【悲報】俺達の転生先、ゼムリア    作:石黒 雲水

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ハミルトン博士にドン引きされました、ヨヨヨ

カルバード共和国 工学都市バーゼル

 

 

 

「何考えてたらこんな所に都市を建てようと考えますかね?本当に」

 

周囲を山々に囲まれて街の中央には渓谷が走っている余りにも奇妙な都市バーゼル、最先端技術を研究するバーゼル理科大学に熟練の職人が日夜その技術を高め続けている職人街、共和国最大の巨大技術メーカーグループであるヴェルヌ社を抱えるこの街はカルバード共和国における技術分野の最重要地点である

 

「共和国の歴史に技術者の脱走防止の必要性とかありませんし。逆か?技術があったからこの場所に都市を建てようと考えたのでしょうか?技術者や科学者の考える事はよくわかりませんね」

 

 

「今が午前10時、博士と約束した14時までまだまだ時間がありますし。ふむ、職人街でも観光に行きましょうか」

 

「でしたらコチラの来賓用の身分証を持って行って下さい、コレがあれば渓谷を超えるためのロープウェイに乗れるようになりますので」

「……なんでいるのです?ラトーヤ・ハミルトン博士」

 

キツネの背後に何時の間にか来ていた白衣を着た妙齢の女性、導力革命を起こしたエプスタイン博士の3人の弟子の1人であるラトーヤ・ハミルトン博士である

 

「ヴェルヌ本社にて少々打ち合わせがありまして、終わって外に出たところ聞いていた外見と一致していた方が観光に向かおうとしていましたので。余計なお世話ではなかったと思うのですが」

「まあ橋を渡って崖に設置された階段を上る事を思うと天と地ほど労力が違いますね」

 

差し出された身分証を首からかける、これでわざわざ橋を渡って崖を上る必要が無くなり移動が数段楽になった

 

「それよりもです、コレからお時間ありますか?どうせですし元々の予定を前倒ししたいのですが」

「1時間程でよければ可能ですが。それで終わる話ではないのでしょう?」

「そうですね本題の技術協力の話ならば終わりません。仕方ないですしコレの話しでもしましょうか」

 

キツネの懐から取り出された真新しい導力器、その姿を見た瞬間ハミルトン博士の顔色に分かりやすく焦りの表情が浮かび上がった

 

「コレをどこで?」

「私コレでも歴史研究所の所長を務める程度には遺跡好きでして、霊脈筋を利用して各地の遺跡に飛んでいるのですよ。その遺跡の一つで見つけた物です」

「成る程、しかし何故コレを此処に持ってきたのですか?ノーザンブリア大公国にはアンヘルという若い天才が生まれたと聞きましたが」

「ええ、勿論アンヘル技師の元にも持っていきましたとも。彼曰く間違いなく三高弟クラスの天才の所業との事でしたので。貴女ですよね?このとんでも導力器を作り出したのは。ちょっとだけお話し聞かせてもらいます?」

 

 

 

 

 

「まさか御自宅に案内していただけるとは、歓迎に感謝します」

「キツネという言葉が比喩でないとは思いませんでしたよ」

「だって雌のキツネですし」

 

バーゼルにおける職人街の一角、ラトーヤ・ハミルトンの自宅はその中でも奥まった場所に建てられていた。最近建てられたのであろう一軒家の中には様々な導力家電が備え付けられており家主の先進性が見て取れた

 

「では早速聞きましょうか。この導力器は俗にいう『終わり』の対策ではないかと考えていますがどうですか?」

「最後の時についてもご存じなのですね」

「コレは歴史分野というよりも民俗学に近いのですがね。ゼムリア大陸各地の民族には『終わり』や『終末』、『滅び』という出来事が伝えられている事が多いです、七曜教会にもそれにちなんだ言葉が残されています。そこから考えた結果、女神の残した七つの至宝が関わっているそう考えていますが間違ってないのでしょう?」

 

実際は転生前の知識だがこの際関係は無い、ゼムリア大陸各地にその様な言葉が残っており様々な文献に示されている事は事実だからだ

 

「ただ私が知っている至宝ではこの世界を終わらせる様な事は出来ません。2つの至宝の力を持つ鋼の至宝が完全体になったとしても出来ないでしょう。それほどの物なのですか?時を司る至宝というのは」

「終わらせるというのは適切ではありません、正確に言うならば始まりに戻すと言った方が正しいでしょう」

「ゼムリア大陸の時を戻す。世界はループしているがループ内に生きている人間はその事に気付かない訳ですか」

 

 

「貴方ならば予想はしているのでしょうがエプスタイン先生は刻の至宝に辿り着いていました、そして私は先生の意思を継いでカルバードという地に背負わされた役目を果たさなければなりません。どうか、どうか七曜教会には内密にお願いします」

「かまいませんよ。どうせ私が裏でやってることが教会に知られたら外法になりかねませんから」

「!それは!」

「お互いこれ以上詮索は控えましょう。罪を犯しても守りたい物がある、それでいいではないですか」

 

 

 

 

22:北国の女狐

というわけでハミルトン博士との協力関係構築完了です

 

 

23:名無しのゼムリア民

そうかな?そうかも?

 

 

24:名無しのゼムリア民

協力というより脅迫では?

 

 

25:北国の女狐

コチラにも弱みがある事を示唆したのですから一蓮托生、共犯関係です

 

共犯関係の縁は硬いですよ

 

 

26:名無しのゼムリア民

ちなみに知られたら外法認定されそうな事って何?心当たりがむっちゃあるんだけど

 

 

27:名無しのゼムリア民

元教団員に対する人体実験の数々に各国工作員を洗脳、違法猟兵団を文字通り根切り

 

被害が表に出てないだけで外法認定されてもおかしくないな

 

 

28:名無しのゼムリア民

大体危険物組のせいではある

 

 

29:元木馬団

え?ダメなの?どうせ死刑なんだし有効活用しようよ

 

 

30:北国の女狐

ダメではありませんしもっと有益な物を作っても構いませんよ

 

 

31:元木馬団

よっしゃ言質貰った

 

 

32:名無しのゼムリア民

うーん、相変わらず甘い

 

 

33:名無しのゼムリア民

で?結局何が外法認定されそうなん?

 

 

34:北国の女狐

地下研究室で植物用病原菌が作られてましてね

 

 

35:名無しのゼムリア民

やっぱコイツの仕業じゃねえか……

 

 

36:名無しのゼムリア民

植物用病原菌って何考えてたらそんな物作るんだよ

 

 

37:元木馬団

え?甘い物が食べたかったから小麦の糖分を茎に集める細菌作ったんだけど

 

感染した植物が数日後に枯れるのは予想外だったかな

 

 

38:名無しのゼムリア民

無邪気な感性から作成されるクソみたいなバイオ兵器

 

 

39:名無しのゼムリア民

ちなみに感染方法は?

 

 

40:元木馬団

え?体内に病原菌を持った虫が齧ったら感染するけど

 

 

41:名無しのゼムリア民

完全にアウト

 

 

42:北国の女狐

せめて感染制御が簡単に出来るなら表に出すのですけどねぇ、さすがに没です

 

 

43:名無しのゼムリア民

ちなみに何で焼却処分してないの?

 

 

44:元木馬団

現在進行形で改良中だから

 

 

45:名無しのゼムリア民

計画そのものを廃棄してくんない?

 

 

46:元木馬団

絶対にやーだ

 

 

 

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