「え…?」
ロビンは俺の発言が信じられない様子だ。
「もう一度言うぞ。お前は他の世界からやってきた存在、もしくは未来からやってきた未来人っていうのが今最も有力な説だ」
「ちょ…ちょっと待ってちょうだい!あなたが言っているのはとても信じられるようなものじゃないわ、第一、他の世界…或いは未来から来ただなんて、どうやって…」
「少なくとも俺が生きているこの世界じゃそっちの経歴のほうがよっぽど信じられない。理解不能な状況には理解不能な原因があるもんだ」
「…もし、あなたがいっていることが本当なら、私はもう2度と故郷には帰れないの?」
そう言うロビンの顔は暗闇のなかで小さな光に必死で手を伸ばす子供のような表情だった。
「残念だが、そういうことになるな」
「そんな……………兄様にも、もう…」
ロビンは翼をなくした小鳥のように項垂れてしまった。
「そっちの世界にはこんな事が出来る奴はいないのか?」
「……………いない、といったら嘘になるわ。でもどうして其らが私に…」
「少しでも可能性があるなら言ってみてくれ」
「…私の住んでいた世界には星神、という存在がいるわ。其は生態系の頂点に君臨する絶対者よ。私たちには計り知れない力を持っていて、もしかしたら今の状況も作り出せるかもしれない。けれど、其らは運命という概念に縛られ決まった道を進むことで、膨大な力を得ているの。だから他の存在に干渉することは滅多にないわ」
「たとえ滅多に起こらないことだとしても、たまには起こりうるってことだな。もしそうだとして、何か解決法はあるのか?」
「…現状、その方法はないわ。でももし、この世界にも星神がいるのであれば、其に一瞥されれば、何か変わるかもしれない」
「じゃあ当面の目標はその星神って奴がこの世界にいるか探すのと、そいつに会う方法を探すことだな。よし、とりあえず今日はここまでにしよう。もう遅いし止まって行くか?その様子だと家もないだろうしな」
「…どうしてそこまでしてくれるの?」
「ん?どういうことだ?」
「私とあなたは初対面よ。それにこんな素性の知れない、別の世界から来たかもしれない人を助ける理由なんてないわ。それなのにあなたはどうしてそんなに親身になって聞いてくれて、荒唐無稽に思える話を真剣に考えてくれるの?」
なるほど、何か目的があって手を貸していると思うことは当然のことだ。だが、俺の答えは決まっている。
「そりゃあ困ってる人がいたら助けるのが普通だろ?人によって助けるの基準は違うがな」人助けは人間として当然のことだ。もちろん俺の理想にも組み込まれている。困っている美少女を助けず放っておいたら、そっち方面の神様から鉄槌下されそうだしな。
「!美…美少女って…」
そういうとロビンは今日一驚いた顔をして、赤面し俯いてしまった。
「…もしかして声に出てたか?」
ロビンは小さくコクリと頷いた。
…
まさか俺がこんな漫画の主人公みたいな失態を晒すとは!!…おのれ我が口。
「す…すまん」
するとロビンは少し笑いながら、
「謝ることじゃないわ。ありがとう。……項垂れていても仕方がないものね。行動に移さないと。泊めてくれるのよね?それじゃあ家事は任せて。これでも料理は得意なのよ。」そう言った。どうやら元気を取り戻したようだ。それと同時に俺の腹も元気を取り戻し思い切り鳴った。恥ずい。
「じゃあいただくよ。ありがとう」
そうして、非日常が続いた今日は終わりを迎えた。どうせ明日も普通じゃないんだろうなと思いつつも、たまにはこういう日が続くのも悪くないと思った。ちなみにロビンの料理は非常に美味しかったです。
次回はロビンの心理描写です