ついにザフトが誇る宇宙要塞ボアズに向けて、地球連合が大艦隊を率いて進軍を開始した。
「来るならこいナチュラル共、宇宙で俺達に勝てると思うなよ!」
ボアズの防衛任務につくザフトのMSパイロットは自信満々に叫ぶ。
この日の為に宇宙軍は戦力を温存し、新型のMSを揃えたのだと、ボアズの守備隊にザフトの大半はナチュラルなど返り討ちにしてやると誰もが思っていた。
だが、ザフトが宇宙の戦力を温存し、練度が高いパイロットや新型MSが地上軍より充実しているからといっても、地球連合との戦力比はかなり離れている事は明白であった。それに、いくら地上軍と比べてベテランの比率が高いと言っても、それは『地上』と比べたらの話である。CE71年代から敗走が続いて、ザフトの兵士不足は宇宙軍でも深刻化しており、ザフト宇宙軍の主力の大半は新米パイロットが占められている。MSもジンからゲイツに機種転換が進んでいると言ってもMSの数ではやはり主力はジンである事には変わりはなかった。
しかもザフト宇宙軍のMS隊は旧式のジンを与えられている新米パイロットはまだマシな方であった。
「何だあのMSは?」
「足がない」
極東連邦のMSパイロット達は、自国で運用するリオンに似ているMSをザフトが運用している事に驚く。
MSの数が不足を補う為にザフトは苦肉の策として、バクゥ、グーン、ゾノ、ディンといった地上戦用生MSの生産ラインを止めて、汎用MSであるジンとゲイツに集中する様にしていた。それでも地上戦線に送る為に作った地上用MSのパーツをどうにか活用できないか考えて作られたのが、地上用MSのパーツを流用したMSの上半身と、下半身に大型スラスターを装着したMSであった。
この機体はザフトの新型MS『ケルベロス』と命名されている。ザフトは分類的にMSと称しているが、その見た目から地球連合からは慣れ親しんだリオンの劣化コピー機しか見えず、MSというよりはザフトのMSパイロットの多くが馬鹿にしていたMAに近い形状のMSであった。
武装は右部にバクゥの二連装レールガンと、左部にザフトMS標準の重突撃機銃と口径が同じマシンガンが内蔵されて、背中部にはバクゥのミサイルランチャーを改修したミサイルランチャーが装着されている。
このケルベロスの生産を優先していた為に、地上戦線にはレストアしたジンを含めた中古MSのばかり送られたのであった。そんなMSの上半身と下半身に大型スラスターを装着しただけの中途半端な機体形状に見えるケルベロスだが、その大型スラスターを利用した加速力は本物であり、ケルベロスだけで編成されたMS部隊は自慢の加速力と火力で地球連合軍のMS隊を振り切り、二連装レールガンとミサイルランチャーの一斉攻撃を浴びせた。
その圧倒的な弾幕により着弾したMSが爆散して艦艇に直撃して爆発する様子に、ケルベロスを任されたザフトパイロットは新米故の高揚感で叫び続けた。
「へ、ざまあみろナチュラル!俺達コーディネイターにかかれば「馬鹿、立ち止まるな!」え?」
そう呟いた瞬間に、ケルベロスのパイロットの多くは大量に降り注いだビームと実弾の雨に飲み込まれて撃墜された。
ケルベロスの一斉攻撃で艦隊やMSに被害は被ったが、それでも大艦隊で構成されている地球連合艦隊にとっては大した痛手ではなかった為に、立ち止まったケルベロスを中心に先行したザフトMS部隊に対して攻撃を開始して次々と撃破されていき、ザフトMS部隊は分散されていく。
その隙を地球連合のMS部隊は見過ごすことなく、極東連邦部隊のゲシュペンストとガーリオン部隊が切り込んでザフトのMS部隊を各個撃破していき、それに続く様に大西洋連邦のダガーシリーズ、ユーラシア連邦のガンキャノン、東アジアのロンのMS部隊も襲い掛かる。
まさにザフトのMS部隊からしたら悪夢以外のなんでもないが……。
「ナチュラル達に負けてたまるか!」
「そうだ、我々新人類のコーディネイターが負けるはずがないんだ!」
