近所のクールお姉さんポジの英雄が俺の前だけ甘えてくるんだが? 作:だけたけ
今回はですね、えーピンク色のシーンが多めですね。ぶっちゃけ作者が暴走しました。それも含め見ていただけると幸いです。直接的な表現はしていないのでギリR15かな....と....多分?....メイビー
それでは本編、どぞ!
危なかった。
与えられた部屋に入った瞬間、私は胸を押さえてドアを背にして座り込む。
「さすが....英雄と呼ばれるだけありますね.....」
武芸を収めている身だと言うのに、自身でも決して弱くないと自負できるほどなのにも関わらず、あの殺気を前に膝を折りそうになった。
ー討伐?ナギにその母を討てと?ー
その言葉がまだ頭にこびりついて離れてくれない。
考え足らずだった。私らしくもなくただ目の前にあった光を掴もうと突っ走った。認識の違いもあるだろう。私は"交渉"のつもりだったのだ。しかし実際はそんな生易しいものではなかった。
あの切り返しは苦肉の策、多分凪様にはバレている。本心から討伐と言っておいて、ダメそうだったから試したということにした。最低だ。誠実のせの字もない。やっていることは悪人とそう変わらないだろう。
「嗚呼....自分が嫌になる。」
自前の頭の回転の速さで何とか乗りきっただけ。
母が嫌いで凪様は城を出たのでは無いと、母に見限られ、居場所が無くなったから出る羽目になったのだと何故考えなかったのか。
稲妻の民の為と理由をつけたところで免罪符になりやしない。武人として、それ以前に人間として間違った言動。
「....ダメですね」
そう、ダメだ。このままでは決して。
謝ろう。それで罵られようと、協力してくれなくなったとしても、
いや、それでいいのか?確かに人としてはこれが正しいのは言うまでもない。しかし、一応、協力してくれるという結論が出ている。稲妻の皆を救う手だてが見えた今、それを捨てる行動は正しいのか?
結局はどちらを優先するかの違いだ。凪様と蛍殿か、それとも稲妻か。
交渉は感情的になった方が負ける。よく言ったものだ。まんまその通りじゃないか。にっちもさっちも行かなくなっているこの現状....
ああ、苦しい。どうするのが正解だ?何が正しい?
いや、これは平行線だ。どれだけ考えても正しい方など分かるはずもない。ああ....うん....
「詰み、ですね。」
額に腕を当てて天井を仰ぎながらそう独りごちる。
その時だった。
コンコンと控えめなノックの音が背中から聞こえた。
息を一瞬忘れるほどに心臓は跳ね、体がビクッと震える。まるで家に初めて入った子猫の様だとどこか冷静な頭で考えた。
「....神里、ちょっと良いか?」
「凪様ッ....?!」
2度目の驚き。
てっきり私は蛍殿が来たのかと思っていたのだが違ったらしい。凪様なのならば一体なんの要件で....?
まさか、協力するという言葉はあの場を静める為の嘘?可能性はある。大いに有り得る。
だとすれば....
「....」
サーっと顔から血の気が引く。
失敗した、失敗した失敗した失敗した失敗した失敗したッ!?
「....どうぞ」
「いや、えっと、取り敢えずリビングで待ってる。10分後に来て欲しい」
死刑宣告。それに似た何かを感じた。この言葉、子供が親に怒られる時の様に身が縮みそうになる。
「....はい。」
でも、そう返事する以外に選択肢は無いのだ。
どうすればいい?何が出来る?協力を得ることはほぼ確定しただろう。しかし遺恨を残しては作戦に影響が出る。それに....
「どうしたものか....」
凪様があんな簡単に気絶するはずがなかったのだ。あれでいて神の1柱、その子供。数多ある魔神のうちの一つの....
「....」
天罰?それとも....
