近所のクールお姉さんポジの英雄が俺の前だけ甘えてくるんだが?   作:だけたけ

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はい。だけたけでございまする。えっとですね。とりあえずスランプにつき、一旦ifを挟ませて頂きたいですね。数話はこれが続きます。ぶっちゃけこれ読まなくても本編の内容はわかるので興味なかったらスキップしてください。


それでは本編どぞ。


29.5話 《if》天使の次は女神 その1

「ッ....んぐっ....はぁっはぁっ....くそ....」

 

悪い夢を見た気がする。

 

万葉に案内された村外れの小屋に2人。みすぼらしいベッドの上で俺は勢いよく飛び起きた。

 

変な汗で体が気持ち悪い。頭が痛いし息も切れて苦しい。なんなんだ一体と心の中で愚痴を吐いた。

 

周りが暑い訳でもない。そもそも時期的に過ごしやすい気候な筈だ。

 

だがもうこんなことには慣れ(・・)た。過去に、蛍と出会う前には時々あった事だ。今更気にしてはいられない。

 

とは言ってもすぐ切り替えられるような悪夢ではなかった。夢だから結局は内容を忘れるのだろうが、それでも....

 

「敵....?」

 

敵とはなんだ。ゲームでは無い?そんなことを言われたってとっくにリアルだって理解してるんだよこっちは。血だって出るし、痛覚だってあるしプログラムが挟まれる隙などこの世界にはありはしない。

 

なのに....なのに何だこの焦燥感は?

 

「ちッ....」

「....ナギ....?」

「....悪い、起こしたか?」

 

横でモゾモゾと動く感覚があった後、掛け布団の中からひょこっと蛍が出てくる。

 

「ん....大丈夫....にしてもあつい....」

「そりゃそうだよなぁ、冬でもないのに布団の中に潜ってればな。」

 

少し汗ばんだ蛍を見てその肌に目が行きそうになるのを必死に抑える。いや、抑える必要はないんだけど気付かれたら気まずいし....俺も男だし密着してる時に臨戦態勢とか冗談じゃない。

 

第1そんな気分でもないし。

 

「....ナギ、おいで。」

 

寝ぼけ眼でこちらに手を広げて誘ってくる蛍。俺の頭の中はもう混乱の嵐だ。

 

「い、いや....なんで?」

「....…ん」

 

有無を言わせないとでも言いたげにさらにこちらに手を伸ばす。それを見て俺はノロノロと体を再び横たわらせる。断る理由などないわけで、まぁ男が女の人に抱きしめられに行くというなんとも情けない姿だが誰に見られるでもないのでノーカンだろう。何にカウントしてるのか分からないけど。

 

大人しく背中に手を回されるのを待つ。

 

....

 

........

 

おかしい。いつになっても抱きしめられる感覚がやってこない。

 

不思議に思い目をこっそりと開けてみる。

 

「すぅ....すぅ....」

「まじかよ....」

 

するとあろうことか気持ちよさそうに眠る蛍の顔が頭上にあったのだ。こっちは何とは言わないが押し付けられる覚悟を決めた後だと言うのにお預け。

 

さすがに納得が行かなかったので些細なやり返しとして今俺の手がいちばん近い太ももをちょんちょんとつついてみた。

 

「ひゃうっ....す、すぅ....」

「....」

 

おっかしいなぁ....

 

もう1回やってみよう。

 

「んっ....ふふっ....すぅ....」

 

....もう1回、今度は脇腹とか....?

 

「....ひゃぁあっ....むぅ....えっち....」

「やっぱり起きてるよね?!」

 

えっちと言われてもこれでも押えている方だとなぜ分からない。割と毎回無防備を晒されて理性と欲の戦争が行われていることはわかっているのかと問いたい。

 

「次はどこ?」

「ッ....」

 

意地悪な顔でこちらを見下ろしてくる。ほんとに何を考えているのか。あまり誘うような行動は辞めて欲しい。

 

「....旅の後って、言ったけど....その....別にいいよ?」

「....顔真っ赤だけど?」

 

据え膳はなんとやら。漫画とか小説でこういうシーンを見た時いいか行けよとかもどかしく思った記憶があるけど当事者になると理解する。

 

これは行けないと。というか正直こういうやり取りとか葛藤とか全部もっと感じていたいというか、なんというか....

