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「もし6時間木を切る時間を与えられたら、そのうち4時間を私は斧を研ぐのに使うだろう」
これは仕込み斧でヴァンパイアをハントしながら同時に合衆国大統領をこなしていたという、かの有名なエ○ブラハム・リ〇カーンの言葉である(出典:リンカーン 秘密の書)
この言葉は『なまくらな斧で6時間木を叩き続けるよりも、切れ味の良い斧を使い短時間で切り倒す方が良い』
つまり、『何かを行う時は、がむしゃらにではなく賢く効率的にやるべきだ』ということを表している。
まさしく名言!流石はアメリカを救った英雄。いい言葉を残しているね。
さて、これを踏まえてマネーガールの話をしよう。
メイクデビューは6月後半に行われる。4月に入学したマネちゃんに残された時間はあまりない。
この間に自分を磨き上げ、華々しいデビューをしなければならないわけだが。
賢く効率的に自分を鍛えるとしたら、どのような行動をするべきだろうか?
ちなみにマネちゃんが取った行動は──
「あら?あなたはいつぞやの倒れてた子──
「お願いします!『レースに勝てる秘孔』を突いてください!」
「ワォ!?頼まれたのは初めてね!アタシに任せなさい!」
『
初めて治療をお願いされてウキウキの彼女は
自称超天才笹針師である彼女はトレセン学園のウマ娘に対し辻斬りならぬ辻治療をしており、
それがバレて、ウクレレを振り回す保険医に追いかけられている姿はトレセン学園の名物の一つになっている。
そんな彼女の治療は成功率こそ低いものの、成功した場合突如愛嬌がよくなったりスキルを覚えたりステータスがぐんと伸びたりなど、突然変異レベルの効果が表れる。
マネーガールはその可能性に賭けたのだ。
ちなみに
「安心してちょうだい、失敗なんかしたことないんだから!…………あなたでは」
「大丈夫です。やっちゃってください先生!」
「先生!?先生……いい響きね……。おっけーおっけー任しといて!!ブスッといくわよー!」
保健室のベッドで横になっているマネちゃんが頼んだのは『レースに勝てる秘孔』。これが成功するとスキル「直線回復◯」「コーナー回復◯」を習得できるはずだ。
スタミナ不足であるマネちゃんにはどちらも欲しいスキルだろう。……この秘孔を安定して突くことができる師匠ヤバくない?
「いでよ笹針!見つかれ秘孔!」
だが、失敗したらただでは済まない。なぜかわからないが、やる気と体力が減るのだ。
てゆーか「多分ここかな?」で人に針を刺さないでほしいよね。黒ひげ危機一髪じゃないんだからさ。
「さぁ力を抜いて~……ワォ、あんし~ん☆」
さて、マネちゃんはなぜこんな博打に挑んだのか?失敗したらデメリットもあるのは、もちろん彼女も知っている。
答えは──
キュピーン
『勝ち運』
(やった!発動した!)
