麗華「ねえ、ねねねさん」
寧々「ねの字がひとつ多いですよ、麗華さん」
「ワシは常に正義のために戦うのだぞい!」と言い出しそうな呼ばれかただったな。今日はこの屋敷に私と麗華さんのふたりきりだ。えむはお留守だし、例の変人コンビは学校でまた問題を起こしたようだ。
麗華「あの前から思ってたのですが…」
寧々「なんですか?」
麗華「あの着ぐるみはなんですか?ほら、寧々さんをモデルにした」
ああ、ネネロボのことか。もともと私は人前に出るのが苦手で、あの子にステージに立ってもらって、私は裏で歌ってたよ。
麗華「あの子のキャラ設定とかはあるのですか?」
あれ?言われてみれば決めてなかったな。私の分身、にしては満面の笑みだし、明るくて元気なキャラクターなのかな。だったら…。
寧々「こんな感じでしゃべると思うよ〜」(高い声)
麗華「!?」
すごい驚いてる。まあ根暗な私が出すような声じゃないしな。とはいえあの子をイメージしたんだけど…。
麗華「あの寧々さん!」
寧々「はい!」
麗華「ひょっとして競走馬としてレースに出場したことありますか!?」
寧々「えっ?」
え、ちょ、なにその質問!どう答えればいいのか返答に困るんだけど!
麗華「……あ〜、聞き方がおかしかったのかな。寧々さん改めて聞きますけど、競走馬に興味がありますか?」
寧々「あ、それなら答えられる。そこまで興味があるわけじゃないですよ」
一体なんで突然こんなこと聞いたんだろう。気になるな、でも質問を質問で返すのはマナー違反だからね、だから先に「興味があるわけじゃない」と答えた。
寧々「麗華さんは馬に興味があるんですか?」
麗華「はい!とってもあります!あの子たちが一生懸命に走って競い合う姿に感動しまして!」
さっきから競い合うとか競走馬とか言ってるけど、それってまさか"競馬"なんじゃ!?まさか麗華さんにとっては、賭け事もゲームに含めているんじゃ…。
寧々「ひょっとして、競馬でお金とか賭けて…」
麗華「"ウマ娘"というゲームにハマってるんですよ!」
あ、そっちか。競走馬を擬人化したゲームだよね、私も知ってるよ。
麗華「さっきの高い声が"トウカイテイオー"というキャラクターに似ていたので、ひょっとしたら筋金入りのファンなのではと思いまして」
寧々「いや、ファンならマネできて当然というわけじゃないですよね」
今日は変人コンビが来る様子も無いし、えむも帰りは遅いのかな。というわけで私も帰るよ。
〜草薙家〜
その後、私は例のトウカイテイオーが登場するウマ娘のアニメを観た。
〜少女視聴中〜
実際に観たけれど、あの子はただ明るいだけの女の子ではなかった。ライバルがいて、憧れの存在がいて、何度もケガをするけどレースに出場することを諦めなかった。私に無いものをたくさん持っていて、観ていてうらやましくなる。
寧々「私もあの子みたいに、いやあの子以上に輝ける存在になるべきなのかな…」
翌日、学校で
寧々「ヤッホー、彰人〜、ボク寧々だよー!!」(高い声)
彰人「うおっ!?びっくりしたな、草薙か…」