しばらく時間が経つ
墳墓への謝罪の印として、貴族の首が用意される
荷物やらを運ぶ人達が慌ただしく動き回っている
いつも通り書斎で菓子を摘み、カインの特訓を見守る
食事を運び、カイン武器の扱いについてアドバイスする
墳墓へ行くのはあと2日
剣術を磨く、槍術を磨く、カインに魔力の流れを知覚させた
マナーをこれだけ上手く操れているのに、まさか全部適当に回していたとは驚いた
時間が過ぎる
墳墓を訪れる日
馬車の行列が出来上がっている
周囲には300を超える騎士が待機していた
ジルクニフの馬車にカインと一緒に乗り込む
「さて、いよいよだな、相手の力量を見極めるぞ」
[ええ、おまかせを]
馬車が進む
ジルクニフが目を閉じ、何かを思考している
カインも目を閉じていた
2人に真似て目を閉じてみた
表にほんの少しだけ墳墓が突き出している
[陛下、見えてまいりました]
カインがジルクニフを少し揺らす
ジルクニフが目を醒まし、馬車から外を眺める
メイドが1人で突っ立っている
奇妙な光景だ
「カイン、案内役がいるぞ、お前からみてどうだ?」
[問題ありません、切れます]
「違うわ、違和感はないか?」
[違和感、でございますか?そうですね、肌が青白い、首のチョーカーで隠していますが頭が少しズレている気がします。ですが墳墓と言うぐらいですからアンデットが居て当たり前なのでは?]
「デュラハンか?だか女のデュラハンなど聞いたこともない、さすがは六大神のご同郷と言ったところか」
何かを考え込むジルクニフ
馬車がゆっくり止まる
馬車から降りる
『帝国の皆様、私は案内役のユリと申します、遥々ようこそいらしゃいました、喉がお渇きでしょ、どうぞ喉を潤してください』
空間が歪み、大きなアンデットの大群が木製の机を運ぶ
兵士達が少し動揺する気配がする
小声でジルクニフが訪ねてくる
「あれはなんだ?どのぐらいの難度だ?」
【覗いて見たけど死の騎士て言う名前らしいよ、難度は62くらいだね】
「うちの騎士団長と同じぐらいか、あの墳墓にはどのぐらいいる?」
【そんなにいないよ、アレ空っぽみたいだね、】
続々出てくる死の騎士にジルクニフは横目を流す
ジュースが注がれ、ジルクニフは一気に飲んだ
カインも飲み、ちょこっと残してあなたも味見してみた
なかなか美味しい
美味しいけれど、あまりあなたの口には合わなかった
ちょっと汚染が入っていたので、魔法をかけ帝国側の汚染を取り除いた
飲みすぎると縛られそうだ
『日差しを遮ることを忘れてしまいました、今変えるので少々お待ちを』
メイドが何かを囁き
天気が変わりゆく
な、なんだこれは!?第7位階!?馬鹿な、いや違うこれはもっと上の!
魔法省の者達が騒いでいる
『どうぞ、皆様こちらへ、転移の魔法でございます』
黒いゲートが現れる
墳墓に足を踏み入れる帝国トップたち
これこそ、悪の玉座どうい感じのコンセプトを感じられる
かなり細かい部分までデザインされているが
歴史の深みが無く、まるで過去の参考資料を見ながら作ったような感覚を覚える
あなたの独特な感性だろうか?