成功確率を上げてくれそうなスキルを見つけたからである。
そしてそれは、珍しくマネちゃんの思った通りに働いた。
「はぅっ!」
クリティカルヒット。響き渡る痛烈な悲鳴。振り下ろされた針は幸運にも秘孔に完璧に命中。
彼女が師匠と呼ぶ人物が行う施術とほぼ同等の効果を発揮した。まさに、『ブスッと超成功!!』というような──
『ジャイロボール』を習得した。
『高速チャージ』を習得した。
『代打〇』が『代打の神様』になった。
「…………そっちかぁ」
例えるなら、くじ引きで3等の焼肉食べ放題を狙っていたら2等の1泊2日牛牧場体験コースが当たった時のような。
マネちゃんの口から出た困惑の言葉は、そんな感情が詰まっていた。
「だ、大丈夫?失敗しちゃったかしら?」
「いやぁ……成功したけど、失敗みたいな……」
「どゆこと!?」
まあ、世界がすべて思い通りになったら苦労はしないよね。
この大博打で残ってたスキルポイントほとんど使っちゃったけど、きっとどうにかなるよ。多分ね。
「なるほど、それで君はそんなに落ち込んでるってわけだ。
しかしまぁ、よくそんな不審者の治療を受ける気になったねぇ。感心するべきか、呆れるべきか……」
「初対面のタキオンさんが差し出した薬を飲み干しただけのことはありますね……。
まぁ、元気出して下さい。今コーヒーを淹れてあげますね」
「うぅ、ありがとうございます……」
「私には紅茶を頼むよ。砂糖はたっぷり、クッキーも添えてくれ」
「わかりました。コーヒー2つですね」
「まったく、聞いたかい?最近カフェは耳が遠いんだよ。困ったものだねぇ」
「あ、あはは……」
場所は移ってタキオンの研究室。
今日はここでマネちゃんのスキルについて研究する予定だったのだが。
いざやってきたマネちゃんが、しわしわのピカチュウ( ´ᾥ` )みたいな顔をしていたので急遽応急手当へと移行。
その表情はマンハッタンカフェが思わずコーヒーをご馳走するほどの威力を誇っていた。
カフェにより、マネちゃんの前に可愛らしいネコちゃんが描かれているコーヒー入りマグカップが置かれる。
その次にアグネスタキオンの前に置かれたのは注文通り、コーヒーにコーヒーをたっぷり入れて、横にコーヒーが添えられたもので。
そしてその奇怪なセットは、タキオンの手によってマネちゃんの前にそのままスライドされ、マネちゃんをえらく困惑させることに成功した。
だがカフェ特製コーヒーは華やかで香り高く、果実のような甘みと酸味が味わえるとても良質なものだった。
その香りはマネちゃんの顔を綻ばせる。そしてゆっくりとカップはマネちゃんの口に運ばれ──
「
転生して体が変われば味覚も変わる。
そんな当たり前だけど大事なことを体を張って教えてくれた彼女に、どうか盛大な生暖かい目線を送ってあげてほしい。
懸命に笑顔を作りながらも、口の端からコーヒーがちょっと垂れているマネちゃん。心なしかプルプルと震えてさえいる。
そんな彼女の口元をカフェが拭い、その隙にタキオンが角砂糖を次々カップに投入。友情お世話発生である。
「マネー君が提出してくれたスキルについての考察レポート、読ませてもらったよ。一定の条件が揃った時発動し、法則性のある効果を発揮する、と。
物理法則みたいで分かりやすくて結構じゃないか」
「……随分と上機嫌ですね」
「これまでに無いくらい興味深い研究対象が、自ら進んで協力してくれているのだよ?これを喜ばずして、何を喜ぶんだい!」
「いいですかマネーガールさん。危ないと思ったら早めに離れるんですよ。急に爆発するかもしれません」
「それはどっちかっていうとマネー君の方だよ」
「……爆発するんですか?」
「しませんよ!?」
からかうタキオン。心配するカフェ。ギャーギャー騒ぐマネちゃん。
この応急処置コンボはしわしわマネちゃんからマネちゃん(ねぶそくのすがた)に進化させた。
「さて、今日はスキルの検証実験だったね。さて、どれから始めようか」
「……危ないのは外でやってくださいね」
「あ、そうだ。先ほど増えたスキル、書き加えときますね」
「おぉ、頼むよ」
そう言いながらタキオンの視線は部屋に用意されていたホワイトボードに向けられる。
そこには以前来た時にマネちゃんが書いた、現在習得しているスキルの一覧が残っていた。
効果がわかっているスキル
・ヘッドスライディング 領域を出しヘッドスライディングをかます。
・レーザービーム ボールを速く鋭く投げられる。
・威圧感 ピリピリするオーラを出すらしい。証言者 ウララちゃん
・走塁○ 速度が上がる。
・ノビ〇 幻覚を見せるらしい。証言者 サイレンススズカさん
・一掃 なんか身体能力が上がった気がする。
・変化球 スターシェル 光るボール投げれる。薬飲んだら覚えた。
・勝ち運 自分の有利な方に確率を操作する だったらいいな。
効果不明
・お祭りウマ娘 発動したことない。なにこれ。
・ホーム突入 発動したことあるけど効果がわからない。なにこれ。
・代打〇 発動したことない 代打の神様 ←なんか進化した
・ジャイロボール new!
