【悲報】俺達の転生先、ゼムリア    作:石黒 雲水

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リベール王国、1日だけの馬鹿騒ぎ ~16~

リベール王国 グランセル城

 

 

「ふむ、αOz ver69は結局思考能力や判断能力にも問題あり。やはり人を作り出すというのは難しい。錬金術師共の技術がもっと手に入れば改良も捗るのだが。まあ指示された命令をこなせただけでも良かったとするか」

 

誰もいなくなった食糧庫、アルベリヒは其処に潜伏をしていた

元々の目的であるαOzの性能試験の結果と改良点を纏めながらこれからの事を思案していた

 

「共和国のDGの連中への義理は通しておいた、コレ以上此処にいても仕方ないし帰るとしよう」

 

グランセル城の直下にある導力器で七曜脈に干渉して転移術を起動する。感応能力がある者ならば気付くだろうが無ければ気付く事すら出来ない便利な移動方法だ

 

「目標地点はエルベ離宮でいいか。便利なんだが移動距離が短いのをどうにかしなければならないな」

 

そして僅かな瞬きと共にアルベリヒは食糧庫から姿を消した

 

 

 

 

 

 

「此処は何処だ?何処かの倉庫?転移先がズレたのか?」

 

転移の先にあったのは木箱が散乱しただだっ広い何処かの倉庫であった。荒らされた形跡があるこの倉庫は間違っても目的地ではない。アルベリヒは知らぬ事であるがノーザンブリアがリベール会議の為に借りたガレージであった

其処にアルベリヒとは違う女の声が響く

 

「転移術の癖は相変わらず変わらない様子で何よりです、おかげで七曜脈に干渉して此処に連れてくる事が出来ました。さて、私が此処にいる意味分かりますよね根暗工房の工房長さん」

「さて?人違いではないかな?少なくとも貴方とは初対面の筈だが」

 

大剣を持ち出して待ち伏せていたキツネ・ノーザンブリアにしらばっくれながら戦闘態勢を整える。もしもに備えた装備は持って来ているのだ

 

「知らばっくれなくても結構です。他者の肉体に寄生してその肉体を奪い取る霊的寄生虫。その女性の体も奪い取っただけ。それじゃあ始めましょうか、踊る阿呆と見る阿呆なら踊らないと損でしょう?」

「不滅である私を阿呆とは、所詮は獣か」

「知りませんよ寄生虫風情を敬う敬意など人にも獣にも存在しませんので、さっさと終わらせて毛並みの手入れしたいのでミンチになって砕け死ね外道」

 

 

 

先制はアルベリヒによる砲撃から始まった。

導力を圧縮して発射する魔導砲、帝国と共和国の双方で研究中で未だ実戦投入された事例の無い代物である

 

「魔導砲が完成していたとは。いえ、地精の魔導技術で無理やりでっち上げた代物ですか」

「でっち上げ?人聞きが悪いな、地精向けに最適化しただけだ」

「導力の収束も発射機構も導力技術じゃなくて魔導技術、完全にでっち上げでしょうが」

 

1発2発までは様子見で回避し観察してその威力、属性、効力、過去の経験から予想して対抗策を練り上げる

 

「弾速が遅すぎます!」

 

大剣に霊力を流し込みバッティングの様に飛んで来る砲弾を打ち返す。打ち返された砲弾は誰にも当たる事無くガレージの壁を吹っ飛ばした

 

「力技とは所詮は獣、優雅ではない」

「ええ、獣の道理は力と適応力の勝負。故に強いのですよ」

 

大剣の重みを感じさせない素早い身のこなしで一瞬で肉薄する。無造作だが人を砕くには十分すぎる一振りはアルベリヒの眼鏡を吹っ飛ばした

 

「躱し損ねたか」

「反応に肉体が付いて来てませんね、所詮は借り物の肉体と言ったところでしょうか」

「生憎、戦闘能力で肉体を選ぶほど野蛮ではないのでね」

「それでも状況に対応するのが人の道理でしょう、見せなさいな私に対応する為の秘密道具を」

 

危機的状況にも隠さない余裕にまだ何か切り札を隠し持っていると予想してどのような飛び道具であろうと避けれるように体制を整えて呼吸を整えるが

 

「導力器起動、アイシクルエッジ」

「!?」

「おや、避けないのか?ご自慢の尻尾に傷が付いたじゃないか、それとも避けれなかったかな?」

 

突如放たれた氷の刃を避ける事が出来ずに想定外のダメージを受けてしまう。苦手な属性ではないが過去に体験したことが無かったアーツに動揺が隠せない

 

「さっきまでの余裕はどうした?隙が出来たぞ」

「っ!反応が遅れて」

「知らぬ物に驚いてそのスペックを生かせない、随分と獣らしくなった」

 

立て続けに撃ち込まれる砲撃で片足が傷付き今まで速さすら維持できなくなってしまった

 

