近所のクールお姉さんポジの英雄が俺の前だけ甘えてくるんだが?   作:だけたけ

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はい。速攻描きました。取り敢えずお待たせしました。やっとこさオリ主と蛍のまともな会話です。

長かった前置きにおさらば!ここからは俺の独壇場だあああ!

あっ、ちなみにバーバラはヒロインじゃないよ。何があってもナギにそういう感情を持つのはありえませ....いや、前言撤回が多い俺ならやりかねないな。げ、現時点では考えてません。では本編どぞ


3話 天使とまともな会話()

「どちゃクソ可愛いなおい....」

「という訳だ。旅人。」

「ほんとに気絶したぞコイツ....」

 

騒がしさから一転、執務室はなんとも言えない静寂に包まれていた。誰もが経験が無い特殊な空気に困惑している中、一人だけナギに近づく者がいた。

 

それは彼が天使と評したその人であった。

 

「これ、どうしよう....」

「分からないぞ....とりあえずまたバーバラのところに連れていこう。」

「うん。」

 

そう言って立ち上がる蛍にジンが口を開いて少し遠慮がちに声を出した。

 

「旅人....ちょっと、席を外してくれないか?」

「え?でも会議なんでしょ?」

「ああ、でもその前にちょっとコイツに用があってな。」

 

そうナギに視線を落とす彼女の目はいつも以上に真剣な顔でそれを見た旅人こと蛍は少し苦笑いをして頷く。

 

そうして外に出た彼女を見届けた面々。

 

「さてと....ナギ、もういいぞ。」

「んあ?バレてた?」

「バレバレだ。」

 

あちゃぁと頭を掻くナギは1度ため息を吐いて立ち上がった。

 

バツが悪そうに普段のおちゃらけた表情を引っこめた。目は細くなり、笑みが消える。

 

「それで?何があった。」

「ジンに聞かれたとあっちゃ答えない訳には行かないな。」

 

確証は得られてないと最初に前置きして語り出す。その内容は十分他の面々のざわつかせるものであった。

 

「昨日、エンジェルズシェアで飲んでいる時に俺の斜め後ろのテーブル席で一人の女がヤケ酒しててよ。」

「ふむ....」

「そいつが言ったんだよ。財布落としたって。」

 

話が見えずジンは頭の上にハテナを浮べる。

 

「聞き耳立ててたら聞こえたんだ。アビスの連中から逃げる時に落としたらしい。」

「それは問題だがそこまで珍しい話でもないだろう?情けない話だが」

「白服金髪の男が一緒に歩いていたとしてもか?」

 

息を飲む声が聞こえる。周りの顔がどんどんと険しいものに変わっていく。この重大さにみんなが気づいたようだ。

 

「俺がモンドに来た頃、初めて目に入ったのが兄を探してるっていう人探しの張り紙だ。これと特徴が一致してる。」

 

すっかりお通夜状態になってしまった。ナギの事情を知っている面々なだけあって俺の心情までわかってしまうのだろう。周りのナギへの視線が柔らかいものになる。その中でガイアだけは違った。

 

「ナギ、旅人に執着するのは....」

「え?惚れたからだが?」

 

理解できないというようなとぼけた顔で言い放つその姿は殺伐とした事案ばかりの騎士団員達は眩しいものを見た?のように目を細める。いつもの女好きでは無く、本気なのだと伝わったのだろう。

 

「....ふっ.......ふふっ彼女とその兄とおぼしき人物は全くのべつ案件って言う事ね?」

「ったり前っすよリサパイセン!探してるって時点で関係性薄いだろうし、多分彼女は何も知らない。ってな訳で俺は暫くあの人と一緒に行動しますわ。」

「あっ、ちょっとまて!」

 

惚れた弱みというか、恋に一直線というか。視野が狭まっているのが丸わかりで弾む足でドアの方へ向かい出す。

 

「はい?」

「確かに旅人について行けばたどり着ける可能性が高い。それについては私も概ね同意だ。ナギをその役目にするのは私としてはいいのだが....」

「なんなんすか?もぉ、はっきり言ってくださいよー」

「目も見れず、近寄れず、話も緊張で出来ないお前が何を出来るんだ?」

「.......」

 