・高速チャージ new!
加筆修正を終えたマネちゃんは、席に戻りコーヒーを飲んだ。
だがそれは『まるでコーヒー味の砂糖』というキャッチコピーが似合うタキオン印コーヒーに進化しており、
マネちゃんはあまりの甘ったるさに噴いてしまい、カフェに再び口元を拭われる。
それを尻目にタキオンは興味深そうにスキル一覧を眺め続けた。
「フフ、時間がいくらあっても足りないねぇ。嬉しい悲鳴ってやつかな」
「随分と……オカルトじみたものもありますね。『お友達』が見えるようになるスキルもあるのでしょうか」
「探せばあるんじゃないかい?」
ちなみにホラー耐性が皆無なマネちゃんが『お友達』を目視した場合、彼女がこっそり開発していた必殺技、【死球『レーザーデッドシェル』】が火を噴くことになるだろう。
そんなスキル、存在してほしくないという思いを苦笑で隠しながらマネちゃんは口を開いた。
「いやぁ、流石にそんなスキルは──
ピカーン
看破のヒントLvが1上がった。
「……どうしました?」
「ナンデモナイデス」
これは絶対取らないようにしよう。マネちゃんはそう誓った。
「さて、今から検証実験をするわけだが、その前にマネー君」
「はい?」
「以前、これらのスキルは名前から察するに大半が野球に関係しているだろう、という話をしたと思うが。
あの時に出した宿題はちゃんとやってきたかい?」
「えぇ!ちゃんと調べてきましたよ!」
「フゥン。よろしい」
この宿題というのは、マネちゃんが野球の知識をどれくらい持っているか調べたところ、壊滅的だと判明した時に出されたものである。
どれくらい壊滅的だったかというと、ホームランの時に入る点数が毎回違うのは、ダーツのようにボールを放り込む場所によって点数が変わっていたからだと思っていたくらいである。
じゃああの走っている人達なにしてるんだろうね。鬼ごっこ?
そのためマネちゃんは図書室にて野球のルールをお勉強してきたのだった。
知識をつければ、ある程度スキルの内容を推察できるのでは?というタキオンの考えである。
今後、必ず役に立つ。そのタキオンの言葉を信じ、マネちゃんは必死に知識を取り込んだ。
その集中力たるや、目の前に座っているマックちゃんがヴィクトリーズのグッズをわざとらしくチラつかせアピールしているのにも気づかないほどである。
全く気付いてもらえず、机の上でプクーっと膨れるメジロ餅と化したマックちゃんの尊い犠牲はあったが、マネちゃんは基礎的な知識が身に着いたのであった。
「じゃあ問題だ。【代打】について私に説明してみてくれ」
「え、えーと……本来打つはずだった人とベンチにいる人を交代すること、ですかね」
「まあ、簡単に言えばそんな感じだね。さて、今ここで大事なのは『選手交代』さ」
そう言いながら口を弧のようにして笑うタキオン。
その表情を見たカフェに悪寒が走る。あの表情にはひどく見覚えがある。
あれはろくでもないことをやらかすときの顔だ。
「……待ってくださいタキオンさん!あなたまさか……!」
「ハッハッハッ!わざわざこのためにモルモット君に頼んで適当なレースを登録してもらったんだよ!?待てないねぇ!
