこなす。

 年齢の割に落ち着いていると看護師たちに褒められたが、前世で何回やって来たと思ってやがる。こんな検査でビービー泣いてたらそっちの方が問題だ。

 

 全ての検査が終わり、結果を聞くために再度診療室に入る。そこにはPCの画面を難しそうに眺める医者の姿があった。

 

「ひとまず、お身体の方に異常はありませんでした」

 

「では視覚や聴覚の方も?」

 

「そちらなのですが──」

 

 医師が話した内容は想像の範囲を超えるものだった。

 

「ごく稀に超人的な感覚を持つ方がいます。娘さんはそれに該当するのでは無いかと。正直、この場合当院の設備では詳しいことまで解明することは出来ません。より詳しい先生がいる病院に紹介状を書くので、宜しければそちらでもう一度診て貰うというのはどうでしょうか」

 

 より適切な方法で俺のこの異常を調べてくれるなら願ったり叶ったりだ。

 

 紹介されたのは三門市にある私立病院だった。三門市には父と俺の2人で来た。母は乗り物酔いが酷い体質で、仙台からここまでの長距離を移動させるのは忍びなかった。

 

 母は着いて来ようとしたが、たかが検査のために身を危険に晒す必要は無いと父が反対したため、家に居てもらう事になった。

 

 三門市についてからというものの視界に余り光が映らない。普段通りの粒子の濃度なら、粒子から意識を逸らさなければ無視できなかったのだが、ここだと何も気にならない。

 

 三門市といえば、過去、近界民による侵攻を受けたまさにその場所だ。警戒区域と呼ばれ、立入禁止となっている東三門市には未だ痛々しい破壊痕が残っている。元いた世界ではあり得もしない非現実が襲いかかった場所。確かにここでなら何かわかるかもしれない。そう思わせるような雰囲気があった。

 

「もうすぐ着くぞ」

 

 父に声をかけられてハッとする。不覚にも考え事をしていて目的地が近づいていることに気が付かなかった。

 

 悩まされてきたこの光の正体がようやくわかる。そんな期待を胸に歩みを進めた。




(単行本のあとがきみたいなのやってみたいな)

どうも。読んでくれてありがとうございます。お疲れ様です。

ネット小説における読みやすい文量ってやはり3000〜5000なんですよね。これからも、その範囲内に収めていきたいですね。

今回は智月ちゃんのサイドエフェクトについてのお話でした。慧眼冴え渡るワ民の皆様方にはお見通しでしょうが、彼女が感じている光の正体はトリオンです。まだ、彼女はトリオンの存在を知りませんからね。くどいかなとは思ったのですが、ぼかして表記しました。

さて、ワートリ要素が出てくるまで相当時間がかかりましたが、ようやく到着しました!三門市!向かう先はボーダーでは無いですが。
次回からはボーダー!近界民!トリガー!って内容に……出来たら……うん。もう少しだけお待ちいただけると嬉しいです。申し訳ない。

というのも、智月ちゃんのサイドエフェクトなんですが詳細を詰めていくと結構強いんですよね。だからこそデメリットの側面をちゃんと描写しておかないと、都合の良い特殊能力みたいになってしまいそうで怖かったんです。
やってみてわかりました……筆者には、遅効性SF出来ない;;

そして、前話から行っているアンケートについて。思ったより原作キャラ出して欲しい派が多い。考えてみれば確かに、ワートリの魅力は世界観や設定だけではなく、えげつない深みのキャラクターも有りますからね。故に恐ろしい。ちゃんと解釈違いを起こさずに描写できるのか……
今資料集読んだり、先人の遺物を漁ったりしてキャラクターの理解を深めています!自分含め誰もが納得できるように尽力致しますのでどうぞよろしくお願いします。

あとがき、楽しい。自己満足の結晶なので、読者の皆様からすれば長すぎて迷惑かもしれませんね。ごめんなさい。でも飽きるまで続けさせて欲しいです。飽きたら辞めるんで!ね!

次回は、解き明かされる智月ちゃんのサイドエフェクトの詳細!ボーダーの暗躍!そんなお話を予定しております。お楽しみに〜!

原作キャラなど

  • 一切出さないで欲しい
  • 極力出さないで欲しい。
  • 出しても構わないが複雑。
  • 出しても良い。
  • 出来るだけ出して欲しい。
  • 出して欲しい。
  • 出せ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。