【悲報】俺達の転生先、ゼムリア    作:石黒 雲水

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とある師弟の再会【前編】

ノーザンブリア大公国 とある小さな村の教会

 

 

 

普段神父がいない辺境の小さな村の小さな教会、日曜学校すら行われず村の人々が女神に祈るだけの教会で珍しく神父によるミサが行われた

巡回神父、常駐する神父のいない教会の為に各地を巡る七曜教会に選ばれた武闘派とも呼べる神父である

傭兵の様な肉体を清廉な神父服で包み聖書をそらんじる、そんな神父は村の人達からもすぐに受け入れられた

 

「ノーザンブリア大公国に来るのは久しぶりだがこれほどまで道が整備されるとは、巡回を行う身からしたらありがたい限りではあるがこれ程までに急激な変化がおきれば何処かに歪みが出るのではないか?」

「それが海の方の町から色々と流れてくるようになったおかげでうちみたいな田舎でも他の国の物が買えるようになってね港町も景気がいいらしいの。そこのお店の看板新しいでしょ、何でもリベール王国っていう遠くの国で取れた木を使ってるらしいわよ」

 

村唯一の雑貨屋、大きく古い建物に比べて小さいが新しい看板は確かに北国ではなく南方に生える木の質感を残していた

道が整備された恩恵は辺境の村にまで及んでいるのである

 

「リベール王国の木とはまた何とも長い旅をしたものよ。それを知ると新しいが何とも言えない風情が見えてくるな」

「うちも行商人さんからエイドス様の小さな木像を買ったのよ。ソレがコレ、持ち歩きやすくて奇麗だったから買っちゃったのよね」

「女神の像を売買するのはどうかと思うが見なかった事にしておこう……少しその木像を見せてくれぬか?」

「いいですよ、誰が作ったか作者は不明ですがきっと名のある彫刻師の方が作ったんだと思います」

 

気になったので女性の持つ女神像を受け取り光に当てて観察する、神父の手のひらに乗る大きさの見事な出来栄えの木像にアルテリア法国を抜けた問題児を思い出した

 

「ふむ……丁寧に磨かれてささくれ1つ立っていない研磨剤で磨いたのだろう、ソレにこの質感は蜜蝋か細かなところに出る癖…コレを作ったのは奴か」

「神父様の知っている方なのですか?」

「弟子の中でも最も優秀で最も問題児だった奴です。手先が器用でよくエイドス様の像を掘っていましてな、この像はその1つでしょう。大事にすればきっと良いことが起きましょう」

 

不殺を掲げて飲む打つを行う不良神父でありながら毎朝の礼拝堂の掃除は誰よりも丁寧に行い、宵越しのミラを持たないと言いながら貧しい子供達集めて教会の前で商売を立ち上げる

問題を起こすが起こした問題は巡りに巡って教会の為となる、そんな問題児にグンター・バルクホルンは手を焼きながらも弟子として教え導いた物である

 

「そうですか、大事にしますね。それではそろそろ息子が隣村から帰って来るのでお暇させていただきます」

「ではご婦人に女神の加護がありますように」

「神父様も女神の加護がありますように」

「さてとそろそろ行くとするか、大公を訪ねるべきかソレとも噂のアンヘル博士とやらに直接会いに行くべきか猊下は守護獣を頼れと言っておったが。道すがら決めるとしようか」

 

もしかしたらバカ弟子がノーザンブリアに滞在しているかもしれないと思いながらも先ずは己に課された仕事をしようとグンター・バルクホルンは辺境の村を立ち去った

 

そして公都までの道すがら訪れた村々で問題児の作った女神像を複数発見、バカ弟子がノーザンブリアに滞在している確証を得る、そして

 

「げーッ!!バルクホルン先生!!!」

「エイドス様の像を売り払うとは何をやっているか!!たわけ!!!」

 

訪れた歴史研究所にて見つけたバカ弟子の頭に渾身の拳骨を振り下ろすのであった

 

 

 

1:実家教会

何でバルクホルン先生がノーザンブリアにおんねん……

 

 

2:名無しのゼムリア民

いやー、説教される教会ニキで酒が美味い

 

 

3:名無しのゼムリア民

自作のエイドス像売って儲けてたのがバレたんだろ残等じゃねえか

 

 

4:実家教会

あの人のゲンコツ、気功乗せてるから頭だけじゃなくて足腰に来るんよ

 

 

5:名無しのゼムリア民

他の奴には気功までは乗せねえんじゃねえかなぁ、つまりはお前は目をかけられてる訳だ

 

 

6:実家教会

いらんわいそんな目の掛け方

 

 

7:名無しのゼムリア民

そういや教会ニキは崑崙流は使えるん?一応弟子みたいだけど

 

 

8:実家教会

使えるわけないやろあんなけったいな武術、突きは重量級なのに蹴り技はアクロバットダンスやぞ

 

 

9:崑崙脱走者

まあそうね

 

 

10:名無しのゼムリア民

一応使い手のはずの脱走者が同意してる……

 

 

11:実家教会

片手で逆立ちしながら蹴り上げる技とかあるんやけどそんなんで威力出るわけないやん、先生の奴だと2階ぐらいの高さまで吹っ飛ばされるけど

 

 

12:崑崙脱走者

そんな事するくらいなら普通に殴るわ

 

 

13:名無しのゼムリア民

おい崑崙流の使い手

 

 

14:崑崙脱走者

最近気付いたんだ、崩拳さえあれば攻撃面は大丈夫だって

 

 

15:名無しのゼムリア民

鉄砕刃しか使えないギルムッド弟みたいな事言い始めた

 

 

16:名無しのゼムリア民

本人がいいんならいいんじゃね?

 

 

17:名無しのゼムリア民

そういや教会ニキはどういう経緯でグンター・バルクホルンに弟子入りしたん?

 

 

18:実家教会

別に大したことないわ、ワシがガキの頃にマフィアと揉めた時に助けてもらってな。そのまま愚連隊共々騎士団いりしたんや

 

 

19:名無しのゼムリア民

愚連隊?

 

 

20:実家教会

スラムの孤児集めて商売やっとったんや、金持ちの地区を掃除したり木削って小物作って街角で売ったりしてミラ貯めてようやく店が買えると思ったらマフィア共に目つけられたんよ

 

そんで負け確の戦争勃発って時に助けてもらった

 

 

21:名無しのゼムリア民

そしてお前は星杯騎士団に入団と……

 

 

22:実家教会

ま、騎士団も悪い所やなかったからな。ワシが嫌いなのは僧兵庁の出しゃばり連中やし

 

 

23:名無しのゼムリア民

何でそんな僧兵庁嫌いなん?何かされた訳でもなさそうだけど

 

 

24:実家教会

いや、アイツら他所様の土地で普通に殺しやるやん。何なら情状酌量の余地ありでも何も躊躇わずに殺すし、まともな騎士団の連中なら関わらんて

 

 

25:名無しのゼムリア民

まあ、そうね……

 

 

26:名無しのゼムリア民

アイツら取りあえず殺してから考えようだもんな……

 

 

27:名無しのゼムリア民

思考回路が聖職者のソレじゃなさすぎるんよ

 

 

28:実家教会

ま、アイツらに比べたら聖書暗記して毎日礼拝堂掃除しとるワシの方がよっぽど聖職者やっとる

 

 

29:名無しのゼムリア民

自作の女神像を売り飛ばしたりよそ様の礼拝堂に侵入して勝手に掃除してる妖怪以下って終わってんな僧兵庁

 

 

 

 

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