トラ転した俺がステカセキングになって数日、初のファイトは大敗の星であった。
リベンジを胸に今はカモフラージュで回復を図るステカセを車に積んだ四人組は一体!?
誤字報告助かりますの、修正しました
「さぁさぁこっちへおいで!? 大丈夫痛くしないからね、むしろ前より調子が良くなる筈だから!!」
「来るんじゃねぇこのイカれ女ぁ!! それ以上近づくならタダじゃおかねーぞ!?」
「つまりは君の機能を全て見せてくれるってことかい? もう録画準備は出来てるよ!? さぁやってくれ今すぐに!!」
「無敵かコイツゥーーッ!?」
少なくとも一名ヤベェのがいるらしい。
デッドエンドブッチャーに負け無様に逃げ出したステカセキングは、布を使い建材などに紛れ回復を図った。
しかし目を覚まして意識を取り戻したオレは今、置かれていた材木や機材の山に隠れている。その理由は。
「お〜〜〜〜い、どこにいるんだい? 大丈夫、何も怖く無いさ。ただちょっとキミの中身や材質や性能何かを調べるだけだから〜!」
「(それのどこが安心出来るんだよオイ! テメーの目ん玉ヤベェくらいにキマってんぞ鏡見てこ「ここかな?」ヒいっ!?)」
「………おかしいな、ここだった気がするんだけど…」
目覚めたらヤベー女に追い回されてる件について、ちょっとこの手の状況に詳しい奴を寄越してくれ早急に!!
何処隠れても一瞬でドンピシャ近いとこを探すもんだから心臓イッテェのなんの。ふざけんなばかやろー……。
「いや女だから
「見つけた!!」
「ギャアアアァァァァア!!!!!?」
「ああんもう待っておくれよぉー!!」
ドドドドッ!!!!と鬼ごっこを再びする事約一時間後、ステカセとゴーグル女はタンコブを作り正座していた。
目の前に立つ
「オイ今舐めたこと考えたか?」
「No Sir!!」
「んだその返事は……まぁ良い、グレースもいい加減落ち着け。確かに珍しいタイプの機械人なのは分かるがよ」
「いやぁ、すまないねクレタ。つい興奮してしまって」
「ケケッ、ついで追い回される側になれよお前」
「それはキミが私を追いかけてくれるって事で良いのかい!? よしなら今から「やめろって言ってんだろグレース、お前もそんな身構えんな」
いや無理。口に出そうになったのを何とか堪えて座り直す。
この女いつもこうなの?という視線を投げつければ、目を逸される。
そんな時、ガチャリと部屋のドアが開き作業着を着た大きな熊とヤンキー風な男が入ってくる。
「すんません社長、遅れました」
「やっぱり結構な騒ぎになってる。落ち着くまで時間がかかりそうだ」
「おう、とりあえずは挨拶からだな。アタシは白祇重工社長のクレタ・ベロボーグだ。でこっちがお前を直した技術開発主任のグレース」
「やあ、カセットくん。グレース・ハワードだよ」
「財務担当のベン」
「ベン・ビガーだ。よろしく頼む」
「現場監督のアンドー」
「アンドー・イワノフ、よろしくな!」
右から順に名乗られ、ついでに名刺を貰う。結構カッコいいロゴの入った名刺を見て、なかなかお洒落な連中のようだと思った。
「んで、お前は……っても、もうだいぶ情報が出回ってんだがな」
「あ? 何だ。情報って何のことだよ?」
訳が分からないという様子で首を傾げるステカセキングに、クレタはベンを呼び持っていた画面を見させる様に指示する。
その画面に映って居たのは……
『「
自身があの憎っくきアンチクショウの腹をラリアットでブン殴っている場面だった。
「ハァ!? ど、なんで画面にオレさまが!? いいや、んな事はどうでも良いが、これ何処まで撮られて……」
「ご丁寧にハンマー投げされた所までだな」
「ケッカーーーーッ!!!!!!」
ドンガラガッシャンと恥ずかしさと情け無さに転げ回るステカセをだからうるせえ落ち着け!と蹴り飛ばした。
つまりは隠し撮りをされていたのだ、しかもボロ負けしたところも。
「で、本題はこの映像がこの新エリー都中に広がった訳だが、大丈夫か?」
「ウッス」
「にしてもすげぇなお前! 普通あそこで殴りに行くか!? 特にあの抱え投げた瞬間、胸が熱くなったぜ!」
「ウッス」
「アンドー、今はやめてあげてくれ。心へのダメージがデカくて話し方がおかしくなってる」
