キヴォトス召喚〜捻れて歪んだ先の分岐点〜 作:熱核戦争先生
名前はムティアス・アリエアルとなります。
なので、ムティアス・アリエアルが登場している23話以降は適宜修正を行います。
マイラス達は、次に案内されるデバイス研究部の部室に行こうとしていた。
その道中、マイラスはある生徒が目に入る。
「早瀬さん、あのでかい物を背負ってる子は?」
「え?あ、あの子はゲーム開発部のアリスちゃんですね」
彼が気になった生徒はゲーム開発部の天童アリスだった。
「ゲーム開発部...」
マイラスは興味を持った。
最近、ムー国内でも日本製ゲームが出回り始めてると聞く。
ムーや日本より進んだ最先端の技術を持つ学園が作るゲームにお手並み拝見したいと思った。
「早瀬さん、デバイス研究部に行く前にゲーム開発部にも寄りたいのですが」
「えぇ?ゲーム開発部に?別に構いませんが、本当に良いのですか?デバイス研究部の方が良いと思いますけど...」
「いやいや、人間時には休息は必要です。ずっと仕事をしていては人生は充実しません。そういう意味ではゲーム開発部の存在も有用ですよ」
ユウカはそれを聞き、ゲーム開発部を褒められて少し嬉しく感じ笑みを浮かべていた。
「わかりました。では、一旦箸休めでゲーム開発部に行きましょうか」
「ありがとうございます」
ユウカは、世界を魔法帝国の悪の手から救う勇者ごっこをしているアリスの方に駆け寄り、部室まで案内することにした。
部室へ向かう道中、マイラスはアリスに質問をした。
「あそこで何やら探していたけど、何をしていたのかな?」
「はい、アリスは魔法帝国の悪の手から世界を救う勇者で世界を旅していました!」
「ほぉ...勇者か」
マイラスは勇者と聞いて思い出す。
この世界にも、強大な敵から世界を守るための勇者はいた。
1万年前に、魔王“ノスグーラ”を封印した種族間連合の四勇者、彼等に助太刀しそれぞれの時代から来た太陽神の使い、混乱期のムー大陸戦争で侵略者に王自ら先陣を切った第580代ラ・ムーなど...彼女が憧れている勇者の英雄譚はこの世界でも多く存在し、語り継がれている。
「おじさん達も、世界を救う勇者なのですか?」
純真なアリス質問に、マイラスは一考してから答えた。
「そうだな...私はその世界を救う勇者のサポートをしてるよ。勇者が戦いやすいように、魔王の特徴を集めて弱点を教えてるんだ」
彼はそういいアリエアルの方に顔を向ける。
「そして、アリエアル君は私の後継者として修行をしている見習いだよ」
彼女は驚きつつも、話を合わせた。
「えっ?あっ、そ、そうだよ。私はマイラス導師から修行を受けてるんだよ。いつか世界を救うためにね」
彼女の役者がかった演技にアリスは感激を受けていた。
「素晴らしいです!おじさん達は勇者を裏でサポートする
自分達をここまで褒めちぎってくるアリスに気を良くしたマイラス達はアリスの期待を応えることにした。
「そうだよ。戦いで重要なのは情報。情報を制するものこそが戦いを制するからね」
「もし、良ければ、私達も
マイラスの提案を受けたアリスは嬉しくりいつものお決まりの言葉を放つ。
「パンパカパーン!おじさん達がパーティーに合流しました!アリス達共に魔法帝国から世界を救いましょう!」
「もちろん!」
アリスと大の大人2人がキヴォトス人と新世界人の合作冒険譚を部室に着くまで続いた。
そんな3人を...特にマイラス達に対しユウカとネル達は若干引いていた。
ゲーム開発部部室
部室では部員の才羽モモイと才羽ミドリがゲームをしていた。
普段は古いレトロゲームかRPGをプレイしているが、たまに最新のグラフィックと現代的なストーリと重厚感で送るフライトシューティングゲームの“ACES COMBAT07”をプレイしていた。
「あっ、ミドリ、そっちに無人機が行った!味方の対潜哨戒機隊が危ない!」
