近所のクールお姉さんポジの英雄が俺の前だけ甘えてくるんだが? 作:だけたけ
正式には『天使と共にイチャイチャしてます!ひゃっほおおおい!!!』です。おい、ナギ。そこ、今すぐ変われ。と言いたくなる本編を....
どぞ
「....まじか....」
「さこく....って何?」
「要は外の国とは交流しないし連絡も取りません。って言う政策だな。」
鎖国なんて言葉、稲妻ぐらいにしかないから分からないのも無理はない。この場にいる俺とフィルタは稲妻出身だから分かるけれども、蛍とパイモンにはちんぷんかんぷんだろう。
とは言っても誤算だ。稲妻の情報が入って来ないとは思っていたけれどまさか鎖国なんてことになってるなんて流石に考えていなかった。
「帰ってくるな....ってか?やってくれるじゃねぇか、あのクソ神....」
「....ともかく、入る手段は無いの?」
苛立ちに任せて小さく言い放った言葉。それにいち早く気付いた蛍が俺の頭にぽんと手を乗せて左右に動かす。
だが今回ばかりは幸せは感じれど、この荒い感情は引っ込んでくれない。
自分でもわかっている。帰りたくないはずなのに1番稲妻に執着しているのは俺だ。過去を引き摺りながら逃げてきたツケを今払っているという事だろう。鎖国という事実を持ってして心の中がやけに騒がしい。
「私を舐めてもらっちゃ困る!手段は用意したよ!雷神に見つからなければだけどね。」
「おお〜....さすがだぞ!」
「船だよ。」
「当たり前だろ。船以外でどう行けってんだ?」
「....凪、落ち着きなさい。」
「....すまん。」
真剣な顔して俺をしたためるフィルタ。隣で撫でる力を強くする蛍。1:2ではこちらも矛を収める他ない。というか元々向けるつもりはなかったのだ。なかった....はずなのに....
「....ちょっと頭冷やしてくる。」
「凪、....お母さんに会いに行きなさい。」
無視してドアを開け、1人で家の外へと進んでいく。
ふっと緑が目に飛び込んでくると同時に穏やかな風が頬を撫でる。
「何やってんだ俺は....」
自問自答、後悔から出たその言葉に返してくれる人は居ない。
親に捨てられた時点でもうあそこに未練なんかないはずなのに...なんで俺はイラついているんだ?
帰ってくるなと言われたってこっちから願い下げだと思ってた筈だ。なのになんでこんなに....
「嗚呼....期待、まだしてたんだな....」
多分、きっと....心のどこかでは何かの間違いだったのだと、そう願っていたのだろう。
ーもうここにあなたの居場所はありませんー
そんなことを言われたのに何が間違いだったと?希望にすがるにしても限度があるだろう。はっきり、そう言われたのだ。拒絶の言葉だろう?これは。
「....ぁぁ....ダメ、だなぁ、俺、今度こそ、ほんとに捨てられちまった....」
目の前が歪む。頬が濡れる。
雨が降っていればよかったのに....
心の柱がひとつ折れた。自覚していなかったものが折れた。
あぁ....ダメだ。蛍を危険に晒したくない。俺は行かない方がいいんじゃないか?蛍1人で行ったほうが余っ程安全では無いのか?追放された俺が行けば何が起こるかわからない。
鎖国といえど、完全に他国と関係を断つなどは不可能。どこかで少数ながら船は出入りしている筈だ。
ああ、ダメだ。蛍ひとりじゃ....良くも悪くも稲妻からしたら蛍の容姿は異国顔。一瞬でバレる。
ああ、整理しようとすればするほどに問題が浮き彫りになっていく。こんなんじゃいつまで経っても行く決心なんてつきようが無い。俺は一体どうしたいんだ?
「おれは....どうしたらいいんだよ....」
蛍は無理しないで待っててと言うだろうか?フィルタは多分真剣な顔で叱咤して来るだろう。サフィーラなら....
そうだ、サフィーラ....もう1人の母さんなら....
生きているのだろうか?もしかしてフィルタと同じくトリックフラワーになっていたとしても....生き写しだとしても....
