苦手な方、解釈違いの方はブラウザバックをお勧めします。
一応ネタバレ等は避けるつもりですし解釈違いも避けられるよう頑張ります。
長い戦いが終わった。
刻の神のマグネットパワーの過剰放出による世界滅亡のシナリオはキン肉マンをはじめとする多くの超人たちにより打ち砕かれ、そして分かり合うことで無事解決した。
もちろんその過程で多くの超人が命を散らしていった。
しかしだからこそ残った超人たちは彼らのために、平和な世界を守らなければいけないのだ。
祖国ドイツのメディカル・サスペンションの中でブロッケンjrはそんなことを考えながら傷を癒していた。
戦いが終わり、キン肉マンをはじめとした超人たちは皆それぞれの祖国・母星へと帰っていった。
しかし先の戦いでそのほとんどは傷つき、メディカル・サスペンションのなかにいた。
ブロッケンjrもその中の一人であった。
(なんでも俺たちが戦っている間に祖国のドイツは合併されちまった。いや、そんな雰囲気は前々から、半年ほど前から感じていたが、個人的にはその半年がどうしても十年近くに感じちまう…)
無理もない話だ。
彼らの戦いはとても数日間で味わうような内容の濃さではなかったのだから。
(だがそれでも、俺は俺の仕事を全うする。たとえ平和な世になりこの力がその時代に不相応だとしても…!)
平和な時代が到来し、これから超人の力は必要とされなくなるだろう。
それでもやれるべき仕事は、使命はあるはずだ。
それが先の戦いであの男、刻の神と交わした約束なのだ。
そんなことを考えながらブロッケンは瞼を閉じた……
☆
目が覚めたのは幼い女の声がしたからだった。
自身のファンだろうか?そういえば昔女性人気の高さでキン肉マンに嫉妬のまなざしを向けられていたような…
そんなことを考えながら目を開けると
「ちょっとお兄さん、大丈夫ですか?そんな公園のベンチでぐったりと?」
その女の子はピンクの髪の毛をショートで切りそろえ、かなり小柄であったが、そんなことよりブロッケンは違うことに引っかかった。
(は?公園?バカ言え、俺はメディカル・サスペンションの中に…)
しかし周りを見渡すとそこは確かに公園、しかも祖国のそれとは違った様相の公園であった。
しかも今彼女が話していたのは明らかに日本語だ。
長い間日本語で話しているがブロッケンはれっきとしたドイツ生まれ、ドイツ育ちだ。
もちろん祖国の人々は皆ドイツ語しかしゃべらない。
東西が合併されたとはいえ日本人なんてめったに来ないのだ。
一体何が?ブロッケンはおそるおそるその女の子に向って訪ねた。
「あ、あぁ。大丈夫だ。それよりちょっと記憶があいまいでな、ここはどの国のどの都市かわかるか?」
お兄さん、お酒の飲みすぎです?
と、いいながら彼女は答えた。
「ここは日本の学園都市、技術の粋を集めた世界の最先端を行く学生のための都市です」
そこはよく知った国の、けれどもよく知らない都市であった。
☆
「まさか年代までちがうたぁ…祖国のために仕事を全うしようとした矢先に路頭に迷うとはなぁ・・・」
あの後女の子(本人は成人だと言い張っていたが時間超人じゃあるまいし)と別れあてもなくさまよっていたがどうやらこの時代は2000年代すら超えていることが分かった。
紙幣も当然変わっていて何故か持っていた日本円も旧札しかなくて基本使えなかった。
というか電子マネーとはなんだ、未来の人々は電子に金銀よりも高い価値を見出しているのだろうか?
待ちゆく人々は何故か学生ばっかりだし、皆謎の四角い板に視線を落としている。
辺り一面のビルは自身のいた過去(?)の東京とは比べ物にならないぐらいでかくてピカピカしてるし、なんなら謎の円柱形ロボが辺りをうろついている。
まさかこうなろうとは。
正義超人ブロッケンjr、未来都市の前では完全に無知な民衆の一人(もしくはそれ以下?)であった。
完全にお手上げである。
「わかったのは 吉野家の牛丼がうまそうになっていたことぐらいか…」
もちろん見ただけで食べてはいない。
キン肉マンならそれだけでも元気溌剌だろうが、あいにく、ブロッケンはそこまで楽観的でなかった。
いや、彼はそういったことでも自らを奮い立たせるにはまだ若すぎたのだ。
若さゆえの問題はあらかた克服したつもりで彼はいたが、ラーメンマンに指摘されたようにまだまだ収れんが足りないのだろう。
そんなことを考えていると、いつの間にか夜になっていた。
このままでは飽食の時代のくせして餓死したダメ超人になってしまう。
昔のキン肉マンを笑えない、いやむしろ笑われる。
「明日は何とかしないとなぁ…ったく、情けない話だぜ」
とりあえずジャパニーズの宿無し人に倣って段ボールでも探そうかと河原の土手(大都市の近くにこんなでかい川があるのはどことなくちぐはぐする)から立ち上がったその時、
鉄橋から雷鳴が鳴り響いた。
☆
皆様知っていらっしゃるでしょうが、わたくし上条当麻は不幸でございます。
誰に向けての説明でもないが上条当麻は心の中でこうつぶやいた。
くじは常にはずれ、犬にほえられればそのまま噛みつかれる。
右を曲がれば不良に絡まれ、左に回れば清掃用のロボに追い掛け回される。
ATMは肝心な時にいつも壊れ、ファミレスの飯も温かいまま食えたためしがない。
そんな不幸な上条当麻さんはただいま絶賛学園都市が生み出した超能力者、レベル5、御坂美琴から謎の報復を受けていた。
「あんた、せっかく私が調べ事してたのに邪魔をして!しかもいっつも私との勝負からは逃げ出すは、いい加減にしなさいよ!」
そんなこと知ったこっちゃねーよ、と言いかけた上条当麻であったがそんな叫びも電撃の音でかき消される。
学園都市 第三位 超電磁砲
最大で10億ボルトもの電撃を操る超能力者、それが彼女,御坂美琴であった。
そんな彼女を知らず知らずのうちに助けようとしたら、いつの間にか因縁をつけられて何度もこんなことになっている。
一体全体何が彼女をそこまで奮い立たせるのか上条当麻には見当もつかない。
いや、あるとすればそれは彼の右手に宿る能力、あらゆる能力を無効化する「幻想殺し」なのだろうか。
だとしても、そんなものにこだわるがゆえに自身に突っかかるのならそれこそ上条当麻にとっては「不幸」以外の何物でもない。
(せっかく夏休み一日前の素晴らしい日だというのにこんな目に合うとは…不幸だー!)
そんなことを考えてたのがダメだったのだろうか、上条当麻は体勢を崩してしまった。
「しまっ」
「もらったぁー!」
そんな後悔の言葉を言い終わる前に御坂美琴から電撃が飛んできた。
間違いなく入院コースものの一撃である。
(右腕、間に合わな…)
夏休みを病院のベット過ごす覚悟を決めた上条当麻であったが、
その電撃は、彼を直撃することはなかった。
「な、私の電撃を素手で!?そこのバカじゃあるまいし!?」
ビリビリ中学生も驚きを隠せないらしい。
一体何が、そう思い顔を上げると、
「大丈夫かお前?あとは俺がやるから安心しろ」
緑の軍服に身を包んだ超人が、そこにはいた。
ブロッケンjr「なんだあのガキ、超人か?にしては体は全体的に発達してねぇし、電撃しか出さねぇし?」
ブロッケンjrには上琴のじゃれあい(?)が一方的に相手をいたぶっているよう見えてます。