「オッケーお姉ちゃん。こっちは任せて」
《分からないかしら?1000万人よ!50億人の命を救うためにエレガントな方法で1000万人の死を!レールキャノン、撃ち方始め!》
「敵ボスのビジュ、ユウカに似てない?」
「本当だ。太ももの太さもユウカ級だね。この敵ボスはデスユウカと名付けよう」
《戦略誘導砲弾装填!目標、首都エリドゥ!》
「喰らえ、デスユウカ!正義の対艦ミサイル発射!」
対艦ミサイルが敵潜水航空巡洋戦艦に直撃した同時に、部室のドアが開く音が響く。
「邪魔するわよ〜」
「うわっ、太もものデスユウカだ!邪魔するなら帰って!」
「はいは〜い...って何させるのよ!あと、太もものデスユウカって何よ!?」
ユウカは愛用している銃“ロジック&リーンズ”を両手にモモイに詰め寄っていた。
「乗ったのそっちじゃん!暴力はんたーい!」
暴力で訴えてくるユウカに、モモイは言葉で暴力の反対を訴えていた。
「あっ、アリス。ユウカと一緒だったんだ」
「はい、世界を救うためにアリスは旅に出ていたところ、ユウカとばったり会いました!」
「そうなんだ...」とミドリはアリスの後ろに客がいることに気づく。
C&Cのネル、アスナ、アカネ、一般部員の3人に、先生と似た大人の男性とヘイローが浮いてない大人の女性。
「アリス、その人は??」
「はい、2人はアリスの勇者パーティーに入ったタクティシャンです!」
「タクティシャン...戦術家?」
「はい、情報を制するものこそ戦いの勝利を左右します!アリスの勇者パーティーは難攻不落のごとく強化されました!」
「なんだが現実的...」とミドリは呟いた。
「あっ、その人達は新世界の方達よ」
ユウカは遅れあそばせながら、ゲーム開発部にマイラス達を紹介する。
「えっ、新世界の?今、噂のあの新世界の!?」
「そう、ちょうどキヴォトスに国交締結に向けた会議と視察で来てるの。ミレニアムサイエンススクールの部活を見学してたけど、あなた達に興味を持ったから、ここに寄ったのよ」
「ムー国情報通信部首席補佐官のマイラス・ルクレールです。こっちが情報分析を担当する
ムティアス・アリエアルです」
マイラスがモモイ達に自己紹介をしアリエアルは会釈をする。
「マジの戦術家じゃん...」とミドリは思っていた。
「えっと、ゲーム開発部の才羽モモイだよ!こっちが妹のミドリ!」
「あっ、ミドリです。よろしくお願いします」
「で、あと一人が...」
と言い、モモイが部室に備え付けられてる“YUZU”の看板が掛けられたロッカーに近づき、扉を開ける。
中にはジャケットのフロントホックを完全に閉めた部員が怯えた表情をして立っていた。
意外なところからの登場にマイラス達は固まっていた。
「は、花岡ユズです。ゲ、ゲーム開発部の部長をしています...ごめん、ダメ、もう無理...!」
ユズはロッカーのドアを勢いよく閉め引きこもりに徹した。
ユズの行動に、ユウカの顔は少し青ざめ、ネルは苦笑まじりの表情をしていた。
「ユズは人と接するのは苦手だけど、優しくて良い子なんだよ!あと、ゲームも強いんだよ!」
モモイがフォローに入る。
「あっ、そうなんだ。そこまで気にしてないから大丈夫だよ」
マイラスも悪い気はしてないので特段何か言うことはなかった。
「早速、質問なのだが、ゲーム開発部という部活は何をしてるのかな?」
「文字通り、ゲームを作ってる部活だよ!」
「とは言っても、私達が作るのは最新GPUやCore6以上で動くようなゲームではなく、16ビットゲームを主に開発しています」
「16ビットゲームというと、日本で言うレトロゲームに相当するゲームか」
「そうなりますね。私はイラスト担当です」
「私はシナリオ担当だよ!で、ユズはプログラミング担当!」
「アリスも同じく、プログラマー兼テスターです!」
