2年生の学年末試験も終わり本来なら春休みを満喫してるところだが
全クラス激動の日々を過ごしている。
オレ達は一之瀬クラスに勝利し3年からはAクラスに昇進だ。
でもそれを手放しで喜んでいるクラスメイトは1人としていない・・
オレの携帯電話は休み中ずっと鳴り続けている。ほぼ既読スルー。電話も出ない
そんな中、今日は3月26日。恵と約束した映画を見に行く日だ。
前日恵にだけは連絡を取った。恵もいろいろ聞きたい事はあるようだったが無駄な事は言わず今日の約束だけをした。
ケヤキモールで待ち合わせる。恵はオレを見つけると笑顔で走って来た。
「清隆お待たせ!」
「いやそんなに待ってない。大丈夫だ。」
二人で歩きはじめると恵がちょっとだけ回り道して良い?と人気が少ない桜並木の方へ向かって行った。桜はまだ2分咲きってところだ。
周囲に人がいないことを確認して
「ねぇ清隆・・・私の事好き?」と聞いてくる
オレは今日を最後のデートにするつもりだがまだその時間ではないので
「好きだ」と答えた
恵は笑顔で抱きついて
「私も大好き・・愛してる」と
その後何事もなかったかのようにカフェでランチして映画館へ向かった
今日公開の映画で人は多かったが事前にカップルシートをリザーブしておいたので問題ない
電気が落ち暗くなり映画が始まる。恵はオレの肩に頭を預けて観ていた。途中その肩が冷たくなったのに気が付いてはいたが黙って映画を観ていた。
クライマックスに入る頃、恵が「ちょっとトイレに行ってくるね」と席を離れた。もうちょっとで映画は終わるのに・・
その後エンドロールが流れても恵は帰って来なかった。明るくなって恵が座っていた座席を見ると手紙が置かれていた。
手紙には
「清隆、途中で出て行っちゃってごめんね。
私は清隆のおかげで人生で一番楽しい日々を過ごすことが出来たよ。清隆の本当の気持ちは私にはわかってなかったのかもしれないけど・・これだけはわかるよ。きっと今日で・・・・でも私は清隆の口からその言葉はどうしても聞きたくなかったの。ごめんね。だから私から言うね!さようなら・・そして本当にありがとう、大好きでした」
まさか恵が今日が最後のデートと気が付いていたとはな。まぁ恋人として二人で過ごした時間も長いしオレの些細な変化にも気が付いたのかもしれないな。
でもこれで良い・・こっちから別れる手間が省けたしな・・
恋の終わりにはこういう形もあるとはまだまだ勉強の余地があるのかもしれないな
よし、なんにせよ今日の目的はこれで達成だ、帰るか・・・
何故か胸の奥が痛い。針で刺されるような痛みがある。
オレはどんな痛みも感じないはずなのに。 この痛みが何なのかわかる日はまだ先だと言うこともオレは知らない
翌日・・今日もずっと携帯は鳴り続けるが無視している。部屋のドアをドンドンと大きな音で叩かれ「誰だ?」と聞くと「私、佐藤だけどちょっといい?!!」と・・・恵の事だろうな。。黙っていると「恵ちゃん退学届けを出してさっき寮から出て行っちゃったんだけど、綾小路くん何か知ってる?」と
「いや、知らない。初耳だ」
「どうなってるの?」ドアの外で佐藤は泣き崩れて叫んでいた。
恵の行動には驚かされたがこれで恵の事を気にせず3年生を過ごせるんだと良い方に考える事にした。昨日感じた胸の奥の痛みがまた襲ってくる・・
堀北クラスで支えになる恵の姿を遠くから見る予定だったがこれは叶わなくなってしまったな。恵はここを出て行ってその後どうするんだろう?
そんなこと気にすることでもないのに何故か考えている自分がいる。
そろそろ桜が満開になるな。来年の桜の頃オレはどうしてるんだろう。。。
12巻を読んでから恵ちゃんが捨てられる想定の考察ばかり見受けるので恵ちゃん推しの私は悔しくて私なりの希望を込めたSSを書いてみました
きっと今はお別れだけど卒業後清隆くんが恵ちゃんをお迎えに行ってくれるはず!
初めてSSを書いたので下手っぴですがもし読んでくださる方が一人でもいると嬉しいです