ストブラの第四真祖の能力を持って呪術廻戦の世界に転生した話   作:蒼凪 渚

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ストブラの第四真祖の能力を持って呪術廻戦の世界に転生した話XIV

 暁から眷獣操術を見せてもらった歌姫は、その日の夜に五条悟に電話を掛けていた。

 

『もしも~し、GLG五条だよ』

「あ、五条? ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

『歌姫が僕に? 何?』

「暁の術式について六眼で見た情報を教えてちょうだい。あの子任務に行く度にクレーター作って帰ってくるからちょっと問題になってるのよ」

『あちゃ~優弥の術式は超強いからね、それくらいで済んでるだけまだマシだと思うけど。それで、優弥の術式についてだっけ? あれは眷獣操術って言ってね、12体の眷獣っていう、まあ式神みたいなものを使役して戦う遠距離タイプの術式だね。それぞれの眷獣が違う効果を持っていて、中には僕の無限を突破、というか普通に攻略してくる奴もいる。この世にいる数少ない僕特効の術式でもある優れものだよ。特に目を引くのはその攻撃力。クレーター程度で済んでるんだから多めに見てあげた方がいいよ? 本来なら帳ぶち壊して周辺が更地になってもおかしくないくらい強い術式なんだから。優弥もそれが分かっててクレーター程度で抑えてるんでしょ』

 

 五条は歌姫に優弥の術式について細かく語った。自分に対する特効術式であることも、今現在、クレーター程度で済ませている、つまりまだ加減をしているということも含めて伝え、歌姫はそれを聞いて冷や汗を流す。

 

「ちょっと待ちなさい、五条特効ってどういう意味よ?」

『ほら、この前の交流会で帳降ろされたでしょ? 僕だけ入れない帳。あのあとちょっと別の用事で僕は帳の中には入らなかったんだけど、優弥には帳の破壊をしてもらったんだ。優弥の術式の中にいる眷獣には次元を喰う奴がいる。そいつが相手だと帳も領域も関係なく喰われるから術師の帳、奥の手である領域展開も意味をなさない。内側からも喰い破られるからね。それと同じで僕の無限も意味をなさずに丸ごとパクっと食べられるから優弥が本気を出したら僕は多分死ぬね。呪力量も優弥の方が圧倒的に多いし』

「嘘でしょ……そんなに強い術式だったの?」

『そだよー。だから東京校でしっかり育てて僕を超える術師にしたかったんだけど、まさか学級崩壊を起こすなんてねえ……』

「それはアンタのせいでしょうが」

 

 もし暁優弥が東京校にいたままだったのなら、五条悟がつきっきりで術式の訓練に付き合っていただろう。それ以外に暁優弥の術式に対抗できる存在がいないからだ。だが、それを言ってももう遅く、暁と伏黒、釘崎の仲は悪く、学級崩壊を起こしてしまい暁は京都校に転校してしまった。これからの暁の成長は歌姫に掛かっていると言っても過言ではないだろう。

 

「それより、さっき別の用事で帳の中には入らなかったって言ってたけど、それって何なの?」

『ほら、この間交流会の間に報告会で言ったでしょ? 忌庫に侵入者がいたから捕まえようとしたら逃げられたって。一応宿儺の指は取り戻したけど、呪胎九相図は3つ持って行かれちゃったってやつ。あれね、優弥の判断なんだよね。五条悟を帳にくぎ付けにして何かしたいことから目を逸らさせてるんじゃないか、って言われてピンと来たんだ』

「ああ、そういうこと。でもどうして暁がそんなことを思いついたのかしら」

『それは僕にも分からないかな。最初は敵と繋がってるのかとも思ったんだけど、よく考えたら優弥はまだ呪術高専に来て日が浅い。忌庫のことなんて知らないだろうし、敵も優弥と繋がるメリットが特にないから優弥は白だと判断したよ』

 

