ガンダムSEED 架空国家の憂鬱   作:zero3 ガイル

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今回は短いです。

後、数話ほど投降したら完結する予定です。


第三十二話 プラントの限界

 

未完成のジェネシスの予想外の攻撃で想定外の大被害を受けた地球連合艦隊であったが、その後に極東連邦のガンダムゼロXから放たれたサテライトキャノンの報復攻撃でジェネシスの破壊に成功し、地球連合艦隊は全滅を免れたのであった。

 

「最初は何かの冗談だと思ったが、まさか、あの様な切り札を用意していたとはな」

 

大西洋連邦艦隊司令官は、極東連邦が用意した戦略MSガンダムゼロエックスが使用したサテライトキャノンの威力に驚愕し、MSでありながら戦略核クラスに匹敵する火力を保有している事実が信じられない様子であった。

 

(極東連邦の技術力の高さは前々から理解していたが、私はまだ極東連邦の技術力を見くびり過ぎていた様だな)

 

今頃本国の政府高官や軍上層部は大慌てであろうなと大西洋連邦艦隊司令官は心の中で呟き、本国だけでなくユーラシアも東アジアもジェネシス以上の想定外の戦略兵器の登場に大慌てである事は間違いないと思うのであった。

 

何しろ極東連邦でも上位に入る運動性を保有しながら核ミサイルに匹敵する火力の大出力ビームを撃つ事が可能なMSなど、どの様に対処すればいいんだ!と言いたい気持ちでいっぱいであり、もし極東連邦が敵であると考えたらゾッとしていた。

 

(本当に今次大戦は極東連邦が味方であった事が幸運だったな)

 

もし敵であったなら、ジェネシスを破壊した戦略級の火力を保有しているMSの銃口が自分達に向けられることなど考えたくもないからだ。

 

大西洋連邦艦隊司令官は、今回の作戦が終了したら、軍上層部に極東連邦とは友好関係を構築してブルーコスモス過激派の影響力を排除する様に直訴する事を決めるのであった。

 

そして地球連合は今次大戦の決着をつけるべく、プラントの最終防衛ラインの拠点であるヤキン・ドゥーエの攻略に向けて進軍を開始し、再編成した連合艦隊がヤキン・ドゥーエに向けてミサイルよる飽和攻撃を開始する。後に歴史家から連合・プラント大戦最後の戦いと称される第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦が開始されるのであった。

 

ザフトが引いた防衛ラインを突破する為に地球連合のMS部隊とザフトのMS部隊が衝突する。既に戦争の行く末は地球連合の勝利が決定しており、戦闘を開始する前に地球連合艦隊は狂気に支配されたパトリック・ザラ率いるザフト相手に無駄と分かりながらもヤキン・ドゥーエに向けて降伏する様に呼びかけたが、予想した通りにパトリック・ザラ率いるプラントは、地球連合の降伏勧告を受け入れずに徹底抗戦を叫び続けた為、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦は開始された。

 

「くそ、ナチュラル共!」

 

「ここぞとばかりに……!」

 

ヤキン・ドゥーエ防衛を任された古参のザフト兵達は優先的に高級量産機であるゲイツを与えれて、ジンやケルベロスを与えられた新兵より奮戦していたが、それでも地球連合の圧倒的なMSやMAの数の暴力に擂り潰されていた。

 

そんな形勢が不利な状況でありながらも、大西洋連邦のメビウスゼロのガンバレルを発展させ、多数の敵を相手にオールレンジの攻撃を可能とするドラグーンシステムと呼ばれる武器が特徴なザフトの新型であるプロヴィデンスのドラグーンを自在に操り、地球連合のMSを次々と破壊するラウ・ル・クルーゼは地球連合のMS部隊を圧倒していた。

 

「このエリアのMS部隊は私達が叩く、君達は連合の艦隊を中心に戦ってくれたまえ」

 

「すまない」

 

ゲイツを中心とした部隊はその場を離れて地球連合の艦隊に向けっていく。その直後にゲイツ部隊は次々と撃破されていき、クルーゼ隊の面々はベテランパイロットが搭乗しているゲイツ部隊が一瞬で撃破された事に呆気にとらわれる。

 

ゲイツ部隊を撃破した正体を確認すると、クルーゼを除くクルーゼ隊の面々は驚愕した。

 

「あれは足つき……!」

 

「嘘だろ、大西洋連邦のエース部隊が相手なんて」

 

動揺が隠せないクルーゼ隊の面々だが、クルーゼだけは足つきと呼ばれている大西洋連邦のエース部隊が使用している母艦とMS部隊を確認しても動揺していない。

 

逆に、足つきで使用しているハイエンド機であるストライクを筆頭に、大西洋連邦のエースパイロット向けの機体が自分達に向かってきている事を認識すると笑みを受けべる。その理由はクルーゼが保有している特殊な空間把握能力にある。

 

この特殊な空間認識能力がある人間同士が近くにいると、姿が見えなくてもお互いを認識する事が出来る事が可能である。クルーゼはその特殊な空間認識能力のおかげで、因縁の相手であるムウ・ラ・フラガが来ている事を確認する事が出来たからだ。

 

「来たかムウ・ラ・フラガ、君との因縁に決着をつけさせてもらおう」

 

