エレボニア帝国 ラマール州 グレイボーン連峰 地下
「ゲート超えて歩いて5秒、此処が黒の工房です。いいね、マッドな香りがするじゃん」
「バカやってないで早よ始めようや、ワシ早く上がりたいんやけど」
「なんか用事あるん?ならアタシからキツネさんに言っとくけど」
「今日の大公賞(秋)が当たれば万馬なんや」
「馬かー」
金属製の床にパイプが張り巡らされた壁、何を作ってるのかわからないが何かを作っている制作ライン。古より存在する帝国の闇である黒の工房、その総本山でノーザンブリアから派遣された2名は緊張感もなく歩いていた
「それにしても、なんか珍しいメンバーじゃない?」
強固な防衛機構が存在しているらしい黒の工房。その場所への侵入である為万が一と相性を考えて実力者を2人1組で派遣する事となった
「キツネさん、共和国に出張やからな。他のメンツも色々と仕事しとるのとアンタ1人やとやり過ぎるかもわからんのと生物以外の敵が出てくるかもしれんゆうて非正規のワシが派遣されたんや」
「信用ないなーアタシ」
生物兵器や化学兵器を主とする では万が一非生物の兵器が相手となった場合に不利を受ける。その相性を考え相方には元従騎士である実家教会ことウォーレン・ウォードがあてがわれたのである
「ある意味信用はされとるんちゃう?少なくとも対生物以外はからっきしやろ、大事にされとるやんけ」
「まぁ、エルロイ兄貴みたいに毒物で非生物相手に出来る腕は無いけどさ」
「そう思うなら素直に守られときや、ほれもう防衛の連中お出でなすったで」
指で示した先には防衛機構なのであろう数多の異形の人型が蠢いていた
「さてと何なんやコイツ、此処で作られた新手の魔獣かいな?にしては気配も変やし顔から生えとる手足は人間のもんやし」
無数の人の手足が人とは全く異なる場所から生えた人とは思えない異形、その姿は人の領域を軽々と超えておりホラー作品の怪物と言われても納得がいく物であった
「多分だけど試作品かな?出来損ないって呼んでもいいけど」
「試作品やと?!」
「そっ、人型にすらならなかった試作型Oz。人間を作るなんて一発で成功する訳ないっしょ」
「そういう事かいな。ワシ人は殺さんと決めとるし、どないしたもんか」
「コレも人扱いするんだ…… 仕方ないしウチがやるかな、不殺の人に殺しはさせられんし」
腰に下げた金属ケースから注射器を取り出して
「とっておきのSクラフトって奴?見せちゃおっかな♪バイオハザード・カースパラサイト♪うわー、終わったら火葬して消滅させないと」
打ち込まれた寄生虫、寄生しなければ生きていけないが寄生した相手を即死させる矛盾した生命がその身に貯めこまれた呪いを解き放ち人型の肉塊を死亡させた
「何や?今のは」
「蠱毒で作った寄生虫、生きた人間を壺に見立てて中にいっぱい詰め込んだ殺し合わせた生き残り、予想だともう少し弱毒だったんだけどね。うーん、ちょっとヤバすぎて没かな?」
「存在ごと抹消せんかい、そんなもん」
「言われんくても完成したのはコレだけ~、それじゃ焼却処理も終わったし行こっか」
「あぁ、ちょっと待ってくれや」
懐から聖書と十字架を取り出して祈る。この者の魂が少しでも救われるようにと
「女神よ、彼の者の魂を輪廻の渦に導き下され。彼の者には次が必要です。次生まれてきたら色んな人に喜ばれて美味いもん食って日の光の元で生きるんやで」
「へぇ、神職者っぽい所あんじゃん」
「ま、伊達に毎朝礼拝堂の掃除は欠かしとらんよ」
「その辺の礼拝堂を勝手に掃除する都市伝説の正体お前かーい」
「そんじゃ今度こそ行こっか」
「ああ、さっさとこんな所おさらばしたいわ。アルベリヒあいつホンマにクソやな」
「それはすまないね、うちの工房長は基本外道だから許してほしいな」
そこには作業着を着た恰幅の良い帝国人が巨大な人型を後ろに侍らせて2人を待ち受けていた
1:元木馬団
ごめーん!黒の工房に魔煌兵居るんだけどどうしたらいい?
2:名無しのゼムリア民
逃げろ、マジで逃げろ
3:名無しのゼムリア民
あれは生物ですらないからお前の天敵やんけ
4:元木馬団
(ノ∀`)アチャー
5:名無しのゼムリア民
軽いな!!
6:名無しのゼムリア民
まあ、こいつなら絶対生き残りそうではあるけど
7:名無しのゼムリア民
教会ニキがどうなるかなんよな
8:実家教会
わしの事なら心配いらへんで、人間やないならどうにかなる
9:名無しのゼムリア民
どうにかってどうすんの?
10:名無しのゼムリア民
魔煌兵って暗黒時代に作られた兵器やぞ、俺たちレベルでどうにかなんのか?
11:実家教会
モーニングスター、暁の星。意味する物は明けの明星、即ちルシファー
な?強そうやろ?
12:名無しのゼムリア民
確かに強そう。でも強そうじゃダメなんだわ
13:名無しのゼムリア民
まあ、何かしら策があるんだろ。任せとこうぜ
14:実家教会
よっしゃ、騎士団のモーニングスター術見せたるで!
15:元木馬団
じゃ!アタシはその辺物色して帰るんで!任せた!
16:実家教会
お前も戦わんかい!
「おや、派手な見た目の彼女は逃げたけど君は逃げないのですね」
「ま、アイツは非生物が苦手やしな。そのデカブツぐらいワシ一人で十分や」
モーニングスターを肩に背負い
「そんじゃ名乗ろうとしようか。元従騎士ウォーレン・ウォードや」
「地精の一人、青銅のジョージだよ」
「いざ、潰しあおうで!」
モーニングスターを振りかぶり魔煌兵へと殴り掛かった