出撃命令を出されたカイン・スペランツァは今
王国上空98kmにいた
あと少し上がれば宇宙空間に到達する位置
竜とその騎手が静かに旋回しながら地上を見つめていた
『なぁ、苦しくないか?』
[そうですか?そんなことないと思いますが.....]
『ほんとか?俺は一応お前より生命力あるはずだが息が苦しいんだ』
『ここにあと何時間いればいいんだ?』
[えっと、陛下から伝えられた情報によると夜に出現するらしいのであと12から15時間ぐらい待機でしょうか?]
『なんでこんな朝早くに出撃したんだ?』
[いいじゃありませんか、ほら地上が綺麗ですよ]
『いや、冗談じゃなくほんとに苦しいのだが』
[もうドラゴンですからこれぐらい耐えてください暇つぶしに物語の読み聞かせでもしましょうか?]
『...........』
時間は経ち夜になり
驚くほどの静けさに包まれる王都
王女の依頼で八本指の拠点を探し回る青の薔薇メンバーは虫のメイドに遭遇した
『ダイエットにはやっぱり筋肉質の男よねぇ〜』
美しい美声とはかけ離れた言葉の内容
「よぉ、何を美味しそうにもりもり食ってんだ?」
野太い女性の声で問いが投げかけられる
メイドの服を着た少女が振り返り
『お肉!人間の』
「なるほど、八本指がまさかモンスターまで飼っているとは思わなかったぜ」
戦鎚を構え、戦闘状態に入る青の薔薇のガガーラン
『あのさぁ〜お互いにさぁ〜見なかったことにしなぃ?』
「わりぃな、これでも王国でトップ貼ってる冒険者なんだ、人喰いの化け物を、はい、そうですか。で逃がす訳にはいかねぇ」
『めんどいんだからぁ、でも強いんだ、だったら保存食にしようかな』
戦鎚が振り下ろされ、人喰いメイドは軽々とそれを回避する
戦鎚が叩きつけられ地面が割れる、その際飛び散った石の破片と塵がメイドの服に付着した
空気が変わる
人喰いメイドの体が震え隙ができる
『至高の存在に与えられた最高の衣装にぃ!』
その隙を見過ごさないガガーラン
戦鎚を頭めがけ叩きつける
「なにっ!?」
鋼にぶつかるような音が響く
メイドの手に大きな虫が握られており防がれる
刃物のような虫が飛び出しメイドの手にくっ付く
『もう殺す!ほんとは殺すつもりなんてなかったけどぉ!もう許さないぃいいい』
メイドの猛攻それを耐えるガガーラン、いよいよ姿勢を崩され
心臓めがけ、刃を振るうメイド
その刃が届く寸前
ガガーランが消えた
メイドは不思議そうに後ろに首を回す
忍者ティアの助けにより窮地から抜け出したガガーラン
『忍術ぅ?』
メイドが首を傾げ、なにかを考えているようだ
軽口を叩くティアにガガーランの緊張は解れる
分身を作り出し、ガガーランと共に果敢に攻める
虫が大量に出現し、メイドの手に集う
マシンガンのように放たれる弾丸のような虫
忍術で防ぐが、攻め手がなく、徐々に追い詰められる
空中に毒の霧が生成され、苦しみ、土に還る虫たち
青の薔薇最強メンバー、イビルアイが駆けつける
「お前たちは下がっていろ、あとは私がやる」
霧で弱らせ、水晶を噴出する魔法で体力を削る
メイドは苦しみ、悶え倒れる
ガガーランが早くトドメを刺すことを進める
『それぐらいにして頂きましょうか』
怒りに満ちた声が聴こえる
いつの間にかそこに立ち、メイドを背後に隠す仮面を被った赤いスーツの悪魔
『大丈夫ですか?ここから先は私が変わりますので』
イビルアイがか細い声で撤退を2人に言い渡す
「にげろみんな、あれは.....化け物の中のバケモノだ」
仲間達からの躊躇の問いかけに
「私はお前たちが離れたら転移で逃げる」
メイドが回収され、悪魔が振り返る
『お待たせしました、早速始めましょうか』
「早く逃げろ!」
悪魔が転移を封じる魔法を使う
水晶を噴出するが、無効化され水晶が消失する
悪魔が炎の刃を放つ、イビルアイの頭上を通り抜けた
振り返るイビルアイ、上半身が焼失した死体が2つ
『あの程度で死ぬとは、お悔やみ申し上げます、あなたを基準に死なない程度に手加減したつもりなのですが』
弄ばれるイビルアイは歯を食いしばり拳にマナーを纏わせ、ヤケクソに悪魔に当てようとするがあっさりと振り払われる
吹き飛ばされるイビルアイ、衝撃を軽減する魔法を自分にかけ
何とか空中から地面に足をつかせ、姿勢を戻し防御突破を込めた水晶のダガーを噴出する
横目を仲間の死体に流し、たとえ死んでもせめて傷1つぐらいはつける覚悟を決めるイビルアイ
空から漆黒の英雄が間に割入る、後ろからナーベが駆けつける
『それで?私の敵はどちらかな?』
仮面を被ったメイドが5人悪魔の背後に現れ、悪魔が自己紹介をした
『私はヤルダバオト』
どこか敬意を感じさせられる挨拶がされる
それほどモモンを警戒する悪魔にイビルアイは僅かに希望を抱き、仲間の死体を見やる
問答をする漆黒の英雄モモンとヤルダバオト
ヤルダバオトが炎の壁を王都に展開し、無数の悪魔が召喚される
両者構え、戦闘態勢に入ろうとする瞬間
宙より流星が落ちる
炎の壁が消え去り、召喚された悪魔は1匹残らず消滅した
主犯の悪魔を両断し、神々しい槍を掲げ透き通る声で宣言する
[帝国所属、竜騎士カイン・スペランツァ。王国の窮地を聞きつけ、助太刀に参りました!]
『世界断絶障壁!』王都が結界に包まれる
真なる霜の竜王は長時間の飛行と慣れない環境により、虚弱状態になり、ステータスが20%ダウンした。
竜騎士が身に付ける防具が強いエネルギーを感知し補助魔法が発動する
様子見しに来た永久議員、吸血鬼に遭遇する