近所のクールお姉さんポジの英雄が俺の前だけ甘えてくるんだが?   作:だけたけ

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えー遅ばせながら大晦日にクリスマス編....ほんっとに申し訳ございませんでしたあああッ!!!!

もう、ほんとに、なんだろ....お詫びと言ってはなんですが、未発達な今の糖度ではなく、未来の糖度を詰めに詰め込みましたのでご容赦ください。

あとこれに伴って大晦日特別編も投稿遅れます。長くなりますが説明させていただきます。

会社の飲み会あって執筆できませんッ!!!

あれ?短かった....

あ、今回、ちょっと下の内容が入ってます。直接的な表現はしていないのですが苦手な方はブラウザバックをお願いします。本編にはこの内容を知らなくても支障はありません。本心を言えばこの話で見てくれている方々を手離したくないッ....御協力お願い致します

ま、まぁそれではifをどうぞ....ボリュームは10000字越え。過去最大の文字量です。


18.5話 《if》天使のプレゼント『クリスマス特別編』

ある昼下がり、ひとりで街を歩く。

 

味気ない。そんな言葉が真っ先に浮かんで頭から離れないくらいには隣が寂しく思っていた。まぁそれには理由があるのだが....

 

決して嫌われたとか、ケンカしたとか....ましてはフラれた訳でもない。ただ、普段クールで落ち着いていて、照れたりしたとしても顔を少し薄紅に染めるだけの彼女が今回だけは耳まで真っ赤にして「じ、準備があるから別行動しよう....?」と消え入りそうな声で言って来たのだ。

 

「はぁ....ケンカじゃないんだよな....そして俺は鈍感系でもない....何やる気なんだ蛍のやつ....」

 

正直、今からすっごく怖い。

 

旅をしている身の上で、避妊具など俺のいた世界ほど優れたものは無いので今までそういう行為に至ってなかっただけあり、そういったことはもう全くの未経験。ぶっちゃけ蛍の素肌など、普段出している腕と足位しか見たことがない。

 

可能性としてはもうそっち方面のことしか思い浮かばない。所詮俺も男ということだ。

 

というかだな?!それ以上見ることになると獣になる自信がある。ぶっちゃけ襲うと思う。そして自慢では無いがそれを蛍は拒まないだろう。

 

「って何考えてんだ俺ッ?!アホか?!アホなのか?!わかってたよ、アホだよッ!このクソ頭!早くなくなれこんな妄想ッ!!」

 

蛍の美しい肢体を想像してそのせいで街中で奇行に走る。傍から見るといきなり暴れ出す一人の男。普通に通報案件である。こんな美しい街並み。見なきゃ損だろ?!そうだろう?!見慣れてなんかねぇからな?!....ごめん、見慣れたわ。ってかぶっちゃけつまんないわ。蛍がいてくれればどこでも楽しいのに....

 

というかあの細い体でよく戦えるよなとつくづく思う。それで筋肉質じゃないんだから女性の体は不思議だ。

 

特にスラッと伸びる足、普段靴で隠されている細いふくらは....

 

「だからああああッ!!!なんッで俺はまた考えてんだッ!!!」

 

よ、よし。違うことにすり替えよう。そうだな、ガイアにしよう。そうしよう!

 

ガッチリとした腕、細身ながらも細マッチョという言葉が似合う腹筋。ぶっちゃけ上半身と下半身のつなぎ目は想像したくは無いので割愛する。

 

というかあいつってイケメンだよな....細身で、まぁちょっと腹黒いけど....

 

腹筋はちょっと俺も憧れる。きっと8個だよ。エイトパックだよあれ。そして上に行くと....胸、が....

 

「ぎゃああああッ!!クリーチャーじゃねぇか?!?!なんで男に胸ついてんだよッ!あいつおかまじゃねぇよ!男の格好で男の口調で脳内で話しかけてくんなこの胸板厚すぎ野郎ッ!!!!」

 

胸だけが女性パーツに置き換わったガイアが脳に召喚された。

 

「はぁ、はぁ、はぁ....も、もう嫌だ....」

 

泣きそう....さっきまでは焦ったりしていたけども幸せだったのに急にどん底に落とされた気分だ。

 

「あれ?ナギナギじゃん。やっほ〜!」

「....胡ねぇか....後にしてくれ。俺はもう死ぬんだ。」

「え?そうなの?葬儀する?」

 

ああ、こいつもまともじゃない....ダメだ、ここには俺を含めまともじゃないやつが2人も....

