【悲報】俺達の転生先、ゼムリア    作:石黒 雲水

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リベール王国、1日だけの馬鹿騒ぎ ~9~

リベール王国 ボース市 アンセル新道

 

 

 

「っち、紫電のバレスタインがいるって事はノーザンブリアの追手か」

「悪いが、そこの民間人を保護しに来た。大人しくして貰おうか赤い星座諸君」

 

「やれやれ、こんな所でなに若いもんいじめとるんじゃ」

「民間人の保護です。流石に見て見ぬふりは出来ません」

 

猟兵団赤い星座の前にはバレスタイン大佐、リアンヌ・サンドロットの前にはユン・カーファイ。それぞれ既に獲物を抜き放ち油断なく何時でも切りかかれる構えだ

 

「紫電のバレスタイン、ノーザンブリアを代表する英雄って評価は真実のようだな、引く隙が見えねえ。仕事が台無しになり甲冑女に襲われそこに続いてこれとは厄日にも程がある」

「狂戦士の末裔にしては気弱だな。いや、任務が台無しと言ったな、人違いだと気付いていたのか」

「聞いた話じゃアンヘルって奴は20代の眼鏡らしいが帝国側の奴が連れて来たのがコレだ。仕事が雑にも程があるだろ」

「まあ、そんな事もあるさ」

 

白髪眼鏡20代のアンヘルとブロンズ眼鏡40代のノバルティス、どちらも白衣を着ているがそれ以外は似ても似つかない。

帝国側の猟兵団を襲撃して苦労して手に入れた人物が別人だったとなるとそのやるせなさは察する物があるだろう

 

「さて、我々としては其方のノバルティス氏を置いて行ってもらえればそれでいいのだがどうする?貸し1つだ」

「貸し1つで済むっつーならしゃーね、帰るぞシグムント」

「いいのかよ兄貴。目標はそこにいるんだ今からでも」

「消耗してなきゃおっぱじめたけどな。流石に疲れた、共和国には帝国の連中がバカやったって言えば文句言われんだろ。そんじゃな、アンタから仕事依頼が来たら安くしとくぜ」

 

周囲の倒れた隊員を引きずり起こし去っていく赤い星座。残されたのはノバルティスと捜索隊一行、そしてリアンヌ・サンドロットである

 

「終わりましたか。では、此方も本来の目的を果たしましょう。其方の子供を渡してください、彼女達は貴方に背負わせるには少々荷が勝ちすぎる」

「んだと?」

「何で僕たちがおばさんと行かなきゃいかないといけないのさ」

 

突然エディンとライカを渡せと言われてハイそうですかと答える訳が無い。一瞬にして安穏な雰囲気が消し飛び臨戦態勢に塗り替わる

拳を握り自然体に構えて出せる最速の準備を完了させる

 

「彼女達はD∴G教団にとって特別な存在だそうです。故に何処までも何時までも追って来るでしょう、守れますかあなたに?」

「守ってるつもりなんざねぇよ、背負ってる訳でもねぇ、一緒にいるだけだけどな、誰といるか決めるのはエディン達であんたじゃねえ。それにダチの為なら俺は戦うだけだ」

「あ、僕達友達なんだ。弟とか妹とかじゃなくて。って違う違うエディンもおばさんとは一緒に行かないって言ってるよ」

 

ライカの中でエディンも叫んでいる。DG教団を相手する事なんて今までも当たり前だったのだ、何処に行ったって変わらないならシンジと居たいと思ったのだ

 

「そうですか、仕方ありません力づくとなります。覚悟出来てますね?」

 

 

スパァン!

 

返事などする前に振りぬかれる右ストレート、戦いのゴングが鳴った

 

 

 

 

(見事な不意打ちを打つものですね、躊躇の無いひたすらに実戦を重ねた戦士の振る舞い。あり方は武人よりも猟兵に近い)

 

嵐の様に打ち込まれる拳と蹴りを捌き透かし躱して間に打ち込む剣は硬い気功で防がれる。

リアンヌ・サンドロットとシンジ・グロウルの戦いは見た目は拮抗の体を表していた、しかしその実態は全力で打ち込み続けるシンジと軽々捌くリアンヌによる一方的な消耗戦となり果てていた

普段から体力に物を言わせた消耗戦を得意とするシンジだが此処まで一方的になると疲労によって少しずつ動きが鈍くなっていく、だが緩めてしまえば回避不可の剣が振るわれる事が見えているので緩ませることが出来ずにいた

 

(クソが腕がやべえ、どっかで休み入れねえとこっちが先に限界来る。卑怯で悪いが小細工入れねえと)

 

踏み込んだ足でそのまま土を蹴り上げる、砂と違って粘性があるからこそ顔めがけて飛んでいくのだが

 

「まるで喧嘩の様ですね」

「ぐがっ」

 

相手は歴戦の古強者、飛ぶ土や石を目以外の部分で受けながら突っ込むカウンターの一撃。その一撃でシンジに膝を付かせて見せた

 

「勢いとポテンシャルはありましたが、この程度ですか」

 

(聞いちゃいたけど強すぎんだろ。油断も隙もありゃしねえ、こりゃ俺じゃ勝てねえな)

 

諦め膝を付いたふりからのアッパーすら当たらず空を切る、勝敗は決まったシンジ・グロウルの敗北であった

 

 

 

「ライカ、エディン手貸せ。アレやっぞ」

「アレって、アレ!?やったら死ぬって」

「俺だけじゃ勝てねぇ、だからやるぞ合体」

 

 

 

 

1:北国の技術者

ノバルティス確保しました、気絶してますが無傷です

 

 

2:クロスベルの技術者

やっぱ無傷じゃねえかあのおっさん

 

 

3:名無しのゼムリア民

悪運強いもんなあのおっさん

 

 

4:名無しのゼムリア民

赤い星座もいらねぇってさ

 

 

5:名無しのゼムリア民

ゼムリア随一の天才博士なんだけどなぁ

 

 

6:名無しのゼムリア民

だってノバルティスはうちもいらねぇし

 

 

7:元木馬団

人格面に難がありすぎるのも考え物だよね

 

 

8:名無しのゼムリア民

何だろう、勧誘してもいい気がしてきた

 

 

9:名無しのゼムリア民

奇遇だな俺もだ

 

 

10:北国の技術者

将来的に生体技術も欲しいので繋がりは保っててもいいとは思いますがね

 

サイコフレームとか作りたいですし

 

 

11:クロスベルの技術者

いいなソレ、アタシも研究してみっか

 

 

12:名無しのゼムリア民

ちなみに、脱走者は今どんな感じだ?

 

 

13:北国の技術者

なんかライカさんと合体しました。おかげで地脈の活性化が尋常じゃないです

 

 

14:名無しのゼムリア民

合体

 

 

15:北国の技術者

合体です

 

 

16:名無しのゼムリア民

合体か…

 

 

 

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