 

この気持ち、蛍にも伝われ。

 

「....蛍は次、どこがいい?」

「えっ.....わ、わたし、は....」

 

この返しは考えていなかったのか顔からはすっかりと眠気の色が消えて口をわなわなと震わせながらボソリと呟いた。

 

「む、胸....」

「ファ?!む、むむむ、むむね?!」

 

俺の眠気も今、吹き飛んだ。思わず目を見開き見ないようにしていた薄着の向こうのふたつの起伏を想像して叫ぶ。

 

冗談じゃない。願ったり叶ったりだけど覚悟が出来ていないのだ。ぶっちゃけ雰囲気はいいから勢いで行けそうな気がしないでもないが....

 

その、想像とか、寝巻の上からでもガン見してしまったのは申し訳ないけど....

 

そこまで考えた時、蛍から非情にも否定のストップがかかる。

 

「ち、違う!違うって!....私がナギの....ってなんでまだ見てるの?!///」

 

おかしい。この体は俺の体だったはずだ。ならばなぜ否定しながら暴れているために揺れてる控えめなこれらから目を離せないのだろうか....

 

あっ、ちょっ!俺の顔を無理やり押しのけようとするな!痛いっ!痛いって!

 

「んーッ!んーーッ!」

「興味が無いと言ったら嘘になる。」

「なんでそんなに冷静?!」

「なんか一周回って....俺のなんだなって感慨が....」

 

何言ってんの?!ねぇ?!何言ってんの?!感慨ってなんだよ、過去にないくらいキモイ言い回しやめろッ!誰か助けてくれこの止まらない口を誰か止めろ!!!

 

「ねぇ、それって私自身のことだよね?私の胸だけに言ってるんじゃないよね?」

「そうか、蛍の全部、俺のものなのか....」

「泣いた?!」

 

なんかほんとに感慨深くなってきたんだけど....俺の口のアホがうつった?いや、元々俺の口だから俺がアホなのか?そうか。そうか。

 

「もう....」

「....蛍?」

 

背中に暖かいものを感じた。感触的に蛍が俺の事を抱きしめたのだ。これだけで俺の煩悩が全部消える。俺は単純だなとどこか冷静に考えた。

 

「変なナギ....急ぐ必要ないし、寝よ?」

「....うん」

 

そんな溶かすような声に身を委ねて、体の力を抜いた。

 

 

__________________________

 

 

今朝のナギはおかしい。

 

緊張もしてはいたのだろう。だが前まではここまでのことになると絶対に気絶していた。

 

ゆっくり距離を詰めて抱きしめるまではできるようになったけど性的なことはまだらしい....というのが今までの私の分析だったんだけど....

 

ー成長とは違う気がする。ー

 

これが実際に感じた感想だ。

 

寂しい思いをさせてる?

 

確かに相手が好きだっていう気持ちが大きくなればなるほど今まで通りの接し方では寂しく感じる。そんな経験は私だってある。だがこれも違う気がする。

 

もちろん愛が重いのはドンと来いだし、求められるならむしろ喜んでこの体を差し出してしまうだろう。しかしそれによってナギが苦しむなら話は別だ。

 

ナギが寂しいならそれを埋める事くらい私だっていくらでもやる。と言ってもさすがに限度はある。与えられる愛にも限りがあるのだ。一日中こうやって抱きしめている訳にも行かないし....

 

「むね....か....」

 

1人で呟いて1人で悶えそうになる。何やってるんだろう私は。

 

可愛い可愛いと褒めて溢れんばかりの愛をくれるのに胸やら何やら、女性の特徴的なところはさほぼ目もくれなかったので本当は興味あったのだと少し安心した。

 

「あぁ....ダメだなぁ....旅終わりまで持ちそうに無いや....」

 

あの時、話し合って決めた約束。旅の途中に子供が出来ては大変だと言う事でお互い、渋々決めたあの決意が今になって揺らいでいる。

 

そもそも彼が悪いんだけど....

 

いきなり胸を見てくるし、私の中で最大限の譲歩としていつもの抱きしめで....その、お、おしっ、押し付け....てみれば安心したような顔ですぐ寝るし....

 

視線を落としてもう既に私の胸を離れて寝息を立てる彼の顔を覗いた。

 

平均的には整った顔。黒髪で毛先が水色のグラデーションがついた髪。サラサラな毛束....

 

「少し、だけ....」

 

鼻をナギの頭に押し付けて息を吸い込む。

 

鼻に広がる彼の匂い。汗臭くはなくただ少しオス味を感じる匂い。

 

嗚呼、やるんじゃなかった....これ、やばい。

 

癖になりそう。少しのつもりだったけどこの体制を変えたくない。確か相性がいい人の匂いはいい匂いに感じるらしいけど.....