きっと考えていても答えは永遠に出てこないだろう。そんなことはわかっている。でも不安感とやってしまったという後悔がどうしても回る頭を止めてくれない。
「行くしか....ない..」
諦めに似た何かを胸になけなしの覚悟を決めた。
__________________________
「という事で。蛍。」
「なに?」
「あと10分で神里が来るけど....」
やだ。と言いたげに顔をしかめる蛍。
まぁ分かるけどなぁ。大いにわかるんだけれども....
「蛍、俺はさ....愛にかまけて相手のダメなところを容認するような彼氏では無いつもりなんだよ。」
ごめん。俺、どの口が言ってんの?なんならダメなところ蛍より俺の方が圧倒的に多いが?ほんとにどこの口がこれ喋ってんの?おい!
「....うん」
つっこまないじゃん!つっこんでよ!!!
「蛍も俺がやりすぎたり悪いことしたら言ってくれるでしょ?」
「うん。」
「だから俺も言うよ。今回は蛍も悪い。」
腕の中にいる蛍、俺の背に回した腕にほんの少しだけ力が入ったのがわかった。
「もちろん俺のために怒ってくれたのは分かってる。それ所か感謝してるし今すぐ....蛍の耳美味しそうだね....」
「へ?」
え?
「まぁ取り敢えずもう1回、今度は3人で冷静に話そう。つんつん....」
「うひゃぅっ....ナギ!////」
いや、これでも我慢した方なんだよ?目の前に蛍の耳があったら普通口でハムハムするからな?それを指先でつんつんするだけに留めた。俺、まじで天才。よく我慢した!
「冷静に話すって約束してくれなきゃ俺はずっとつんつんする。そしてあと4つんつんでレベル2のハムハムにグレードアップします。」
「ハムハムって何?!ち、ちょ、まっ///」
「ハムハムは....」
ぶっちゃけ今、俺は調子に乗っている。今はもう蛍をからかうので夢中だ。なので今の俺は口を耳に近づけて囁くことも可能だ。後で恥ずか死するだろうけど....構うもんか!行ったれええ!!
「ハムハムだよ。」
くすぐったいのかなんなのか、顔を真っ赤にして身をよじらせる蛍は俺の言葉を聞いて体の動きを止めた。
「....もしかして期待した?」
「〜〜ッッ!?/////」
痛い痛い。ポカポカ叩いて来るのやめ、ヤ、ヤメ、い、いだい!ほんとに痛いッ!
「....お腹周り以外なら....いいよ?///」
「はぅッ?!」
それはどういう?!あ、そういうやつ?!な、なるほど!なんも理解できてないけどな!!!
「な、....何かとお腹にも興味があるお年頃なのですが....」
「ダメ。最近ぷよぷよしてきたから....」
太らない体質で有名な蛍さんであれど日々の旅を休んでいたあの日々、運動していなければ割とまずいのだろうか....というか余計な言葉が多いぞ、動揺すんな俺ッ!
「....」
「....ダメだよ?」
わ、わかってる。見てるだけ、見てるだけだ....そう、見てるだけ....
