類「驚くほど働かないな、彼女は…」
今日も彼女、緋桜 麗華さんはゲームばっかり。鳳家のメイドであるにも関わらず家事とかまったくしない。
麗華「あっ、類さん。いま私は"龍が如く"で男の生き様を学んでいるところです。まあ私は女なんですけど」
類「女だろうが男だろうがちょっとは働いてくれないかな。簡単なお仕事があるんだ」
こんな言い方をすると、僕は「いっしょに悪いとこをしよう」と誘っているように思われるかもしれないが…。確かに僕は変なことはするけれど悪いことはしないように心がけているんだ。そして彼女にやらせたいこととは…。
「あ、フェニーくんだ!」
「わーい、フェニーくん!」
麗華(これ、暑いわ。それに動きづらい…)
そう、いわゆる着ぐるみバイト。しゃべる必要も激しい動きもないし、普段から引きこもり気味の麗華さんにはうってつけなんじゃないかな。ただ暗黙のルールとしてそのキャラクターのイメージを崩してはいけない。それさえ守ればいいんだけど…。
麗華「類さ〜ん、あの〜」
類「なんだいれい…………、フェニーくん?」
なに堂々としゃべってるんですか!少なくともこういう場合は小声で言うものでしょ!
麗華(あの〜、スマホか携帯ゲーム機をくれませんか?お客さんが目の前にいないときは着ぐるみの中でゲームしてもいいですよね?)
類(ダメに決まってるじゃないですか!)
彰人くんと絵名さんが着ぐるみショーをしていた(第二弾 8話)けど、戸惑いながらも真面目にやっていたよ。それに比べて彼女のやる気の無さはなんなのだろう。………だったらやる気を出すようにすればいいだけだ。
類(麗華さん、みんなで楽しく遊べて勝ち負けにこだわらないゲームとか好きですか?学校とかバラエティ番組でやるやつ、いわゆるアナログゲームなんですけど…)
麗華(もちろんです)
類(これからステージに行きます。そしてお客さんたちと楽しく遊びましょう)
というわけで僕と麗華さんはステージに上がった。そして会場のみんなとゲームをすることとなった。さて、ルールはこんな感じだ。
・類と麗華がお題を出す
・会場のみんなに手をあげてもらう
・一番多く手をあげてもらった人の勝ち
じゃあ僕からいくね。そうだな……。
類「フェニックスワンダーランドが大好きだっていう人、手をあげて!」
ハーイ!
お、これはかなりの数じゃないか。だいたい9割ぐらいが好きだっていうことになる(残り1割はたいして好きじゃないのかな…)。
類「じゃあ次はフェニーくんの番!」
一体どんなことを聞くのだろうか、どうせ麗華さんのことだから「テレビゲームが好きな人」とか聞くんだろうな。
コショコショ
類「ん、なになに?"誰か尊敬できる人物がいる人"?」
ハーイ
一方麗華さんの質問にイエスと答えてくれたのは、この会場に集まってくれた半分程度のお客さんたちだった。結果としてこのゲームは僕の勝ちだけど、せっかくだしみんなは誰を尊敬しているか聞いてみよう。
類「みんなは誰を尊敬しているんだい?」
客1「パパとママ」
客2「うちのお兄ちゃん」
一歌「初音ミク!!」
ひとりだけなんか聞き覚えのある声だけど、ほとんどは周りの身近な人物だ。
類「ちなみにフェニーくんは、誰を尊敬しているんだい?」
コショコショ
類「えっ、桐ヶ谷 和人(きりがや かずと)?誰それ?」
麗華(ゲーマーにとっては有名な人なんですよ。大勢の人命を救った、………そっか本名だと分かりづらいですよね)
コショコショ
類「うんうん、"黒の剣士 キリト"」
……………予想通りと言うべきか、彼女らしいと言うべきか、ゲーマーの麗華さんが尊敬する人はゲーム関係者だった。
類「………あれ、今回の話はこれで終わり!?特にこれといってオチがあるわけでもなかった!!」