【悲報】俺達の転生先、ゼムリア    作:石黒 雲水

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黒月との交渉で凄い嫌がらせをされた件について

カルバード共和国 煌都ラングポート

 

 

「お初にお目にかかる、ルゥ家家長ギエン・ルゥという」

「ノーザンブリア外務局臨時局長、キツネ・ノーザンブリアです。今日はありがとうございます。相変わらず東方のお茶は美味しいですねぇ、茶菓子の月餅も見事です出来ればもう一杯頂きたい物です」

「我等が出した茶を躊躇なく飲み終えるとは余程の好物と見えますな。帰りに土産として茶葉をお渡しいたす」

「ありがたいですね、北国では中々東方の茶葉は手に入らない物なので。紅茶も良いのですが東方生まれとしてはやはり東方製のお茶が1番舌に合いますとも」

 

共和国の中でも異彩を放つ東方造りの屋敷、赤を基調とした堅牢かつ豪勢な一室。部屋に招かれ席について早々に出された茶と月餅を食べ終えたキツネはおかわりの催促と共に挨拶を終えた

その後、工場の建設地の確認や規模、従業員の居住地や港の使用権利等を確認して一段落を付ける事になった

 

「ところで龍車の出来はどうでしょう?せっかくトラックを提供したのです、私としてはとても気になります」

 

話しは毎年行われる祭りと目玉である龍車に移る。今までは龍車と言えば豪華な山車の様な物であったが今年は違う、ノーザンブリアが提供した導力トラックを加工した巨大かつ華美な最新技術をテーマとした物となっている

 

「やれやれ、あの龍車で我々の忠誠を試したのじゃろう?」

「おや、分かって頂いて助かります。龍車はお披露目後売るのが決まり。技術惜しさに売らずに手元に残していたならば信用できずに切ってましたとも。ルゥ家の方々は自分達で決めた決まりを守られる方々なようで結構ですよ」

 

導力トラックは現状ではゼムリア大陸において限られた勢力しか持たない技術である。龍車にせず手元に置いておきたいと思う者も出てくるであろう

故に送られた導力トラックはノーザンブリアとの約束を果たさず黒月の掟を守らず私欲に走る勢力を暴き出す為の踏み絵でもあった

 

「ふん、抜け道まで用意しおって。おかげでルゥ家総出でアレを分解再構成する羽目になったわ」

「抜け道にも気付かれましたか確かに分解して再構成するならば縛りにはかかりません。それにしてもリバースエンジニアリング出来たのですね。流石は黒月です」

 

 

 

「さて、それでは本題に入りましょう。黒月の銀行からの融資を申し込みます」

「融資、ノーザンブリアという国はそんな物が必要とは思えないが。何を考えておる」

 

元々ラングポートに来た理由は塩の杭事変後に訪れる大恐慌、その前に共和国内に経営基盤を作る、その為の下地造りである。

黒月側には適当な理由を付けて融資を申請して繋がりを作り工場を建造加速させる、今回の会談はその為に行われている

 

「単純に挨拶ですよ。ミラの切れ目が縁の切れ目、ならばそちらからミラを借りている限り縁は続くというだけです」

「その縁とやらがどの様な繋がりとなるか。少なくとも我等の利とならねば話にならない」

「慎重も度が過ぎれば停滞となりますよ、急速に文化が進むこの時代に停滞する事は退化と同義です」

「進む先にも色々ある。例えば貴様らと手を組まずに共和国全体に根を広げていくのも進む先の1つ。ソレを上回る利を説いてもらおうか」

「そうですねぇ、最近調子に乗っているルゥ家の目の上のたんこぶを切り落とす事なら楽に出来ますよ」

「リー家の事か。確かに近年の伸びは著しい。じゃが、奴等が何かしでかしたなら我らの掟で裁けばいい。手出しは無用」

 

現在、黒月の長老家において最も幅を利かせているのはリー家であった。彼等は外部の勢力との関係を重視して莫大なミラを稼ぎ黒月内における重職を買い取る事で勢力を大幅に拡大して行った

 

「リベール王国で大公妃様を襲撃しようとした犯人はリー家ではないかと読んでいますが。どうです?そこの所は」

「他家の企みなど知った事ではない、そう言っておこうか」

「謙虚ですねぇ、黒月内の企みについて最も詳しいのは貴方でしょうに」

「最も知見を持つ者が万物に精通しているとは限らないじゃろう?」

「まあ、道理ですね。仕方ありません、この話しは終わりとしましょう」

 

「まあそうじゃのう、これ以上の詮索は互いに無用か。さてと今晩はルゥ家の用意した部屋に滞在するのであろう?ノーザンブリア大公国との友好を願う宴を用意してあるのでな、是非とも楽しんで貰いたい」

「嬉しいですねぇ、その土地に根付いた美食こそ外遊の美。存分に楽しませて貰いますとも」

 

 

 

1:北国の女狐

ふざけんな!ギエン・ルゥ!!

 

 

2:元木馬団

うわ、なんかめっちゃ荒れてる。暗殺でも食らった?

 

 

3:名無しのゼムリア民

いや、黒月の凶手に暗殺されたらキツネさん死んでるだろ…

 

死ぬよね?流石に

 

 

4:北国の女狐

あー、気持ち悪いです。油断したら戻しそう

 

 

5:元木馬団

毒?キツネさん耐性あったと思うんだけど

 

 

6:北国の女狐

最後の三不粘が胃からの上辺りまで出てきて……ウッ

 

 

7:元木馬団

うーん、コレはもしや。食べ過ぎ?

 

 

8:名無しのゼムリア民

まあ、毒だったら積極的に戻すだろうし。

 

 

9:北国の女狐

可笑しいと思ったんです、華美な会場に美男美女を揃えた踊り子。音楽や香も最高級の物を揃えてそこまでやるかと思ってました

 

 

10:名無しのゼムリア民

めっちゃ歓迎されてて草

 

 

11:名無しのゼムリア民

まあ、そんだけ歓迎されてたら料理の量も凄い事になるか

 

 

12:北国の女狐

私1人に満漢全席出してくるとかバカじゃないの!ソレも一皿一人分サイズで!

 

 

13:名無しのゼムリア民

あ、これ歓迎のフリしてメッチャ嫌がらせしてる。そこまでされたら残せないわ

 

 

14:名無しのゼムリア民

でもギエン・ルゥも食べたんだよね?

 

 

15:北国の女狐

あの小僧、最近は食が細くなったとか抜かして毒味程度しか食べなかったんです

 

 

16:名無しのゼムリア民

小僧呼びwww

 

 

17:名無しのゼムリア民

マジで俺達がノーザンブリアに来てから過去一でダメージ受けてない?

 

 

18:名無しのゼムリア民

アルベリヒに足を負傷された時ですらここまででは無かったな

 

 

19:北国の女狐

戦いの負傷は慣れてるんです……隠れて部屋を抜け出して胃薬買ってきます

 

 

20:名無しのゼムリア民

本来3日かけて食べる量を短時間で食わされてトドメに三不粘か、鬼だな

 

 

21:名無しのゼムリア民

三不粘、油の量とんでもないもんな

 

 

22:名無しのゼムリア民

普通に食べても胃にもたれるんだよアレ

 

 

23:北国の女狐

クソぅ、部屋の周りに凶手共が護衛兼監視してやがります。抜け出す隙が見つかりません

 

 

24:名無しのゼムリア民

なんつうか流石はギエン・ルゥ、キツネさんをここまで追い詰めるとはな

 

 

25:北国の女狐

あ、もう。オロロロロ

 

 

 

 

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