「本格的だな」とマイラスは関心していた。
「ゲーム開発をしてると言うことは代表作があるんだよね?是非、そのゲームで遊びたいのだが」
「いいよ!ゲーム開発部廃部危機の時に作った起死回生の一手!テイルズ・サガ・クロニクル2だよ!」
「廃部危機?」
「はい、前まではロクな成果も出さずにただ部室と部費を無駄にしてるだけの部活で廃部しようと思ったんですけど、ミレニアム主催の発明コンテスト“ミレニアムプライス”で特別賞を受賞した、ゲーム開発部の代表作なんです」
ユウカは自分の娘達かのように少し誇らしげな顔をしながら説明していた。
モモイが、さっきまでプレイしていたゲームのディスクを取り出し、代わりにテイルズ・サガ・クロニクル2のディスクを入れてゲームを起動する。
ミドリがマイラスとアリエアルにコントローラーの操作手順を教える。
今回は時間が限られているためエンディングまでは行かず、最初のボス戦までゲームを進めることにした。
「ほぉ、そう来たか」
「日本のレトロゲームにはない、新鮮さや常識に囚われない要素があって面白いですね」
アリエアルは、非番の時や家にいる時は日本製のゲームをやりこんでおり、テイルズ・サガ・クロニクル2のRPGゲームとしての良さを評価していた。
「ここまでか...時間が限られてるとは言え続きが気になるものだ」
マイラスとアリエアルは少し残念そうな顔をしていた。
「あ、あの...!もし良かったら、ディスク貸しますけど、どうでしょうか?」
ユズロッカーから出てきており、テイルズ・サガ・クロニクルのディスクを貸すことを提案してきた、
「えっ、良いのかい?」
「はい...新世界の人達にも、私達が作ったゲームが評価されて嬉しくて...そんな人達にも最後までゲームを楽しんで欲しいでんす...!」
ユズは新世界の人にも、自分達が作ったゲームを受け入れられ面白いと評価されたことに、嬉しくなり目からは涙がこぼれていた。
そんな彼女を見たアリエアルは、東京のホテルでマイラスが言っていたことに納得する。
頑丈で死なない肉体を持ち喧嘩の要領で銃を使い携行する生徒達も、笑顔を浮かべ、涙を流し、傷つき、喜怒哀楽の感情を持っている1人の人間に過ぎなかった。
そんな彼女達を戦力という数字としてだけ見て、戦場に送ろうとしていた自分に恥をかいていた。
その後、ゲーム開発部を後にしたマイラスは他の部活を見学して2日後に祖国ムーへの帰路についた。
その際に、テイルズ・サガ・クロニクル2と、シリーズ1作目のテイルズ・サガクロニクルのディスクがマイラスの手元に渡された。
テイルズ・サガ・クロニクルの貸し出しは、ユウカは良い顔をしなかったが、「これほど、面白い続編を作った一作目をプレイしたい」とマイラスたっての希望だったためあまり強く言えなかった。
後日、帰国した彼等が職場の仲間とテイルズ・サガ・クロニクルをプレイしたが、あまりの難易度と理不尽なゲームオーバーに何度も合い、思わず備品のテレビモニターを何台か破壊しながら6日かけてクリアした。
クリアした際にマイラス達は「こおぉのクソゲーがぁっ!!」と渾身の叫びが響き、経理から経費で申請した破壊したテレビモニター20台の購入に関しての事情聴取をされることになるのは、また別の話である。
マイラス達は後にクソゲーに目覚めることを知らず...
中央歴1659年3月21日、キヴォトスの中心D.U.にてムーとキヴォトスとの間で友好条約調印式が行われ、正式にムー・キヴォトス友好条約が締結され、友好の道を歩み出した。
ムー国大統領府のラーガレット・ホッチャー大統領は、「ムー国政府と外務省はキヴォトスの新世界進出の支援をする用意がある」と表明した。また、「同じ転移国家、同じ旧世界の者同士として、キヴォトスの繁栄があらんことを」とコメントしている。
オタハイト・タイムズ社一面より