 

ああ....あああ....

 

「....なんで泣いてるの??え?え?」

「ほっといてくれよ....」

 

もう、ダメだ。脳内に女装ガイア....隣に葬儀屋....俺は変態。

 

これのどこに希望を持てと?

 

「えっと....よく分からないけど、よしよし?」

「頭撫でんなこの変人っ!!!」

「へへんっ!」

「褒めてねぇよぉ....!!!!」

 

もういやだあああああああ!!!!!!!

 

 

その無言の叫びは璃月に響くことはなく、さらなる災難を呼び寄せるだけであった。

 

 

__________________________

 

 

1日前

 

 

「あ、旅人、こっちこっち!」

「久しぶり、香菱」

 

大きく手を振りながらこちらを呼ぶ彼女に少し口角が上がる。ほんとにこの娘は元気だね。

 

「元気だね?」

「いやぁ、久しぶりに旅人が私の料理を食べてくれるって言うから張り切っちゃったよ!」

 

この調子だと普段食べられないような食材を危険なところにまで取りに行ってそうだ....ちょっと悪いことしたかな?でも最近はナギに作ってあげる側だから外で食べることも少なくなったし....

 

「....どうしたの?」

「え?」

「いや、今、ふふふってすっごい幸せそうに笑ったから....」

 

そんなに普段幸薄そう?まぁナギと出会ってからは香菱に会ってなかったし、出会う前は兄のことやら何やらでいっぱいいっぱいだったのはあるけど....それでもそこまで表には出ていなかったと思う。

 

「ああ、いや、普段....というか前までは1歩引いてたようなイメージだったから....ふーん、そう?みたいな感じで」

「そんな嫌な女だったんだ....」

「ああ、いや、そんな感じってだけで嫌な感じは全然....今は表情柔らかくなってるしね。何かあったの?」

 

思いつく要因はやはりナギの存在だろう。愛しい人がいるだけで心の持ちようがこんなにも変わるっていうのはもう実感しすぎるほどに感じているくらい。

 

「....好きってね、言ってくれる人が居るんだ。」

「....ほう?それは気になる....それでそれで?!」

 

あまりの食いつきに少し身を引くがそれも恥ずかし嬉しくてつい口が回ってしまう。まぁ私も女で、彼氏を自慢したい心は人一倍に持っているということだろう。あんなに好きを表に出して伝えてくれる人なんてそうは居ない。本当に自慢の彼氏だよね。

 

「一目惚れだったらしいんだけど、初めて会った時からずっとアプローチを....」

「どんな?!」

「え?!えっ....と///一緒に歩いてる時とかに私が何かする度に悶え出したり、とか?」

「....」

「声が鈴のようだとか、話しかけたらどもるくらい緊張したりとか....」

「........」

「可愛いんだけどたまにすごくかっこよくなったりとか....」

「えっ、と....」

「最初の頃は手を繋ぐとかもダメですぐにキャパオーバーで気絶しちゃってさ....」

「ストップ。一旦ストップ。」

 

なんだろう。さっきまでのキラキラがなくなりすごく真剣な目でこちらをみてくる。

 

「その人、大丈夫な人?」

「え?それってどういう....」

「だって一緒に歩いてるってことは他の人もいる前で悶えるんでしょ?!手を繋ぐとかだけで気絶しちゃうとかも....」

「えっと....」

 

本当になんで大丈夫かなんて聞くのかが分からない。

 

「その人のこと、蛍はどう思ってるの?」

「じ、自慢の彼氏....///」

「か、彼氏?!?!」

 

驚いた声を上げたあと、持っていた包丁を置き、おでこに手のひらを当てる香菱。本当に困惑しかないんだけど同化したのだろうか?