 

ぶっちゃけ薬かってくらい頭がクラクラする。

 

「んぅう....」

「ッ....、」

 

ナギが不意に出した声でハッと我に返った。気付かれない、それでいて素早く顔を離す。

 

何をやっていた?と自問自答をした。

 

「私も、割と我慢大変なんだけどなぁ....」

 

彼の額を小突いて愚痴をこぼした。世の中の女性は傍に大切な人が居れば満足だという。今までそういうのに縁がなかったからか恋バナなどはしたことが無いけれど多分、私は特殊なのだろう。

 

私の望みは、この人になら無茶苦茶にされてもいい。では無くこの人に無茶苦茶にされたい。なのだから。

 

ああ、ダメだ。ナギの友達に嫉妬してる....独占欲が止まらなくなりそうだ。

 

ここまで考え事をしているのに何故か体は眠くなっていく。

 

ほんとに...

 

 

どんな夢見てるの?その中に私も....

 

そこまで考えて、意識が暗闇に落ちた。

 

__________________________

 

 

「....ここは....何処だ?」

 

気づけば草むらの中に横たわっていた。鼻を辺りに生えている雑草が優しく撫でる。

 

風が心地よく、混乱するべき状況なのにも関わらず心は異常な程に冷静を保っていた。

 

見たことの無い植物にふたつの太陽。昼なのに夜のように星が見える不思議な空間。

 

「....なんなんだ....」

 

頭でもおかしくなったのか?そう考えるしかなかった。考えつく結論がそれしか無かった。

 

ひときわ強い風が吹き、それが合図のように俺は体を起こす。

 

辺りに広がるのは....

 

「なん....じゃこりゃ....ッ」

 

木が動いている。風ででは無く、人のように歩いているのだ。本能が警鐘を鳴らした。

 

その瞬間、後ろから強い力で引っ張られる。

 

「何?死にたいの?!」

 

小声で耳元から激が飛んできた。

 

「は?....」

「....私を巻き込まないでよ!」

 

そうして引っ張られる感覚はなくなり、それと同時に後ろにいた存在は立ち上がった。

 

俺の頬に触れる髪。

 

金髪の....綺麗な黄金色。

 

咄嗟に後ろを振り返る。

 

その瞬間、一番最初に浮かんだ言葉は....

 

蛍だ。

 

だった。

 

「自殺願望者じゃないんだったら大人しく私の後ろに隠れてて。お姉ちゃんが守ってあげる」

 

....いや、違う。蛍に似ているけれど違う。そもそも蛍はショートカットなのに彼女はミディアムロング。肩甲骨くらいまで伸びたその長い綺麗な髪を持っている上に顔もとんでもなくいいと来た。

 

こちらを落ち着かせるための笑顔だろうが蛍とは違うどこが快活なイメージ。

 

蛍がクールな美人と可愛いを兼ね備えている最高の女性とすれば彼女は少々美人に天秤が偏っている。そもそも容姿も似ているだけで全く同じという訳では無いし、目だって金と赤の....

 

「....お姉ちゃん....ってそんな変わんねぇだろ。」

「テイワット語....?」

「....」

 

この世界の異様さとは裏腹にテイワット語も知ってるとなれば....

 

やっと浮かんでくる疑念。むしろ今までどうして疑いを持たなかった?と言いたくなるほどだ。

 

こいつは多分、ゲームでは描かれてなかった蛍の血縁者だ。世界を渡って旅をしている最中と思えば納得も行く。

 

じゃぁ俺は別の世界に来たってことか?

 

ベチンと言う何かを激しく叩きつけるような音に意識は現実に戻される。

 

目線を前に戻せば視界に移るのはクレーターと言うには少し小さいほどの凹んだ地面、その上をクネクネと動く木の枝....のようなもの。

 

正直にいえば普通に気持ち悪い。

 

「ほら!走れ!!」

「ッ、女性を戦わせて逃げるとかあいつに合わせる顔がないにも程がある....んですよッッ!」

 

ごめん。ちょっとひよった。

 

美人の何言ってんだこいつの顔、普通に傷つくからやめて欲しい。最近、蛍以外の女性と喋ってなかったから普通に接し方を間違えたかもしれないし....あ、胡ねぇとかフィルタは女の人として見てないから....ぶっちゃけ可愛げがないったらありゃしない。

 

っとこんなこと考えている間にも目の前の人は戦ってるんだ。ここはひとついい顔して元の世界に戻る手立てを教えていただくとしますか。

 

「....変な顔してないで戦えるなら手を貸して」

「酷いな?!」

「....」

 

カッコつけた途端にこれだ。所々で蛍と似たようなところを感じる。やっぱり血縁者なのだろう。後で聞いてみよう。

 

ん?ってなればここでいい所見せれば蛍との結婚も祝福してくれる率が上がる?やっべ、俄然やる気出てきたんだが?