周りの面々がウンウンと頷く。

 

「う、うっせぇ!き、きき気合いだ!」

「それでどうにかできる問題ならいいんだが.......まぁわかった。頼む。」

「おおうとも!」

 

そしてドアの向こう側に出ていく。そして閉まる直前に彼の体が硬直したのが見えて、その後一言。

 

「あ、やっべ、無理かも....」

 

そう聞こえた。

 

 

__________________________

 

 

よっし。探すか.......会うのにぶっちゃけ勇気いるけど。自分を保つことが出来るかが勝負の分かれ目だな。誰と戦ってるか知らんけど。

 

「.......本部の外か?」

 

違ってもまた戻ってくればいいだけだ。ひとまずドアに手をかける。

 

よ、よし.......開けるぞ.......

 

やっぱ無理だ。あと2分待って?ごめんまじで。一旦インターバルくれ。誰でも成長するには時間かかるじゃん?そういう事だよ。覚悟決めるから待ってくれ

 

「よ....よ、よし行くぞ....」

 

.......あと三分待てば五分でキリよくね?よ、よし待つか。ひよってないから。騎士たるもの時間には厳しく。5分前行動!!おい、誰だ「だったら待つなよ」とか言ったやつ。真冬の時、背中に氷元素ぶち込むぞ?!

 

「よ、よし。あと5分....」

 

 

「よし。あと10分.......」

 

 

「ふぅ........もう行かなくていいんじゃ」

「「「「はよ行けやああああ!!!!!」」」」

 

周りの騎士達に総ツッコミされた。どうやら長い間俺の事を見ていたらしい。まぁイケメンな俺を見たいのはしょうがないけど見物料は払ってね?....でもツッコミしたやつは許さん。払ってから土下座しろ。

 

ガチャ.......っと言うかわいた音と共に扉が手前に動く。そしてそこには.......

 

ベンチに座って柔らかく微笑みながら何故か宙に浮いている幼女と喋っている彼女がいた。

 

「ぐふっ.......」

 

鋭いボディーブローよりも強い衝撃を心にもらう。

 

「ん?あ、終わったの?」

「ひ、ひひゃぁい!!!」

「?」

 

あの、その動作やめて貰えます?小首傾げてハテナ浮かべないで。心臓が口から出そうになるんすよ。声を出そうとする時もしかり。あ、やっばい。今、絶対に顔が真っ赤になってる。自信あるよ?俺。

 

「大丈夫?」

「あ、ばばばばば....」

「旅人、こりゃだめだぞ?白目むいッ.......な、なんなんだ?!離せ!」

 

たまらず自分の顔の前に空に浮く謎生物を設置した。これでもまだ動悸は収まらないがなんぼかマシなのには変わりない。

 

「はぁなぁせえ!!!!」

「頼む!マジで!!俺死んじゃうからッ!?」

「そのレベルなのか?!?!旅人、こいつになにかしたのか?」

「覚えは無いけど、この人を知ったのも昨日が初めてだし。」

「あっ、天使....」

「ん?なんか言ったか?」

「なんも?」

 

全力で首を横に振る。これで嫌われたとかなったらマジで俺死んでしまいます。いや、死なないけど。引きこもるわ。エンジェルズシェアに。

 

「えっと、よろしく?」

「やばい、可愛い....」

「....えっと...パイモン?どうしよ」

「なんも言ってない。なんも言ってないから。気にすんな。な?」

「....私の名前は蛍。あなたは?」

「うっわ。なんていえばいいんだ?名前の通り輝いてますねってか?いや、ケツ光ってルアー虫と同じにされて喜ぶはずあるかアホか。いっぺん死ね!俺、死んじまえ!」

 

....

 

.......

 

...........

 

「「(わっかりやす....)」」

「え、えっと.......そこのチビ、なんて言ったんだ?」

「オイラはちっちゃくないぞ?!天才案内人、パイモンだぞ!」

「んなもんいいから教えろ。」

「なんだとぉ?!」

 

無い胸を張る宙浮く幼女を目の前まで掲げて顔を見て言う。いいから応えろよ。俺は女には優しいんだ。紳士ガイなんだよ。わかるか?

