近所のクールお姉さんポジの英雄が俺の前だけ甘えてくるんだが? 作:だけたけ
「それで?何があった?」
そんな言葉をかけられた。
モンドに戻って直行で騎士団に報告しに行った時の出来事だ。門で蛍さんと別れて今ここにいる訳だけど....
「ドラスパまで行けなかった。」
「はぁ.......お前がいながら何があったんだ?」
「....ぃご.......」
声が小さくて聞こえなかったのか俺の目の前まで耳を近づけてくるジン。もう1回言えと?!なんの拷問だよ!
「迷子になったの!!!それで時間が遅くなって....わ、笑いたきゃ笑えよ!!!」
「....それで?なにか掴んだのか?」
え?何言ってんの?まさか計算づくで迷子を演出したとでも?あのさぁ、普段変態だとか何とか言うくせに異様に俺への信頼厚いのなんでなん?もう怖いレベルだぞ。
「....もしかしてほんとに迷子になったのか?」
「....」
「....はぁ....」
そんな頭抱えないでくれる?!俺が頭抱えたい気分なんだから!蛍さんがなんかいきなり距離近くなって戸惑ってんだよこっちわ!!
「....とりあえず報告を頼む。」
「お、おう。迷子してた時、特異な個体のヒルチャールと接触、敵対行動がなかったためについて行ったら友好関係を築けた。それと....」
「まてまてまて....今なんて言った?」
「ヒルチャールと仲良くなった。」
クラっとジンの体が揺れた。疲れているんだろうな、ほんとにごめんなさい。とりあえず体支えて近くの執務椅子に座らせよう。
「もういいか?もう行くぞ?」
「....正直もう聞きたくないが続けてくれ。」
「と言ってもなぁ、あとはもう特別なことなんて....ああ、そのヒルチャールと蛍さん達とで朝ごはん食べたか」
「....」
ほんとにごめんなさい.......頭痛い問題だよな。わかるよ。いや、分からないけど。どっちだよ、ははっ!ってな!
「よしっ、じゃあ行くわ!」
「待て。なんでそんなに急ぐ?報告書書いてから行け。」
「い、いやぁ、そんなのは明日でいいかなって....」
「....さてはなにか隠してること、まだあるな?」
「な、なんのことでしょう?」
やばいやばいやばい!あれがバレたら終わる。俺の人生と共に全て消え去る!どうしよう.......
「吐け。」
「ハイッ!アイスクリスタルを使って爆弾を作りました!」
さらに学びました。可愛い子のドスの効いた声より美人のドスの効いた声の方が怖いということを。ぶっちゃけ体震えてます。
「あ、あの、肩掴むのやめ、い、いだだだい!!!いだいって!!!」
「
これが権力である。ほんとにクソくら....いだだだだ!!!
悲鳴は建物中に響き渡った。
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すっかり辺りが暗くなっている夜道を歩く。
俺の顔は今、試練を乗り越えたことでより一層勇ましくなっていることだろう。人は何かを乗り越える度に強くなるものだ。
「帰りますか....」
そう自分に言い聞かせる。今日のような濃密で幸せな1日、これがこれから何日も何十日も続くと思うとこの寒さも我慢できるってもんだ。
まぁ緊張とか失敗とかしまくってて気が休まる時間がなかったため、クールダウンの意味も込めてこの夜の時間は必要だろう。と考えていたのに.......
「ナギ〜」
この人は休ませてくれるつもりは無いらしい。まぁこちらも願ったり叶ったりだが。背中から控えめな衝撃とともに自分を呼ぶ声がした時、心臓が跳ねると共に何かが胸に満ちていく。
「今暇?」
「お、おう!ちょー暇!マジでこの世界滅べって思うくらい退屈してた!」
「ふふっ....じゃあちょっと付き合って?親睦会しよう。」
マジですかい。まさか相手の方から食事のお誘いとは.......
でもちょっと待ってね?会話の引き出しあるかな?割と俺包み隠さずに蛍さんに話した後だけど。親睦会とは?もう親睦は深まっているのでは?何が目的なのか分からない。どうしよう、察する男はモテると聞いたことあるけど今回全くわからん!ってか毎回わからん!どうしよう?!
