ガンダムSEED 架空国家の憂鬱   作:zero3 ガイル

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久しぶりに投稿しました。

また、何か思いついたら投稿します。


間話3

 

『戦後のプラント防衛体制』

 

連合・プラント大戦が終結して一年。戦争は地球連合の勝利に終わり、地球連合とプラントの関係は戦前と同様の関係に戻っていたが、反地球連合感情が強いプラントに対して地球連合だけでプラントを管理する事は難しく、何よりあまりに地球連合の干渉を強くしすぎるとプラントを制御できなくなるため、地球の復興を優先したい地球連合の上層部としてはプラントの暴走という最悪な事態は避けたい為にプラント市民に考慮して、プラントにある程度の内政自治権を認めさせていた。

 

更にプラントの軍備も戦前のザフト程ではないが、少しでも地球連合軍の負担を減らす為に戦後に発足させた『プラント国防隊』に対してある程度の軍事力の保有も認めさせている。だが、それでも地球連合はまたプラントが地球連合に牙を向かない様に軍事力の要であるMSを始めとした軍事力に対して厳しく制限し、プラントによる新規のMS開発は現時点で認めさせなかった。

 

そのため、プラント国防隊は戦前のMSを改修して軍備を増強する様にしていたが、それでも戦後のドサクサに紛れて離反したザフト脱走兵や、本格的にテロ組織に変貌したブルーコスモス相手に戦前の機体を使い続けるのは不安が強かった。

 

「プラント国防隊から改良型ジンの更なる性能向上は出来ないかと要望書が多く届いていますが」

 

「無茶を言うな、現時点のジンを改修したジンSecondの性能と実用面を考えればこれ以上は限界だ」

 

プラントでは現在戦前にMSを開発に貢献し、深く関わった会社は地球連合の制約により開発、及び改良は禁止されている為にMS生産及び改修はMSに対する実績が乏しい企業の技術者達が担当していた。

 

そのため、会議室では技術者達はジンの改良型であるジンSecondの更なる性能向上に対するアプローチに対して深く頭を悩めていた。

 

「そもそもこれ以上ジンに手を加えれば、奇跡的に保っている機体バランスが崩壊してエースならまだしも、一般兵には扱い辛い機体になってしまうぞ」

 

「連中、性能向上性能向上と声を高く上げるが、性能と実用面を両立するのがどれだけ大変か分からないのか!」

 

性能向上するだけならMS開発に実績が乏しい彼らでもジンの改良型を作る事は可能であった。元々ジンは地球やプラントでは民間にもありふれている既存の工業パーツ及び技術で開発されたMSであるため、改修や改造が比較的容易な構造をしているからだ。

 

ただ、実用面という課題を無視すればの話である。既に先代のジンの完成度が高い為に、下手に手を加えれば性能は向上しても機体バランスが崩壊して、ベテランやエースならまだしも一般兵には扱い辛い機体となってしまうからだ。実際に連合・プラント大戦には多くのバリエーションのジンが登場したが、その多くがベテランやエース向けの機体であるため、ジンの後継機となりえなかった。

 

そこでジンの正式後継機として開発されたのがゲイツである。ならゲイツの改修型を量産すれば良いのでは?と思われるが……。

 

「ゲイツの改修型のゲイツSecondを大量配備出来ればな」

 

「言うな、ジンSecondからゲイツSecondに切り替えれば、連合から提示された軍事力を大幅にオーバーする。そもそもMS保有数を下げられたのは、フリーダムとジャスティスが原因だ」

 

「プラント評議会が何とか粘り強く交渉して、少数だがフリーダムとジャスティスの保有は認めらたが」

 

「そのおかげでジンSecondはともかく、ゲイツSecondは予定より数が揃えられなくなりましたからね」

 

コレがジンの改修型であるジンSecondにプラント国防隊が拘り、プラントの技術者達がジンSecondの更なる性能向上型を作ろうとして頭を悩ませている理由であった。

 

ゲイツSecondに集中すると予定よりもMSの数が揃えられない。かといってジンSecondだけでは、ザフト脱走兵やブルーコスモス相手に不安がある。

 

そのため解決策を出そうと技術者達は会議室で頭を抱えて悩み続けると、新人技術者が技術主任に対してある事を提案した。

 

「主任、我々は新型MSの開発は許されないのですよね」

 

「そうだ、だから頭を悩ませてるんだ」

 

何を言っているんだと呟き、会議室の他の技術者も呆れた表情で若い技術者達を見つめる。

 

「だったら、MSがダメでもMAの新規生産なら問題なくないですか」

 

新人技術者の提案に会議室の技術者達の誰もが驚く。

 

「MAに関しては連合の制約はMSと比べて緩いと聞きますし、何よりMSと違って新型開発禁止の制約もないと記憶してますが」

 

「いや、君の言うとおりMAはMSほど規制は厳しくない。新型開発も禁止にされてないが……」

 

「だが、コーディネイターである我々が新型MAを作るというのは」

 

「第一作ったとして、プラント国防隊のパイロットが納得するか?」

 

新人技術者の新型MA開発に対して技術者達は難色を示した。

 

プラントのコーディネイター達は、連合・プラント大戦の開戦初期にMAをMSで蹂躙に近い戦果を上げた事もあって、MAをMSの下位互換的な兵器として認識する様になった。そのためザフトパイロット達の多くはMAを「無能なナチュラルの象徴の兵器」と位置付ける様になる。元ザフト軍兵士が多いプラント国防隊の兵士達もMAを蔑視している人間が多い為、新型MAを開発しても、果たして彼等を納得させる事が出来るのかと技術者達は疑問に思っていた。

 