「戦術導力器、確かエプスタイン財団で研究中の試作品ですか。本当に他所の技術を盗むのお好きですね」

「何、獣除けだよ。流石の君でも知らぬ物には適応出来ないだろう?さて、足を失った獣の末路は単純だ」

「ええ、足を失った獣は死あるのみ。獣の道理ですね」

 

片足立ちで大剣を支えとして立っているが先程までの戦闘能力は望めない。対するアルベリヒは眼鏡が吹っ飛んだだけで未だ無傷。

 

「では、コレからは人の道理で対応させて見せましょうか」

「何?」

「狐術 狐火、燃えなさいな」

 

キツネの口から放出された業火は周囲の木箱を巻き込んでガレージを焼き尽くしていく。業火に当てられた床は真っ赤に赤熱し焼けた木箱の煙が周囲に充満していく

 

「水には火だとでも?結局は力技ではないか」

「いいえ?まだありますよ狐術 激流砲。出力過剰はお許しくださいまし」

 

赤熱した床に水が掛かり即座に蒸発、水蒸気爆発がアルベリヒに襲い掛かった

 

「っく!前が見えん」

「さっきまでの余裕はどうしましたか?隙ありです」

 

片足で跳び掛かり胸元に叩き込んだ拳、体制が悪く支えの利かない手打ちであったが人の肋骨をへし折るには十分だった

 

「っカハ!ッグバ!」

「あばらが肺に刺さりましたか。決着ですかね」

「まだだ、導力器起動。導力器起動、何故起動しない!?」

「言ったでしょう?人の道理で対応すると、便利そうなので頂きました」

 

キツネの手には青いクォーツの付いた導力器、拳を叩きこんだ際に懐からくすねた代物であった

 

「さて、魔導砲も頂きましょうか。いいですねぇ、殴れば殴るだけ便利な物が出てくる。貴方の存在価値が見つかりましたよ」

「っく!殺せ!」

「言われなくとも、もう目ぼしい物もありませんし」

 

そして、大剣で振り上げて

 

「イヤッ!!死にたくないッ!!!殺さないでッ!!!」

 

先程とは正反対の命乞いに大剣を収めた

 

「この感じ、精神だけ逃げやがりましたか」

「助けて下さい、私まだ死にたくないよぅ」

「取り合えず拘束しときますか。さっきの火事でリベール兵も来るでしょうし治療は彼らに任せましょう」

 

口から血を吐き出しながら命乞いをする地精の娘を縛り上げてやって来たリベール兵へと引き渡した

 

 

 

 

 

 

 

1:北国の女狐

えー、アルベリヒの精神体には逃げられましたがちゃんとボコりましたよ

 

 

2:名無しのゼムリア民

お疲れ!

 

 

3:名無しのゼムリア民

戦術殻無しのアルベリヒどんなもんだった?俺達でも相手できそう?

 

 

4:北国の女狐

私が片足負傷で考えてみて下さいな

 

 

5:名無しのゼムリア民

 

 

6:名無しのゼムリア民

やはり化け物じゃったか

 

 

7:名無しのゼムリア民

まあ、腐っても地精のトップ。下手しなくても化け物じゃろ

 

 

8:名無しのゼムリア民

腐ってもというか腐れ果てた上で更に存在が摩耗したような奴だけど化け物なんだよなぁ

 

 

9:北国の女狐

ちなみにボコった報酬も頂きましたよ

 

 

10:名無しのゼムリア民

お、なんか手に入りました?

 

 

11:名無しのゼムリア民

黒の工房だしOzシリーズの何かかな?

 

 

12:北国の女狐

喜べ野郎ども、念願の戦術導力器を手に入れました。ちゃんとクォーツ付きです

 

あと一応、魔導砲も

 

 

13:名無しのゼムリア民

しゃっ!俺達の軌跡シリーズ始まった!!

 

 

14:名無しのゼムリア民

コレで俺達も魔法が使える!!

 

 

15:名無しのゼムリア民

ステータスアップも出来るぜ

 

 

16:名無しのゼムリア民

さあ量産するんだ!

 

 

17:北国の技術者

仕事追加ですか。そうですか

 

 

18:崑崙脱走者

よくわからんが魔法の杖みたいなもんか?

 

 

19:名無しのゼムリア民

戦術導力器は一般人でも魔法を使えるようになる軌跡シリーズ最重要アイテムなんだ

 

 

20:名無しのゼムリア民

まあ、個人ごとに適正はあるけどな

 

 

21:名無しのゼムリア民

絶望の3ライン3‐2‐1、もう物理で殴るしかない

 

 

22:名無しのゼムリア民

逆に最強は1ライン6 、魔法適正の塊でしかない

 

 

23:ギルムッド兄弟の兄

ま、量産されるのを楽しみにしようや

 

 

24:北国の女狐

ちなみに、クォーツはまだ1個しか装着できませんよ

 

 

25:名無しのゼムリア民

量産すべきか悩ましい

 

 

 

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