 

「....まぁ、旅人は強いから弱い男性を好きになることもあるにはあるのかな....」

「ちなみにその人は私よりも戦闘って意味で強いよ?」

「はい?!?!も、もうダメだ。もうわけわかんなくなってきた....」

 

わけわかんないのはこっちなんだけど....抗議の意味も込めて少し首を傾げてみる。すると香菱は小さくはぁとため息をついてこちらを指さしながら言ってくる。

 

「一応言っとくね?」

「う、うん?」

「旅人、あなたはズレてる。」

 

__________________________

 

 

 

「ええ?!4ヶ月も経っててまだなの?!」

「う、うん....そんなに驚くこと?」

 

部屋に驚きの声が響いた。その声量は余裕で外に聞こえる程であり、なにかに配慮したものでは決してない程の大きさだった。

 

何とかナギの凄さと魅力を熱弁して香菱を納得させたあと、どこまで行ったのかという話になったんだけど....

 

「うん、いやだって....人それぞれとは思うけど....なるほど、確かにそのナギって人、旅人のこと相当好きなんだね....」

「えへへ....」

「....照れてる場合じゃないよ?旅人。」

「え?」

 

香菱の目が少し険しくなってこちらを責めるような顔つきになる。

 

「確認するけど一緒に住んでるんだよね?旅人の家で。」

「う、うん。そうだけど....」

「そして話を聞いてると旅人のことをナギっていう人は本当に本気で好きなんだと思う。」

「うん。」

 

それは疑っていない。共にすごしてきてナギの誠実さと素直さは身に染みてわかっているつもり。何か私の気に入らないことをしたとしてもそれは全部私のため。本当にそれでいいのか?と思うくらいに彼の中心に私が居るのはわかってるつもりだから幸せなんだ。

 

だけど次の香菱の言葉で顔が青ざめる。

 

「旅人はナギさんに対して人でなしだよ。」

「ぇ....」

「一緒に食事して、肩にもたれかかって、しかも甘い言葉に甘い言葉で返してるんだよね?『蛍のことが好き』『うん。私も』みたいな感じで。」

「....」

 

何を言いたいのだろうか?私が人でなし?私だって凪のことを考えて行動したりしてるし、そりゃ確かにナギは優しいから甘えることも多々あるけど....

 

「普通の男の人なら肩にもたれかかられた時点で襲うと思う。」

「なっ?!////」

 

お、おお、お襲う?!?!お、襲うって、要は、あの、男女のあれ的な感じのあれ?!あのチョメチョメする感じの....あ、ああれ?!?!

 

「確かに私たち女は近くに好きな人がいるだけで安心するし、満足するよ?幸せだし、これがずっと続けばいいなって....」

「う、うん....///」

「でも男の人は違う。」

「.....違う?」

 

コクンと頷いてさらに言葉を重ねる香菱。先の言葉を聞きたいような聞きたくないような複雑な気持ちで待つ時間はすごく長く感じる。

 

「幸せは感じるし安心もするのかもしれない。けどそれだけじゃ男は満足しない。満足度で言ったら多分いい所3割くらいだと思う。」

 

これ、割と常識だからね?とひとつ注意をしてからまた話し出す香菱の言葉はもう私の耳には届いていない。

 

さ、3割?....え?それだけ?全然満足してないってこと?人でなしっていうのは自分だけ満足しておいて相手のことをないがしろにしてたから?!え?どうしよう?!どうすればいいのだろう....

 

「男の人は、その先も求めるんだよ。キスとか....あとは、その....男女のあれとか....でもナギさんはそれを我慢してる。」

「....」

「多分、旅人が大好きだから旅人が望んでないことはしたくないんだと思うよ?だから我慢して旅人がして欲しいことだけしてる。」

「ど、どどど、どうしよう!?!」

 

付き合う上で話し合いをした。そういう事は度が終わってからにしようと。でもそれすらも私を気遣ったものだとしたら?ずっと生殺し状態で放置しているのだとしたら?