「....んなわけないか....」
暗い思考を正すために外に出たはずなのにまた暗くなっていては世話ない。もうこれは一種のトラウマだろう。いくつもの過去が数珠繋ぎのようにどんどんと思考の表に出てくる。
「そういえば、蛍にかっこいいとか言われたこと無かったっけ....まぁこんな女々しい思考をしてれば当たり前か。」
まぁ何はともあれ、行くのには変わりない。そして蛍ひとりで行かせるつもりもない。俺の知っている稲妻であればモンドや璃月の比にならない危険があちこちにある。
「ヒルチャール暴徒並のやつしか居ないからなぁ....」
いい感じに思考を切り替えれたと思う。頭に抱えていた苛立ちがなんぼかマシになっている。
この数日で蛍とイチャコラしてるだけじゃ問題を先延ばしにしてるだけって気づけたし、それだけでも儲けものではなかろうか?俺らの仲も少しは先に進めたしそろそろ次の旅に行く時だろう。
問題はあの懸念。
こことあそこでは価値観が違う。蛍の中で生じるそのギャップだけが心配だ。
「よっし、会って必要なら敵対。あのクソ神に前言撤回させてやる。」
鎖国の事も、俺の事も。蛍のことも。
全部、今の俺がいるのはいいものも悪いものも全部雷神バアルのせいだから。
だから...
うん。そうに決まってる。
__________________________
その日の夜、結局蛍に全力で甘えることを決定した俺は家に二人きりになった時点である目標を立てた。
目的はひとつ。蛍を愛でる。これ一つのみだ。
今まで散々やってきたテーマだが今回は趣向を少し変えてみたいと思う。
ふとした時に見える可愛い蛍、大好物だ。しかしだ、前世の記憶を持つ俺にとってあざとい可愛さもまた守備範囲内。むしろ望むところというもの。
そしてそれを蛍に当て嵌めた場合....もう、それだけで世界救えるのでは?と言わんばかりの尊さだろう。予想ですらそれなのだ。もう言葉に言い表せない程のものとなるに違いない。
だからこそ、俺は見たい。
俺だけが見たい。というか他の人に見せてたまるか。
という経緯で作戦を早急に考案する。
普通に頼んでも蛍は恥ずかしさから拒否するだろう。これはもう予想がついている。つまり重要なのは2点
1つは断れない状況を作ること。
もう1つはそれを他の機会でもやって貰えるように徹底的に何回もやってもらい、羞恥心を薄れさせること。
このふたつだ。俺の欲望のままの要求だが、それでも俺は見たい。
あっ....でもホタルに嫌われるくらいなら辞めるけど....
ま、まぁ、課題は山積みだ。だから練りに練った。作戦は....
....
........
............
「蛍、我慢しないってさ....言ってたよね?」
「うっ....い、言った....けど....」
「いや、何。もう蛍に負担かけるようなことは考えてないよ?」
夜、と言い難い時間。まだ外は明るい夕方。俺ら2人はベッドに横になりながらいつも通りくっついて寝ていた。抱きしめている訳ではなく蛍が寄り添う形で。
相変わらず鼻腔をくすぐるミルクのような柔らかい匂いと薄いネグリジェの奥に感じるこれまたすべすべな柔らかい肌の感触。
こんな幸せえでええのですかい?
と心の中で疑問を呈さずにはいられない。しかし今回はこれで我慢出来ないのだ。
稲妻に行く前で最後の夜、チャンスは今日この時しかない。
男ナギ、決めなければ....
意気込んだ俺に少し頬を染めた蛍が口を開く。
「ナギ....今日も、我慢しなくていい?」
「....ならさ、かわりばんこに我慢しないで本音とか、要求を言おうか。2人で暮らしてる上で少しは不満も出てくるだろうし....」
蛍はむぅと少しむくれてそういうことじゃないのに....と独りごちる。
咄嗟に躱してしまったが問題は無い。大丈夫であろう....きっと。
「本当は、今日、我慢しないのは、....俺って、思ってたんだけどな?」
「ッ....そ、その....だ、大丈夫だから....いつ、でも....」
いや、そっちじゃなく!もっと健全な方で我慢しないの!最近の蛍、俺よりもそっちの思考に染まってない?