「....」
「ナギ?」
あー、心の中で謝っとく。すまん。我慢の2文字、俺の中にはなかったようだ。
「えい」
「っ....?!」
蛍がビクリと跳ねてその場を抜け出そうとするがもう片方の腕でそれを阻止。細かく身体を震わせながら「ダメ!」とか「や、やめっ」だとか言ってくる。
ただひとつ疑問が浮かんだ。
「変わってなくない?これ」
「うぅぅぅ....変わったもん....」
恨めしそうにこちらを至近距離で睨んでくるがその表情は恐怖よりももっとやりたいという感情を後押ししてくる。
だとはいえ、さすがにこれ以上お腹を触ると拗ねそうな気もするので名残惜しいけどこれで満足したことにしておく。
「ぁ....」
「え?」
「いや、別に、その...」
ただでさえ赤い顔をより一層赤くさせながら蛍はボソッと俺に呟いた。
「やめ....ちゃうの?」
「うぐっ....」
今日一で心臓が跳ねた瞬間だった。
「えっと、私はどうすれば?」
....今日一が一瞬で更新されました。
__________________________
3人の動揺が収まり、冷静に話ができるようになった頃。長い間無音だった空間にひとつの凛とした声が響く。
「私の....私達の考えは変わりません。」
「それは、なんの考えだ?」
「討伐も視野に入れるという言葉に偽りは無いという意味です。」
「このッッ!!!」
蛍が掴みかかりそうになるが手を割り込ませて止める。ベタなやり方だが咄嗟にできた行動がそれだった。
「それで?」
「ッ....目狩り令は日々過激化しています。稲妻城前の巨大な像にはめ込む儀式、それが何を意図しているのかは分かりません。察するに貴女は母上....雷電将軍を説得しようとしている様子。この現状がいい方向に変わるのであれば手段は「そうじゃない。」ッ....」
「そうじゃない。実害はあるのかと聞いている。討伐に足る理由が欲しいんだよ。俺は。」
神の目が奪われることで想像できる実害は2つ。元素が使えなくなることと戦力の低下。他国との戦争が起きた時、または有事の時の対応力の低下だ。
元素が使えなくなることで不自由にはなるだろう。生活が変わることは余儀なくされる。しかし政治とはそういうものだ。何かを制限や保証して何かをコントロールする。全て都合よくしてみんなハッピーなんて結末は存在しない。
その国の能力は有限で、その限られたリソースを何に割くかを決めるのが政治。そのリソースを増やしたくて害より利益が多い政策を打ち出すのだ。
だから俺が知りたいのはひとつ。
実害が利益より上回っている根拠を知りたいのだ。
まぁ簡単に言うとみんなが苦しんでる理由を知りたい。これに尽きる。
だから....
「お前のことは興味が無い。俺は蛍が大事だ。愛してるし生き方を尊敬もしてる。本来、二つ返事でOKをする内容なのに俺のせいで蛍が人を助けない....そんなの見たくないんだよ。」
偽らざる本心。これが全て。俺を捨てた稲妻に興味は無い。俺が優先するのはあくまで蛍。これを曲げる気は毛頭ない。
「....神の目を取られた人は廃人同然のようになります。感情を示さず、何に対しても虚ろ....」
そうだ....なんで忘れていたんだ?前世で稲妻攻略した時の一番の重要ポイントだったはずなのに....
「....十分だ。俺たちは全面的に協力する。必要なんだったら俺が雷電将軍を殺そう。」
「ナギッ!?」
許してくれ。蛍が俺のために本気で怒ってくれるように俺も蛍が一番なんだ。これは譲れない。
そう、覚悟を決めて蛍の目をまっすぐと見つめる。
しばらくして蛍はいきなり席を立った。
隣にいる俺の目の前に来て伏せていた目をあげて胸ぐらを掴んで来る。
「カッコつけないでよッ!!!!」
蛍は....
