【悲報】俺達の転生先、ゼムリア    作:石黒 雲水

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キャプテンクロスベル/ザ・ファースト・ヒーロー

クロスベル自治州 クロスベル市

 

 

『聞こえてるか?ディーター』

「とてもクリアに聞こえてるさ、通信機の進歩というのは凄まじいね」

 

クロスベル市には日に当たりにくい裏通りが存在する。バーや意味ありげな骨董品屋が並ぶ闇の最奥に巨大な商会が存在した、その真上を光学迷彩を起動した金属の塊が浮遊していた

 

『そんじゃ最終戦闘試験の内容のおさらいだ、まず光学迷彩を起動したまま上空から商会の正面玄関に降り立つで光学迷彩を解除してルバーチェ商会に突っ込んで目に付くチンピラ共を全員殴り飛ばして帰る、以上だ』

「クロスベルを蝕む悪党にこの鉄拳を打ち込めるだけでもありがたいが、コレでクロスベルが変わるのかい?」

『変わる訳ねーだろ、こんなもん場当たり的対処でしかねーよ。けど、なるんだろ?クロスベルを導くキャプテンに』

「そうだったね。そうだ、私はキャプテン・クロスベルだ、では行くぞ」

 

重い金属音を響かせて着地というよりも落下し光学迷彩の解除と共にボイスチェンジャーを起動、光る双眸がルバーチェ商会の見張り番を睨みつけた

 

「こんな夜分にすまないねルバーチェ商会のチンピラ諸君、大した理由の無い暴力を君達に振るわせてもらおう」

「何だコイツ、音と現れ方が可笑しかった気が」

「ぼさっとしてんじゃねぇよどう見ても敵だろ、何処の誰かは知らねぇがこのクロスベルで俺達を敵に回す意味が分かってねえみてえだな?ぁあ!!」

「やれやれ、まだ現れただけで何もしていないというのに、所詮はチンピラのようだ」

「「「野郎オブクラッシャァァァァァ!!!!」」

 

そんな感じで勃発した戦いであったが勝敗はあまりにも一方的に決まった、ゼムリアストーン製の装甲にダメージを与える事が出来る武器がルバーチェ商会に存在しなかったためである

素人の動きだがスーツのパワーアシストと装甲によるゴリ押しにより玄関とフロントには気絶したチンピラが山の様に積まれていた

 

「フロントの制圧は完了した、次は2階に進もう」

『待て、2時の方向の壁を叩いてみろ。そこだけ何かおかしい』

「壁をかい?分かったやってみよう」

 

言われるがまま指定された壁に全力でこぶしを振り抜く、するとその部分だけ奥に空間があったのだろう壁に腕が肩まで突き刺さった

 

「成程隠し部屋か、隠す様な何かがあるという事か」

『大抵の罠は効かねえけど注意しろよ』

「了解した」

 

そのまま壁を掘り抜いて人が通れる程度の穴を作り出す、隠し部屋の奥は暗く光一つ入らなさそうな暗闇が広がっていた

そして外からの光が中に閉じ込められていた1人の女性を照らし出した

 

「ごめんなさい、ごめんなさい。もう逃げたりしないから、此処から出してよぅ」

 

閉じ込められて暴行もされたのだろう鋼鉄の男に恐怖して泣きじゃくる女性にディーターは見覚えがあった

 

「大丈夫だ、もう大丈夫。助けに来たのだ、だから安心して欲しい」

『誰だ?』

「確かクロスベル通信社で記者をやっていた、名前は確かそうだリユ・ロン。どうして此処に」

『記者ね、なら見ちゃマジィ事でも見ちまったんだろ。ちょうどいいや、戦術導力器のテストやってみろ』

「戦術導力器、アーツという物を使う道具だったか。分かった、戦術導力器起動、ティア!」

 

手の甲に仕込まれた戦術導力器が起動、青い光がリユの体を僅かに包み込みその体についた傷を癒していく。ボロボロになった服までは治らなかったが体についた傷は治ったように見えた

