バカ共が行くブルーアーカイブ   作:マテリアル

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知識の暴力

「救出って言っても、場所わかるんか?」

ソウゴが怪訝な顔をする。

「ダメだねソウゴ君、考える力が足りないよ?」

「ハァ?」(。 _°)

「あの1回の通話だけでヒントは揃ってるんだよ」

「いやいや、揃ってるわけ」

「まずモンタはとある廃工場にいる」

「おん、でも廃工場なんて腐るほどあるけど?」

「そこであの電車の音」

「電車の音?…あ」

ソウゴは、それだけで何かを察する。

「ケイタ、よろしく」

俺はその一言をかけた

「ごほん…あの時通話から聞こえたモーターの音より、通過した電車はハイランダー鉄道学園のH4700系かH4800系。でもでも、H4800系は数が少ないし、そもそも今は全車両点検中。だから、通過した電車はH4700系で確定」

マシンガンの如く放たれる電車知識。

「E4700系が走行している区間は、茂戸(もと)線、景山野呂島(けいざんのろしま)線、新大座永刀(しんおおざながと)線の3つ。つまり、いずれかの路線沿いの廃工場にモンタは連れ去られているってことやな。一旦モーター音から得られる情報はここまでや」

「いやえっぐ」

ケイタの知識に圧倒されている様子のソウゴ。それを他所に、俺は間髪入れず次の考察へと入る。

「じゃ、次は俺の考察ターンだ。…って言っても、ケイタとは違って正確性はあまりないがな」

一応、保険をかけておく。こうしておけば、考察が間違っていた時の責任を有耶無耶に出来ることが多いからだ。

「まず、モンタが誘拐された時間は、キッチンに朝飯を食った形跡があったから今日の朝。んで部屋は荒れたりしてる様子は無いから外出した後。モンタが外出する用事なんて今日のラーメンズ以外は無いはずやし、モンタは予定の時間より早く来てもせいぜい10分。ここからケイタの家前までは自転車で10分とモンタが見積もっていたとして、モンタが家を出たのは8時40分以降。つまり、家出たところを出待ちされていたとしても、誘拐された時刻は8時40分が最短。そしてヌイとかいうバカが電話かけてきたのが10時ちょいぐらいだから、モンタが誘拐されてる廃工場の場所はここら辺から1時間20分で行ける範囲。えーっと、ケイタかソウゴ、地図ある?」

「路線図ならあるぞ」

カバンから路線図を平然と取り出すケイタ。

「ちょっと書き込むぞ?」

「ええよ」

「まあ仮に車を使ったとして〜」

持っていた鉛筆で、路線図に大まかな円を書く。

「この円の中やな」

「ナイスサキ。そうやったら、円の中にあるのは茂戸線だけやから廃工場があるのはその沿線やな」

「はえ〜…すっげえな」

ものの数分で、ここまで特定出来たことに驚きが隠せない様子のソウゴ。

「いや、でもやで?この路線の沿線やったら範囲まだ広ない?こっからモンタがおる廃工場探すのは時間かかると思うんやけど」

「そう思うでしょ?残念。俺がこの前なんやかんやありましてー。近辺の廃工場の場所は一通り調べてるんだなぁ、これが」

「サキさん何を四天王?」

「まあまあ、細かいことはいいだろ。おかげで場所がわかるんだから…」

俺は、ケイタをそう諭しながら路線図とにらめっこをする。普通の地図と違って見にくいが、それは言ってられない。

「んー…ここだな」

そして、×印1つを路線図に書く。

「…結構遠くね?」

それを見たソウゴはそう言った。

「…せやな」

「おん…俺も同意」

「まあ、別に早く行く必要は無いと思うけどな」

「確かに、ソウゴの言う通りやな。別に気にする必要はあらへんか」

「…いや、お前ら何呑気に考えとんねん…」

「ん?何を言ってるんやリント?場所はもう分かったんやからゆっくり行けばええやん?」

「サキさんなんか問題でもあるん?」

疑問に聞いてくる2人。

「…それやったらラーメンを食いに行かれへんやろ!」

「「…」」

「救出した後にラーメン食いに行こうって話だったじゃーん?」

「あ、あれマジでやる気なん?」

「いやリント…自転車じゃ間に合わんぞ」

「なら間に合う策を考えるまでや」

「執念えぐ。確かに俺もラーメン食いたいけど」

「せやけどな?俺も食いたいけどな?流石にモンタ救出してからラーメン食いに行くってのは…無理がある気がするわ」

ソウゴが考える俺に現実を突きつける。だがしかし、俺はその程度では諦めない。頭の中で何度もシュミレーションして、策をねる。

「あ、サキさんマジの感じや」

「はぁ…もしやで?策が思いついたとして、ケイタは付き合うんか?」

「うーん…付き合うかな」

「マジかお前」

「まあ友達やしな。ソウゴはどうするん?」

「いや俺は流石に大じょ…」

ソウゴは中途半端なところで言葉が止まる。

「…んー、まあ、せやな。…付き合ったるか」

「流石ソウゴや」

「でもあんまり無茶苦茶やったら抜けさせてもらうで」

「それは…サキさんの塩梅やね」

「不安や」

二人の会話がちょうど終わったぐらいのタイミングで、俺の脳内シュミレーションが終了する。

「…よし!これならいける!」

「お、サキのセルフ脳内会議終わった?」

「どんな策なんや?」

「んーと、その前に確認。ソウゴって車の運転出来たよな?」

「え?お、おう…一応出来るが」

「ならオッケーや、作戦の共有といこう」

俺は脳内で考えに考え尽くした作戦を素早く話す。

「…は?」

「マジで言ってる?」

「おう、大マジ」

「…俺はいいけどさ、ソウゴ?これはさっき言ってた無茶苦茶の部類に入るんじゃ?」

「…あー、もう!やってやるよ!やってやる!」

「よし来た」

「もうヤケクソやん」

「じゃ、作戦開始と行くんで。各自準備だけパパっと済ませちゃってー」

「うい」

「分かったわ」




公開可能な情報
乃囚ケイタは鉄道の知識が異様にある。自身が覚えたと言うのもあるが、特殊能力の補助もある。その内容は、
モーターの音だけでその電車が何処の何系分かり、さらに知識を掛け合わせると、何線かまで分かる。ついでに車両の状態まで分かる。

33話以降の戦闘描写について

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