泣いていた。
本当に、いい彼女を持った。そう心の片隅で考えている自分がいる。彼氏彼女の間柄でここまで相手を想える人がこの世界に何人居るだろうか?本気で、混じり気のない、ただ"相手のため"だけという感情でここまで怒れる人はそうは居ない。人はこれを重いだとかウザイなどと言う。
でも俺は、親に捨てられた俺にはこれが心地いい。
「カッコつけてないよ。俺は。」
「つけてるッ....言葉を着飾ってるだけじゃん!」
もう号泣。そう言っても違和感がないくらいの涙。俺が泣かせた。蛍の想いを踏み躙って俺が泣かせてしまった。
罪悪感はもちろんある。でも、ここで折れる訳には行かない。
「蛍は....英雄を割り切ったんだろう?助けなきゃ。」
「ナギが困るならこんな称号なんていらないッ!何度だって捨ててやるッ!私には....今の私に大切な人なんて貴方しか居ないッ!!!!」
依存。わかってる。そうじゃないことくらい。
「捨てちゃダメだ。ずっとその仮面を手に持って、いつでもつけたり外したりできるようにしなきゃダメだ。」
「ッ!なん、で....ッ」
「過去に俺は捨てろって言った。確かに言った。でも....今の意見は正直違う。英雄も蛍の価値だ。今の俺には英雄の蛍でも、その中の蛍を愛せる自信がある。見失ったりしない。だか「そうじゃないッ!間違ってるのはナギだ!!!」ッ....」
そんな一際大きな、乱暴な声。それにつられて初めて心を込めて蛍の顔を見た。
歪んでいた。端正で可愛くて、キメ細やかな肌、その顔がしわくちゃに、今までに無いくらいに表情をぐちゃぐちゃにして唇を震わせていたのだ。
「ッ....」
今度、驚くのはこちらだった。
「気付いてるッ?!ナギは今、他の人が私を見るように、英雄としての私しか見てないッ!!!」
「そ、そんなこと....」
「あるッ!ナギは....ナギはッ!!!今まで英雄を強制したことなんてなかったッ!!!!!」
そのあまりある迫力に言葉が出ない。
「ほんとに....本当に....ッ!ナギは、ナギは今何を考えてるの?!何を見てるのッ?!」
「なに、を....」
「分からないッ!分からないんだよ!稲妻に来てからふざけることが減って、何に対しても無難な回答しかしないッ!」
、そんなことは無い。そう言いたかった。でも出てくるのはただ掠れたうめき声のみ。それは動揺故か、それとも図星だったからか....
「薄っぺらいことしか言わないッ!私が愛してるのは真剣になるべきところでもふざけて、でもいざと言う時は頼れて、助けてくれて....一緒に居るだけで暖かい人、でも今は寒い....寒いのッ....」
その場で崩れ落ちる蛍。伝えたいことはぐちゃぐちゃで詳細は分からない。でも、....ひとつわかったことがある。
蛍は正しい事を
嗚呼....そうだ。そうじゃなきゃ....
俺の目はいつの間にか曇っていた。英雄の蛍の中の蛍を見続けられる?違っただろ....そんな仮面が見たくなくて捨てさせたんじゃないのか?
重要なのは正しいじゃない。幸せを選ぶ事を強要しておいて自身の中で何が変わっていたのか....
蛍を言い訳にして、いつの間にか英雄に焦がれて....俺も仮面を作っていた。綺麗事しか吐かない物語の主人公であることに酔っていた。違うだろ....
違う。
物語の主人公は蛍だ。英雄でもない、ただの蛍だ。
俺はそれを引き立てる道化。馬鹿ばっかりしてかき乱すだけの、ただの道化。
でしゃばる脇役は要らない。脇役は脇役らしく、振る舞うべき態度というものがあるだろうナギ。
記憶がなくなろうと、何かを捨てようと、蛍だけは大切にする。そう覚悟したはずだ。
前世でやっていたゲームの主人公を推して、この世界に来て恋して、愛してる今この現状。
選択肢なんて無い。
俺が一番蛍を知ってる。わかってやれる。押しつけでもいい。自覚があればいい。
蛍を正面から受け止める。ただ、それだけの事を見失っていた俺は馬鹿だ。
「....ごめん....蛍を見てなかったのはその通りだ。多分、自分のことでいっぱいいっぱいになってた。ろくに何も考えずにこれが蛍のためだって勝手に考えて、言葉に出してた....」
自分に余裕が無い。言い訳だ。それなら隠さずに打ち明ければよかった。そんなことわかってた筈なのに、多分無意識に意地張ってたんだろう。俺は。
「そんな表面だけの謝罪は要らない....ッ」
ならば俺は、今できる全部を君に示そう。
「蛍。耐えれなくなったら背中叩け。」
そう言うと勝手に俺の体は動いていた。胸ぐらを掴まれたまま蛍の体を抱き寄せ、強引に彼女の唇を奪う。今までにないくらいに強く、力を入れて抱擁する。
息の交換、愛の確認。
喧嘩の仲直りにキスをするなど阿呆としか言いようがないが、道化だから仕方ない。
思いのままに口を動かす。
最初は抵抗していた蛍も次第に力を弱めてだらんと腕を下ろす。
何分たっただろうか。
神里の姿は蛍で見えない。どんな反応をしてるだろうか。これを自覚した蛍は何を言うだろうか?