 

「そして、これがいちばん重要なんだけど....」

「....」

 

喉が成程に緊張している。まだ何かあるのかと。これ以上のものがなにかあるのかと。

 

「男は子孫を残す本能があるんだよ。つまり....」

「う、うん....」

「溜めすぎると爆発する。」

 

ここで大きな地雷が落とされた。

 

 

 

それからと言うものの、香菱のご飯を食べたあと解散。すぐさま何をすればいいか頭をフル回転させ私の方から誘えばいいとバグった頭が答えを出す。

どう誘うかの思考に入った途端、恥ずかしさやら何やらで頭がそのままオーバーヒート。そのまま家に帰って寝込むことになった。

 

そして目が覚めたのは普段より少し遅い時間。

 

「やっちゃった....ナギが....ナギが爆発しちゃうッ!!」

 

顔を真っ赤にしながらナギに別行動を伝えて塵歌壺を出る。

 

混乱した脳内のまま改めて用意を始めた。

 

 

__________________________

 

 

「ただいまぁ....ぇ?」

「お、おかえり」

 

目の前にはまだ顔が真っ赤なままの蛍が立っている。いや、お出迎えは凄く嬉しいんだけどさ....なんでそんなにソワソワしてるの....?

 

え?ほんとに俺何されんの?!これ、俺の勘違いで本当は怒ってたり?!いや、口調的にそれはない。ってことは....うわああああああッ!!!!

 

一気に顔から熱が出る。多分俺も真っ赤になってるだろう。い、いや、ダメだ....俺が察してることがバレたら蛍がいっぱいいっぱいになってしまう。普段とは逆じゃね?!立ち位置!!俺より先に蛍が限界きてんだけど?!?!

 

「お、お風呂入ってきて....?湧いてるから」

「お、おう」

 

うんぎゃああああ!!!?!?!?!風呂で何する気だ蛍ッ?!期待とか以前になんか怖くなってきたんだけど?!帰ってくるまではもうやってやらぁとか思ってたけどやっぱり無理でしたごめんなさいッ!

 

「え?え?....え?」

 

脱衣所で壁に腕をつけて俯きながらずっとそうつぶやく。もう訳が分からなくなってきた。

 

「は、はは、は、はいいいいるか!!!入るか!!うん、そうだな!」

 

でも蛍が覚悟を決めていて、俺が覚悟を決めないのはダサいにも程がある。無理やりにでも決心をつけなければならないだろう。

 

そ、そう、まずは服を脱いで....

 

「やっぱ無理だって?!?!何、あれ?!なにあの表情ッ....見たことないんだけど?!」

 

唇を結んで何か言いずらそうに、それでいてなにか期待するような目だった。

 

あああ?!思い出すだけでもう限界なんですけど?!口から何か出てくるって、物理無視して心臓出てくるって?!据え膳食わずはなんとやらとか言うけど俺の場合据え膳されたら間違いなく箸を取る前に気絶一択なんだが?!

 

混乱した思考で意味もなく拳を壁に擦り付ける俺。

 

しかももう限界だと言うのに追い打ちをかけてくる現実。

ガララッという音と共に何故か扉が開いた。

 

まぁ案の定、この家には3人しか住んでいない訳でパイモンは何故か留守中。

 

つまり....

 

「き、きゃああああッ!!」

「な、な、ナギ....ななんで入ってないの?!」

「ご、ごめんッ!!」

 

速攻風呂に飛び込んで扉を締める。

 

だからといって咄嗟に動けただけでまだ体の降着は続いてるわけで....ってか悲鳴、俺の役割じゃねえよな?!絶対ッ!もう二重の意味で心臓バクバク言ってるんだけど?!

 

「な、なんで入ってきたんだよっ!」

「....」

 

返事はない。多分あちらもいっぱいいっぱいなのだ。そんなになるならやらない方がいいのに....気絶するとかふざけてるけどほんとにそんなことが起きたら襲われるってわかるだろ....

 

まて....期待するような目(・・・・・・・・)

 

我ながらあかんことに気がついてしまった。多分その展開を蛍は覚悟している。

 

ならいいのでは?....

 

ほんとに襲ってもいいのでは?