最もパトリック・ザラのコーディネイター至上主義者の影響を受けているザフトのMSパイロット達は、戦意を失う処か反撃に転じたが、それでもボアズ攻略に投入された地球連合のパイロット達の練度の違いにより、連携が杜撰なザフトのMSパイロット達は次々と撃破されていく。
そして場所は変わり、地球連合軍の中でも異色のMS部隊がザフトのMS部隊と戦っていた。そのMS部隊は大西洋連邦のG計画のデュエル、バスターを筆頭に、ダガーシリーズに加えてオーブ軍のM1アストレイに極東連邦のアクシオという混成部隊のMS部隊であった。
このMS部隊はザフトより離反した元ザフト兵や、中立国の兵士達で構成されているMS部隊であった。そのMS部隊に、オーブ攻防戦でザフトを離反したイザークとディアッカが隊長、副隊長を務める元ジュール隊の面々も参加していた。
「この動き、お前たちはコーディネイターだな!」
「なぜコーディネイターが地球軍に味方するんだ!」
「血のバレンタインの悲劇を忘れたというのか!」
明らかにナチュラルとは思えない、ザフトのMSパイロットと思われる様な動きをするMSを見て、ザフトのMSパイロット達は相手がコーディネイターと理解すると憤慨するが、そんな怒りの声を通信越しで聴いた、地球連合に参加している元ザフトのパイロット達は……。
「黙れ、ザラの私兵に成り下がったコーディネイターの面汚し共が!」
「俺達を捨て駒にした癖に好き勝手言うな!」
この様にザフトを離反した元ザフト兵達も同じように怒っていた。プラントの独立を目指して戦っていた筈なのに、パトリック・ザラが議長に就任してから国際法を無視してやりたい放題に暴れるザフトを見限り、地球連合に味方したザフト兵達からしたら、今のプラントの在り方を受け入れているコーディネイター達は、コーディネイターの面汚しと多くが認識していた。
(ついに俺は本格的にプラントと敵対する道を選んでしまったな)
オーブ軍からは、故郷に弓を引く行為に等しいこの作戦は酷だからと参加しなくともよいと言われた。しかし、ここでザラ派のコーディネイター達と違う事を見せなければ、プラントは滅びるとイザークは感じていた。既にプラントのコーディネイターの認識は地球では最悪であり、ナチュラルは無論、地球出身のコーディネイター達からも完全に敵対心を抱かれている事は、イザークは地球に滞在している期間に理解した。
(もう帰る事は叶わないかもしれん。しかし、プラントの未来を少しでも良くする為には、選択肢が少ない俺はこの方法しか示せない……!)
このままプラントのコーディネイターの横暴を許せばプラントは滅んでしまうと感じたイザークは、少しでもプラントのコーディネイターの印象を良くする為に、完全に故郷であるプラントと敵対する道を選択したのであった。
そして、レオンが所属するヴェステンフルス隊が管轄する守備エリアはかなり悲惨であった。何しろ地球連合軍でも最強の一角である極東連邦と、大型MAであるビグザム小隊を率いるユーラシア連邦が担当するエリアであるため、極東連邦が代表するMSゲシュペンストとガーリオンに加えて、エース部隊にのみ配備されているヒュッケバインMk-IIと、特機であるグルンガストも参戦してるため悪戦苦闘していた。
「なんなんだこの化け物は!」
「くそ、ビームの弾幕が凄すぎて近づけねえ!」
ビグザムから降り注ぐ圧倒的なビームの雨と、それに続くようにミサイルと実弾のスコールも加わり、ザフトのエースパイロットだけで構成されているヴェステンフルス隊でも近づく事は容易ではなかった。
ビグザムが一機だけならヴェステンフルス隊のエースパイロット達なら問題はなかっただろう。しかしユーラシア連邦はビグザムが近接戦に弱い事を理解してる為に、ビグザムを小隊で編成して圧倒的な火力と弾幕でカバーする事で弱点を克服する様にした。
一機でも厄介なビグザムの圧倒的な火力と弾幕に加えて、極東連邦のエース部隊も参戦している事もあってヴェステンフルス隊は劣勢に立たされていた。
