キヴォトス召喚〜捻れて歪んだ先の分岐点〜   作:熱核戦争先生

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動き出す連邦生徒会

キヴォトスD.U.

サンクトゥムタワー

 

一連の騒動で対応に追われていた生徒会室で海警局からの報告を受け取ったカヤがリン達に報告する。

 

「首席行政官、日本帝国海軍と接触した海警局部隊より報告が来ています」

 

リン達は日本帝国海軍がキヴォトス近海に来た理由を知ろうと耳を傾けた。

 

「内容は?」

 

「日本帝国外務担当者からキヴォトスとの友好条約締結の打診との事です」

 

「友好条約締結の打診ですか...各校と連邦生徒議会からは?」

 

予め、各校と連邦生徒議会との連絡を担っていたアユムが報告する。

 

「一部の学園と連邦生徒議会共に一度話を聞くだけでも価値はあると解答が来ています」

 

「肯定と捉えてよろしいでしょう」

 

リンはこの場にいる全員の顔を見て異論が無いことを確認し決定を下した。

 

「分かりました。日本帝国には友好条約締結のための話し合いをする用意があると伝えてください」

 

「分かりました。それともう一つ、興味深い報告もあります」

 

「何でしょう?」

 

興味深い報告と聞きリン達は再び耳を傾けた。

 

「はい。日本帝国曰くキヴォトスがいる惑星は地球では無い事と、両者共に平行世界同士の存在であるとの事です」

 

報告を聞いたカヤ以外のメンバーは「は?」という顔をする。

 

「冗談はよしてください。防衛室長」

 

リンはカヤが息詰まっていたこの場を和らげるために冗談を言っていると思い窘めた。

 

「私も冗談だとも思っていましたが、人工衛星然り星座の位置関係然り、現在キヴォトスで発生している事象と総合すると納得は行くかと...」

 

今までの混乱とキヴォトスが別惑星に居るという情報を聞いたリンは、「そうかもしれないのでは?」と確信に迫っていた。

 

ミレニアム航空宇宙研究部のELT(エルト)51超大型光学望遠鏡とアポロ航空宇宙学校のアララト天文台群によって、星座の位置関係が先日とは異なっていることが判明してる。

 

「アユム。人工衛星の復帰目処はたっていますか?」

 

すぐにでも確認しようと、アユムに人工衛星の復旧計画の進捗を聞く。

 

「はい、各校及び企業からの返答はすぐには復旧できないと返答が来ています。人工衛星と打ち上げるロケットを製造する必要があります。時間もかかり莫大な資金もが必要と...」

 

「すぐには無理ですか...」

 

「ただ、ミレニアムから提案があります。気象観測部の大気観測気球によるキヴォトス周辺の状況を把握するとの事です。それなら観測気球に撮影用カメラを取り付けるだけなので、すぐに実行できると」

 

「わかりました、ミレニアムの提案を受け入れます。直ちに取り掛かってください」

 

「わかりました。それと、人工衛星打ち上げの費用の支援が要請されていますが、こっちはどうしましょう?」

 

各学園と企業から人工衛星を再び打ち上げようとしていたが、あまりにも唐突な上に喪失した人工衛星の数が膨大で、再び打ち上げるには時間も資金も足りないのが実情である。

少しでも負担を減らし混乱を収束させようと、連邦生徒会による財政支援を要請していた。

 

「アオイ、衛星打ち上げ費用の補正予算の計上をお願いしたいのだけど」

 

「ええ、構わないわ。この状況だから仕方ないわ。議会も通してくれるでしょう」

 

普段は各学園の問題に介入することに消極的な連邦生徒会も今回ばかしは介入せざる得なかった。

 

 

 

 




・ELT51超大型光学望遠鏡
ミレニアム航空宇宙研究部が保有する光学望遠鏡。
キヴォトス最大の光学望遠鏡でレンズ口径は51mで先代のELT46より巨大である。
光学研究部が開発した1辺1.4mの六角鏡1364枚が発揮する大集光力と高空間分析能力によって遠方銀河、太陽系外惑星、星の考古学による近傍銀河の歴史解明、ファーストスター、最初の銀河を観測する事でミレニアムにおける宇宙論研究に活用されている。

・アララト天文台群
キヴォトスのアララト山に設置されてるアポロ航空宇宙学校の天文台や各種望遠鏡が集中する地域。
超大型干渉電波望遠鏡、10mカセグレン式望遠鏡、アポロ赤外線望遠鏡、30m大型光学望遠鏡などがある。
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