さあマネーガール君!『代打の神様』とやらの実験、開始だよ!』
そう叫ぶと、狂気的な笑みを浮かべながらずいとマネちゃんに顔を近づける。あと少し近づけばチューしてしまいそうなくらい近いが、そこに色気は一切なかった。
劇場版タキオンくらい怖い顔にマネちゃんは圧倒され、言葉が出ない。そこにタキオンは畳みかける。
「私の名前で出走登録した葵ステークス。君に譲るよ。代わりに走ってくれないかい?」
キュピーン
『代打の神様』
「…………え?」
その効果音と文章が頭に浮かんだ瞬間、マネちゃんの表情が一変した。恐怖から驚愕、困惑へところころと。
それを見たタキオンは対照的に驚愕から喜色満面へと変わっていく。
「その顔、まさか本当に今ので発動したのかい!?ハハッこれは驚いた!しかしまいったな、どういう効果が出たのか確かめる方法が──
その瞬間、バツン!と言葉を遮るように突如テレビがつき、その場にいる全員の注目を集める。
「か、怪奇現象……!」
「すみません、今のは『お友達』が……。どうしたの?急にテレビなんてつけて……」
「どうだいマネー君、普段怪奇現象を起こす側としての感想は?」
「めっちゃ怖いですね決してわざとじゃないんですごめんなさい!」
『ニュース速報です』
そしてテレビは、先ほどのアグネスタキオンの疑問に答えるように情報を垂れ流し始めた。
『えー、前代未聞のことが起こりました。
葵ステークスに出走予定だったアグネスタキオンさんが出走を取り消し、代わりにマネーガールさんが出走するとのことです。
驚くべきことにマネーガールさんはまだデビューしておらず、未デビューのウマ娘がメイクデビュー以外のレースに出走するのは異例中の異例です。
これに対しURAは「なんか託宣がきた」などと意味不明な供述を──』
「………………嘘?」
「おやおやおやおやおや!そんなのありかい!?いやぁ、いくら何でも無茶苦茶すぎるだろう!あ、あっはははははははゲホッ」
「……笑いすぎですタキオンさん。あの、マネーガールさん、大丈夫……ですか?」
茫然自失状態になったマネちゃん。そんな彼女のポケットの中でスマホが振動を始め、マネちゃんは意識を取り戻した。
恐る恐るチラ見してみると桐生ちゃんやウララちゃん、ルナちゃんやミークパイセンなどから大量のLANEが送られてきていて。
これを見たマネちゃんはスマホに負けじと振動を開始した。
あぁ、愛に溢れる者よ。どうかこの震える子ウマにタイシンテストをしてあげてくれないだろうか。
『──さて、このマネーガールという選手。どういった選手なのでしょうか。
同じトレセン学園に所属しているゴールドシップさん。解説をお願いします』
『ご紹介ありがとうございます。ゴルシちゃんです。
えー、彼女は選抜レースにて突如上空に打ち上げられるという奇行を行っておりまして、その映像がネットやSNSで爆発的に広まり今やネットミームの一つとなっています。
かくいう私も彼女でMADを作りましてね。『車道で叫ぶ米〇玄師と一緒に宮本浩〇に撥ねられるマネーガール』っていう動画なんですけど、これがランキング1位に──』
ゴルシちゃんがニュースに出てる。ははーんさては夢だな?
そんなことを考えたマネちゃんは懸命に頬を引っ張り夢から覚めようとして。
でもいくら頬を引っ張っても痛いだけだということに気付いたマネちゃんは口を開く。
「……葵ステークスっていつやるんですか?」
「来週です……」
「来週だねぇ」
「マジですか?」
「マジです……」
「マジだねぇ」
「そうですか。…………………………どうしよぉ」
目標
葵ステークス に出走
説明
〈マネーガール〉
前世との体の違いにいまだに慣れないウマ娘。
桐生ちゃんがトレーナーになるまで最適な食事量がわからず、ウマ娘にしては明らかに少ない量の食事を摂取していた。
初めて食堂を利用した時に近くにいた女性ヒトミミトレーナーの食事量をマネしちゃったおバカさん。
身長 150㎝。 体重 今頑張って正常値に戻そうとしてる。
〈死球『レーザーデッドシェル』〉
マネちゃんが開発したスペルカード。
はたから見たら光線を発射しているように見え、その練習風景は男性トレーナー達から高評価をもらっている。
『レーザービーム』を『高速レーザー』に進化させたり『ケンカ投法』を覚えたりすると威力が上がる。
ヒトミミは一撃で葬れるだろうが多分『お友達』には当たらない。幽霊だもんね。
〈アグネスタキオン〉
この前試しに『発光する副作用』を目当てにマネちゃんにいろんな薬を飲ませまくった。
その結果『
〈マンハッタンカフェ〉
コーヒーは最初ブラックで飲んでほしい派。ダメだったら砂糖だろうがはちみーだろうが入れてもOK。
理由は、ブラックでしか知ることのできない味の深みを知ってほしいから。
でもブラックを飲んだマネちゃんの反応は面白かった。できればもう一回見たい。
〈あんしん笹針師イベント レースに勝てる秘孔 Verマネちゃん〉
成功した場合、レースで発動するスキルがランダムで2つ手に入る。
今回はクリティカルボーナスでスキルが一つ進化した。
ちなみに失敗した場合、赤特と言われているデメリット効果のスキルをランダムで入手してしまう。
赤特の例
・併殺
囲まれた時に発動。恐怖を感じ、委縮してしまう。ステータス低下。
時速60キロを出してる生物に囲まれてんだもん。そりゃ怖いよ。
・スロースターター
ゲートの中で発動。初速がめっちゃ遅くなる。どれくらいかと言うとレジギガスといい勝負するくらい。
逃げなのに追い込みの位置にいないあの子?