「くらえGインパクトキャノン!」
「ファイナルビィィーーーム!」
グルンガストの必殺技である高出力のビームであるファイナルビームと、明らかにMSに持たせていい武器ではない重力技術で作られたGインパクトキャノンの火力によって、多くのザフトのMSとナスカ級、ローラシア級が撃破されていく。
「おいおい嘘だろ。大型MSはまだしも、通常サイズのMSが保有していい火力じゃないだろう」
グルンガストのファイナルビームと、ヒュッケバインMk‐II最大の武器であるGインパクトキャノンの破壊力に、ヴェステンフルス隊の隊長であるハイネは驚愕しながら呟くのであった。
そんな感じで極東連邦のエース部隊のMSと特機が大暴れしている中で、極東連邦のエース部隊で最強の一角であるオルトロス隊所属の白銀武とユウヤ・ブリッジスは、ヴェステンフルス隊最強のエースパイロットであるレオン・キャンベルと対峙していた。
「なんでここだけスパロボ何だよ!」
武のゲシュペンスト・ラーゼンとユウヤのヒュッケバインMK‐IIの二機を相手に、レオンは悪戦苦闘していた。致命傷を避ける為に何とか回避しているが、それでも武のゲシュペンスト・ラーゼンだけを相手にする訳にはいかず、武だけに集中すればユウヤの精密な射撃が襲いかかってくるため、レオンは初めて戦場において死の恐怖というものを感じていた。
(死にたくない、死にたくない!)
これまで自分が相手にしてきた相手はMSもパイロットも圧倒的な格下であった。自身の圧倒的なMSの操縦技術とジャスティスという圧倒的な性能のMSのおかげで何とか生き延びる事が可能であったが、MSの技量と性能が匹敵、または上回っている相手などレオンは初めて体験して初めて自分が死ぬと実感して恐怖心が支配していた。
「急に動きが雑になったな」
「機体トラブルでも起きたのか?」
レオンは感情が恐怖に陥っても何とか卓越した操縦技術を披露しているが、それでも極東連邦を代表するエースパイロットである武とユウヤは、恐怖に支配されているレオンの操縦が雑になっている事に気が付いていた。
それを不思議に思いながらも、ザフトが誇るハイエンド機であるジャスティスの厄介さを北アフリカで経験している二人は、撃墜するチャンスがあるなら直ぐにでも破壊するべきと判断してジャスティスにトドメを刺そうと動き、ユウヤはチャクラムシューターを発射して、ジャスティスのビームライフルを絡め取って破壊し爆散させると、その爆風でジャスティスは吹き飛ばれて体勢を崩し、その隙を逃さない武はゲシュペンスト・ラーゼンに内蔵されているメガ・ブラスターキャノンを発射する。
これで厄介なジャスティスは撃墜したと二人は確信したが、しかしそんな絶望的な状況をレオンは覆した。
メガブラスターキャノンの高出力ビームが当たる直前にラミネート装甲製のシールドで防いだのだ。しかし、ラミネート装甲製のシールドでもメガブラスターキャノンの高出力ビームを防ぐだけの耐久力を保有してない為に直ぐに溶けて融解を始めた。しかし僅かであるが高出力ビームを防ぐだけの時間を稼いおかげで、レオンは何とかジャスティスの体勢を立て直す事に成功して回避行動に移る。回避が遅れて左腕は破壊されたがメガブラスターキャノンの高出力ビームが完全に直撃する事は免れた。
「あれを避けた……!?」
「あんな体勢からどうやって……!」
完璧なタイミングの攻撃と思ったのに、左腕だけの破壊に留めたレオンの神懸かり的な動きに武とユウヤは驚愕する。だが、二人以上に武とユウヤのコンビネーション攻撃を避けたレオン本人が驚愕していた。
それは、絶対に死ぬと分かって先程まで抱いていた圧倒的恐怖に支配されていた自身の感情がクリアになり、冷静になっているからだ。
目の前の敵だけでなく、全ての状況を指先だけで確認ができる程に視野が広くなった様な万能感を得て冷静になっている自身に、レオンは不思議に感じた。
(あれ、どうしてこんなに冷静になっているんだ俺?)
