【悲報】俺達の転生先、ゼムリア    作:石黒 雲水

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リベール王国到着ー 一方その頃

リベール王国 海港都市ルーアン

 

 

リベール王国に要請し用意してもらった臨時工房の中ではアンヘルと警護の軍人がホバークラフトの組み立ての為にせわしなく動いてた

 

「125番の木箱を持ってきてください、あと機械油の6番もお願いします」

「此方でしょうか?」

「何故フェリシティさんが木箱を持ってきてるのでしょうか?」

「導力ホバークラフトを組み上げる場面を見たかったのです。ご迷惑でしょうか?」

「いえ、迷惑ではないのですが……せっかくのリベール王国ですし観光などなさらないのかと思いまして」

 

白い壁の家々が太陽の光を映して輝く街並みとルビーヌ川にかかるラングランド大橋の風景はリベール王国の中でも指折りの絶景だ、市場に出れば観光客向けの導力時計も買えるだろう。

機械油と金属の匂いが籠る臨時工房にわざわざいなくても良いとアンヘルには思えてならなかった

 

「アンヘル様とご一緒ならば考えましたが、アンヘル様は来られないのでしょう?ならば此処で最新の導力技術を見学したいと思いまして」

「そういう物ですか」

「それに私の警護の為に人を借りるのも気が引けますし」

「アニス妃とキツネさんとご一緒すれば良いのでは?」

「公妃様とキツネ様とご一緒したら胃に穴が開いてしまいますよ」

 

 

 

 

一方、観光に向かったキツネとアニス妃はルーアンを満喫していた

 

「此処がリベール王国、大公様にお聞きしていたよりも美しい国ですね」

「ルーアンは海運で発展した街です、同じく海運で発展したノーザンブリアとも色々と交易を結んでいます。少し探せばノーザンブリアからやって来た物が見つかるかもしれませんよ」

 

リベール王国ではあまり見ない人種に悪目立ちしているが美しい所作から観光に来た何処かの貴族と察せられて扱われていた

 

「でも、よろしいのでしょうか?私は外交団の代表の筈なのにこのように外出してしまって」

「アンヘル技師がホバークラフトを組み上げるまでやる事も無いですし、どうせなら外に繰り出して見聞を広めましょう。というかアニス様は少々世間知らずと言わざるを得ません、公妃になったのですから箱入り娘からそろそろ卒業して頂かないと」

 

実の所、キツネには外務局の書類仕事がいくらでも残っているのだがアニス妃の護衛の名目で観光へと繰り出していた

 

「それにしても前に来た時と比べて発展の度合いが別次元ですね。流石は導力革命を引っ張った三高弟です」

「キツネ様は以前にも来られたことがあるのでしょうか?」

「前に来たのは導力革命直後でラングランド大橋もまだ無かったころです、あの頃はルビーヌ川を渡る為の渡し船がありましたね」

 

そして、渡し船の遅さに我慢が出来ずに魔法で船を暴走させたのまでがキツネの所業である。

 

「アリシア女王にお会いするのも久しぶりですねぇ、あのお転婆姫がどれだけ立派になったか楽しみです」

 

 

 

 

「よし、そこまで!!」

「ありがとうございます!」

 

メーヴェ海道ではギルムッド弟がバレスタイン大佐の指導の下で魔獣狩りの訓練を行っていた。軍人特有のスパルタ式に疲労困憊だが求めていた技術に僅かだが手が届いてた

 

「しかし私の雷神功を学びたいとは。アレはアレで消耗が激しい技術なんだが」

「それでも殴るしか出来ない俺には機動力が必要ですので」

「ふむ、それならば確かに有用な技術ではあるが…」

 

今まで多くの軍人を見て来たバレスタイン大佐には若いギルムッド弟の姿に焦りを見出していた。

 

「ふむ、焦りはあるが気骨はある。ノーザンブリアに戻ったら私の部隊に来なさい、直々に鍛えてやろう」

「ありがとうございます!!」

「キツネ様に頼まれた時は何事かと思ったが、全く将来が楽しみなる若者だ。あの方は何処から人材を探してくるのか」

 

大剣を鞘にしまってカバーで包んでいる姿にノーザンブリアの未来に期待を描いていた

 

 

 

 

 

 

 

1:ギルムッド兄弟の弟

念願の雷神功を身に着けたぞ

 

 

2:名無しのゼムリア民

 1 そう かんけいないね

 2 殺 してでも う ば い と る

→3 ゆずってくれ たのむ!!

 

 

3:名無しのゼムリア民

よっしゃ俺達にも教えてくれ

 

 

4:名無しのゼムリア民

流石、近づいてぶん殴る事に特化した弟だ

 

 

5:北国の女狐

素晴らしいですねぇ、ご褒美にさっき見つけた綺麗な虎曜石の宝石を差し上げましょう

 

ブレスレットでいいですか?