ベンと呼ばれた熊は、返事が「ウッス」以外しなくなったステカセを見て、その心中を察した。
哀れステカセキング、初対面の熊に気を遣われる悪魔超人の出来上がりである。
「話進まねえからスルーすんぞ。まぁコレ見た奴らが今、お前を探し回ってるんだが、なんでかわかるか?」
「ケッ、知らねーよチビゴボォッ!!?」
「その理由がテメェの変身能力にあるんだよ馬鹿野郎!」
哀れステカセキング、初対面の背の低い社長に蹴り飛ばされる悪魔超人が爆誕した。いやまぁ身長の話は本人のコンプレックスなので、今回はステカセが悪いとも言える。
「続けんぞ。でお前のこの姿だが、他にもあんのか?」
「おうよ、このミラクルランドセルの中にあるカセットを読み込めば少なくとも千人くらいには変身できるぜ!」
「おおっー!!!」
「ケッケッケ〜のケ〜ケッ!」
こいつチョロいな、さっきまで追い回されてた癖に……。しかしそこは白祇重工の社長クレタは、あえて何も言わなかった。気遣いの出来る子だった。
「(………………………………ん? そういや……)おい」
「ケケ、なんだ?」
「いや、名前聞いてねぇなって」
「……そういや名乗ってねぇな」
こう、ノリと勢いが地味についていたのとクレタの「情報が出回ってる」発言に、ステカセ自身も名乗っているものだとばかり思っていた。
改めて名乗ると、白祇重工メンバーからクエスチョンマークが飛び出ていた。
ので、詳しく説明したところで
「カセットプレーヤーが機械人になった!? 本当に!!!?」
白祇重工が誇る技術開発主任、グレース・ハワードである。
すかさずベンとアンドーがスクラムを組み、突撃するグレースを押さえ込む。
とはいえジリジリと押し込まれているわけで、ステカセに辿り着くまで数分もないだろう。
その後、話が進まねぇだろうが!とブチギレ起こしたクレタからの怒号が飛んでくるのは言うまでもなく、とばっちりがステカセにも行くのだった。
ちなみに話し合いはクレタの説教が続き進まなかった。
そんなこんなで白祇重工にお世話になる事が決まったステカセキングは、今は鉄筋コンクリートや重機の代わりになる仕事をしている。
もちろん工事ボンプのゴアンゼン達はともかく他の人間となるとやはりステカセの情報が漏れ出る危険性もあり、ほとんど関わりが無い。
だからってゴアンゼンのコスプレしたって誤魔化せると考えたバカは何処の馬鹿だこの野郎?
しかし愛らしく、また可愛らしいボンプ達から力持ちだのカッコいいだのと尊敬されるのはちょっと嬉しい。
そう。
「テメェが居なけりゃ作業も早く進むんだよオラァー!!」
突如放たれた渾身の左ストレートが真後ろの下斜め四十五度を的確に撃ち抜く、キレッキレなワザマエが光る。タツジン!!
だがそれを華麗に躱し瞬きの間にステカセの懐へ入り込むその身の熟しに対し、ステカセは確かなワザマエと機械
「嗚呼っ、とても素敵な動きだ無駄が無い上にコンマ数秒のラグも存在しない!完璧とも言える機械の中の機械!凄まじいよこの手触りずっと触っていられそうな気さえしていいやっ、ずっと触れていたいよステカセ君!嗚呼そうだ。カセットの中も少しだけ見ても良いかな大丈夫ちょっとだけだから心配は要らない必要ないさ!!」
「ヒィィ〜〜〜!! 怖っ、ノンブレスのガトリングトークしてきやがってコイツオラァ!」
さわさわすりすりペタペタベタベタと遠慮なく触り、果てにはどうやって開け方を知ったのかカセットさえ開けて見せるその技術力に舌を巻く。
これ以上の狼藉は許さんとばかりに今度は右フックを仕掛けるも、先程のリプレイよろしくしなやかな動きでステカセの背後に周り、そのまま背面を摩りまくる。
「そして何よりこの機械音が素晴らしいよ! スムーズかつ静かで音が少なく音楽を鳴らすのにも邪魔にならない、嗚呼……とても綺麗だ」
「ケケ〜〜〜〜!?」
うん無理。白祇重工に拾われ早くも5日目であるものの、グレース・ハワードに追い回される毎日が日課になりかけているステカセキングだった。
そして「遊んでんじゃねぇ!!」と子供社長に怒られるまでがワンセットになりつつあった。
祇を「くにつかみ」のギにしたいっ!!
でもたぶんどうにもならぬ。
ので脳内で変換しておくれやす