 

よし。ちょっとカッコつけながらやるか。久しぶりの大技。

 

千氷舞花(せんひょうぶか)

 

自分の前に手を伸ばして指を鳴らした瞬間、俺の背後に現れる氷の....

 

氷....の....

 

「なんじゃこりゃああああ?!?!?」

「な、なにやってんの?!早く消してよ!!」

 

20本くらい出して串刺しにしようとしていただけなのに実際でてきた本数、概算4000本以上。

 

慌てふためく2人。それを知らずに叶わないと悟り逃げていく木のモンスター。ぶっちゃけカオスである。

 

「こ、ここって更地にしてよかったり....?」

「いい訳ないじゃん?!」

 

しかもこれが炎とかだったらまだ良かった。空に打てばやがて消えて落ちてくることも無い。しかしこれは氷だ。空に打ったところで被害が広がるだけ。

 

「もうッ、ちょっとそのままで待ってて!」

 

そう言って飛び出していく彼女は剣を構えて一言。

 

千火万来(せんかばんらい)!!』

 

そう叫んで出てきたのは小さい火球一つだけ。

 

ビー玉サイズのそれを見て俺はもう一度叫び声を上げた。

 

「それでどうすると?!1本でさえ溶けねぇよ?!」

「こう、するのッ!」

 

投げるように手を振りかぶる彼女はそのまま剣を....

 

「投げ捨てたぁぁああ?!?!」

 

いや、いやいやいや。火の玉に殴りかかってんだけど?!

 

ツッコミを入れつつ俺は分析した。そりゃもう必死に。だってその炎、青なんだもん。なんかもう嫌な予感しかしない。

 

彼女の拳が火の玉に当たった瞬間....彼女よりも前の空間が爆ぜ消えた。

 

「ッ....!」

 

目が焼かれる。全身に熱波を受けてそれから逃れようと自身の前に氷の壁を作ろうとするも片っ端から水に戻る。

 

爆炎による蜃気楼か、それともはたまた空間がえぐり取られたのか。そこには何も無い空間が拡がっていた。

 

「こんのッ....きえろぉお!!!ッ!」

「待って?!待て待て待て!オーバーキルすぎるからッ!」

 

未だに勢い衰えない火に対してさらに力を込めるように手をつきだす彼女。容姿とは裏腹に乱暴な言葉を吐きながら青い炎はより一層威力をあげていく。

 

「ふぅ....ブイっ!」

「ブイっじゃねぇよ?!これどうすんの?!草木どころか空気すら吹き飛んだんだけどッ?!」

 

空を見れば少しの範囲だけ夜空が見える。空が切り取られた。意味がわからない。俺ですらこんな威力は出せないのに....

 

「勝利の証だよ?ほら、きみも!」

「いやいや....」

 

俺、邪魔しただけじゃん。被害増やしただけじゃん。

 

そんなツッコミは入れれなかった。普通に俺でさえ瞬殺されそうな目の前の光景に苦笑いしか浮かばない。

 

「なぁ、蛍って知ってたりするか?」

「あ、お母さん?もしかして知り合い?」

 

....

 

........

 

............

 

ふぁっ?!

 

 

__________________________

 

 

混乱をしすぎると人は思考を放棄するものらしい。

 

いきなりの現実の突きつけで俺の思考は既にオーバーヒートを起こしていた。

 

今から最低なことを言おう。目の前の少女はぶっちゃけると見た目は蛍と同じレベルで俺の好みどストライク。性格は蛍よりも活発な印象を受ける。クールと言うよりかは素直なタイプだろうか。ぶっちゃけると俺の中では好印象。

 

そんな彼女は蛍の娘だと言う。にわかには信じ難いがその言葉が真実だと裏付ける感情があるのもまた事実なのだ。

 

だって普通に愛おしいんだもんなぁ....

 

こう、保護欲というのはこんなものなのかと。世の中の父親が「娘はやらん!」と言っている気持ちが大いにわかると言うか....なんというか....