息が苦しい。それでも、俺は辞めない。
ポンポン....
背中に2回、弱々しい衝撃を受けて口を離す。俺らの口の間には透明な糸が1本、光に照らされて光っていた。
「ぷはッ........はぁっ....はぁっ....蛍、ごめん」
「はぁっはぁっ....」
無言の睨みを受けて俺は苦笑した。
__________________________
神里が泊まることになって早くも空が暗くなってきた頃。
話が終わり、部屋に案内して色々と家事を終わらせ、用事もこなした後、やっとこれで一件落着である。....そう思っていたのだが....
「....」
「あ、あのぉ....蛍さんや〜....?」
全くもってこちらの言葉に反応しない愛しい恋人の蛍さん。意地になっているのか、はたまた怒っているのか。
原因が分からない。
イケてるメンズならここで見事、原因を当てるのだろうがそんな離れ業を俺が出来るはずもなく....
すっげぇ気まづいッ!
え?カッコつけて「蛍、待て。」とか言ったのが原因?!俺がやったことといえばそれしかないんだけど?!いや、あるけど!もっと、ほら、あるけど思い出したら頭パンクするからッ!あれは、その....勢いで....
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!何馬鹿なことやってんの?!俺!!!
「....」
「と、とりあえず風呂の準備してくる....」
「ん....」
俺、今困惑してる!だからせめて明確な反応をプリーズッ!....今以上の反応が欲しいんだけど?!?!俺のために怒ってくれてたのはわかってるけどさぁ!!ならなぜ俺にまで怒っている?!わっからんッ!!!
けど....
けど、まぁ....正直、確信が無いだけで想像は付く。
「元、許嫁....かぁ....飛んだ地雷原だな....」
風呂のドアに手をかけて横にスライドしながらそう呟く。もちろん実は中に女の子がまだ入ってました!!とか言う展開は無く、少しまだ暖かい空気が漂ってくるのみ。
「やっちゃうか....早く戻って蛍を安心させないとな....」
嫉妬。それを蛍が感じてたことくらい察しが着いている。俺も蛍に元許嫁が居たとか知れば心中穏やかではない。
ふざけて機嫌を取るなんて豪語両断。
だからといって普段のように真面目モードで愛を囁くなんて....今までは勢いがある程度あったからできたようなもので自分でそれをコントロールできたら苦労しないのだ。
だからこそ今悩んでいる。
『お風呂、先入っていいよ。って旅人が言ってたぞー』
「あひぃッ?!」
やっべ、変な声出た。いきなり話しかけんなこのマスコットめッ!くっそ、誰にも聞かれてないだろうな?
気になりだしたら止まらないぞほんとに....風呂で頭から水被った時に後ろに気配を感じるあれくらい落ち着かない。
「い、いきなり話しかけんなッ!」
『しょうがないだろ?!旅人が伝えてこいって言うんだから....何かあったのか?』
なるほど、パイモンはあの場に居なかったと....そういえばこいつ、普段姿見せないけど何してんだ?
「....服きてるから、中入ってこい。」
『え?』
「ちょっと待って。今のミスった。」
『わかったぞ』
「わかんなよ?!?!おい!事案なんて起こす気ねぇぞ?!フラグ立てんのだけはやめろ!!」
『何わけわかんないこと言ってるんだ?」
「ぎゃああああ!入ってくんな!!!」
こんな一連の俺のミスとしか言いようのないアホな発言のせいでカオスな状況が作られた。ほんとになにやってんの俺?!
