違うだろう。
確かに傲り、自らを全能と思い込み、過分に求めた彼は愚かであった。
しかし、自身の手で翼を創り、一縷の希望に賭けて行動した彼は勇気に満ち溢れていたと言えるだろう。
衆力功をなすと言う。
彼女も単独で挑むのではなく、周囲を頼るということをしていれば...と悔やんだであろう。
彼女の判断を批判する者もいただろう。
それでも私は彼女の「勇気」は尊く、決して貶されざるべきものだと信じている。
彼女の精神は既に限界を迎えていた。たかがあんなことで、と笑う者も居たことだろう。それでも彼女を知る者なら励ましたりすることはあれど、蔑むようなことは無かったのだ。
彼女はまさに太陽のような存在だった。その光は学年問わず様々な生徒を照らし、彼女らを元気づけていた。
それがこのトリニティで日々見られていた光景であり、事実であった。
■
コンコンコン......キィ......
その日、正義実現委員会本部はにわかに色めき立っていた。
あの日から陰が増し、とうとう顔を見ることが無くなってしまった彼女が今日現れたからだ。
もちろん彼女に話しかけようとした者もいた。しかし、自分以外の他人を拒絶するような雰囲気を纏う彼女を前にそれが叶うことはなかった。
さて、彼女は一体何処へ向かっていたのだろうか。
察しの良い者なら気づいているかもしれない。
そう、委員長室だ。
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「......失礼します。」
「ええと...ランか。まずは久しぶりに顔を見ることが出来て良かったよ。それで、一体どうしたんだい?」
「その...えっと...。これを......。」
「これは...!?成る程、ハスミが憂慮していたことが現実になったわけだ。まぁ、これをそのまま受理するのも簡単だけど、その前に一つ付き合って貰っても良いかな?言い方は悪くなってしまうが、引きこもっていて外に出ていなかっただろう。何、ただの気分転換として一緒に街を散歩するだけだよ。」
「...別に何でも大丈夫です......。」
そう言って委員長は私を連れ出しました。何か退部を思い止まるように説得でもするのかと疑っていましたが、別にそういうわけではないようで...。
本当にただの気分転換なのでしょうか...?
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委員長に連れられてやって来たのはあの"忌まわしい事"が起きた場所でした。
一体何故こんなところに連れてきたのでしょうか、もしかして私に何か思うところがあってここに来たのでしょうか?
「何故ここに...と言った表情をしているね。その様子だと見るべきものが見えていないね。」
見るべきもの...。
私が見るべきものは自分の失態による負の産物の筈です。それ以外に何をここで見ろと...。
「さて、一つ話をしようじゃないか。君の責任の強さはとても良いと私は思っている。だけど、それのせいで今は視野が狭まっているんだよ。
君は守りきれなかった、やりきれなかった、と考えているのだろう。その思いで苦しんできたのだろう。だが今周りが見えているかい?
普通なら街の復興という作業が十数日で終わるわけが無いんだ。それなら今ここで聞こえる声がどのような意味を持つのだろうね。
確かに君は全てを守ることは出来なかった。
それでも最後の一線を、私達が絶対に侵させてはいけない領域を、
トリニティの街並みと人々の笑顔を守りきったんだよ。
竜胆ラン、君は何も為せなかったのではない。
確かに"君が"この日常を守るという単独で挑むには余りにも困難なことを為したんだよ。」
いつまでそうしていたのでしょうか。
気付いたら、委員長の話が終わってから、その言葉を理解してから静かに涙が流れていました。
きっとあの件は私の中に呪縛のように深く根付いていたのでしょう。
それでもこのように見える形で自分の行いを肯定されたら、そんなものが小さく感じられるようになってしまいました。
今なら委員長が何故ここに"私"を連れてきたのか......いえもう暗くあるのは良くないですね。
ここに連れてきたのは"私さん"にこのようにみんなの笑顔を再び見て貰うためだったのでしょう。
ここまで私さんのために行動して貰うと、そこまで思われていた嬉しさと、少し前の自分に恥ずかしさを覚えますね...。
「その顔を見るに憑き物が晴れたようだね。君が再び明るい顔を見せてくれて良かったよ。」
「はい、委員長には何もかも見透かされているような感覚ですが、ここまで私さんのために動いてくれてありがとうございます。」
「うん、それで良いんだよ。あぁ、しかし君からとある紙を受け取っていたな。あれはどうするんだい?」
「あ゛...。それは捨てといて下さい!もちろん受理せずにですよ!あれは気の迷いだったんです!!もう辞めるなんて考えてませんからね!!!」
なんだか締まりませんが、委員長と今笑いあっているので良いでしょう!