・ガラスのハート
心がガラスになる。言い方がきつめの子と会話したりすると十中八九泣く。
あまり強い言葉を遣うなよ……マネちゃんが泣くぞ。
今回登場したスキル
・勝ち運
自身が関係する確率的事象が発生した時に発動する。
自身に有利になる結果がでる方の確率をわずかに上げる。
効果量は僅かな為、あの博打は結構危なかったりする。ラッキー!
進化先 『勝利の星』
・看破
見えないものを見ようとしたときに発動。
見えるようになる。
わざわざ午前2時の踏切に望遠鏡を担いでいかなくても大丈夫。『お友達』だって4Kで見れるよ!
進化前 『サイン察知』
・代打の神様
他者から『代わりにレースに出ていいよ』というようなニュアンスの発言を受けた時に発動。
その人物が出るはずだったレースの出場権を、大いなる力によって得ることができる。なんてったって『代打の神様』だもんね。
この時、発言者が『本当に譲ってもいい』と思っているかどうかの判定はしっかりと行われるが、マネーガールが譲渡に同意しているかどうかの判定は行われない。貰える物は貰っとけの精神。
ランナー代わりまして、マネーガール。背番号 10。
おまけ【不審者Sはいかにしてガラガラを振るに至ったか】
1人、皆と違う子がいたんです。
入学式を終えた多くの子たちが、これから自身を待ち受けているはずの希望に満ちた未来に目を輝かせている中、彼女……マネちゃんは一人だけ違う表情をしていました。
それはまるで親とはぐれ、迷子になってしまった子供。
帰るべき場所がどこかわからなくなってしまった子の表情でした。
泣きそうな顔で周りをきょろきょろと見渡して。
でもふと表情が変わったと思ったら、今まで普通に過ごしてきたなら見慣れているはずの他の子の耳や尻尾を、興味深そうに見ているんです。
それが本当に幼い子供のようで。
不思議ですよね。普段はあんなに大人っぽい雰囲気を漂わせているのに。
その実はもっとずっと幼い子なんですよ。
それから私は、マネちゃんを見つけると目で追ってしまうようになりました。
そして、見てしまうんです。
ウララちゃんが近くにいない時の、とても寂し気な顔を。
あんまり眠れていないのか、目の下にできちゃった隈を。
ジャージに着替えるときに、ウララちゃんに手伝ってもらってる姿を。
ウマ娘にしては少なすぎる量のご飯を食べている姿を。その後案の定、お腹から鳴った愛らしい音を。
そのたびに思うんです。この子にはお母さんが必要だって。
でもいきなり「私がお母さんになってあげます」と言っても、びっくりしちゃうと思うから。
ガラガラを鳴らしながら、手を大きく広げて飛び込んでくれるのを待つことにしたんです。
もし飛び込んできてくれたその時は、いっぱい甘やかしてあげようと思います。
お母さん、ですからね。
次回はトレーニングもしくは出走予定です。
もし良ければ気長にお待ち頂けると幸いです。