「どうしたんだ?」
「いや....えっと....あ、そうだ。もしかしたら俺と蛍のせいで居心地悪いんじゃなかろうか?とかたまに考えたりするんだが....」
誤魔化した。ひよりました!だって仕方ないじゃん。そんなどストレートにどうすりゃ蛍を安心させられると思う?なんて聞いた暁には俺は死亡判定だ。なんかこいつには弱みを握らせたくない。絶対調子乗ってからかってくるに決まってるッ
「い、いや、何もしてないぞ?!決して興味があるからイチャイチャしてる時は覗きに徹してるとかそう言うのじゃないからな?!」
「あ〜....うん。だいたいわかった。それ、蛍には言うなよ?多分数時間は動けなくなるだろうから....」
と言ってもこのポンコツマスコット。絶対に隠し通すなんて無理なのでいずれ知られるだろう。まぁその反応も見ていて楽しいのは確かなのでとりあえずよしとする。
「それで....長年の疑問なんだが....」
「?」
「パイモンは女の子?それとも男の子?」
「....今更なのか?」
な、なんだよそのジト目....俺悪くないよな?!だって中性的な見た目だし、言動もどっちとも取れるし....俺悪くないよな?!
うん。悪くない。そう、悪くない。
「どっちだと思うんだ?」
「....」
イラッとした。普通にかわいい女の子や美しい女の子がやれば様になるであろうセクシーポーズをやられたことでなんかすごい腹が立った。
ので....
「調子乗んな。」
「ぴぃッ!い、痛い!いだい!!!」
頭ぐりぐりの刑に処す。
とまぁ男か女かなど本来そこまで気にしていたことでもないので誤魔化されたことにしておこう。
とりあえず今最優先は....
「なぁ、俺、蛍が好きなんだよ。」
「へ?知ってるぞ?」
「その俺が蛍に無視されている。」
「うん。見てたぞ。」
「どう思う?」
うん。伝わるわけないよな。俺だって伝わるわけないと思う。どう思うって何が?って話だし....
とここまで考えたところでパイモンから的外れな回答が出てきた。
「ナギが嫌いになったんじゃ「それは無い。」どこから出てくるんだよその自信....」
「自信じゃない。願望だ。」
「そ、そうか....」
何?!いつもちゃらんぽらんなパイモンに引かれただと?!由々しき事態だ。誰が予想しただろうか?俺が実はパイモンより馬鹿だったと言う事実を....いや、割と居そう。
「....」
「そ、そこまで落ち込むことか?!わ、悪かったよ!オイラが悪かった!だからそこまで気を落とす必要は....」
「10人に4人くらいか?」
「何の話だよ?!」
「前の世界ではパイモン愛好家達が割と一定数居てだな」
「だから何の話だよ!!!」
何の話だっけ?
「なんで意味わかんないみたいな顔してるんだ!?」
「....」
「むきぃい!!!!!」
ナギのばーか!とかいう捨て台詞を吐きながら風呂場を出ていくパイモンを見送り、いつの間にか掃除が終わっている風呂を眺めて少し考える。
「まぁ、先に入っとけって言われたしいいか....」
自己完結。一番風呂をすることに決めた。
脱衣所に行き、生まれたままの姿に....この言葉、男で当て嵌めたら普通に気持ち悪いな....えっと、まぁとりあえず服を脱いで再び中に入ろう。
「服を着てればなんて事ないのに脱いだ瞬間にこの肌寒さッ....さっさと体洗お....」
独り言。とても大きな独り言。誰かに聞かせる訳でもないのになぜこんなことを口走ったのか....