 

だって彼氏彼女の関係なわけだし

 

 

ここには二人しかいないわけだし....

 

 

「....」

 

スルスルという布が擦れる音がドア越しに聞こえてきた。

 

いや....

 

「いやいやいやいや?!?!やっぱなしだろ?!?!俺が手を出さないから痺れ切らしたなら待ってくれ?!最初くらい俺が覚悟決めた時に誘わせてほし....なんで入ってきてんの?!?!?!」

「えっと....水着、着てるから////」

「シチュエーションってものを考えようか?!池と風呂はものが違うんですけど?!?!」

 

あ、ああ....俺が見た事のないところまでバッチリと....せめて上になにか羽織って欲しかった....ビキニタイプひとつで普通来る?!?!ってかいつ買ったんだよそんなの?!

 

「....なるほど、胡桃の言う通りだね....///」

「あんのクソ姉貴ッ!!!年下のくせに何晒しとんじゃッ!こっちのペースでやるっての、引っ込んどけよあのアマッ!!」

 

もう恥ずかしさやら緊張やらもうワケわからないぐらいにぐっちゃぐちゃの頭のせいで昔の言葉使いが表に出て来てはいるが気持ちに嘘はつけない。

 

「ペース....ナギ?///」

「な、何....なにさ....」

「今日がいいな♡////」

「....はい」

 

怒りはすぐに鎮火された。残ったのは最も大きい感情である同様と緊張のみ。それだけでもだいぶギリギリではあるのだけども....

 

「うん。やっぱり胡桃の言った通り....」

「ぐぁぁああああ!!!」

 

もう我慢ならん。何もかも胡桃胡桃っ!あの頭に一髪お見舞しなきゃ気が晴れな「ナギっ!」

 

「ッ....」

「大丈夫、わ、たしが望んだ事....だから///」

 

 

、、

 

、、、

 

何が大丈夫なの?!?!俺は全く大丈夫じゃありませんが?!ヘタレ?上等だよ!だって....ま、まだまともに蛍の体に触ったことさえないのに....い、いい、いいきなり裸とかっ....

 

いや、待て。望んだことってことは最終的に行動に移す決心をしたのは蛍の方で....

 

い、いいのか?....このまま俺は正直に一緒に風呂に入ってもいいのか?!?!

 

「ッ.....や、やるぞ....」

「っ....///」

 

彼女の体に恐る恐る手を伸ばす。

 

ああ、手が震える。情けないったらありゃしない。頼りに出来る男とは到底思われないだろう。でも....せめて自慢できる部分がひとつくらいある男になりたい。

 

今日....いや、今から....

 

 

 

俺は男になる。

 

 

腰に腕を回して....力を入れる。

 

え?やわらかすぎない?え?蛍って戦闘もできる才女だよね?なんでこんなに柔らか、や、やわら....やわ....

 

正面にも柔らかい感触来たんですけどぉぉおお?!?!い、いや当然だよな?!当然なんだよ、当然だけどさ?!?!ち、ちち、ちょ.....こ、れ....これ....

 

「これで限界ですううッ!!すいませんでしたああああああああぁぁぁッ!!!!」

 

そうして、俺は脱兎のごとく逃げ出した。

 

 

__________________________

 

 

逃げた。

 

彼氏がヘタレた。私のことを大事にしたいって思ってくれてるのはわかる。その言葉とは違う行動をしたことは1度もないし、裏切られたとかそんな事を思ったことは1度もない。絶対的信頼。そんなだから心のどこかではこうなることはわかってた。

 

私だって恥ずかしい。今までで感じたことがないくらいに顔が焼けるように暑くなってる。

 

彼が手と頭。それ以外の初めて触れてくれた所を少しさする。ぽうっとそこの部位が熱を帯びる感覚、

 

すごい心地よかった。安心した。一瞬、たった一瞬だけだけどその間、確かに私は彼の腕の中に包まれた。

 

本来彼がしたいけどできないこと。自分に課したルールの1部を破ってまで私の望んだ事をしてくれた。

 

「本心はヘタレ....か」

 

ああ、やばい、ちょっと楽しくなってきた。

 

彼をからかうのが好きなこの気持ち。多分反応がいちいち可愛くて、心地よくて....だからやってしまう....