 実際の暁優弥は忌庫のことも呪胎九相図のことも知っている。何故なら前世で原作を知っていたから。だからこそ交流会で五条を忌庫に行くように誘導し、暁優弥が五条悟の代わりに花御を祓い、呪詛師を捕まえているのだ。

 

「そう、少なくとも暁は白なのね。それが聞けただけでも良かったわ」

『まあ優弥が黒だったら今頃京都校は滅んでるだろうしね。それで話を戻すけど優弥の術式について。あれ、十種影法術の上位互換だから。今でも一応五条家の庇護下にいるから大丈夫だと思うけど、優弥の術式が公になればなるほど禪院家が取り込もうとしてくるだろうから気を付けてね。優弥の術式は十種影法術の式神と違って破壊されても再召喚が可能だから禪院家からしたら垂涎ものだよ』

「本当に禪院家からしたら垂涎ものね。分かったわ。でも暁の術式を鍛えて上げることはできなさそう……あの子には悪いけど、京都校にはあの子に対抗できる術式を持った術師はいないわ」

『まあたまに僕が京都校まで出張して鍛えに行くから、それで我慢してもらうしかないんじゃない? あとは体術とか、術式が使えない状態になった時のことを想定した対応を身につけさせておけば万事解決じゃん』

「体術なら既にやってるわよ、毎日東堂と張り合ってるわ」

『わお、既に近接戦も対策済みだったか』

 

 暁優弥も自分の術式が遠距離タイプであることは知っていたので対策として体術と剣術を鍛えているのだった。逆に言えばそれ以外できることが無かったともいえる。なにせ術式を満足に使うことができないのだから。特級呪霊を相手にしても加減をしている時点でもうどうしようもないだろう。

 

「京都校じゃあの子、これ以上強くなれないわよ? 最近は反転術式を覚えたし、このままだと領域展開だって覚えそうなんだけど」

『眷獣操術の領域展開はちょっと興味あるね。僕も見てみたい。でもそうか、もう反転術式を覚えちゃったか。まあ優弥には不要な力なんだろうけど』

「反転術式が不要な力? どういうことよ」

『優弥の術式の中には傷を癒す眷獣がいるからね。そいつでこと足りるだろうし、なんなら他人もそいつで治せるだろうから、ぶっちゃけ優弥に反転術式は必要ないよ。多分覚えたのはそれが呪術師としての王道みたいなところがあるからだろうね』

「あの子の術式、なんでもありね……」

『いやいや、反転術式を使う式神だって十種影法術の中にもいるからそうでもないよ』

 

 五条悟の言う通り、暁優弥は反転術式を覚える必要は無かった。本人は転生して呪術廻戦の世界で生きるのなら覚えておいて損はないだろうくらいの感覚だったが、本当に暁優弥に限っては覚える必要のない力だったのだ。これを無駄というのか、それともちゃんとした術師としての道を歩んでいるというのかは本人が決めることだろう。

 

「暁、東京校に帰したほうがいいんじゃない?」

『でもそうするとまた学級崩壊起こすだろうし、なにより京都校の1年がいなくなるでしょ? 優弥がいるだけで京都校はしばらく安泰なんだからそのまま歌姫が鍛えてあげなよ』

「鍛えるって言ってもねえ……」

『優秀な生徒を持つと悩みが尽きないから大変だね』

「一応嬉しい悩みと言っておくわね、あの子のためにも」

 

 暁優弥のことを想って嬉しい悩みと表現する歌姫であった。

 

『まあそういうことだから、優弥には術式を全力で使うのは控えてもらって、教師側はクレーターはもう許容してしまったほうが良いと思うよ。優弥もこれ以上ないくらい最小限に抑えてるはずだから』

「そうね、上にもそう言ってみるわ。夜に長話して悪かったわね」

『いやいや僕は気にしてないよ、何しろ優弥のことだからね。京都校に丸投げした以上質問とかは受け付ける義務がある』

「そう言ってくれると助かるわ。それじゃあ」

 

 こうして、歌姫と五条の通話が終わった。そして歌姫は暁優弥のクレーターに関しては諦めることにしたのだった。

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