「えっと、やって欲しいことがあるんだけど....さ。俺の番で....いい?」
「....////」
まぁ誤解させておいた方が面白そうな為、このままにしておく。わかっている。割とイケメンムーブ、自分でもきつい....辛い....けど、普通になんか蛍はときめいてるみたいだからもう辞める訳にも行かない。なんか最初に高い要求を匂わせておいてその後にその下の要求をすると通りやすいと聞いたことあるし試してみよう。我ながら割とゲスいやり方だと自覚はしている。
そんな心を知ってか知らずか蛍は少し身じろぎをして俺の胸に真っ赤な顔を押し付ける。
我慢できずに俺はその小さな体をぎゅっと抱きしめて耳元でこう囁いた。
「好きだよな、この体勢。」
「好きなのはナギの方でしょ....?」
「間違いない、このやわらかさはダメになる....」
胸の中でクスッと笑う蛍。くすぐったくて今度はこちらが身じろぎをする番だった。
「....なんで抱きしめる力強くするの?」
「なんか....甘やかしたかったから....というか、こう....」
「抱き枕でも貸してあげようか?」
「蛍がいいなぁ....」
「仕方ないなぁ、もう....」
そう言いつつより一層俺の体に力を入れて寄り添うその健気な姿。もう、目的なんてどうでもいいのではないか?と思い始めていた。
ぶっちゃけいつもより甘い空気な気がする。
「....他の奴らにその顔、見せたくないなぁ....」
「見られたくないし見せないよ。」
「....今日の蛍、強いな、」
「いつまでもやられてる私じゃないよ?それに、本心だし....」
とか言いつつ耳まで真っ赤になっていってるんですよねぇ....さっきまでは頬で収まってたのに。
とはいえ嬉しいことこの上ない。安心しきった様に目を瞑る蛍を見て、腰に回していた腕を持ち上げて蛍の頭を胸に寄せて撫でるのを再開した。
「んぅ....」
こんなグズグズに溶けた蛍を他の人が見れば阿鼻叫喚の嵐だろう。とんでもないことになるのは分かりきっている。まぁ見せないけれども。
仮に誰か男が見たとて蛍はそっちに靡くはずも無いが妄想されるのもこっちとしては断固拒否の姿勢なので是非英雄視して近づきがたい相手として接して欲しい。あ、でも女友達はウェルカムだぞ。2人で楽しそうにイチャコラしていたってこっちのダメージ少ないしな。
「んじゃ、我儘....」
そう言いかけると蛍の体がビクリと震える。そう警戒しないで欲しい。別に無理難題を言おうとしてる訳じゃないし、
そう、俺の要求とは.....
「蛍の、写真が撮りたい。」
__________________________
ステージはベッド。モデルは蛍のみ。スメール製の写真機を片手に今まで嫌がられないように、嫌われないように封印していた撮影会と言う秘技をここに解放する。
「次は口に人差し指置いて女の子座りしようか!」
「こ、こう?」
キョトンとした顔に細くて小さい指がやわらかそうな唇に当てられる。
まさかこんなこととは思っていなかったらしく、撮影会が始まってから3ポーズ目なのに未だ困惑の色がぬぐえない。
「いいねいいねいいねッ!やっべぇ、可愛いッ!際立ちすぎだろ顔ちっさ?!目が大きいッ!やべぇ、合法で蛍の顔をずっと見ていられるッ!」
いや、俺も若干混乱....いや、錯乱しているかもしれない。
「な、ナギ?」
「次はその女の子座りのまま足と足の間に両手を挟もうか!」
女の子座りとは、通称ぺったんこ座り。分からない人は調べてみるといい。一瞬で理解できるだろう。
いそいそと手を移動させる蛍。高まる俺の期待。
段々とさせられていることを頭の中で噛み砕けて来たのか徐々に視線が下に向いてくる。だがカメラマン俺、それは見逃さないッ!
