客1「ルカさまだ」
客2「あ、ルカさま〜」
麗華「はーい、みなさんこんにちはー」
私は寧々、この「フェニックスワンダーランド」のステージでパフォーマーとして活動してる。それなのに…、どうしてこのメイドさんのほうが人気あるのかしら。
客3「ねえ、またステージの大画面でゲーム大会しよう!」
麗華「今日は準備できてないから無理ですね、でもいつかやりましょう!」
寧々「いや、やらせないから!」
どうしてこうなったのかというと、きっかけは数日前のショーが原因だった。背景に映像を流す演出の予定だったのだが、背景に流れた映像はスマブラのデモ画面だった。
類「あれ!?こんなの予定になかったぞ!」
麗華「あ、ごめん!大画面でプレイしたくて、プロジェクターにゲーム機のケーブル差し込んだままでした!」
司「ちょっ、これ今回のショーで使う予定だったんだぞ!」
結局その日のステージは中止。閉園時間までeスポーツ大会となった。このことから麗華さんはショーを中断させた邪魔者扱いされるのかと思いきや、逆に私たち以上の人気者に。メイド服を着てるのに、ゲームの達人で引きこもりというギャップ。おまけにアニメやゲームに登場する"巡音ルカ"そっくりの外見からお客さんの人気を得たらしい。
寧々(ダメダメ!気持ち切り替えなきゃ!)
さて今回やるショーは、「ロミオとジュリエット」をアレンジしたような劇だ。ただ、最後にはふたりは結ばれるというハッピーエンドで幕を閉じる。いくら演技だからって、私は恋愛経験が無いからうまくできるかどうか心配だけど………。
さて本番、主役は司でヒロイン役は私だ。ここまでは順調に進んでいき、そろそろクライマックスだ。多くの困難を乗り越えた2人は結ばれて、未来へ向かい歩みだすというシーン。だが、ここであるトラブルが発生した。
寧々(………あれ?)
司(そろそろのはずなんだが…)
なんと、予定ではここで壮大なBGMが流れて幕を閉じるはずだったのに、そのBGMが流れてこない。機材のトラブルなのだろうか、いずれにせよこのままでは盛り上がりに欠けてしまう。
寧々(なんとかアドリブで繋げないと!)
そのときだった…。
♪〜
どこからか聴こえてきたのは、悲しげだけどそれでも力強さが感じられるBGMだった。
寧々(あれ、よく聴いたらこのBGM、幽々子さまのテーマだ)
ドドドド バーン
そしてところどころ効果音まで聞こえてくる。あぁ、裏で麗華さんがプレイしているんだな。表舞台に出ることは滅多に無いけれど、主人を支えるというメイドとしての最低限の心構えは持っていたようだ。そしてそれを今回の私たちだけではなく、えむや鳳家のみなさんにもやってほしいと思ったのであった。まあとにかく…。
寧々「今回は助かったわよ………」
ピチューン(やられる音)
麗華「うわぁやられちゃった!?」
寧々(縁起でもない効果音出さないでよ……)