終わり良ければすべて良しってやつです!!
と、これで終わったと思っていたのですが......。
■
「全く!!心配したんですからね!!もう二度と一人で先走るような行動はやめて下さいね!!」
「あ、はい、分かりまし「いえ分かっていません!!!
「だいたいランは去年から自分の負担をおおきくして私達に余り頼らなかったり、一人だけ危険なことを引き受けて...それで良かったかもしれませんが、私とツルギはいつも心配していたんですよ!!他にも────
「落ち着け、ハスミ。ただハスミが言っていることは全て本当だ。私もランが一人で行動する度に心配していたんだ。私やハスミのことも考えてこれからは行動してくれるな?」
「はい...。これからは無茶なことは出来るだけしないように心掛けます...。」
「出来るだけ?いえ、絶対ですよ!分かりましたか!?」
「はい!無茶は絶対しません!!!」
委員長とのお話が終わって戻ってきたら、委員長が連絡していたみたいでツルギちゃんとハスミちゃんが待ち構えていました。
その後は二人に連行されてこのように色々と言われてしまいました。
ただ二人が私さんのことをとても心配しているのだと実感して嬉しい気持ちになりました。
私さんにはこんなに優しくて思いやってくれるお友達がいるのです!
これからは"一人"ではなく"みんな"で頑張っていきます!!
■
「みんな!ラン先輩が戻ってきたっすよ!!」
「え、本当!?」
「本当だ!本物のラン先輩だよ!!」
「......えっと、これはどういう状況ですかね?」
「それは自分が一番理解しているんじゃないっすかね?」
「あ、イチカちゃんじゃないですか!助けてくれませんか!?」
「嫌っす。大人しく揉まれていてください。...私もみんなも心配していたんですからね。」
ツルギちゃんとハスミちゃんに解放されたと思ったら後輩のみんなが私さんの周りにたくさんやって来ました。
イチカちゃんに助けを求めましたが、その願いはあえなく拒否されました。
ただみんなにたくさん心配をかけたのは事実なので今はされるがままになりましょう。
少し見ない内に何だか後輩のみんなが頼もしくなったようにも見えます。
前までの私さんが何も見えていなかったことが良く分かったような気がします。
「みんな心配をかけましたね。もう大丈夫なのでこれからも"一緒"に頑張っていきましょうね!!」
「「「はい!!!」」」
一度の失敗で全てが無駄だったなんてある筈が無いのだ。
きっとこれからの彼女は大丈夫だろう。
良い仲間に恵まれ、自分の行いに誇りを持った彼女なら何があろうと乗り越えていくだろう。
......だから私のことは心配せず自分の道を進んでくれ、
ラン
これにてワカモVSラン編が終わりました!!
今のところアンケートで一緒に行くが多いのでそこで何かしら起こりそうですね...。
アンケートは二年生編の最終話を投稿した日の夜に終了する予定なのでまだどうなるかは分かりません!
投稿頻度が亀ですがいつも読んでくださる皆様ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!!
先生赴任初日にハスミと一緒に連邦生徒会に突撃させる?
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突撃させる
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させずに後でシャーレ発足を知る