それは誰しもが感じたことのあるあの感覚。
誰もいないに決まってるのに後ろに気配を感じるあれだ。
「い、いやッ?!い、居ないんだよ?いないんだけどね?いないに決まってんだけどね?」
とまぁ....うん。ビビりまくってます。正直これ以上ないくらいビビり散らかしてます。だってこの幻であるはずの気配がいつにもなく濃い。ビンビン感じてるもんで....
「い、居ない居ない居ないッ!!!」
おい、俺の戦闘センス!おい!戦士は殺気を感じられるとかいう便利設定出てこいや!出てきて問題な言って証明してみろよゴラァ!!!
「....ひぃっ?!」
い、今肩になにか触れた?!す、水滴だよな?!きっと天井から落ちてきた水滴が肩に当たっただけです!そうです!そうなんです!はいッ!QED!!答えは出ました!!
「証明終了ーッ!これにて閉店ガラガラ!はい!頭洗い終わりました!後ろ見るぞ?!見るぞ?!?!」
「....」
おい黙んなよ!!おい黙ってくれるなよ!!!いるなら声出して?!居ない場合も声出せよ!!どれだけ俺がビビってると思ってるんだ?!もう足ガックガクよ?!椅子から立ち上がれないよ?!俺!もう無理よ?!
「ひぃぃっ?!今背筋なぞっただろ?!なぁ!!!さすがに水滴じゃないぞこれ!!おい!出てこい!!!」
「....」
....
........
............
だから黙んなって?!?!頼むから声じゃなくても物音出してくれよ!!!わかった、パイモンだろ?俺のことを脅かそうとして後ろで声殺して笑ってんだろ?!わかってんだよそんなことくらいッ!
「って考えて見たら冷静になってきたな。」
まぁとりあえず子供に興奮するような男じゃないとはいえ、まぁどんな状況になっているかも分からないので目をつぶったまま頭を掴んで外に放り出そう。そうしよう。
「はぁ....早く相棒のところに戻りな「ひゃうッ....」....はい?」
うん。体はそのままに腕だけ後ろに伸ばしてちょうど頬の感覚がしたところを抓って見たんだけど....
待って、まずい。まずいまずいッ!今の声間違いなく蛍だッ!俺の蛍仕分けだけに特化しているこの耳は聞き逃さなかった!何してくれてんだ耳、聞き逃せよ!ふざけんな何正確に判断してくれてんだ!現実逃避させろよ!何も知らない方が幸せだったよッ!ごめんなさい、今も幸せです!!!
手が引っ付いて離れないのですよ。体が例のごとく硬直しているのです。俺は悟りを開きました。もう何事にも心を動かされることはありません。情欲などクソ喰らえの勢いでございまする。....いや、無理だからね?!
「ご、ごめっ、私は先にあが....」
「ちょまッ!」
蛍がいきなり動いたら俺、バランス崩しちゃ....ッ!!
.....
........
............
はい。お約束です。
みなさん、久しぶりにご一緒に....せーの、
「どうしてこうなったぁぁあああ?!?!?!」
体勢の詳細は伏せます。ただ、体の前側全部がやわっこかったとだけ
はい。あーぁ、ナギが蛍泣かせたー。センセに言ってやろー。
ってことで要はナギが蛍を泣かせて自身の中で心変わりし、それをキスで誤魔化すというクソ男ムーブでした。あざました。普通にクソだと思います。書いている最中はこんなことになると思ってなかったんですが、なんかナギが勝手に突っ走りまして、クソ男になりました。ほんとクソです。やーいクソー!
2時間後....
いべべんばびばぼだぶどなががびび....《イケメンナギは蛍と仲がいい》
何があったかは伏せときます。
ということで、猪狩の兄貴さん、雨月時雨さん、サンさん。感想あざます!いやぁ、ほんとにありがとうござますぅ....マジで....
では次回にまた会いましょう。それでは〜
稲妻編の先、見たい?
-
見たい!
-
最近飽きてきたからいい
-
とりあえず空救済まではやれ