 

「幼女には優しい俺だ。ちゃんと答えてくれれば食わないから。」

「そこはとって食うじゃないのか?!」

「あ〜!ナギお兄ちゃんだぁー!ねぇねぇ遊ぼう?」

 

その瞬間俺の後ろから声が聞こえた。火花騎士のクレーだろうというのは容易にわかる。

 

そこですっごく不思議なことが起きたんだ。とっても不思議な、ね?

俺とクレーの間に氷の壁が一瞬で地面から生えてきたんだよ。

 

「ナ、ナニガオキタンダー?(棒)」

「絶対お前だよな?!」

「チガウチガウ。」

「神の目が光ってたぞ?!」

「チッ.......」

 

意外に鋭い....まぁ本気で騙すつもりもなかったけど。クレー、すまんな。今、俺の男を上げてるところなんだ。ナンパスキルを駆使してここを乗り越えるから勇姿を見ていてくれ。

 

「や、やぁ、ジンからペアを組むように言われたナギだ。今からそこまで遊びに行かない?」

「....ナンパ?」

 

ナンパ師、撃沈。

 

よく考えてみたらナンパスキルを惚れた相手に使うとか何考えてんだ俺。そこまで頭が回らないとか俺、ほんとに今、目の前の女の子のことで精一杯なんだな。なんか一周回って冷静になって来たわ。

 

「ごめんって伝えて欲しい。」

「自分で言えよ!」

 

もうすっかり怒ってしまったのかパイモンと呼ばれたその子はそっぽを向いてほ、蛍///.......はっ、あ、いや....た、旅人のところに戻った。

 

「あ、改めて、ナギだ。よろしく。」

「うん。知ってる。よろしくね」

 

ん?手を前に出してどうしたんだ?え?握れと?

 

「死ねと申すか?」

「あ、嫌だった?」

 

やばいと思った時にはもう遅かった。俺の体は俺の制御を離れて勝手に握手を交わしていた。もっとやり方あっただろ。まず最初に汗を拭けよ。その後香水つけてから馴染ませて5分経ってからしろ!

 

だが体は動かない

 

おいパイモンとやら、速攻蛍さんの後ろに隠れられるとさすがに傷つく。

 

「そんな事ないよ?!ほら!ちゃんと握れてるだろ?え?大丈夫だよね?え?気持ち悪い?あ、そう?!じゃあ離さない訳にはいかな.......えっと.......蛍さん?手の力を抜いて欲しいなぁ.......なんて.......」

 

俺がチキって適当な言い訳を並べて彼女の手を離そうとして気づいた。いつまでたっても彼女が手に込める力が抜けない。むしろなんか強くなってる気がする。

 

「なんで力強くする?ねぇ。」

「面白そうだから。」

 

蛍がこっち向いた。あらイタズラに成功した笑み。まじ可愛いなおい。あとなんでいたずらっ子の顔なのに優しさも垣間見えるような素敵なお顔なんですか?悶えさせるのが目的か?そうなんだな?

ふははっ、安心しろ?抵抗するすべは無いしする気もないが?だからもうちょっと優しくして?

 

「と、とりあえず説明だけどさ.......」

 

真面目な顔できてる?はい。わかってます。できてないのは。でも仕方ないじゃん。頭の中「手、やわらけぇ....」って言葉しか浮かばないんだから。自分で話題出しといてなんだけど説明とかまともに出来る気がしない。

 

「取り敢えず、旅の邪魔をしても悪いからモンドの中で行動する時のみ同行って事でどうだ?」

「うん。わかった。」

 

悩む時間もなくこくんと頷いた。そんなんで大丈夫かよ....

 

「.......警戒とかねぇの?」

「なんで?必要かな?」

「お母さん、そこら辺どう思いますか?」

 

パイモンと呼ばれた少女の方に視線を向けて答えを待つ。だがさっきのことで拗ねたのか何も声を発しない。

 

「しまった.......これなら飴玉でも持ってくれば良か....今反応したか?」

「....」

「....チ虎....」

「....」

「包み焼き」

「....じゅるりっ.......」

 

なるほどなるほど。

 

わっかりやすいなぁ?!コイツ、食には目がないと見た!!!

