キヴォトス召喚〜捻れて歪んだ先の分岐点〜   作:熱核戦争先生

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これマ?キヴォトス本土に上陸するまで10話と2年も時間かけてるの?



帝国海軍、鐘崎港入港

日が跨いだ深夜、帝国海軍欧州大陸派遣艦隊はD.U.鐘崎港に到着した。

 

当初、鐘崎海警基地に入港する予定だったが、信濃のあまりの大きさに接岸できる埠頭がなかったため、コンテナ船など複数隻接岸できる、民間の鐘崎港に変更している。

更にそんな鐘崎港でも、現在大小様々な船が沖合にまで停泊しており、大柄で大所帯の艦隊全てが鐘崎港に入港できるリソースが足りず、信濃だけが入港し冲鷹以下の護衛艦は沖合で停泊することとなった。

 

鐘崎港の入口には、海上治安活動で総動員された海警局警備艦隊と大エイギル学園の戦艦アンドロメダとアポロノームが、金剛力士像のごとく左右それぞれに配置していた。

 

鐘崎港の近距離用サーチライトから発される300万cdの光量で照らされ、見守られつつ警戒されながらも、信濃はついにキヴォトスのD.U.鐘崎港に入港した。

 


 

鐘崎港海上

 

信濃を着岸すべく、タグボートが近づいていた。

 

「大きいな。あそこにいるエイギルの戦艦が小舟に見えちまう」

 

この仕事について50年の大ベテランの柴犬型の獣人船長が、信濃を見て唖然としていた。

 

「オデュッセイアの船に比べたら、この戦艦も小舟に見えちまうが、あれとは別のベクトルで大きさが違う」

 

オデュッセイア海洋高等学校の超大型艦オリュンポスを何度か見ていたため、信濃と単純に比べたらオリュンポスの方が大きい。

 

だが、軍艦という完全に戦うことに特化した船として見れば、オリュンポスにはない巨大で重厚的な威圧感を肌で感じていた。

 

「面白いことになったな。人生何があるか分からんもんだな」

 

彼はそう言い、無線で他のタグボートと連携し、船員に指示を飛ばしながら、信濃を着岸させていった。

 


 

信濃航海艦橋

 

「やっと着いたか...」

 

蕪木は念願のキヴォトス本土に到着したことに安堵していた。

 

到着の報を聞き、航海艦橋には外交団の小原が上がっており、蕪木達に労いの言葉をかけていた。

 

「皆様、お疲れ様です。ここまで私達を運んでくださり、一同を代表して感謝の言葉を申し上げます」

 

「礼には及びません、仕事ですから。ここからは小原さん達の番です。明日以降の英気を養うためにも早く、お休みになってください」

 

「わかりました。私達も、資料等の最終確認をしてますので、それらを終えてから休みますので、気になさらないでください」

 

「ふぅ...我々軍人も明日以降、一時の休息を取るとしましょう」

 

加藤のお気楽な言葉にこの場にいる全員の表情は緩み笑っていた。

 

「おいおい、お前のそういうお気楽なところは嫌いじゃないが、古の魔法帝国が1秒後に転移してきてもおかしくない、全世界戦時体制下だぞ」

 

「...主要国は核弾頭搭載巡航ミサイルを標準装備した戦略爆撃機で常時戦略パトロール中。ICUN(大陸間国家連合)は魔法帝国転移により即座に戦時作戦統制権を発動し部隊を指揮命令下における体制をとってますからね」

 

加藤の言う通り、いつ復活するか分からない古の魔法帝国に備え、主要国が共同で監視し何時でも戦争遂行が可能な戦時体制下だ。

対魔法帝国国家間軍事連合“大陸間国家連合(Intercontinental United Nations)”を組織しており、日本をはじめ多くの国が加盟。

 

加盟国は一部戦力をICUNの指揮命令下に置いているが、通常時は加盟国の指揮命令下にある。

有事の際はICUN戦時作戦統制権発動による指揮権委譲によりICUN軍が編成され、歩兵500万、戦車8000、艦艇2000、作戦機12000などの大規模な戦力を有することとなる。

 

更に世界各地には人工衛星を始め、潜水艦、戦略爆撃機や長距離偵察機、海軍艦隊による巨大な監視網が構築されており休むことも知らずに監視を続けている。

 

中でも、日本のB-52IJFやBFB-55戦略爆撃飛行艇“シンホウ”、ムー国の音速爆撃機“ヴィクター”、神聖ミリシアル帝国の戦略爆撃型天の浮舟“ストラティアン”、グラ・バルカス帝国のグディマウンテンIV型超重爆撃機、アーク合衆国のB-52AHなどの爆撃機には、熱核弾頭ないしコア魔法搭載のALADCM(空中発射式全領域対応巡航ミサイル)を搭載している。

これは転移直後に遭遇するであろう古の魔法帝国の先遣部隊などの部隊から先制攻撃された際の自衛・反撃手段として、戦略パトロールをする戦略爆撃機に標準装備されている物で、理論上は日本の連合打撃艦隊をこの世から消し去る威力を持つ。

 

「今、魔法帝国が転移してきたら、すぐに帰還だからな。それが会談中だったら否応なしに小原さん達は置いて帰還する」

 

信濃以下の欧州大陸派遣艦隊の原隊である第2艦隊は、ICUNのに拠出される部隊ではないが、本土防衛の任に就く。

 

「か、艦長...」

 

置いていくと宣言した人物の居る前で、キッパリと言う蕪木に航海長は戸惑っていた。

 

「大丈夫ですよ。覚悟はできてますので。例え置いて行かれても、迎えは来ますよね?でしたら、何時までも待ちますので、その時は思う存分戦ってください」

 

蕪木達は小原の覚悟に目を丸くしていた。

 

さすが外務省大東洋局所属の外交官なだけある。

日本が転移し、旧パーパルディア皇国やグラ・バルカス帝国などの前時代的で狂犬的な国家と外交交渉した、朝田大東洋局長の後釜として期待されている人物だと蕪木は関心していた。

 

「ははは。そう言ってくれると、肩が軽くなりますな。」

 

「例え、そうなったとしても、僕は蕪木艦長を艦長室に閉じ込めてギリギリまでは待つつもりですよ」

 

「冗談でも堂々と上官の前で反乱宣言をするな。軍法会議送りだぞ。俺なら朝霞(国防総省)に言い訳して引き伸ばす、スマートで平和的なやり方でやるからな」

 

2人のやり取りに、小原は良い結果を持ち帰ると改めて決心した。、

 

 

 




感想あれば、遠慮なくどうぞです。

BFB-55戦略爆撃飛行艇、戦略爆撃型天の浮舟、ICUN、熱核弾頭搭載ALADCM、アルデバラン・スロープ、アマテラスニウム、加速型原子炉とかの用語や設定をどこかで纏めないといけない
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