 

「リユ記者、足は動くかな?動くならば此処を出てクロスベル警察まで逃げるのだ、アソコならば貴女を保護してくれるだろう」

「でも絶対に追ってくる。此処の連中は絶対に諦めない」

「大丈夫、私がこの鋼の身体で諦めさせて見せよう」

 

スーツの頑丈さをアピールするように落ちてた銃を自らに発射する、当然その装甲には傷すらつかない。その姿に安心したのかリユはルバーチェ商会を逃げ出して行政区画へと走り去っていくのであった

 

「さて、実戦テストが本当に実戦になってしまったが。彼女を追わせはしない、覚悟して貰おうかルバーチェ商会の諸君」

『どうせ全員ボコって帰る予定だったんだ、やる事は変わんねえよ』

「リユ記者を諦めるまでこの鉄拳で交渉させていただく」

 

翌朝、ルバーチェ商会に出勤してきた幹部が見た物は会長室で顔が変形する程に殴られた会長の姿であった

 

 

 

5:クロスベルの技術者

そんな感じで圧勝だった

 

 

6:名無しのゼムリア民

色々聞きたい事が多くてどっから問いただせばいいか分かんねえよ

 

 

7:名無しのゼムリア民

とりあえずキャプテンクロスベルってなんだよ、どう見てもアイ〇ンマンじゃねえか

 

 

8:クロスベルの技術者

アタシもメタ〇マンとかにしようと思ったんだけどディーターがクロスベルを導くキャプテンになりたいとか言い出してそうなった

 

 

9:名無しのゼムリア民

いやメ〇ルマンの方がもっとダメだろ、いやキャプテンクロスベルもダメなんだけどさ

 

 

10:クロスベルの技術者

本当に申し訳ない

 

 

11:名無しのゼムリア民

何というかコレが将来的にプレジデントクロスベルになるんだって分かるわ

 

 

12:名無しのゼムリア民

まあ俺達からしたらなってもらわないと困るんだが

 

 

13:クロスベルの技術者

悪い奴じゃないんだよな本当に、クソ真面目だし自分に出来る事は全力だし

 

 

14:名無しのゼムリア民

そうなんだよ、だからやらかしたんだよ……

 

 

15:名無しのゼムリア民

不条理に耐えられる奴ならああはならないんだよ……

 

 

16:名無しのゼムリア民

DG教団を生み出した一族出身なのに凄い善人なんだよ

 

 

17:名無しのゼムリア民

属性は恐らく混沌・善

 

 

18:名無しのゼムリア民

そういやコイツに戦術導力器が渡った訳だけどDG教団に流れない?大丈夫?

 

 

19:クロスベルの技術者

どうせうちの戦術導力器は黒の工房からパクって来た奴だし今更だろ

 

 

20:名無しのゼムリア民

そういやそうだった普及してないだけでアイツらの物だった

 

 

21:名無しのゼムリア民

水属性にしたのは回復アーツの為か、確かに合理的だな

 

 

22:クロスベルの技術者

後は火災現場でスーツを冷やす為だな、あんな金属スーツで火災現場に行って要救助者に触れたら酷い事になる

 

 

23:名無しのゼムリア民

まあ熱せられた焼きごてみたいなもんだもんな

 

 

24:名無しのゼムリア民

大やけど不可避、じゃなくて火傷させない為に水属性にしたのね

 

 

25:クロスベルの技術者

ちなみに右手の戦術導力器がティアで左手がアクアブリードが設定してある

 

 

26:名無しのゼムリア民

俺達には無いんですか!

 

 

27:リーヴェルト家の変人

現在進行形で持ち帰ってるよ

 

 

28:クロスベルの技術者

そういう事だからもうちょっと我慢しろ

 

 

29:名無しのゼムリア民

やったー!ついにアーツ解禁だ!!

 

 

 

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