待って、そういえば食と言ったら.......俺、この前飲みに行ったよな?昨日、お金は.......ジンが出したよな?

 

「ど、どうしたの?顔真っ青にして.......」

 

握っている手を離して俺の前髪に手を伸ばす蛍。嬉しいけど今だけはそれどころじゃない。

 

「ッ.......」

「きゃっ.......」

「い、いきなりどうしたんだよ!そんな皮袋とりだ、し....もしかしてオマエ....お金が無いのか?」

「.......」

 

中には1枚の紙が。

 

ナギさんへ

『これを見た時には気づいているかと思いますがお金は貰いました。ジン団長が立て替えてるから出しとけという風に言っていたので少しばかり拝借しました。

 

バーバラ』

 

無一文の男。英雄に直談判し旅に同行決定.......

 

記事になるレベルだぞ。なにやってんの俺?!アホなん?!いや、アホです!マジで....ってか飲みに行ったってことはまた俺のやらかし知られてるんじゃなかろうな?!言っとくが記憶が曖昧だぞ?おれ!

 

「き、昨日、初めて会った時、俺、何かやらかしてたりは.......」

「あ〜、女の人助けてたね。かっこよかったよ?」

 

.......昨日の俺の頭撫で回して全力で感謝したい気分だ。褒めてやる!昨日の俺。よくやった!!!

 

「まぁ、3発目でKOされてそのまま寝っ転がったまま付き合ってくださいとか言ってたけど.......」

 

前言撤回だテメェ全力で頭グリグリして罵詈雑言浴びせてやる。昨日の俺滅べや。

 

全力で地面に頭をうちつける。

 

「え?ちょっ!いきなりどうしたの?!」

「こ、壊れたぞ.......」

「いっその事殺してくれ.....蛍さんは悪くないって証言するから.......」

「死んじゃったら証言できないんじゃ.......」

 

正論なんて望んでないんですよ.......この羞恥心と後悔がですね?半端ないんすよ。助けてクレメンス.......

 

「ふふっ.......」

「え?」

「ナギ、面白いね?」

 

太陽を背に手を後ろに組んでこちらを微笑みながら見てくる彼女を見ていたらもうなんか全部がどうでも良くなった。

 

ほんと、なんでこんなに可愛いんだろう。

 

「おお〜、ちゃんと話せてるじゃないか。」

「ガイアか。どうした?」

「いやな?大したことじゃないんだが....あの調子だとまだ顔を見ただけで悶えてたりするのかと思ったりしてた訳だ。」

「んなクソザコ?!」

 

無言で頷く彼を見て腹がた....つ訳でもなく、自覚もあるわけで納得をせざる負えない。

 

「....」

「ああ、平和だなぁ」

「そうだね〜ちょっとここだけ騒がしいけど」

「ちょっ、勘弁してよ....」

「ふふっ....」

 

心を奪われた。あの時から彼女の一挙一投足が気になって仕方ない。顔に惚れた。その所作に。あの時叫んでたんだ。このチャンス、掴まなきゃ行けないって思った。やっぱり俺は自分の過去の行動に後悔はないみたいだ。怒りたいことは山ほどあるけど自業自得だからしょうがない。

 

「にしても日を改めた方が良さそうだな。もう周りも暗い。」

「うん。わかった。明日の朝、鹿狩りで集合はどう?」

「了解。」

 

じゃあねと手を小さく振る彼女を見送って取り残されたむさ苦しい男のみの空間。一気に地獄と化した。

 

「意外とお似合いかもな....」

「.......え?」

「んや?なんでも?」

 

 

....聞こえてんだよ。




甘さ控えめのつもり()

つまり、こいつらが付き合い出してからが本番だ。そこからが真の甘さを出すとき。もうベッタベタさせちゃうつもりですね。つもりつもりばかりだな.......プロット自体は固まってるのでグダる予定は無い。

ではまた次話で。

イカダ様、感想ありがとうございます。

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.......いや多いな。いいんすか?まだ2話ですよ?これ含めたらまだ3話っすよ?まじで感謝しかないっす。ほんとにあざます。ではまた次回でお会いしましょう

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