 

「第2段階だね....」

 

 

__________________________

 

 

「パイモンッ!パイモぉぉぉン!!!なんで居ねぇんだよ、肝心な時になんで居ないの?!?!」

 

さすがの蛍も第三者が近くに居ればあんなことはやらないだろう。1度逃げただけならばまた次やられたとしても耐える自身は何故かある。でもだ、でもだよ?!

 

「抱きしめた時のあの顔はずるいだろ?!?!」

 

めっちゃ幸せそうだったッ!めっちゃ幸せそうに目をつぶってたよ?!え?そんなにして欲しかったの?!俺もしたいけど!!でも心臓が....心臓がああああ!!!

 

バクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバク

 

「うるせええぇぇッ!!!!鳴りやめよ心臓ッ!」

 

あれ以上されたら....されたら....ッ....

 

理性が吹っ飛ぶッ!!!!気絶とかの前に理性がッ!!!

 

ああ、あああ、どうしよ....どうしようッ!!!!

 

そうだ、出掛けるか?お、いい案じゃん!深夜だけど今日は宿とって、それで1日空けよう。後日落ち着いた蛍に説明して....

 

「そうと決まればッ!レッツ宿へ!!」

 

ガチッ....

 

「へ?」

 

ガチ、ガチガチャャ

 

「....」

 

ドア固定されてるんですけどぉぉおお?!?!

 

「管理人さあああん!!!管理人さああああああん!助けてぇぇぇぇ!!!!」

「どうしました?」

「ドアがあかないんだけど!!!」

「開けないよう指示されましたので....」

 

こんな事に英雄の才能使うなよっ?!?!先読み能力が過ぎるって!!!

 

ね、ねね、寝よう!そうしよう!

 

さすがに寝てる人に手を出してきたりしないだろう....目もつぶってるし意識もなけりゃ誘惑だって耐えられるッ!!!!

 

歩を進める....

 

待って....寝室行くには風呂の前通らなきゃダメじゃね?

 

「防音、だよな、さすがに....」

 

そりゃそうだ。だって男が住んでるところで必須の機能だもんな?だよな?

 

「途中に脱衣所も挟んで........挟んで....るんだよな?!?!」

 

バリバリ聞こえるんですけど?!シャーカポンってめっちゃ聞こえるんですけど?!?!体洗ってるんだよな?!そうだよな?!わかるよ?わかってるよ?でもここまで音が聞こえるのはおかしいだろ?!?!

 

駆け抜けるしかない。一瞬で音から遠ざかろう。

 

よ、よし....3.2.1....

 

 

 

「よ、よし....寝室に着いた。あとは帰ってくる前に寝るだけ....」

 

そして2人で使っているベットの右側に寝っ転がってそのまま目を閉じる。

 

ああ、大丈夫、これは....すぐ寝れ....

 

「ナギ....」

「ヒウッ?!?!」

 

変な声出たんですけど?!寝てる振り....ね、てるフリ....

 

あ、ほんとに寝そう....

 

まどろみに落ちていく。そう確信した。だってほら...いつも通りミルクのような優しい香りが隣にあって....

 

シャーーカポンっ

 

脳内再生やめろッ!!!ああああ!俺の脳みそ寝る気ねぇじゃんっ!!!

 

俺の中の天使と悪魔が喧嘩してらァ....襲っちゃえとか堪えろ。まだそのときでは無いとか

 

もうどうでもいいから寝かせて?!?!さすがに寝室で水着は着ないだろうからまともな服装だろうけどそれでもさっきの記憶がフラッシュバックして来るんだけど、どうしたらいいの?!?!

 

「....寝てるの?」

「....」

 

寝てまーす!寝てますよー!!!

 

「ふぅん....よしよーし」

「ッ....」

 

頭に柔らかい何かが触れた。すごい心地いい。多分蛍の手だろう。ミルクの匂いが強くなった。多分近寄ってきたのだ。

 

ああ、これだけで絆される。さっきの緊張とか動揺が一瞬で洗い流される。もうこれだけでいいや。寝れそう....

