【悲報】俺達の転生先、ゼムリア    作:石黒 雲水

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グランセル城、夜襲する事になりました

リベール王国 グランセル グランセル城

 

 

 

 

カンカンカンカンカンカン

 

「侵入者だーーー!!!」

 

夜のグランセル城に襲撃者の侵入を示す警鐘が鳴り響く、城内を警備する警備兵と王族親衛隊が剣を抜き慌ただしく侵入者を討ち果たさんと一斉に動き出した

 

「もう見つかったのかよ、音も出してないのに早すぎんか?どうしたらいい?カシウス」

「流石はリベール軍の中でもエリートを揃えた親衛隊と言ったところか。総員散開、各々別方向から女王陛下の部屋を狙う」

「「イエッサー」」「了解」

 

篝火に照らされた4人はバラバラに動き出す、目的は女王陛下の部屋に侵入する事だ

 

「って何で同じ方向なんだよ」

「俺達なら直進が一番早い、そういう事だ」

 

シンジ・グロウルとカシウス・ブライトの行く先に10人ほどの警備兵が立ち塞がるが

 

「「邪魔だ!!」」

 

残念ながら鎧袖一触、足を止めさせる事も無く走りながら吹っ飛ばされた

 

「って俺を盾にしてんじゃねえか、お前も少しは前に出ろよ!」

「どうせあの程度じゃ傷も付かんだろ。というかお前の筋肉を抜ける奴なんて場内にはフィリップ隊長ぐらいしかいない」

 

そのまま出会う警備兵をなぎ倒しながら城内を走り続ける

 

「女王陛下はこの空中庭園の先だ、此処で別れるぞお前は裏に回って壁を上れ」

「カシウス、お前はどうするんだ」

「正面突破に見せる為に囮役をせいぜい頑張るとするさ。本命はお前だ」

「無茶言うなよ」

 

カシウス1人になった庭園だが遠くから武骨な足音が響く、リベール軍人にその足音を知らぬ者は存在しない

 

「困った、まさかモルガン少将まで参加しているとは」

「ふん、あの小僧はともかくキサマを放置するわけなかろうが。カシウス、久しぶりの1対1だ覚悟せよ!!

 

巨大な斧槍を携えた宿将がカシウスの前に立ち塞がった

 

 

 

 

 

「侵入者1名、食堂にて捕獲しました!」

「応接室に隠れていた侵入者を捕獲しました」

「現在モルガン少将が空中庭園にてカシウス大尉と交戦中、助太刀は拒否されました」

 

「ご苦労、即座に持ち場に戻れ」

 

女王アリシア2世の居室の前ではフィリップ・ルナールが次々と送られる伝令を裁いていた

報告にあった侵入者は4人その内2名が捕獲、1名が現在交戦中。戦闘が終われば大声で勝鬨が上がるだろう

しかし、残りの一名の報告が全く上がらない状況にやきもきとさせられていた

 

「既に警備隊を突破して女王宮に侵入しているのか?だがそれなら親衛隊に見つからない筈がない。どこかに隠れたか?あの若者が隠れたままな訳が無い、必ず何処かに倒された警備兵が見つかる筈。となると我々が知らない道を進んでいる?」

 

(仮にカシウス・ブライトが親衛隊すらも知らない抜け道を知っている可能性、流石に無いでしょうな)

 

歴史あるグランセル城ならば失伝された抜け道がある可能性は否定できないが流石にこの日の為だけに隠しておくとは思えない

 

「侵入者、シンジ・グロウルを発見!女王宮の外壁にへばりついています!」

「成程、壁と来ましたか。総員に次ぐ、侵入者は女王宮の外壁だ親衛隊全戦力を持って確保せよ。さて、私も参るとしましょうか」

 

燕尾服をなびかせて剣弧は夜の庭園へと馳せた

 

 

 

「あちらです」

「おやおや、まさかこのような事になってるとは」

 

親衛隊が指で示す先には宮殿の壁にへばりついた男が一人、此度の侵入者であるシンジ・グロウルが壁のレリーフに指をかけて這い上っている最中であった

 

「銃で撃ち落しましょうか?」

「いや、銃では陛下の宮に傷がつく。弓を射かけよ、後は網を調達して引きずり落とせ」

「イエッサー」

 

即座に集められた弓兵が弓を射かけるもシンジは人とは思えない動きで壁を這いまわり外れた矢が壁に弾かれ落ちる

 

「なんだあの動きは爆速のナメクジかアイツは」

「クモみたいに這いまわりやがって」

「生命力も合わせてもはや人型のGでは?」

 

「人を不快害虫みたいに言いやがって、今度の体力訓練覚えてやがれ」

 

「「「やっべ聞こえてた」」」

 

「相変わらずの身体能力、網は届かない高さまで上がられてもはや陛下の居室は目の前ですか。我々の負けですね」

 

そのまま女王の居室のバルコニーに這い上がり

 

「夜分に失礼、警備訓練のゴール地点が此処なので入れてください」

「やれやれ、次からは扉から来てくださいね」

「シンジお疲れー」

 

女王自らの手で居室へと招かれた

 

 

 

 

「ふん、終わったようだな。カシウス、貴様の策の勝ちだが。何だその体たらくは!!

