ストブラの第四真祖の能力を持って呪術廻戦の世界に転生した話 作:蒼凪 渚
ライトノベルが好きだった。
毎日大学に通ってバイトをして、空いた時間にライトノベルを読んで過ごす日々。そんな毎日に満足していた俺は、バスに乗って大学から家に帰る途中、好きなライトノベル、『ストライク・ザ・ブラッド』を読んでいると、丁度橋を渡る辺りで急ブレーキでつんのめる。
その直後だった。バスがゆっくりと傾き始めた。何事かと思ったらバスが橋から半分飛び出していて、ゆっくりとバスは海に向かって傾いていた。乗客が喚きながらバスの外に出ようと出口に殺到するが、運転手が気絶しているのか全くバスの昇降口を開ける気配はない。
そのままバスは傾き、海に落ちて行った。そして乗客諸共海の底に沈んでいく。
俺もそのまま沈み、呼吸ができない苦しみと、まだライトノベルを読みたいという欲望から生を求め、もがきあがくが、どうしようもなく、次第にバスの窓ガラスが割れ、海水がバスの中に入ってきて俺は溺れ、そのまま意識を手放したのだった。
どこからか声が聞こえる。
「目を開けなさい十亀勇也」
んぅ……。声が聞こえて目を開けると、そこは天空と呼ぶべき場所だった。というか天空に俺は立っている。周囲は澄み渡るような青で、下を向くと雲がかかっている。
「目を覚ましたようですね、十亀勇也」
「はい、それで貴方は……?」
「私は……そうですね、この世界担当の神様とでも言っておきましょう」
「神……?」
目の前にいる女性は神を自称した。白い衣に杖を持った女性だった。
「それで、神様は俺をこんなところに連れてきたということは俺は死んだんですか?」
「はい、貴方は死にました。それもイレギュラーな形で」
「イレギュラー?」
「本来なら貴方はまだ死ぬ予定ではありませんでした。しかし、不運が重なって貴方は死んでしまった」
「不運が重なって、ねえ……」
不運が重なってとは言うけれど死んでしまった以上もうどうにもならないだろう。それとも異世界転生でもさせてくれるのだろうか。
「ええ、その異世界転生をさせようと思います」
「心まで読めるんですか」
「神ですから。それで、異世界に行くにあたって、貴方の新たな生を授ける世界は今の世界とは少し違う姿をしています。主に呪霊と呼ばれる化け物がいる世界です」
「要するに呪術廻戦の世界ってことですか?」
「話が早くて助かります。貴方はそこで生まれ変わります。それで今回、こちらの不手際で死なせてしまったので何か能力を与えて転生させようと思うのですが、何がいいですか?」
異世界転生の特典ってことかな? それだったらストライク・ザ・ブラッドの第4真祖の能力とそれに必要な呪力を持って生まれ変わりたい。呪力量は世界最高峰で。
そして生まれる時代は原作と同じ時代がいいな。原作を知っている分有利に動けるだろうから。
「なるほど、貴方の心を読み取る限り、叶える事は可能なことですのでそれにしましょうか」
「あ、できるんだ……」
「できますよ、神ですから。それでは、転生の儀を始めましょう。次に目を開けた時は生まれ変わっていますから、安心して次の世界を楽しんできてください」
神がそう言った直後、俺は光に包まれ、そのまま意識を失った。
そして次に目を開けた時、そこは知らない天井と知らない女の人の顔が映っていた。神に言われた通りなら、これが異世界転生というやつだろう。ということは目の前にいる女性が新しい母親なのか。
そんな母親の疲れながらも笑顔でいる姿を見ながら、俺は生まれ変わったのだと実感していた。
それから3年の月日が流れ、幼稚園に入園した。俺の名前は暁 優弥。今生での名前は結構気に入ってる。特に暁ってかっこいいよね!
そして呪術廻戦の世界に転生したのだから色んなところに呪霊がいる。幼稚園にも小さなバッタみたいな呪霊がいたりするのだ。だが無視していると襲ってこないし、俺はまだ術式に目覚めていないため呪霊を討伐することはできない。だから呪力操作の練習だけしてせめて呪力の扱いだけは慣れておこうと思ったのだ。生まれてからすぐに呪力を自覚して、それ以来ずっと呪力操作をしているだけあって、呪力操作は結構上手くなっている。が、呪力量が膨大なため、全ての呪力を綺麗に纏め上げることはまだできない。
そんなある日、幼稚園にいた呪霊を再び見かけると、以前より大きくなっていた。以前は幼稚園にいるカブトムシサイズのバッタだったのが、今では犬と同じくらいの大きさのバッタになっている。
これ、人間襲ったりしないよね?等級的には何級になるんだろう、まだ4級呪霊なんだろうか。
翌日、その呪霊を探したが見つからなかった。どこかに移動したのか、それとも払われたのか……。とりあえず術式に目覚める前に死ななくて良かった。そしていつものように幼稚園児らしく振る舞って子供たちと遊ぶのだった。
あれから3年。小学生になった。5歳になった時に自分の術式を自覚し、眷獣操術だと分かった。神様が希望通り、前世のライトノベル、『ストライク・ザ・ブラッド』の眷獣を使えるようにしてくれたのだろう。
そしてこの頃になると放課後、たまに見かける弱そうな呪霊を呪力操作のみで倒すようになっていた。むしろ子供と遊ぶよりそっちの方が楽しい。自分が強くなっていくのが分かるし、呪力の扱いがどんどん上手くなっていく。
ちなみに住んでいるのは東京都。そしてあまり治安の良くない地域のため負の感情が溜まりやすいのだろう。祓っても祓っても呪霊が湧いてくるから戦闘経験がどんどん積みあがる。そして今日はたまにはいいかと思って家から離れた廃墟にやってきた。ここなら人もいないし眷獣操術を使っても問題ないだろうという判断でだ。
そして呪霊を探し、早速見つけると眷獣操術を行使する。
「疾くあれ、レグルス・アウルム」
瞬間、膨大な呪力が黄金の獅子となって顕現する。そして廃墟ごと雷で焼き尽くしてしまうのだった。
うん、威力はライトノベルの眷獣と同じくらいだな。呪力量も全然問題ない。まだまだ眷獣を出せるくらいだ。
そして出来上がったクレーターを見て、満足して家に帰るのだった。
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捜査報告書
作成日 5月15日
捜査場所:東京都
捜査状況:
5月15日、都内の〇〇区廃墟がクレーターとなり消失。何者かが呪霊を祓ったのだと思われるが、帳を降ろした形跡は無く、また、残穢も呪術師の残穢と一致しないことから、未登録の呪術師、もしくは呪詛師の仕業だと考えられる。少なくとも廃墟を1撃で更地にしクレーターにできることから、強力な術式を持っている可能性があるため、発見次第保護、もしくは捕獲するべし。
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