「蛍、顔上げて!よっしゃ撮るぞ!....うっひゃ、やっべ、これ、めっちゃいいの撮れた....彼女の可愛い姿、記録に残すのやっべ....これやっべぇよ....ぐへへ....」
もう若干犯罪臭が....とは自分でも思っている。
「次、がおーのポーズ!」
「ま、まだやるの?!」
「え?一晩中やるつもりだったけど....」
蛍が固まった。いや、でもまだ5ポーズ目だし....最悪これの10倍は行こうと思ってたんですが....
「俺、我慢するのやめたから....」
「わ、わかったよ....うぅ、恥ずかしいやら嬉しいやらでもう感情がぐちゃぐちゃ....」
そりゃようござんした。少なくとも嫌われてないようで安心した。蛍ならほんとに嫌なことははっきり断るだろうと思っていたのであんまり心配はしていなかったが案の定だったらしい。満更でもないのだろう。
そこから15ポーズ目。
ここら辺で蛍にも変化が起きてきた。それは恥ずかしがってずっと俺の言うことを聞いてから動いていた彼女が放った言葉にある。
「ねぇ....これはどう?」
「お、おう....っふ....」
選択したのは俺が出さなかったある意味別方向のポーズ。カメラに向かって手を伸ばして体を若干下から撮るアングルなのだが....
問題は表情だった。Sっけ抜群の冷めた表情。割と刺さる人には刺さりそう....ってそうじゃない。
そう、変化とは....
割と蛍もノリノリになってきたということだ。
「これ、私の指示でナギにもやって欲しい....絶対いいと思う。」
断固拒否する。
「えっ、と....つ、次はこっちに両手広げておいで....みたいな感じで....」
「こう?」
「やっべ....これ、今すぐ飛び込みてえ....」
やらないけれども。これ、恋しくなるから写真見返せない奴では?今ではお互い冷静では無いのでまだマシだが、通常の状態に戻った時、蛍は悶絶するだろう。そしてその時には既に遅い。俺の秘密の金庫へとその写真は格納されているのだ。
完璧な計画。
最初、蛍の我慢しない発言を逆手に取って蛍を断りずらい雰囲気にして、その後にポーズを撮る蛍を撮影しながら本心を余すことなく表に出す。必然的にべた褒めになり、蛍の苦手意識が薄れていく。
誰も不幸にならない良い筋書きだろう。
そう、だろう....?
その疑問は現実になった。
41ポーズ目が終わった時、興奮した蛍が次、私ね!とカメラを半ば無理やり奪い取り、次は俺を撮り出したのだ。
「ナギ、ちょっとそこの壁に片手ついて?」
「こ、こう?」
困惑しかない。その場に立って手を壁につける。
「もうちょっと上。そうそう。それで腕伸ばして?」
「要求細かくね?....いいけど....これの何が....」
「んっしょ....思ったより狭いね....」
「んなっ?!」
まぁここまで読んだ皆さんにはもうお分かりでしょう。
そう、壁ドンです。カメラを胸あたりで持ちながら間に入ってくる蛍。こんなことをするとは思ってなかった俺は全然スペースを作ってなかったが故に至近距離。
「....蛍、な、何を?」
「ん?いや....って思ったよりちかっ....」
蛍の息遣いが胸に当たる。
「ぁ....に....」
「な、なんだって?」
「顎に....私の顎に手を添えて欲しい....」
「俺に死ねと申すか?!」
レベル1つ上の壁ドンじゃねぇか!もうこれでいいじゃん!ってかこれ写真撮られるの?!普通に恥ずか死ぬレベルなんだけど?!
と考えはした。
でもさ、俺が蛍の要求を断れると思う?
結果、プルプル震えながら何とか綺麗な顎に手を添えてクイッと少し上に持ち上げる。
パシャっ....
「撮った?!」
「え?うん....」
「....他の人には見せないでくださいお願いします....」
早口で頼み込む。少し困ったような顔をしている蛍はさっきまで口をワナワナさせて動揺しまくりで顔が真っ赤だったの覚えてるからな?!
「....なら、この状態で....私がやって欲しいことやってよ。」
「いや、この体勢がやって欲しいことなんじゃ?!」
「その先があるんだけど、分かる?」
わかるも何も....目を瞑り出した時点でやることひとつじゃん!もうこれ、教師も驚くレベルのカンニングだぞ?!というか教師が答え教えてんじゃんッ!!