感情がなくなった訳ではない。
こんな状態になったのは初めてである筈なのに、今までの自分なら予想外な事態に陥ると慌てまくる自覚があるのに、そんな感情が抱かない事にもレオンは不思議に思っていた。その理由はレオン本人は知らないが、現在のレオンはSEEDに覚醒している。
今になってSEEDに覚醒したのは、本人が知らないうちに転生特典として与えられた能力であるからだ。SEED因子を保有と、SEED因子を保有している事を誰にでも分からない様に隠す事ができる能力をレオンは転生したときに与えられている。
もしレオンにSEED因子があると分かれば、色々な勢力に接触が図ってくる事は明白であり、本人がコーディネイターとしての素質が低すぎる事もあって今まで発覚しなかった。
だが、絶対に死にたくない、絶対に生き延びたいという生物の根幹である生存本能が極限まで高まった事もあってレオンはSEEDを覚醒する事に成功し、武とユウヤという極東連邦を代表するエースパイロット達の猛攻を防ぐ事に成功した。
SEEDに覚醒したレオンの動きに、明らかに今までと動きが違う事を察した武とユウヤは、このパイロットはザフトを代表するエースパイロットであると理解し、最大限に警戒心を高めて対峙する。
先程まで防戦一方であったレオンだが、SEEDに覚醒した事で運動神経・反射神経・空間把握能力共に向上し、武とユウヤという規格外なエースパイロットと互角に戦うことが出来る様になった。
ーーー。
ボアズ攻防戦は、圧倒的な物量を誇る地球連合相手に初めは拮抗していた戦いをしていたザフト軍であったが、やはり圧倒的な物量を誇る地球連合相手に劣勢になっていき、ボアズ守備隊のMS隊は次々と破壊されて一部の戦線は既に崩壊が始まっていた。
ヴェステンフルス隊を始めとしたザフトの一部のエースやベテランパイロットがいる部隊は何とか戦線を維持しているが、その他の戦域は地球連合の圧倒的な物量に新人パイロット達が大多数を占めているMS守備隊は耐えきる事が出来なくなり、支えていた一部の戦域では守備隊の崩壊が始まり、崩壊した戦線から地球連合の強襲上陸宇宙艦が何隻もボアズの宇宙港に突入していき、ボアズを完全制圧する為に地球連合軍はボアズに歩兵隊を突入させた。
基地制圧の為に地球連合の歩兵隊が突入が始まり、このままではボアズの陥落は時間の問題であり、ボアズ司令部から増援、または撤退の許可を求める通信がヤキン・ドゥーエにも届いており、ボアズ劣勢の情報はヤキン・ドゥーエの司令部にいるパトリック・ザラの耳にも届いていた。
ボアズ陥落が間近という報告を聞いて、パトリック・ザラは非常な決断を下す。その命令にヤキン・ドゥーエに存在するザフトの秘匿戦略兵器ジェネシスの存在を知る数少ないマトモなザラ派の議員は反対意見を述べた。
「議長、待ってください。ジェネシスの完成度は80%を切っています。まだ未完成なジェネシスを使用すればどんな問題が起こるか」
「それにボアズにはまだ大勢の友軍が、例え使用に成功したとしても多くの友軍が巻き込まれてしまいます。使用するなら友軍がボアズより撤退してからでも……」
「そんな悠長に待っていては遅い。今、この時に使用しなければナチュラル相手に最大限の効果は期待できない。多少の犠牲はやむを得ん」
「議長、少しは冷静に……」
そう呟いた瞬間に銃声が鳴り響き、反対意見を述べた側近の議員はザラ派のザフト兵達によって射殺された。
「ザラ閣下はコーディネイターの未来の為に動いているのだ」