「....?」
固まっている俺に前を歩く蛍さんは不思議そうな顔でこちらを見てくる。
まぁ、どうでもいいか!!!決して絆された訳では無いからな?!いいか?惚れている女性が誘ってきてる時点でこちらは断る選択肢は無い。
「どこに行くの?」
「ん〜、外食でもいいんだけど....初めて会った時のことを思い出すと....」
「うぐっ.......面目ない....」
今では黒歴史。あれからめっきりしなくなったがあの時はナンパして、そして、えっと.......記憶が曖昧だけどとんでもない醜態を晒した気がする。
「あのさ、相談があるんだよ。蛍さんに」
「なに?」
「俺、もう蛍さんが好きだってバレてる訳じゃないっすか?」
「....まぁ、うん。」
「これから思ったこと声に出していいっすか?ぶっちゃけ心の内に留めとけるレベルじゃない。」
そう、これなのだ。彼女の尊さと言ったらもう、世間的にあざといとか言われるレベルを超越している。しかもそれを無意識でやってる事実。普通の女の人がやっても男は『お?』って思うのに蛍さん程の超絶美少女がやった瞬間、威力が気絶レベルまでふくれあがる。
「....ナギってやっぱり変態だよね?」
「違いわい!!!」
くすくすと笑いながらそう言われる。こんなノリが普通のようになってきたが正直楽しい。これが俺らの関係を....いや、こんな考え方をするから変態とか言われるのかも。
「私の家に来る?」
「.......パードゥン?」
「私の家に、来る?」
はい?それはあの、女の人の一人暮らしの部屋に転がり込むと?いや、二人暮しなのかもしれないけどそれでも俺が転がり込むと?え?犯罪じゃね?
「いや、あの、....だ、だいじょゴフッ.......」
「血反吐?!」
決死の覚悟です。俺は筋を通したいんだ。男の意地があるんです。多分蛍さん程いい女の人ならわかってくれ....
「で?本当は?」
「マジですげぇ行きたいっす。」
あのですね?男の意地なんて一瞬よ。女の人の前では一瞬で崩れさるの。毎回本気でやってるのにすぐ蛍さんに覚悟を崩されるのなんなんだろ、俺がアホなんかな?
「どれくらい?」
「血反吐を吐いたくらい。」
蛍さんはよしと言いたげに少しうなづいてこちらに視線を向けて一言。
「うん。素直が1番。」
「可愛すぎるな....」
「やっぱり素直なのちょっと控えて///」
「なんでッ?!?!」
思ったことを口に出す件が許可されたと思ったら速攻禁止されてしまった。俺にどうしろと?
「嫌だ!もう許可されたからすなおになってやるんだい!!」
「....」
「あっ、ごめんなさい。もうやんないからその冷めた目を辞めてください.......」
もう蛍さんの前でキモイムーブできなくなった....え?でも俺ってダメ男三拍子揃ってね?
発言がクサイ、嘘つく、ナンパしてた、キモイ、アホ、バカ....意中の人を許可なしに抱きしめる....
え?三拍子どころじゃねぇじゃん?!やらかしまくってるくね?え?なんでそんな男を家に招待するん?え?
「は、はい!先生!質問があります!」
「先生?ま、まぁ、はい、どうぞ。」
「先生は俺の事どう思っていますか?!」
「ん〜....出来の悪い弟?」
....
........
............え?プラスじゃね?
え?俺の行動のどこにプラス要素あったんだろうか。さっき振り返って見てたらさ、俺、嫌われることしかしてねぇぞ?
いや、そりゃ好感度が低ければ男が寝てる布団に入って来ないってことくらいわかるけど....
「ん?喜んでもられなくね?弟って要は恋愛対象じゃ無いって事じゃん....うっわ!喜んでいいのか悲しむべきなのかわっかんねぇ!!」
「まぁ、ナギは信頼できるよね、変なことしないって」
「しなかったことあったっけ?!?!」
あ、待って、しくった。自分で自分を下げてどうすんだよ。最近、恋愛音痴なのが際立っててほんとに辛い....
「しない、の?」
「したいけどしないですッ!!!」
「ね?だから大丈夫。」
いや、大丈夫じゃないから。そら、あなたは強いので並の人は手を出せないよ?でもさ、俺、まだ実力見せてないよ?大丈夫なの?大丈夫じゃねぇよなぁ?!?!