「それはこっちのセリフだ、クルーゼ!」

 

それはムウも同じであり、ムウはキラとミアを筆頭とした大西洋連邦を代表するエース達と一緒に、クルーゼとの長い因縁に決着をつけるべく戦うことを決意するのであった。クルーゼ隊とアークエンジェル隊、ザフトと大西洋連邦が誇るエース部隊はこうして衝突するのであった。

 

クルーゼはプロヴィデンスのドラグーンをフル稼働させて、ドラグーンのオールレンジ攻撃によるビームの雨をムウ達に浴びせるのであった。

 

クルーゼ隊とアークエンジェルが激しく対峙している頃、極東連邦が対応するエリアでも激戦が繰り広げられていた。宙域の至る所で極東連邦のゲシュペンスト、ガーリオンを中心としたMS部隊が激しく動き回りながらビームライフルやバーストレールガンで敵機を攻撃し、それを迎え撃つ為にジンハイマニューバやゲイツ部隊も重突撃機銃とビームライフルで迎え撃っていた。

 

そんな中で、一番目立っていたのはMSより遥かに大きい特機と呼ばれるグルンガストの元になったグルンガスト零式であり、その50m近い通常のMSの三倍近い大きさを誇る大型機は、その見た目通りに大出力による圧倒的なパワーと高出力ビームで次々と撃破していく。何とかグルンガスト零式に攻撃を当てても、特殊な防御フィールドと重装甲のおかげで無傷であった。

 

「ダメだ、全然ダメージが与えられねえ!」

 

「500ミリが通用しないんて、どんな装甲をしてるんだよ!」

 

「零式斬艦刀の威力を味わえ、はああああ!!」

 

グルンガスト零式が誇る零式斬艦刀による一振りで近くにいたジンハイマニューバ、ゲイツ部隊を一瞬で破壊する。

 

グルンガスト零式のあまりの火力にザフトのMS部隊は動揺して、連携に綻びが生じていく。その隙を逃さないで、極東連邦のMS部隊は各個撃破していく。

 

形勢が不利と判断したのか、戦線を縮小する為にザフトのMS部隊は後退を開始する。

 

「後退したか」

 

「やりましたね本郷大尉」

 

「ザフトの連中もこれでおしまいですよ」

 

「油断するな、追い詰められた鼠は猫にすら反撃をするんだ。いま戦っているザフト兵達は死兵と心得よ」

 

ザフトは既に戦いに勝てるだけの戦力はないと油断している自分の部下にグルンガスト零式に搭乗している本郷大尉は部下達を説教し、怒られた部下達も「すいません!」と、謝罪するのであった。

 

ヤキン・ドゥーエでの戦いはやはり地球連合が徐々に押していき、既にヤキン・ドゥーエの最終防衛ラインもいつ突破されてもおかしない程にザフト軍は追い詰められていた。

 

やはり、ジェネシスというザフト軍の最後の切り札を失った影響力で士気が一部の部隊を除いて大幅に低下した事も大きく、ザラ派以外のザフト軍の部隊は次々と降伏を選択する部隊が現れ始めた。イザークやハイネの様にオープン回線で堂々と宣言すれば問題はなかったが、地球や宇宙でさんざん偽装降伏を実行した事もあってザフト軍に対して疑心暗鬼になった地球連合の兵士達も多く、ザフト兵の降伏を信用しないで、降伏した兵士を攻撃する連合兵も一定数現れて現場が混乱する事態にもなったが、既にザフト軍をテロリスト集団扱いしている地球連合にとって全く問題ではなくなっていた。

 

「くそ、やはりナチュラルは野蛮だ!」

 

と、降伏したのに問答無用で攻撃してきた連合兵に怒鳴り散らすザフト兵であったが、地球連合側からすれば、散々地球や宇宙で好き勝手に暴れて、国際法を無視しまくったテロリスト集団が何を言っているんだと、大勢のナチュラルと地球出身のコーディネイターが思っている為に、プラントのコーディネイターの言い分や怒りなど彼らにとっては知った事ではなかった。

 

「武器を全て捨てないで降伏したザフト兵は絶対に油断するな」

 

「偽装降伏は奴らの常套手段だからな」

 

「はい!」

 

この様に指揮官達も降伏勧告を無視して攻撃する連合兵がいても、あまり問題にならない空気が蔓延していた。開戦初期から中盤まではザフト兵を軍人として扱っていた地球連合軍であったが、パトリック・ザラが議長になってからは地球連合の兵士達は度重なる国際法違反を続けるザフト兵をテロリストと認識する様になって、ザフト兵をテロリスト集団と同様に対応する様になった為に、この様な対応が地球連合軍で増えてきた。

 

こうして、ジェネシスという圧倒的な戦略兵器で地球連合の大艦隊の半数を撃破した戦果を上げたザフトであったが、その報復として、地球連合がジェネシスに匹敵する戦略兵器を使用してジェネシスを破壊した事により、ザフトの勝利は完全になくなった。それでも、パトリック・ザラのナチュラルに対する憎しみが伝播したザラ派のザフト兵を中心とするザフト軍の抵抗は止むことはなく、抵抗を続けるのであった。

 

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