「閣下の行動は全てが優先される。それを邪魔をするものはコーディネイターといえどプラントの未来を邪魔する事を意味し、即抹殺対象となる」
「君達も気をつける様に」
その光景は、まるで映画に出てくる悪の独裁者を守護する親衛隊の様に思い、この場にいるザフトのオペレーターの誰もが、自分達はとんでもない人物を議長に選んでしまったのではないかと後悔し、恐怖した。
そして、ジェネシスを使用する為に次々と安全装置は解除されていき、ミラージュコロイドが解除されてヤキン・ドゥーエ付近に巨大なアンテナと思われる物体が出現した。地球連合軍の艦隊司令官達はその巨大アンテナが現れた瞬間に驚愕し、ボアズで戦い続けている前線部隊に向けて慌てて命令を下した。
「全軍速やかに退避しろ!ボアズで戦っている友軍も速やかにボアズ攻略を放棄して直ぐに撤退しろ!」
「ダメです。既に一部の部隊はボアズ攻略の為に歩兵部隊が突入しています。全軍の避難は間に合いません!」
「とにかく一人でも多く逃げるんだ!あれは情報局より通達されたザフトの戦略兵器だ。とにかくあの巨大なアンテナの射線上から急いで離れろ!」
地球連合の艦隊司令官達は急いでジェネシスの射線上から離れる様に通達し、ボアズ攻略で出撃したMS部隊の母艦からは緊急撤退用の信号弾が撃たれた。後少しでボアズの攻略が完了するのにどうして緊急撤退命令が下されたのかと、地球連合のMS・MA部隊のパイロット達は困惑する。
後少しでボアズを制圧出来るのに、突然の緊急撤退命令に不満はあるが、命令違反をする訳にもいない為に地球連合のボアズ攻略隊は撤退を開始した。
地球連合の突然の撤退という行動にボアズを防衛しているザフト側もそれ以上に困惑した。地球連合のMS・MA部隊の多くが抱いていた、地球連合側が圧倒的な有利な状況での突然の撤退という不可思議な行動に意味が分からないと多くのザフト兵パイロットが困惑し、レオンが所属するヴェステンフルス隊も不思議に思っていた。
「隊長、これはいったい?」
「ああ、これは何かあるな」
ハイネはこの場を直ぐに離脱しなければヤバい事が起きると自分の勘が強く訴えていた。ハイネはその勘を信じて部下達にある命令を下す。
「ボアズを放棄する。直ぐに撤退するぞ」
「よろしいのですか?」
「責任は俺が持つ。オープン回線でもいい、一人でもボアズから撤退する様に通達しろ」
ハイネはナチュラルを軽視するプラントの典型的なコーディネイターではあるが、地球連合もプラントをここまで追い詰めた巨大組織であるため馬鹿ではない事は理解してる。そんな地球連合が、ボアズの攻略がもう少しで完了する段階で急に撤退を開始した事は何かあると踏んで、ハイネは戦場で培った勘を信じる事にして、司令部の指示を待たずに独断でボアズからの撤退を開始した。
そのハイネの勘は当たっており、既にジェネシスの発射準備は完了してジェネシスの射線上にボアズを捉えていたからだ。
パトリック・ザラはジェネシスのミラージュコロイドを解除した途端に地球連合がボアズ攻略を諦めて撤退を開始した事に、何処でジェネシスの情報が漏れたんだと苛立ちを隠せない表情になるが、それでもジェネシスの発射準備は完了してるため、馬鹿めもう遅いとパトリック・ザラは呟く。
「思い知るがいいナチュラル共、この一撃が、コーディネイターの創世の光とならん事を」
パトリックがそう言った瞬間にジェネシスのエネルギーチャージは完了し、ジェネシスの圧倒的なエネルギーの塊はボアズに向けて発射された。ジェネシスより放たれた莫大なエネルギーはボアズを容赦なく飲み込み、ボアズ付近で戦っていた者は敵味方関係なく飲み込まれるのであった。