ストブラの第四真祖の能力を持って呪術廻戦の世界に転生した話 作:蒼凪 渚
翌日。教師たちが報告や打ち合わせをしている間、学生たちは1つの建物の中で待機していた。くつろいでいた、と言いたいが、お互い対戦相手がいるためくつろげる環境ではないのだ。そして俺に関しては伏黒と釘崎がいるから本当にくつろぎの場にはならない。そのため椅子に座って寝たふりをしている。
「ねえ伏黒、あいつ誰?」
「ああ……京都校の1年の暁優弥だ」
「へえ、京都校の。でも交流会でてなかったよな?」
「人数の問題で出てないだけだろう。なんでここに来てるのかは知らん」
その会話、聞こえてるんだよなぁ……できれば聞こえないところでやって欲しいよ。というか伏黒、俺の名前覚えてたんだ。てっきりもう忘れてるものだと思ってた。
「しかしすげえな、1年で特級を祓うなんて」
「は? 特級を祓う?」
「おうよ、昨日俺と東堂が相手した特級、最後に祓ったのあいつなんだぜ。超かっこいいライオンで祓ってた」
「……マジかよ」
ライオンじゃねえよ獅子だよ。しかしついに俺の術式の眷獣もお披露目となってしまったか……なんというか隠してたわけじゃないけどさ、もうちょっとかっこいいお披露目にしたかったな。
なんて思いながら寝たふりを続行していると、救世主五条先生が入ってきた。
「色々あったし、人も死んでるけど、どうする? 続ける? 交流会」
「んん~どうするって言われてもなぁ……」
虎杖は悩んでいるみたいだが、東堂は違ったみたいだ。
「当然、続けるに決まっているだろう」
「その心は?」
「1つ。故人をしのぶのは当人と縁のあるものだけの特権だ、俺たちが立ち入る問題ではない。2つ。人死にがでたのならば、尚更俺たちに求められるのは強くなることだ。後天的強さとは、結果の積み重ね。敗北を噛みしめ勝利を味わう。そうやって俺たちは成長する。結果は結果としてあることが1番重要なんだ。3つ。学生時代の不完全燃焼感は死ぬまで尾を引きずるものだからな」
「お前いくつだよ」
なんか東堂先輩が最もらしいことを言っているが本当にこの人幾つなんだ? 実は俺と同じで人生2回目とか?
「俺は構わないですよ」
「どうせ勝つしね」
伏黒と釘崎も乗り気らしい。俺は交流会に参加しないから関係ないが。
「屁理屈だが一理ある」
「加茂君は休んだら?」
加茂先輩と西宮先輩もこう言っている。というか加茂先輩は花御に顔殴られたんだから休むべきでは? 西宮先輩の言葉が正しいのでは?
「異議なーし」
「シャケー」
「個人戦の組み合わせはくじ引きか?」
パンダさん、狗巻さん、真希さんもやる気らしい。2日目は個人戦だからそれぞれの術式が見れるチャンスでもあるんだけど、多分原作通りになるよね……昨日は原作から少し乖離したけど、それで今日も原作とは違う行動になるのかといわれるとそうではないだろう。
「え? 今年は個人戦やんないよ?」
その言葉を聞いた瞬間、全員の頭に疑問符が浮き上がる。毎年恒例の個人戦がここにきてなくなるってどういうことだ、と思ってるんだろう。そして個人戦をやらないなら一体何をやるのかとも。それを知っているのは原作知識のある俺だけだ。
「僕、ルーティーンって嫌いなんだよね。毎年この箱に勝負方法を入れて、当日開けんの」
そう言って五条先生が虎杖に箱を渡し、中から紙を引くように促す。そして虎杖がそれに従って紙を1枚摘まみ取り、紙に書かれた文字を見ると……
「え? え?」
「なぁにぃ?」
「野球ゥ?」
戸惑う虎杖を挟むように2人の学長が立ち、戸惑いを露わにしている。
そしてそんな周囲を置いていくようにその場を去る五条先生。
「どういうことだ、夜蛾」
「いや、私は確かに個人戦と」
そしてその場で始まる学長同士の言い合い。完全に五条先生の手のひらの上で転がされてますわ。
そして最後に、
「待て悟ゥ!」
夜蛾学長の咆哮が室内に響くのだった。
「ところで、京都校はメカ丸が壊れたから5人なんですが、それはどうしたらいいんでしょうか?」
「ならば暁を出せばいいだろう。今回、呪術師の連携を知るために同行させたそうだが、このまま見学して帰るだけというのも詰まらんだろう」
加茂先輩の質問に夜蛾学長が答える。
いや、まあたしかに見学するだけじゃ詰まらないとは思ったけどね? 別に野球がやりたいわけじゃないんですよ、呪術戦したいんですよ、俺は。というか呪術師の連携とか全然見れなかったし。ほとんど1対1の戦いだったじゃん。肝心の連携シーンは烏がちゃんと映さなかったせいで見れてないから来た意味ないんだが?
