ストブラの第四真祖の能力を持って呪術廻戦の世界に転生した話   作:蒼凪 渚

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ストブラの第四真祖の能力を持って呪術廻戦の世界に転生した話XV

 翌日。

 朝から実技で運動場に行くと、昨日作ったクレーターがそのまま残っていた。そしてそのクレーターを見ながら先輩たちが何事かと話し合っている。

 

「おはようございます、皆さんどうしたんですか?」

「暁君、おはよう。このクレーターは一体何があったのかって話してたの」

 

 俺の挨拶に西宮先輩が返事をして説明してくれる。今日もキキのコスプレ決まってるな。

 

「そのクレーターは昨日の放課後に歌姫先生の指示で作ったんですよ」

「歌姫先生の指示で? どうして?」

「僕が任務で毎回クレーターを作るのが問題になっているらしくて、どうやって呪霊を祓っているのか見せたんです。その時の名残りですね」

「任務で毎回クレーター作るってどういうこと……」

「僕が相手する呪霊って大体1級か特級なのでそれなりに強いんですよ、だからクレーターができちゃって」

 

 一応これでも手加減はしているほうなんだよなあ……本気でやったら帳破って街に被害出るから加減せざるを得ない。そして加減しすぎても自分が死にかねない。だからクレーターができる程度の威力で呪霊を祓っているのだ。

 

「そういえば暁君って今何級術師なの?」

「1級術師です」

「え?」

「1級術師です」

「東堂君と同じじゃない、というか1年で既に1級ってどういうこと……」

 

 まあ西宮先輩が驚くのも無理はないだろう。加茂先輩とメカ丸は準1級、東堂先輩は1級、西宮先輩が2級術師だから上級生をほとんど追い越して1級術師になっているのだ。三輪先輩と真依先輩は3級だっけ? 詳しい内容はうろ覚えだからそこらへんは良く分からないな。

 

 そんな話をしていると歌姫先生がやってきた。そして全員挨拶して歌姫先生のもとに集まる。

 

「みんなおはよう。今日も訓練頑張りましょう。そして暁、アンタはちょっと話があるからこっちに来なさい」

 

 そう言われて俺は歌姫先生についていく。みんなから少し離れたところで、

 

「昨日五条に電話で暁の術式について聞いたわ。クレーターができる程度でも一応加減してくれてたのね」

「ああ、五条先生はそれも知ってたんですか。そうですね、一応加減はしています。しないと街が破壊されてしまうから。京都を滅ぼすわけにはいきませんしね」

「そうね。だから私と五条で上にクレーターは仕方ないと報告することにしたから、もうクレーターに関しては気にしなくて良いわよ」

「本当ですか、ありがとうございます」

「それとたまに五条がこっちに来て鍛えてくれるって言ってたわ」

 

 マジ? じゃあその時は術式を全力で使って戦えるってことじゃん。今から楽しみだな。

 そんなことを思いながら、歌姫先生との話は終わり、運動場に戻って今日も東堂先輩と体術の訓練をする。術式無しでも今日は調子が良いのか上手く対応できている。縦拳、回し蹴り、掴み技、どれも対応できる。最近は体術の成長も感じるようになってきて気分が良い。あとは剣術をどうにかして鍛えたいんだけど、三輪先輩の刀をまた折ってしまったらと思うと訓練のお願いは中々できない。

 

「かなり体術の動きも良くなってきたな、暁。これで女のタイプが同じなら最高だったんだが」

「女のタイプは人それぞれですよ。というかそれ毎回男に聞いてるんですか?」

「ああ、俺の師匠の言葉でな。毎回初対面の男には聞くようにしている」

「で、同じ女のタイプの人はいたんですか?」

「ああ、東京校にマイブラザーがいる。俺と全中制覇した最高の友だ」

 

 全中制覇ってなんだよ。やっぱり虎杖とは仲良くなれたのか……。まあ花御を祓った時も一緒にいたしな。虎杖に黒閃を教えたりもしたんだろう。その姿を俺は見ていないが。……いや、でも帳を突破するのが原作よりかなり早かったからもしかしたら黒閃決めてない可能性があるんじゃいか? だけどあの時花御の周囲の草木は枯れていた。つまり生命力を呪力に変換した後。なら黒閃は決めているはず……。黒閃は決めたものだと信じよう。というか今聞けばいいじゃん。

