目が覚める。目が覚めるというか、生き返ったというか、そんな感じがする。
頭が痛い。いや、痛くない。先程感じた頭の痛みはなくなっている。手でそちらを触るが、どこには頭部がきちんとあった。
頭を吹き飛ばされて痛い部分も消し飛んだのかなと思った。
さすが古代の国で神と呼ばれたことはある。しかし、頭を吹き飛ばされるのは気分がいいものじゃないことはわかった。
窓を見ると外は明るかった。というか、朝っぽかった。頭の半分を潰されて多分30分も立ってないんじゃないか。
多分、頭は直してくれたが血はなかったんだろう。
かなり貧血っぽくてくらくらする。横になって寝ようかなと思ったら扉を開いた。
「やぁやぁ復活おめでとう。どこかの宗教なら神の子扱いをされ手も仕方ない偉業だが、幸いなことに?いや不幸なことに?私が仕える神は生き返る程度はあっさりとしてしまうのでそんな大層な祝辞はないのだが、まぁ生き返りおめでとうと挨拶はしにきたのだが」
入ってきたのは真っ黒い神父服をきた少女だった。耳元で切り揃えられた銀髪に容姿端麗な十歳ぐらいの少女。手には分厚いよくわからない文字で書かれた本を抱えて、笑みを浮かべて目には狂気を漂わせながら近づいてくる。
彼女の名前は【邪教司祭ペンテリオ】邪神を従えてしまった邪神を崇めたてる邪教徒だ。
彼女は紫色の光を放つ相貌で狂気を浮かべた笑顔でこちらをみてくる。
「だいじょぉぶですか? 頭はいたくありませぇんかぁ。狂ってしまいそうなほどに邪神様を信仰したくありませんかぁ?」
「宗教の押し売りはやめろって」
彼女は十歳の少女の風貌をしてるが中身は数百万人で古来より邪神たちを奉ってきた邪教の最大トップだ。滅ぼしてきた国も両手では足りずに破滅させた人など億など到底足りない。
今ですら数十万を超える教団員が日々邪神を信仰させるために人々を陥れてる途中だ。
彼女の紫の光を放つ相貌は人を洗脳できるらしい。
なぜか俺には効かないが。
「ちぇっ。どうして貴方は聞かないんですかね?」
「さぁ」
さすがに貧血がきつくなって横になる。そんな俺に猫のように近寄るペンテリオ。その顔はにやぁと気持ち悪い笑顔を浮かべている。
「さぁ我らが教団に入りましょうよう。今なら特別な報酬だって与えますよ」
「特別報酬ってあれか。邪心様のいけにえになる権利とかそういうやつ?」
「それは上級信徒向けですね。結構当選率は低いんですよ。それがいいのでしたら選びますけど」
「いらない」
美しい彼女たちのそばにいたいのであって、殺されたいわけじゃない。彼女たちに殺されるのも不可抗力であって自分から殺されたいわけじゃない。むしろ殺されたい願望なんか自分の欲望の為に彼女たちを利用するなんて気持ち悪すぎて近寄れなくなる。
あー、それにしても頭がくらくらする。目の前がぼんやりしてきた。
「えっと入団してくれたなら貴方には特別な権利として………ごにょごにょ、司祭と結婚する権利を……」
彼女が何やらもじもじしてるが貧血による意識は既に朦朧としてまともに聞こえない。
なんかごにょごにょ言ってるなぁとか思ってたら気絶してしまった。
「はああああああ!? なに眠ってるんですか、このぼんくらは!?」
なぜか、うねうねと触手を伸ばしている邪神と釣りをする夢を見た。