あ!そういえば、彼らの世界は汚染されていたな
納得した
帝国のトップたちは目を見開きその豪華さに惹かれている
だが欲に溺れているのはたった4人しかいないようだ
黒い巨大な扉が開かれる
玉座に骸骨の魔法使いが座っている
2人の女が全身装備で横にたち
その下に6人の異型が立っている
蟲、悪魔、竜人、吸血鬼、サキュバス、エルフの兄弟
周囲には大勢の死の騎士と魔法の防具を身に包んだスケルトンが見える
赤いスーツを来た悪魔が声を出す
『聴く姿勢がなっていないようだね』
『ひれ伏したまえ!』
カインを除き、ひれ伏す
ジルクニフが視線を寄越しカインが跪こうと行動に出るがその前に
『不敬ものが!』
悪魔が激怒し、攻撃を加えようとしてくる
玉座に座った骸骨が
『よい、デミウルゴス!強者には敬意を払おうではないか』
赤いスーツの悪魔が瞬時にその命令を受理し、元の位置に戻り、笑顔で黙る
『私はアインズ・ウール・ゴウン、気軽にゴウンとでも呼べばいい』
ジルクニフが演技モードに入る
「あぁ、アインズ・ウール・ゴウン殿、此度のことは誠にすまなかった!これは墳墓を荒らした貴族の首だ、謝罪の意を込めて受け取って欲しい」
サキュバスが近づいてくる
手に貴族の首を持ち、アインズに渡す
魔法を囁き
首を死の騎士に変え、列に並ばせる
帝国側は動揺しているようだ
墳墓の主人と皇帝の会話が進んでいく
ジルクニフが情報を出し、動揺を誘う
「あぁ、ゴウン殿は六大神と同郷と見えるがどうだろうか?」
骨の体がピカピカとすごい勢いで光る
『あぁ、彼らもこの世界へ降臨したのか、懐かしいものだ、是非事の顛末を聞かせて貰えないか?』
動揺を誘えず、ジルクニフは脳内で爪を噛む
話題が進む
アインズから戦争について小出しされ
ジルクニフがそれに応える
どうやらアインズは戦争に参加するのが目的みたいだ
リ・エスティース王国との戦争にアインズ達が参加することが決まった
墳墓から出る
後ろでさすがアインズ様かが聞こえる
馬車に乗り込む、ジルクニフが少し疲れているようだ
「化け物が、あれだけ情報出したのに一切動揺しないとはな」
[そうですか?私には少し躊躇があったように見えたのですが...]
「で?どうだ何体切れる?」
[そうですね、蟲とサキュバス、竜人が手強そうですが、他は問題なく切れると思います]
「あのアインズはどうだ?」
[問題ありません、あれがほんとにあの怪物達を従えているのがが疑問にほど、脅威は感じません、ただお腹にハマっていた赤い玉が気になるぐらいでしょうか?]
[ところで相棒?何故墳墓に入った時から目を閉じているのですか?]
【醜いものは見たくない】
「そうか、相談役、奴らの中で1番強いものはどのぐらいの難度だ?」
【んー1番強いそうなのはまだ出てきてないね、熱い石でできた人形の難度500はありそうだったよ】
「500か...」[500ですか...]
【あ、大丈夫だよ!ただの身体能力の難度だし、学習も済ませてないはずだから適当に障害物でも用意すればそっちに行くんじゃないかな?】
【相棒!気を落とさないで!ご馳走が待っているよ!】
[ええ、楽しみにしておきます]
帝都に戻り、日常を過ごし、戦争の到来を待つ
ジルクニフは極力人類の力だけで世界を作ろうと意志を固めています
神に頼れば人は独立出来なくなると考えた
初代皇帝も同じ思考を持っていた
妖精と付き合い
神が去ったあとの世界を容易に想像出来てしまうがゆえの判断
神に頼り切る人類は堕落する、その先は地獄しかない
どれだけの犠牲があろうとも、人類は先に進まなければならない
妖精は願われればいいなとは思っているが、信者系友達はあまり頼ってくれない
とある妖精の独白
【星1つ程度の維持を宇宙の終わりまで出来ないと思っているのかな!?失礼な!】
とある皇帝の独白
「違うんだよ、友よ、人類の発展と星の維持は違う。君から貰った知恵によると人類は必ず宙に行く私は人類が星を踏み台にし、さらなる先を私は夢に見ている。維持という停滞ではなく、犠牲を払ってでも進歩がしたいんだ」