「まじで、頼む.......すっげぇ行きたいッ、まじで行きたすぎて行けなかったら明日1日動けないくらいだけれどもッ.......」
「そ、そんなに?」
「え?うん。そらそうじゃん。生まれてこの方、女の人の部屋入ったことすらない男がいきなり好きな女の子からお誘い来たら行きたくないわけねぇよ。」
「....ちょっと熱意が怖い....」
「でもさ、俺、多分自分押えらんない。襲わないまでも暴走はする自信ある。100%だね。」
「謎のマイナスへの自信が凄すぎるね....わかった。なら外食にしよう。」
早口すぎて何言ってんのか自分でも分からないのによく聞き取れたな、蛍さん....すごいところ多すぎなのよ。上げてけばキリがない。例えば....
強い、状況判断が早い。兄を探すために旅に出るくらい健気だし、俺より大人しい。けどちゃんと相手の事を見て聞いて、自分の意見を言える。さっき言った通り強いのに線が細い。筋肉も程よく着いているからかスタイル抜群だし、可愛いし、仕草だって毎回何度悶えさせればいいのかってくらいだし、ぶっちゃけ惚れない人いないのでは無いかってくらい高スペックかつめちゃくそどちゃんこバカ可愛いのだ。
「惚れない人は居ないのではないか?大事だから2回目」
「に、2回....?ま、まぁ嬉しいけどそうでも無いよ?」
「んなバカな....」
「それこそ昨日言ってた英雄が原因だと思うんだよね....」
あ〜....なるほどね、自分とは違いすぎるって考えるからみんなが恋愛より尊敬の方に傾くってことか。なるほどなるほど....
「あいつとかは....」
「誰?」
「タルタリヤって....知ってr「私、あいつ嫌い.......」大丈夫、俺も大嫌いだ。」
嫌いだけれども実力的には蛍さんに次ぐものを持っていたはずだ。あいつは英雄視をせずに蛍さん自身を....
「かぁッぺっ!!!あいつまさか、もう蛍さんに手を出していたり....」
「.....敵から守ってもらったり、鍾離...私の友人が財布忘れた時にお金を貸してくれたり....最後に裏切られたけどその後、何故か普段通り接してきたり....」
「....蛍さん、ちょっと5日ぐらい留守にするわ。」
あいつ、許さでおくべきか....何やらかしてんだあのやろう.......この恨み、丸ごとあいつに返してやるッ.......
「ナギさんッ!!!!」
「ん?」
「助けてッ....!!!」
呼ぶ声に反射的に振り返るとバーバラが決死の表情でこちらに飛び込んできた。そしてすぐさま俺の後ろ....では無く蛍さんの後ろに隠れる。よく見てみると頬に切り傷があり、尋常ではない雰囲気を感じた。
緩んでいた雰囲気を捨て、戦闘態勢を取ったが...目の前の光景の衝撃で力はすぐに抜けてしまった。
「....」
「は....?」
そこには先のほうに血が付着した細い剣を持っている....ジンの姿があった。
はい。休む暇もないナギパイセンをなぐさめてやってください。迷子になった次の日の夜にイレギュラーです。まじで可哀想.......まぁ書いたの俺だけど。
というわけでハロウィンifと同時更新になるのでハロウィンの方の『前書き』と『後書き』は無しで投稿します!困惑なさらないようよろしくお願い致します!
猪狩の兄貴様!ご感想ありがとうございます!ぶっちゃけ、2日で1話ペースの俺がよく2本仕上げられたなと思うのですが、考えてみたら皆さんの感想のおかげかなと....ちょっとクサイな、やっぱなし。とにかく、糧になっているのは事実です!まじでありがとう!
43名の方々!お気に入り登録ありがとうご....43?!?!まためっちゃ増えてる?!まじであざます!!みんなに見てもらえてるんだ、この作品....やっべ、鳥肌立ってきた(見た時まじで立ちました。)ほんとに、マジでほんとに.......もう何回も言ってるから言葉軽くなってそうで怖いのですが、本当にありがとうございますッ!!!
では次はハロウィンif!!!どうぞご堪能あれ!
どうする?
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ストーリー重視
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日常回多め