キスしろと?!この状態で?!
あ、いや....待てよ?冷静になれ。
いや、冷静になれるかッッッ!!!!
こうなったらやり返しや。覚悟しろよ?お前、深い方してやるからな?!
マジで覚悟遊ばせ?!?!
よし、....
あ、待ってね。俺も覚悟いるから。
「まだ....?まだ分からない?」
「ッ.....」
わかってる!!答えは既に出てるんだ....解答用紙に書けないだけでッ!
「....蛍....」
「....うん」
「覚悟しろ....」
やっべ、セリフ間違えた。まぁいいか
「へっ?んぅう?!」
ここからは自主規制とさせて頂きたいと思う。
まぁ、言える範囲でいえば、徐々に抵抗が無くなる蛍の体....終わったあとクタッとしながら一言、「長いよ....ばか....」だったことくらいである。
それ以上に知りたい人は我慢してくれ...まぁ理性が外れかかったとだけ言っておこう。
尚、蛍が動揺してしまったため写真には残っていない。
__________________________
「ってことでやってまいりました!!船着場!」
「テンション高いね?」
「空元気に決まってんじゃねぇっすか!蛍の姉御!」
とまぁとり繕えるくらいにはなりました。あの出来事は俺の中でも冷めやらぬこと。未だにあの可愛い蛍が頭にこびり付いて離れない。
今日はここで1泊。出発寸前まで寝ていたいという俺の要望だ。ダメ男まっしぐらな意見に叱ってくれるかと思いきや、割とすんなりとオーケーを貰えた今日この頃、皆様はどうお過ごしかな?
ウンウン....
「なんも聞こえねぇ....」
「....から、元気?」
うん。空元気。本当はすっごく行きたくないし落ち込んでもいるの。船に乗るの全力で拒否りたい。これは本心だからジト目で見てくるのやめてください。お願いします。
「ってな訳で今日の蛍は俺の抱き枕な?」
「やだ。」
「よっしゃ!んじゃ早いところツボ設置し....ん?」
すぅ....耳バグったと思います。付け替え用の耳はどこにあるのかな....
と、馬鹿なことを考えている俺も居れば、困惑と深い絶望に沈む俺も居る。どっちが本当の思考なのかと問われれば間違いなく絶望の方だろう。現実逃避したい....
何せ、これが初めてのはっきりとした拒絶。
と、思ったのだが....
可愛いらしく口元に指でバッテンを作る蛍が少し口角をあげて続けて口を開いた。
「うっそ〜」
「ッ〜!!///」
過去に俺が気にしていた蛍に勝てる勝てない問題。もう家の中、外関係なく勝てません。見事に出玉に取られます。勝ったとしてもそれが勝利に感じられないほどにやり返しされる毎日....
はっきり言おう。
めっっっっっっちゃ可愛いッ!!!!
取り乱した俺が出した結論を頭の中でゆっくりと噛み砕く。
やだと言われた瞬間、彼女が取ったポーズ。普段恥ずかしがって外ではやらないようなこと。それでもやるということは蛍の素という事になる。つまり、これは狙っていないのだ。信じられないとは思う。しかし、あれから蛍はこんな行動が多くなったように思う。無意識なのだろうが....
そう、あれから....
撮影会って....ここにまで活きてくるのか....もう一回やろ。絶対。
「なんで黙ってるの?ほら、行こ?」
「お、おう。おう?」
どこに?と言おうと思ったが辞めておいた。多分蛍には蛍の考え方があるのだろう。そう、俺は出来るパートナーなのだ。何かしら察するものはある。きっと2人でしか行けないようなところだ。もしくは2人で行けば特別になるところ。
さぁどんと来なさい。昨日のあれを経験した俺に怖いものなど何も無い!
「あ、船着場ね?」
「うぇ?うん?」
「いや、どこに行くかそう言えば伝えてなかったって思って....」
....気遣いができる俺の彼女はどうだい?皆。....別に勘違いが恥ずかしいとかちょっとガッカリしたとかないからな?