 

「ごめんね、今日はちょっとやりすぎちゃったね。」

「....」

「本心ではあるけど....」

「....」

 

俺こそ、ヘタレでごめん。蛍とそういう事するのはすごい興味はあるしぶっちゃけしたい。けどさ.....やっぱり最初くらい俺が誘いたい。でもその心がまだ決まってなくて、多分蛍のことを不安にさせてしまった。

 

ままならないな。

 

本心は大事にしたい一択、でもヘタレてるのもあるわけで大事にしたいって言うのを言い訳にしてる節はある。多分それは蛍もわかってて、、

 

だからもう少し待ってて欲しい。近いうちに俺が....

 

「ありが....ぁぁあああ?!?!?!」

「あ、やっぱり起きてた。」

 

辺りは既に暗く、月明かりが窓から入ってくる中、目の前には....

 

目の前には....

 

 

裸の上にリボンを巻いた蛍が居た。

 

「なにやってんの?!馬鹿なの?!誘うにしても特殊すぎない?!?!」

「この前言ってたクリスマス?とか言うイベントにちなんでるんだけど....変?」

「格好は何故かすっげぇ似合ってるし美しッ....何言ってんだ俺?!?!と、とにかく、状況的には変だよ?!?!」

 

何考えてんの何考えてんの何考えてんの?!?!?!

 

え?何?夢?あのまま寝て今夢の中にいる?あ、そうか。ならここで寝れば目を覚ませ「夢じゃないよ?」ッ?!?!

 

「☆○*○5*-.:?!?!?!」

「えっと....さすがに、恥ずかしいからあんま見ないで....///」

 

じゃあなんでそんな格好してんだよ!!!

 

って言えるわけねぇだろ!!!絶対並々ならない覚悟持ってこれやってるって!九分九厘胡桃の入れ知恵だろうけど、それでもこんな格好で俺の前に立って....というか座ってるわけで....

 

「お、襲われるぞ?!」

「どうぞ?///」

「....」

 

ダメだ。勝てない。勝てるとは思ってないけど、それでも、それでも....

 

「....それに、ナギもその....//」

「....?」

「は、裸だしっ....!」

 

しまった?!?!焦りすぎて服着んの忘れてた?!?!こんなんじゃノリノリなやつみたいになっちまうじゃねぇか!!!!

 

せ、説得だ。いいか、冷静に説得。もうこれしかない。外堀は既に埋められてしまっている。

 

「お、俺は蛍を大事にしたい。ヘタレてもいるけど」

「うん。」

「ほ、蛍は...その、いいの?」

「....優しくして欲しい....けど///」

 

この人はッ、こんな心に悪い言葉をなんでッ、なんでそんなに....ど、どうする?い、一旦冷静に考えろ。

 

普通に考えると障害はひとつ。旅人だと言うことのみ。もし妊娠してしまえば旅を中断しなければならない。そんなことは蛍もわかっているはずだ。だいたい見た目は年下でも精神年齢は俺より圧倒的に上。理性も俺よりちゃんとしっかりしてるし俺より先を考えられないなんてことは有り得るはずがない。

 

つまり....

 

いいのか?....これは....もう箸を取っていいのでは無いか?

 

「は、初めて....なんだけど....」

「うん。私、も///」

 

そうなんだとしか返せない。これはもう....

 

行くしかない。

 

ここまで覚悟を決めて俺の前に居るのだ。さすがにこの据え膳を食べない訳には行かないだろう。欲望に負けているのは重々承知している。だけれど正直いって今にも理性が飛びそうだ。それならば理性のあるうちに、蛍を傷つけそうになる前に。自分を律することができるうちに....やるべきだ!!(割とクズ発言)

 

「わ、わかっ....た....」

「ッ....////」

 

ああ、暑い。顔どころか全身が熱い、もっと見たい。もう逆らえない。指がリボンの結び目に伸びていく。

 

ああ、色々あった。ここまで。俺が....望んでやまないこの状況、紆余曲折あって....ようやくここまで....