 

「その....名前は?」

「ん?あたし?(しおり)だよ。それにしてもお母さんの知り合いなんて珍しいねぇ。お父さんの知り合いは何人か知ってるんだけどなぁ....」

 

肩が跳ねた。俺の知り合い?誰のことだ?俺の知り合いは蛍の知り合いでもあることが多い。俺だけしか知らない知り合い....え?居たっけ?

 

ぼっち極めてるリア充で有名な俺がそんな大層な知り合いなどいるはずが....

 

「サフィーラお姉ちゃんとかよく来てたんだけど....知ってたりす「ブフッ?!」え?!ちょ、どうしたの?!」

 

嬉しい。そりゃ昔の行方不明の家族が生きてたことを知れたのなんて嬉しいに決まってる。でもだ。

 

でも....

 

今じゃねえだろ?!もうちょっと、こう....なんかシチュエーションが決まってから発覚することじゃないの?!おかしいだろ!!!

 

「え、えっと....着いたんだけど....その、大丈夫?」

「お、おう....」

 

ツッコミを入れてしまった自身の行動を思い起こしながら上の空で返事をした。しかしやっぱり顔を合わせたら崩れ落ちるくらいには心にくることで....

 

「これが、夢じゃなかったらなぁ....」

 

薄々感じていた事。今の俺は稲妻攻略中でこんな大きい子供などいるはずも無い。なのに目の前には蛍の娘だと言う人がいる。父親は怖くて聞けなかった。

 

今更になってこれが夢では無い可能性について考えてしまう。

 

故にドアノブに手をかける彼女に一言、のちのち後悔するであろう言葉を放ってしまった。

 

「....やっ、ぱり遠慮するよ....」

「え?ここまで来て?!」

 

歓迎する気満々という様子にひとつ、俺は現実逃避ついでに「男をそんな早く信用するな。」と小さい声で独りごちる。

 

「ああ。君とは割と自然に話せるけどやっぱり気まずいもんだろ。彼氏とか間違われたら迷惑だし。」

「ん〜....確かに....?」

 

でもなんか納得いってないようでいまいち反応が薄い。

 

両手の人差し指を側頭部に附けながらあざとく悩んでいる彼女を見ていると、その瞬間、目的地だった家の隣のドアが激しい音を立てて開いた。

 

ドアが可哀想だろ....とツッコンだがまぁそれはそれとして。

 

とりあえずここから去ることを第一にかんが「ナギッ!!!!」

 

「ッ?!」

 

声につられて顔をそちらに向けた瞬間、見覚えのある顔が....

 

「って、ぇええ?!?!」

「ナギっ....ナギッナギッ!!!!」

 

突進バリのタックルで俺のみぞおちに突っ込んでくる蛍が目の前にいた。

 

この後来る痛みを避ける為に避ける、などという選択肢は俺の中にはない。抱きついたあとのバランスなど考えていないような体勢でこちらに飛び込んでくる蛍を抱き支えるほかに選べるルートは無いのだ。

 

わかったわ。これ、夢だわ。

 

だって常々、蛍に来て欲しいと内心思ってた服装なんだもん。

 

ニット萌え袖ショートパンツ!!!!

 

やっべ、叫びたい。この感動を全世界に共有したい。というか神か?なぁ神か?天使から神に転生しちゃった?オーマイガッ!!!!俺はもう気絶だ。このまま抱きつかれたらきぜつだ。

 

ダボダボニットとかどこの男子高校生の願望だよほんとにありがとうございますッ!!!!

 

しかもダボダボってことは抱きしめた時に感触とかはどうなるんだろ....?

 

やっべ、楽しみだ。よっしゃ、ばっちこーい!!!!

 

「うぐほッ!!!!」

 

無事死にました。




はい。いかがでしょうか。書きたいものを書いたはいいものの、書き終わった時に「え?これどこの世界観?」ってなったのは内緒。ぶっちゃけこれ、原神キャラが出る別世界クロスオーバーって言っても通じるぐらいに別の話になってますよね....

許して!!最近ゲーム、浮気ばっかりしてて....い、いつかは波が....そう、原神の波がまたやってくるはず....その時に2日に1回投稿に....戻れたらいいなぁ....

うん。

猪狩の兄貴さん、サンさん。感想あざます!

いやぁ....久しぶりにお気に入り登録数見たらなんか650近くてひっくりがえりましたね。
こんな亀更新作品にお付き合いいただいてありがたい限りです。いや、本気で。

ではまた次回

稲妻編の先、見たい?

  • 見たい!
  • 最近飽きてきたからいい
  • とりあえず空救済まではやれ
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