でもちょっとは外でも飴をくれよ。いつもくれてるけど....
頭の中がピンク色、の後に黒。もう漆黒も漆黒で周りがまるで見えないような感覚になりそうになったのでとりあえず自分を慰めたい。
あ、そうだ....と手をポンと打って思いついたことを行動に移す。
俺は耐えられなくなったという大義名分の元、少し雑めに蛍のサイドに流れる一際長い2房の髪の毛先を左右に振って遊びだした。
「なんでわかるの?エスパー?」
「んー....なんとなく?ナギって素直な分わかりやすいからね」
「ふーん....これおもろいな....癖になりそう....」
「私は髪に癖がつきそう....」
おお〜....上手いこと言いましたな....蛍さんや。本気で嫌がってないのはなんでなんだろうか。髪は女の命と言うし文句ぐらい言われるものと思っていたが拗ねたような言葉だけとは....
「嫌じゃないのか?」
「愛してる人に触られて困るような手入れはして無いよ。」
「そ、そう来たか....」
俺が蛍のことを好きすぎるとか言うくせにこの娘こそ俺の事好きすぎるのではなかろうか?
「....でも手入れって言ってもセットとか....」
「私は髪の毛セットした事ないし、精々寝癖直すくらいだからね」
「おおっふ....それを彼氏の前で言う勇気....」
「....正直、ナギに出会うまでは女を磨いたり、普通の女の子みたいなことはあまりしてなかったから....」
いや、それを彼氏の前で言えるあたり、勇気というか....いや、この場合、自然体と言うべきか。....いや、普通に何も気にせずこの可愛さと肌の綺麗さとか髪のサラサラ感とか保てるの普通に女子嫉妬ものじゃね?
まぁ包み隠さずいつもの状態を見ていたいという俺の好みを理解しての行動なのだろう。第1、蛍が面倒くささ第1で行動しているのを見たことがないし想像もできない。むしろ他人第1で行動しているからこそ英雄と呼ばれるのだ。
その蛍がその上の第1を俺にしてくれた....
「む、むふふ....いちばん....ぐふふ」
「....やっぱり髪離して。」
「な、何故に?!」
変な声が出てしまったと自覚した瞬間に飛んで来る蛍の言葉。彼女に嫌なことをしたくないという思いから咄嗟に手を離してしまう。
「....だって、だらしないとか思ったでしょ。」
一瞬、頭の中が真っ白になる。断っておくが俺は1ミリもそんなこと思っていない。むしろ、髪のセットなしにこの髪型を維持できるのかと驚いたほどだ。それほどにこの髪型は彼女に似合っており、これをいじろうものなら逆に今よりも劣るものになるだろう。それでも可愛いという確信はあるが....
だいたい一緒に暮らしている上で清潔感を大事にしているのはわかっているし、髪質も気にしているのを知っている。面倒臭いからセットしていないのでは無いかなどと疑う要素がどこにある?
「....なんで黙ってるの?....やっぱり髪セットした方がナギは好き?」
「あ、ああ....いや、普通に今のままがいい。」
「....今度セットしてみる。」
待って?!ほんとに待って?!これ絶対間違った方に解釈されたよね?!俺、素直だよ?!自分の感情に嘘ついた事ないよ?!隠し事はするけども!!ぶっちゃけ昨日だけで2桁行くぐらいの回数押し倒したくなってるから?!
そんな思考の中、蛍がボソッと呟く。
「....ポニテとか」
「あっ、絶対いい....」
咄嗟に口に出てしまった。それがイケなかった。
「....バカ。もう知らないからね。」
むくれてしまった。出会ってから初の反応である。そんなもんだから俺はもうしどろもどろ。何をしていいか分からない&自身の悪かったところを考えるという思考ループに入ってしまう。
気付けば蛍の背中は少し離れたところにあった。慌ててそれを追うように足を回す。
「ち、ちょいちょいちょい!!!」
「....」
「そんなつもりで言ったんじゃ....」
そう言いながら肩を優しく掴んだ。 そうするとどうだろうか。肩が細かく震えている。
「蛍さん....?」
「....」
「笑いこらえてるよね?」
「....ポニテするなら髪伸ばさないと....ぷふっ....」
ロングヘア蛍見てみたい。めちゃくちゃ似合うと思う。ティアラとかつけてもいいんじゃなかろうか?今から調達するのもありだろう。
ってそうじゃない。とりあえず多分、俺はからかわれたのだ。
「....ちぇ....」
「ふふっ、ほら、いじけないで可愛かったよ??」
「無理です〜」
後ろから手を伸ばしてきた蛍が俺の頭を撫で始める。多分、身長的に背伸びをしているのだろうが.....