 

「あっ....そういえば....」

「....ん?」

 

指が止まる。まだ触れていない。距離がまだ半分のところで蛍が声を出した。心持ちを変えたからか、やけに蛍の唇に意識が向く。ツヤっとしてそうでそれでいてモチモチそうなその桃色の唇。

 

その魅力的なところから出た声。それは....

 

「....私が、プレゼントだよ?////」

「ッ....蛍はっ、どうしてそんな我慢できなくなりそうな事ばかりッ!!!」

 

ああ、ダメだ。理性が千切れた。ダメだ。体が欲望のままに動く。

 

「きゃっ....な、ぎ....?///」

「はぁっ、はぁっ....」

 

ほら、乱暴に押し倒してしまった。結び目が........

 

その瞬間、蛍の頬を一筋の水滴が流れた。

 

時間が止まる。蛍だけがこの空間で動いて....肩を震わせて....そして....一言

 

「よかっ....た。これでナギが爆発しなくて済む....」

 

別の意味で時間がまた止まった。思考も止まった。何もかもが止まった。

 

「は....」

「?....」

「はぁぁぁぁああああああああ?!?!?!?!」

 

 

__________________________

 

 

後日談

 

 

「おい胡ねぇのクソアマどこだ?!?!」

「おお、ナギじゃないか。朝からどうした?胡堂主ならちょっと前に買い物に....」

 

肩を揺らして、ドアを乱暴に開けて叫ぶ。他の人がいようが関係ない。この収まりきらない怒りをどこにぶつければいい?現況にぶつければいい。そうだ、ぶつける。ぶつ。ぶってビンタして叱るッ!

 

「たっだいまぁ!!!およ?ナギナギじゃん!久しぶり!買ってきた大根要る?」

「....寄越せ....」

 

俺の風貌に何も疑念を抱かずに普通に接してくる彼女。手には大根二本と花が1つ。

 

「こ....で....」

「ん?なになに?」

「これでお前を倒してその花を置いてやるよぉぉおおおおっ!!!!!!!」

「ぎょぇえ?!?!な、なになになに?!?!」

 

もう俺は止まらない。なんか本気の困惑をしている気がするけどそんなこと知ったことか。こいつだけは、こいつだけはッ!!!

 

「何じゃねぇよッ!てめぇ、あれはなんだ?男は溜まったら玉が爆発するなんてクソしょうもねぇホラ吹きやがってッ!!!!」

「本気で心当たりがないんだけど?!」

 

 

 

近くにいた鍾離はその様子を微笑ましく見守っており、そのまわりで姉弟が喧嘩している。その図はさながら父と娘息子。そんな微笑ましい状況は璃月中で行われ最後には勘違いで一人の姉が弟に頭をぶたれ、その傍に花を添えられたとさ....

 

 

めでたしめでたし。

 

あっ、ちなみにナギと蛍は最後まではしてないよ?

 

「いらんこと言うんじゃねぇッ!!!!出しゃばってくんな作者ッ!!!!!」

 

あ、やっべ....それじゃあね!

 

 




っと....ナギに殺されると頃だった。っていう茶番は置いておいて....

皆さん、どうだったでしょうか?ifと言いつつ今回は本編で語られない未来の番外編みたいな位置づけになります。もっと言うと今本編で進行している失踪編が終わった直後辺りを想像しています。もう分かりますね?

これが最大糖度ではありませんッ!!!!章を経て次々に甘くなっていきます!(俺の語彙力が許す限り)

という訳でですね、r18を書く気は無いので今回のような事案が最後まであったとしても描かれることは無いでしょう(書くとしてもr18タグで別作品としての投稿)

はい。興奮してしまいました。遅ばせながらメリークリスマス!今年はありがとうございました!また来年もよろしくお願い....え?ち、ちょっと待て、ナギッ!こっち来んな!ぎゃあああああ!!!!


猪狩の兄貴様感想ありがとうございますうぅぅ!!!

だずげでええええ!!!!

稲妻編の先、見たい?

  • 見たい!
  • 最近飽きてきたからいい
  • とりあえず空救済まではやれ
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