【悲報】俺達の転生先、ゼムリア    作:石黒 雲水

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馬鹿騒ぎを終えて(悪巧み編)

リベール王国 グランセル

 

 

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛ああああぁぁぁぁぁ」

「うるさいですね。あと少しで入れ墨が済みますから我慢してくださいな」

 

薄暗い牢獄、石造りの硬い床で女がうつ伏せでキツネによって組み敷かれていた。組み敷かれているのはシシー・コランダム。昨日まで黒のアルベリヒの器とされていた女だ

 

「さて、あとは目を入れてと尻尾は私と同じ1本にしておきましょうか」

「う、うぅ」

 

シシーの背には大きく妖しい色の無い狐の入れ墨が彫られており、針が刺さる度に痛みに体を震わせてその震える体をキツネが力ずくで押さえつける。既に掘り始めてから4時間が経っておりシシーとキツネのどちらも疲弊していた

 

「コレで今日は終わりです。あー、つっかれた」

「ハァハァハァ」

 

口に詰められた猿ぐつわを外して背中に布をかぶせてやる。部屋の隅で壺に汲んでおいた水を頭から水浴びをして汗で湿った服を新しく着替えて今日の施術は終了だ

 

「足も痛いし、明日は誰かに手伝ってって思いましたけど今連れてきてるの男ばかりです」

 

こういう時に呼び出せそうな人間は今頃ノーザンブリアで黒のアルベリヒを尋問中、残念ながらそれ以外は皆男だ

 

「にしてもシシー・コランダムですか。確かノーザンブリアで捕まったのがデボラ・コランダム。姉妹でしょうかね?」

「お姉ちゃん……知っているんですか?」

「おや、もう口がきけますか、割と拷問染みた施術だった筈ですが。デボラ・コランダムでしたら私の部下が捕まえています。命やケガに関しては心配しなくても拷問はしてませんよ」

 

床で伸びていたシシーがゆっくりと体を起こしかぶせられた布を体に纏わせてそのままフラフラと立ち上がる。

 

「工房長はお姉ちゃんは抜けてるから何時か捕まると思ってました。だから私は帝国軍にお姉ちゃんを入れたのに何で」

「大公様直属の所まで潜入しておいて抜けてるは無いでしょう。少なくとも間抜けに潜入されるほどノーザンブリアの防諜は柔じゃありません」

「でも捕まったんですよね」

「捕まえた僕が言うのもなんだけど、アレはお姉さんの責任じゃないよ」

「男性禁止の筈ですが何で入って来てるのですか貴方は」

 

やって来たのはリカード・リーヴェルト、昨日の事件で剣は没収されている

 

「君のお姉さんが捕まった理由は帝国からの指示書のせいだよ。コレでも帝国人だからね、生まれてからずっと使っていた紙質には目が効くんだ」

「リカード・リーヴェルト。貴方がノーザンブリアに居たのですか。だからお姉ちゃんは」

「僕から見て君のお姉さんのミスは僕が作った指示書に従ったぐらいしかないかな。それ以外は間違いなくミスが無かったよ」

 

(黒の工房に認知されて私が知らない実力者って何者ですかこの男)

 

「キツネさん、そろそろ頼まれたお使いに行きたいから剣返してくれないかな?流石に素手だとその辺のチンピラに毛が生えたような物だよ僕」

「はいはい、コレが私の部屋の金庫の鍵です。変に騒ぎは起こさない様にお願いします」

「ま、抜くような事が起きない事をエイドスに祈ってるよ」

 

そう言って鍵を片手に去っていく。リカードの気配が周囲から完全に消えてキツネもそろそろ用事が無くなったと去ろうとする

 

「ソレでは今日はこの辺で。リベール王国に交渉して貴方をノーザンブリアに連れて行きますので覚悟しといてくださいな。あと、その入れ墨は黒色ゴキブリ避けの呪いですので下手な事をしない事をおススメします」

「ノーザンブリアに…お姉ちゃんにまた会える」

「帰ったら姉の方にも入れ墨しないと。仕事が多すぎますねぇ」

 

現在、キツネがノーザンブリアに戻ってから終わらせなければならない仕事は多い。その事に辟易しながら足を庇いながら牢獄を後にした

 

 

 

 

 

1:北国の女狐

足痛い、腰痛い、疲れた

 

 

2:名無しのゼムリア民

お疲れ様です

 

 

3:名無しのゼムリア民

足腰労わってもろて

 

 

4:崑崙脱走者

まあ、流石に若くないって事で

 

 

5:北国の女狐

若くはないけど老いても無いです。帰ったら覚悟してくださいませ

 

 

6:名無しのゼムリア民

何故自分から地獄に突っ走るのかこの馬鹿は

 

 

7:エディン

シンジ、流石に馬鹿だと思う

 

 

8:ライカ

さっきリアンヌさんにも叱られたじゃん

 

 

9:崑崙脱走者

合流したら按摩やるので勘弁してください

 

 

10:名無しのゼムリア民

コイツの馬鹿力で按摩とか骨砕けるだろ

 

 

11:名無しのゼムリア民

流石に其処まで馬鹿じゃないって言いきれん

 

 

12:北国の女狐

崑崙流の按摩ですか。久しぶりに受けてもいいですかね

 

 

13:名無しのゼムリア民

あ、受けるんだ

 

 

14:名無しのゼムリア民

まあ、キツネさんだし大丈夫でしょ多分

 

 

15:北国の女狐

帰ったら仕事が山盛りですからね、今のうちに少しでも疲れを癒しとかないと

 

 

16:名無しのゼムリア民

今、キツネさんがやらないといけない仕事って

 

 

17:名無しのゼムリア民

グレート・ノーザンブリア号建造計画、外務局の書類、ノーザンブリアグループスの進行、北西一路。

 

どれも重い

 

 

18:北国の女狐

並べないでください、頭痛くなるので

 

 

19:名無しのゼムリア民

ギルムッド兄がノーザンブリアグループス関係と北西一路のサポートは出来るけど他はキツネさんしか出来ないっすね

 

 

20:名無しのゼムリア民

特にグレート・ノーザンブリア号建造に関してはマジでキツネさん以外に介入できないから

 

 

21:北国の女狐

おまけにアルベリヒ避けの入れ墨をスパイちゃんとシシーに施さないといけないので更に仕事がドン

 

やんなりますねホント

 

 

22:名無しのゼムリア民

あ、憑依対策できるんだ

 

 

23:北国の女狐

正体が分かってたら対策の方向性は分かりますし100年有れば何とかなりました

 

 

24:名無しのゼムリア民

因みに理屈は?

 

 

25:北国の女狐

1つの肉体に複数の魂が入らない様に仮想の魂で飽和させました

 

 

26:名無しのゼムリア民

あ、この技術は

 

 

27:北国の女狐

勿論、以前潰したDG由来です。まあ、魂関係は妖狐の専門なので

 

 

28:名無しのゼムリア民

ですよねー

 

 

29:名無しのゼムリア民

まさか連中の技術が此処で活躍するのか…

 

 

30:名無しのゼムリア民

まあ、魂とか精神とか神秘とかは教会以外だとDGが一番進んでるし

 

 

31:名無しのゼムリア民

無駄な技術って無いんやな

 

 

 

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