「あ、あれ食べよ?」
甘い思考にトリップしていると蛍がふと俺に言葉を飛ばす。
「あれっ、て....ああ、饅頭か。」
「あれ、美味しいらしくて...ダメ?」
「ダメなわけあるかいッ!おらああ!行くぞぉ!!!おやっさん、100個くれ!!!」
慌てて止めに入る蛍。それを無視して突っ切る俺。食べきれない?いや、余ったらパイモンが食べてくれるさ。問題ないだろう?いくら食ったってパイモンは太らないっぽいし。
「ナギ!ごめんなさい。3個で大丈夫です。」
「あ、あいよ....」
ありゃりゃ...その困りながらも笑っているその顔、大好物です。
「...ナギの、美味しそうだね。」
「いや、同じのだけど...」
「美味しそうだね?」
ははーん....これ、また俺をからかおうとしているな?そうは行くか!おら!
そう思い、俺は蛍が手に持っている饅頭にかぶりつく。
「あっ....もう....美味しい?」
「蛍の愛情込で美味しい....」
これでどうだ!....あれ?なんか嬉しそうに笑ってるだけなんだけど?頬が少し赤いのって絶対恥ずかしがってるからじゃないよね?
この動揺が行けなかった。俺の次の行動で蛍の反撃を許してしまう。
「ほ、蛍も要るか?」
「いいの?うーん....それじゃあ貰っちゃおうかな?」
ここでリカバリーだ。俺はすぐさま、自分のまんじゅうをちぎって蛍の口元へと運ぶ。これで少なくとも大きさ的にあーんは出来ないはずだ。受け取るしか選択肢が無いぞ?!
と、思っていた時期もありました。
結果から言うと彼女は俺の指ごと饅頭をくわえてきた。それどころか最後に俺の指をペロリと舐めてしまう。
「ご馳走様....」
「なっ....な、」
感触が忘れられない。指先を走る柔らかくも生々しいあの感触。ふわりと香るミルクの様な匂いに彼女の息遣い。
え?誘ってんの?
い、いや?!落ち着け?!久しぶりに気絶するぞ俺!!!頼む!もってくれ俺の理性!!!
おい、目を話せよ。何ずっと唇を凝視してんだ俺の目!!!
あの小さい口が俺の指を....あのままずっと....
想像するだけでもう鼻血が出そう....母性ありまくりかよ、溺れる。喜んで溺れます。ってか既に遅かった。鼻血出てるわ。
「....ナギ」
「何さ.....ッ?!」
動揺と卑猥極まる妄想から俺の返事がぶっきらぼうになっていた。ただ、後ろを振り返ると両頬を優しく包まれて....
そして唇に先程指に感じた柔らかい感触が....
「ねぇ....感想は?」
そりゃ、もう....
最高です。
意識が暗転した。
えー、読み返して思いました。15000文字、普通に読んでてなっげぇな....と。10000文字がいちばん満足感高いのでは?と。まぁスランプもあり、前話は割と文法おかしくなってた部分多かったんで気が向けば直します。
ところでナギ、最高です。じゃねぇよ。ふざけんなそこ変われ!!!!
猪狩の兄貴さん、サンさん、感想あざます!!!いやぁ、もうですね、アンケート、続けてくれって言うのが多くて多くて、リアルに泣きました。割とほんとに涙出ました。こんな駄文でいいんだ....読みたい人いるんだって....こんな自己満作品で....と。まぁ続けるか否かはアンケートの結果次第ということで....それでは
稲妻編の先、見たい?
-
見たい!
-
最近飽きてきたからいい
-
とりあえず空救済まではやれ