 

 

6:名無しのゼムリア民

それってディープオーカーじゃ

 

 

7:名無しのゼムリア民

封魔 封技無効の最高級アクセサリーってマジ?

 

 

8:名無しのゼムリア民

欲しいけど高すぎて手が出ない奴

 

 

9:名無しのゼムリア民

ノーザンブリアじゃそもそも売ってないと噂の

 

 

10:北国の女狐

うわぁ…何でわかるのか

 

 

11:元木馬団

キツネさん、アタシも頑張ったからご褒美ちょーだい!

 

 

12:リーヴェルト家の変人

そうだね、僕はエヴァーグリーンが欲しいかな

 

 

13:名無しのゼムリア民

お前らは何やらかしてんだよ

 

 

14:名無しのゼムリア民

今度は何殺ったんだお前ら

 

 

15:元木馬団

やらかしてないし殺ってもないって

 

技術者ニキの研究室に入ろうとした帝国のスパイがいたから洗脳しといた

 

 

16:リーヴェルト家の変人

正直、僕もドン引きしてるよ

 

 

17:北国の女狐

でかしました、ちなみに情報は?

 

 

18:元木馬団

ちょっと待ってね、今ご褒美上げてるから

 

 

19:名無しのゼムリア民

ご褒美?

 

 

20:名無しのゼムリア民

あ、コレガチ洗脳ですわ

 

 

 

 

 

 

ノーザンブリア大公国 歴史研究所

 

 

 

 

「さてと、取り合えず研究所に連れて来たけどどうするの?」

「そだね、先ずはちょっと幸せになって貰おっか」

 

薄暗く暖かい地下室には変人ことリカード・リーヴェルトと元木馬団クラール、そして目隠しと猿ぐつわを嚙まされた女性が椅子に縛り付けられていた

 

「スパイちゃん聞こえてるー?って口塞がってたら答えられないか」

「むぐっ!お前たち私にこのような事してどうなるか分かっているのか!私は大公直属」

「いや、君がスパイなのは分かりきってるよ。証拠もあるんだ、この手紙って君宛だろ?」

 

リカードの手には一通の手紙が、その紙質は帝国からの手紙である事を表していた

 

「君の下に来た手紙は僕が書いた偽物だよ、いい出来だっただろう?そして偽の指令の通りに技術局の機密研究室に現れた訳だ」

「そんな、暗号は……」

「前から5文字目の文字から20文字ずつ飛んだ場所を切り取りだろう?文章考えるの結構苦労したんだ」

「っ」

 

実際、読み取る事は簡単ではなかったが一度法則に気づいてしまえば読む事は難しくは無かった

証拠も握られ、捉えられたスパイに未来はない。女スパイは死を覚悟して仕込んだ毒を嚙み砕こうと

 

「はい、ダメー。いやー古巣も毒は奥歯に仕込んどけって教わるけど何処もおんなじなんだね」

「ぬぐ!」

 

再び口を塞がれ自害すら封じられた

 

「それじゃあ、尋問の前に幸せになって貰おっか。リラックスしてね、このお注射をチクーっと」

「むむむむんぐー」

「はい目隠しと耳栓もしますからねー、あと鼻栓も」

 

注射を打たれて初めは激しく暴れていたスパイは次第に動きを減らして最終的に一切の動きを停止した

 

「さてと、後は口の毒を取り出して。3時間ぐらい放置で」

「大丈夫?一切動かないけど」

「うん?大丈夫よ、ちょっと触覚と痛覚を無効化して脳内麻薬ドッバドバで幸せになってるだけだから」

「それダメじゃない?」

 

そのまま放置して3時間後

 

「それじゃあ、このいい具合に幸せになってるスパイちゃんの耳栓と鼻栓を取ってこの音声装置を聞かせます」

「なんの音声なんだい?」

「ノーザンブリアに忠誠を誓う音声、あとキツネさんが調合したアロマオイルを炊いてまた3時間放置しまーす」

 

そしてさらに3時間後

 

「よしよし、今度はこっちの音声装置に切り替えて、お口も開放して舌にスパイスとかハーブとか果物とかを漬けた蜂蜜を塗って」

「こっちの音声はなんだい?」

「言う事を聞いたら蜂蜜とお薬が貰えるって音声、よし、拘束も外して最後は1時間放置」

 

最後に1時間後

 

「助けて……何でもするので薬を下さい。ハチミツ下さい」

「何かバッドトリップしてない?初めて見るけどダメな奴って分かるよコレ」

「今まで幸せホルモンとか愛情ホルモンドッバドバだったのがいきなり無くなったからね、そりゃバッドトリップもするよ。さてと、それじゃあ忠誠を誓って貰おっか」

「はい、私デボラ・コランダムは帝国を脱しノーザンブリア大公国にこの命を捧げます」

「よく出来ました、それじゃあ舌を出してねー」

「あっあっあっ」

「後は独り言として定着するまで繰り返せば完成でーす」

「いやー、コレは外道の所業だ」

 

 

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