「ですが現実問題、これ以上MSを増やして新型を開発する事も難しいのは事実なんですから、新型MAでMSの不足を補うしかありませんよ」

 

「それはそうだが」

 

「それにコーディネイターでも全員がMS適正がある訳ではありませんよ。それは連合・プラント大戦で証明されてます。旧プラント最高評議会も、MS適性が低い兵士を戦力化する為にケルベロスを開発の許可を出したんですから」

 

新人技術者の言葉に会議室にいる技術者達は沈黙する。実際に少しでも戦力を欲していた旧プラント最高評議会の面々は、MS適性が低い兵士達を戦力化する為に、あれほど軽視していたMAも戦力に組み込む事を決定していたのは事実であるからだ。

 

プラントのコーディネイターの本音としては新型MAの開発などはしたくない。しかし、新人技術者の言う通りに、連合から新型MS開発が禁止されて保有数も厳しく宣言されて、既存のMSを改修しながら使用するにも限界があるのも事実である為に、彼等は新型MA開発計画をスタートする。

 

この新型MA開発計画に、プラント最高評議会の国防委員長も技術者達同様に最初は抵抗感が強かったが、MS保有数が厳しく制限されており、MAに関しては規制が緩い事も理解していた為にプライドより実利を取って最終的に新型MA開発の許可を出した。地球連合からも「戦略型の大型MAでなければ開発しても問題ない」と許可されて、新型MA開発計画はスタートしたのであった。

 

 

 

 

「どうだレオン、例の新型は」

 

「『ドラッツェ』ですか?火力はイマイチですが、直線の加速力はフリーダムやジャスティスに匹敵しますから、MAと考えれば悪くないですよ」

 

新たにプラント国防隊に所属する事になったハイネと、本当はプラント国防隊に参加したくなかったが、一人でも貴重なエースを逃したくなかったプラント上層部とプラント国防隊の面々により半ば強制的に入隊させられたレオンにより、プラントが開発した新型MAドラッツェのテストを行われていた。

 

「しっかし、俺達が本格的にナチュラルと同じ様にMAを利用する事になるなんてな」

 

「まあ、仕方ないじゃないですか。新型MSの開発は禁止されてMSの保有数も厳しく制限されてるなら、MS以外の兵器で補うのは」

 

「お前はMAを運用する事にあんまり抵抗がない様だな」

 

「機体自体は悪くありませんからね。急増品のケルベロスや連合のメビウスと比べたら、ドラッツェはMAとしては完成度は高いですから文句はありませんよ隊長」

 

プラントのMS乗りとして誇りが高いハイネはMAに関しては懐疑的だが、逆にレオンはコーディネイター至上主義でもMS乗りとして誇りが高い訳でもないため、新型MAドラッツェに関しては特に偏見はなかった。

 

「それでレオン、コイツでザフト脱走兵やブルーコスモスの連中と戦えそうか?」

 

「難しいですね」

 

「素直だな」

 

「完成度は高いと言いましたが、それはケルベロスやメビウスと比べたらという話ですからね。MSや同じMAなら極東のリオン相手では難しいと思いますよ」

 

「だろうな」

 

レオンのドラッツェの評価にハイネは特に驚いた様子もなく素直に受け止めた。

 

「自分がドラッツェを運用する指揮官なら、戦闘ではなく偵察機や哨戒機に近い運用を想定しますね。コイツで戦闘するなら出来れば二機、いや三機で一機を相手にする様に、連携して撃破する様にしないと」

 

「難しい問題だな」

 

「ですよね」

 

プラント国防隊は元々は旧ザフトの流れを組む組織であるため、個人技は優れているがチームプレイが苦手な兵士が多い傾向にある。現在は地球連合の軍事カリキュラムを取り入れて個人プレイに走らず連携を重視する様にしているが、地球連合軍と比べたらまだまだ連携プレイは雑な事が多い。

 

「まあ、文句を言い続けても仕方ない。プラントは戦前の様に自由にMSを揃えられないのは事実だからな。レオン、お前はプラントの貴重なエースとしてしっかりと働いてもらうぜ」

 

「了解です隊長(本音を言えば直ぐに除隊したいんだけどな)」

 

何処で自分の道を間違えたんだろうと心の中で泣くレオンであった。

 

その後、新型MAドラッツェは当初は旧ザフトパイロット達からはMAという事もあってかなり不評であったがレオンの指摘した通りに直線的な加速力ならフリーダムやジャスティスに匹敵する事もあって敵機と遭遇しても直ぐに離脱する事が可能であるため偵察機や哨戒機としては現場から高い評価を得て、更に旧ザフトでは偵察や哨戒もMSで運用していた事もあってザフト軍時代から索敵機不足が問題視されていたが、ドラッツェの登場で旧ザフトの弱点を克服する事に成功してザフト軍時代からの偵察・哨戒機不足解消に貢献した。

 

そして、対MSに関してはレオンがドラッツェの加速力を利用した三機で一機を撃墜する一撃離脱戦法を新米兵士に叩きこみ、ザフト脱走兵やブルーコスモスのMSを相手にある程度互角に戦える様になる。後にプラント国防隊はこの戦法を『レオン戦法』と命名し、レオンはプラント国防隊のMA戦法の先駆者として名を残す事になった。

 

ただ、コレが原因でエースパイロットとしてだけでなく、パイロットの教官としての評価も高まり余計にレオンはプラント国防隊を除隊する事が難しくなり、何度も辞表を提出しても色々な理由をつけてプラント最高評議会やプラント国防隊が妨害して辞表を受け取ってもらえず、レオンは「何でやめられないんだチクショー!」と、心の中で叫び続けるのであった。

 

 

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