「最近、どうにも剣が窮屈でしてな。所割、スランプってやつです」

 

少し前から感じていた違和感が今回確信に変わった、今まで学び鍛えて来たリベール正規軍用剣術は自らに合わない

遠くに弾かれた愛剣を寂しげに見ながら上司からの叱責を受ける

型稽古をひたすら積んだ軍用剣術は型を壊す事を前提として作られておらずカシウスの変幻自在な戦術に剣術が対応できていない。

残念ながらスランプを打破する手段を今のカシウスには持ち合わせていなかった

 

「将軍、何時かでいいので剣の達人をリベールに招いてもらえませんか?」

「それでスランプを突破できるのか?」

「してみせますよ、此処でとどまるのは趣味じゃないので」

 

 

 

 

1:崑崙脱走者

ボーナス貰ったどー

 

 

2:名無しのゼムリア民

いや、お前リベール王国で何してんの?

 

 

3:崑崙脱走者

最近は軍の体力訓練の教官が多いけど今回はグランセル城侵入レースしてた

 

ゴールまでたどり着けたからボーナス美味しーです

 

 

4:名無しのゼムリア民

いや、そうじゃねえんだわ。何でグランセル城にカチコミかけてんのか聞きたいんだわ

 

 

5:名無しのゼムリア民

しかもカシウス・ブライトと一緒によ

 

 

6:崑崙脱走者

何かリベール会議に向けて警備訓練をやるって言われたんで襲撃犯役に立候補してみた

 

 

7:名無しのゼムリア民

成程?その襲撃役にチート親父も選ばれたと

 

 

8:崑崙脱走者

そういや、カシウスがチート親父って言われてるけど今のところ俺でもいい勝負出来るしそうでもないべ?

 

頭のキレとかじゃ負けるけど

 

 

9:名無しのゼムリア民

そりゃまだ八葉一刀流を習ってないからな

 

 

10:名無しのゼムリア民

あの人と八葉一刀流は相性が良すぎたんよ

 

 

11:名無しのゼムリア民

あと頭のキレだとお前元々エディンちゃんとライカ君にチェスで勝てないじゃねえか

 

 

12:エディン

シンジ、チェス弱いもんね

 

 

13:ライカ

ざーこざーこ

 

 

14:崑崙脱走者

仕方ないだろ。毎日、肉体の主導権を脳内チェスで決めてる2人だ。練度と必死感が違う

 

 

15:名無しのゼムリア民

必死な理由が食の好みなのがね

 

 

16:エディン

だってライカのご飯は味が薄いもん

 

 

17:ライカ

エディンだって塩っ辛いし

 

 

18:名無しのゼムリア民

此処まで真逆だと普段何食べてんのさ

 

 

19:崑崙脱走者

最近は盛り蕎麦がお気に入りらしい

 

 

20:名無しのゼムリア民

片やつゆ無くなるまでじゃぶ漬け、片や蕎麦だけで食べる。成程どっちも満足できるな

 

 

21:崑崙脱走者

流石に女王陛下の前で盛り蕎麦頼むわけにもいかんから仕事が終わってから食べる晩飯だけだけどな

 

今日は王国風のオムレツ食べさせてもらってたんだっけか

 

 

22:名無しのゼムリア民

アリシア陛下もよく預かってくれてるよな

 

 

23:名無しのゼムリア民

2人の体質について知ってるん?

 

 

24:崑崙脱走者

モルガン将軍に初めて会った時にエディンが声の大きさにビビってライカが暴走しかけた事があってな。

 

 

25:名無しのゼムリア民

よく受け入れてくれたなリベール王国

 

 

26:崑崙脱走者

事情を説明したら普通に受け入れてくれたぞ

 

将軍曰く「天使とは言え所詮幼子、幼子を恐れる軟弱者などリベール王国にはおらん。いたならばその性根を叩きなおしてくれる」らしい

 

 

27:名無しのゼムリア民

いい人なんだよなあの将軍、声が大きすぎて新兵泣き出すけど

 

 

28:名無しのゼムリア民

遊撃士嫌いもカシウス取られたせいだから声が大きいこと以外いい人なんだよ

 

 

 

 

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