 

「ちなみに東堂先輩、虎杖は強いんですか?」

「ああ、未だ成長中だが確実に強いと言えるだろう」

「黒閃は放ったんですか?」

「ああ、しかも4連続だ。見事なものだった……」

 

 良かった。ちゃんと黒閃決めてくれてた。これで虎杖の強さも問題なしだな。あとは渋谷事変で脹相に負けてしまうけど真人を追い詰める活躍を見せてくれるだろう。なら目下の目標は宵祭りでメカ丸本人の保護か。真人と夏油をどうやって対処するかだけど、ここで獄門彊対策をしておくのも悪くはないな。ちょっといいこと思いついた。

 

 そして午前の実技の訓練が終わり、昼食を食べた後、俺は任務が入ったので窓に車で任務地まで送ってもらう。今日の相手は特級呪霊らしい。なんでも人が足りていないらしく、俺に特級案件が回ってきたのだとか。まあ別に良いんだけどさ。祓えるし。

 

 そして目的地に到着する。場所は古い橋の下らしい。近場から橋の下に降りて適当に散策する。すると小さな川が流れているのを見つけた。原作でも川を跨ぐとかいう行為はうんぬんかんぬんで危険だとか言ってたからこれか? と思って川を跨ぐと景色が一変した。どうやら当たりらしい。

 

 これが生得領域というやつか……。初めて見たな。中は完全に洞窟のようになっている。そしてその中央にゴリラみたいな呪霊が1体。こいつが特級呪霊か。生得領域の中で戦うなら帳の心配は必要ないし、周囲の破壊についても考える必要はない。つまり、遠慮はいらないということだ。

 

「疾くあれ、レグルス・アウルム。今日は存分にやっていいぞ」

 

 生得領域内だから存分に暴れろと指示を出す。直後、今までとは比べ物にならないほどの雷を纏いながら特級呪霊に突撃しに行った。そして突撃した後には呪霊の姿は残っておらず、生得領域が解けたので祓えたのだろう。生得領域を見れたのは幸運だったが今日の呪霊も弱かったな。

 

 そのまま橋の上に戻り、窓に呪霊討伐の報告をして車で京都校に戻る。車の中で報告書を書きながら生得領域について記載する。そして京都校に帰る頃には報告書も書き終わっていた。

 返ってきた時には放課後間近だったのでそのまま自室に帰ることにした。部屋に入ると同時にチャイムが鳴り、放課後になる。いやあ、今日の生得領域、本当にすごかったな。まさかあそこまで景色が一変するとは思いもしなかった。

 そんなことを思いながら放課後に体を休めるのだった。

 

 翌日。

 午前の訓練のために運動場に行くと、なんと五条先生がいた。

 

「や、優弥。交流会ぶり」

「お久しぶりです。五条先生」

「今日は優弥の術式を本気でぶつけてもらうために出張してきたよ。あ、僕を殺さないようにね?」

「本当ですか!? じゃあ殺さない眷獣をぶつけますね」

 

 そう言ってお互いに距離をとる。他の京都校の生徒たちは何故か訓練ではなく見学する体勢になっている。

 

「そういえば僕、優弥の術式を直接見るのって初めてかも」

「そうでしたっけ? 過去に1回くらい見せたことあったんじゃないですか?」

「いやあ、僕は見た記憶ないよ?」

「じゃあ初めてですね。でも全力で行かせてもらいます。疾くあれ、レグルス・アウルム!、アルナスル・ミニウム!」

 

 初手から黄金の獅子と緋色の双角獣を顕現させる。そして五条先生に全力でぶつかっていけと指示を出して攻撃させる。その瞬間、激しい雷と振動波が五条先生を襲うが、どちらも五条先生の無限によって止められている。やっぱり無限の突破は難しいか。それでも2体はめげずに全力で五条先生を攻撃し、時には地面を抉りクレーターを作っては宙に浮く五条先生を仕留めようとしている。

 