原作知ってるからこうなる可能性はあるとは思ってたけど、まさか連携なんてありませんってことになるとは思わなかったよ。
こうして俺は個人戦に代わって野球となった交流会に出場することになった。
結果は原作と変わらなかったので省くことにする。来年も交流会は東京か……。
そして京都校に帰ってきた。取り敢えず次の京都のイベントといえば宵祭りだからそれまで待ちかな。真人の領域展開対策で簡易領域を三輪先輩に教えてもらうのもありかもしれないけど、シン陰流の簡易領域って門外不出だったはずだから教えてくれるとは限らない。その時はナトラ・シネレウスの霧化で凌ごう。
取り敢えず交流会では花御を祓ったし、宵祭りではなんとかなる算段も付いてるし、渋谷事変が花御がいなくなった分どう変わってくるのか分からないけれど、まあ五条先生は獄門彊に封印されるだろうからあまり結果は変わらないだろう。
それよりも交流会で五条先生は帳を攻略せずに何処に行っていたのかが気になる。もし忌庫に行っていたとしたらもしかしたら呪胎九相図は持って行かれたけれど宿儺の指は持って行かれなかった可能性だってある。そしたら渋谷事変での両面宿儺の惨劇の被害が小さくなるかもしれない。
その辺りを確認したいんだけど一学生である俺に知る権限はないんだよなぁ……。まあ原作通りだと思っておこう。
というわけで午前の実技の時間。せっかくだし三輪先輩に駄目元で簡易領域を教えてもらえないか聞きに行くことにした。
「三輪先輩、ちょっといいですか」
「はい? どうしたんですか、暁君」
「三輪先輩が使う簡易領域を教えて欲しいんですけど、駄目ですか? 最近の任務で術式を使う呪霊と当たることがあって、不安だから覚えておきたいんです」
嘘は言っていない。あとは三輪先輩が教えてくれるかどうかだ。
「うーん……私個人としては教えてあげたいんですけど、一応シン陰流の門外不出の技なので許可なく教えることはできないんです、ごめんなさい」
「そうですか、分かりました。無理を言ってすみません」
駄目だった。まあ駄目だろうとは思っていたけど駄目だった。なので敵の領域展開の対策は霧化しかないな。あとはメカ丸本体の居場所と戦場になるダムの場所だけ把握しておけばいいか。
しかし簡易領域、覚えてみたかったなぁ……。
さて、三輪先輩に振られてしまったので東堂先輩と体術の訓練に励むことにしますか。術式無しでも東堂先輩の体術についていけるようにならないと近接戦が弱いからな。術式が使えない場合も想定しておかないと術師として生きる以上、どんな状況に置かれるか分からないと思っておいた方がいいだろうし、それに何気に肉弾戦、気に入ってるんだ。