「いきなり2体はずるいよ、僕これでも結構攻撃捌くの大変なんだよ?」

「無傷の癖に何言ってるんですか、そういうのは攻撃を喰らってから言ってください」

「でも流石に攻撃されてばかりってのもちょっとねえ。僕からも攻撃しようかな、術式順転・蒼!」

 

 五条先生の術式順転・蒼が俺めがけて飛んでくる。避けるという選択肢もあるが、せっかくの術式のぶつけ合いなんだから術式で受けようじゃないか。

 

「疾くあれ、メサルティム・アダマス」

 

 俺は金剛石で構成された大角羊を顕現し、術式順転・蒼を反射する。が、反射した蒼は五条先生の無限によって阻まれてしまった。

 

「何それ、そんな防御あり?」

「ありだからこうして使ってるんですよ」

「優弥の術式ちょっと狡くない? 攻撃力高いし防御力も高い上に汎用性抜群とかチートすぎるでしょ!」

「チートじゃないし!(すいません転生特典です。チートです)それに五条先生の術式もチートでしょ!」

 

 チートと言われてチートじゃないと言い返したものの、実際はただのチートなのでちょっと罪悪感が残る言葉だった。だが、これでお互いの攻撃は届かず、お互いの防御は破れず。完全に膠着状態になった。あとは五条先生が領域展開してきたら即座に霧化してやり過ごし、術式が焼き切れたところを狙って眷獣をぶつければ勝ちだ。

 

「ところで五条先生、領域展開は見せてくれないんですか?」

「流石に領域展開は使わないよ。それ使うと多分負けちゃうし」

「分かりませんよ? もしかしたら僕が一方的に負けるかも」

「領域展開を誘ってる時点で対策されてるって考えるのが道理なんだよねえ」

 

 ああ、領域展開はしてくれないらしい。これは困った。今もレグルス・アウルムとアルナスル・ミニウムは攻撃を続けているが、五条先生の無限は突破できていない。このままだと持久戦になるな。どちらの呪力が先に尽きるかになるけど、あの人呪力減るっけ?

 

 それからしばらく持久戦になり、お互い攻撃し、守り、呪力を消費していきながら時間だけがただ過ぎていく。そして先に動きを見せたのは五条先生だった。

 

「よし、じゃあこういうのはどうかな?」

 

 そう言って五条先生は手印を組み、

 

「術式順転・蒼、術式反転・赫。虚式・茈」

 

 虚式・茈。五条先生は仮想の質量を俺に向けて放ってきた。だがこれもメサルティム・アダマスで反射して五条先生に返す。が、無限によって阻まれる。

 

「ふう、今日はここまでにしておこっか。これ以上は運動場がもたないよ」

 

 そう言われて運動場を見ると、見るも無惨な姿に変わり果てていた。いたるところにクレーターができ、もはや訓練なんてできる状態じゃなくなっている。これは歌姫先生に怒られそうだな……。

 

「しっかし優弥の術式はやっぱり強いねえ。しかも僕特効の眷獣を出さずにこれだからまいっちゃうよ」

「五条先生特効の眷獣召喚したらすぐに勝負がつくというか先生逃げ回るでしょ」

「そりゃもちろん、僕もまだ死にたくないし」

 

 そんな話をしながらお互いに術式を解く。レグルス・アウルム、アルナスル・ミニウム、メサルティム・アダマスが虚空に還り、残ったのは激しい戦闘があったという証拠を残す運動場のみ。そしてそれを見ていた京都校の生徒たち。

 

「それじゃ、今日のところは僕はもう帰ることにするよ」

「あ、五条先生」

「ん、どしたの?」

「今度電話かけていいですか? 多分助けて欲しいって連絡だと思うんですけど」

「いいよ、いつでもかけておいで。すぐに駆け付けるから」

 

 そう言って五条先生は東京校へ帰って行った。そして俺は、

 

「疾くあれ、ナトラ・シネレウス」

 

 呪力が形を成して、銀色の霧を内包した灰色の甲殻類が顕現する。

 

「悪いんだけどさ、運動場を平にならしてよ」

 

 まさかの眷獣を運動場の整地に使うのだった。

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