ストブラの第四真祖の能力を持って呪術廻戦の世界に転生した話 作:蒼凪 渚
10月31日。
渋谷事変当日。俺たち京都校の面々は昨日から前乗りで東京校に来ている。そして今現在、18時30分。渋谷全域に交通規制を敷かれた状態で術師は待機している。
相手の狙いは五条先生のため、五条先生は単独で動き、俺も単独行動の許可を貰った。最初は猛反対されたけど術式的に味方が近くにいたら邪魔で仕方がないという話をして納得してもらった。
そして東堂先輩もいつもの圧で単独行動の権利をもぎ取っていた。
その他の班構成は、
冥冥班 冥冥、憂憂、虎杖
日下部班 日下部、パンダ
禪院班 禪院直毘人、真希、釘崎
七海班 七海、伏黒、猪野
庵班 歌姫、真依、加茂
楽厳寺班 楽厳寺、与、三輪
西宮班 西宮、その他京都の術師数名
西宮は帳の外で補助監督が狙われる可能性があるため上空から索敵。その他京都の術師も西宮班に組み込まれた。
そして19時。呪術師以外による何者かによって帳が降ろされた。
「さあ、渋谷事変の始まりだ」
俺は今、非術師に紛れて渋谷駅地下5階に来ている。そこのホームで五条先生と漏瑚たちを待っているのだ。今回、俺は何もやる必要はないと思ったが、やっぱり犠牲者は少ない方がいいと思って五条先生と呪霊たちの戦いでは五条先生の戦いやすい場を作ることにした。今回は補助役だな。
ちなみに帳が降りる前に地下5階に行ったから術師をいれない帳を無視している。
さて、あとは五条先生が来るのを待つだけだが……来たか。
19時20分。五条悟、地下5階ホームに現着。そのまま線路に降り立つ。
「クッヒヒ、準備ばっちりってわけだ」
そう言う五条先生の正面には、漏瑚と脹相がいる。花御がいない分負担は大きいはずだが、さあ、どうする?
「来たな」
「これで負けたら言い訳できないよぅ?」
「貴様こそ、初めての言い訳は考えてきたか?」
五条先生めっちゃ煽るじゃん。漏瑚も煽ってるけど。
そして原作と違って花御がいないから五条先生の逃げ道を塞ぐことはできない。まあ五条先生は逃げないけど。
「それじゃあさっさと始めようか、僕あまり時間かけたくないんだよね」
「ああ、いいだろう。では、始めるとしよう!」
その瞬間、駅のホームドアが開き、一般人が五条先生と漏瑚たちの周辺にばら撒かれる。が、五条先生は冷静で、
「下がって、死ぬよ」
一般人に声を掛けている。
そして漏瑚たちが一般人を殺しながら五条先生に攻撃を仕掛けようとしたタイミングで、
「疾くあれ、ナトラ・シネレウス」
膨大な呪力が形を成して、銀色の霧を内包した灰色の甲殻を纏った甲殻類が顕現する。そして、一般人を霧に変える。
「何ッ!? 他の術師だと!?」
「やあ火山頭。実はさっきから隠れてたんだよね」
「あれ、優弥じゃん、どうしてここにいるの?」
「一般人の被害を減らそうと思って。あと五条先生の戦いやすい環境を作りにって感じですかね」
「ひゅう、助かるー」
なんてやりとりをしながら俺と五条先生で漏瑚と脹相に向き合う。これで一応2対2になったわけだけど、俺は一般人の霧化に集中力を注いでるからそこまで戦力にはなれない。
「五条先生、僕は一般人の保護に集中力を注いでるから、自分の身は守れるけど戦力にはなれないです」
「大丈夫だよ、僕が戦える環境を作ってくれただけでも十分」
「ならよかった。自分の身は自分で守るのでこっちは気にせず戦ってください」
「任せて、すぐに祓うから」
「すぐに祓うだと? 祓えるものなら祓ってみよッ!」
そして漏瑚と五条先生の戦闘が始まった。それと俺は守りを固めて防御に徹するため、
「疾くあれ、メサルティム・アダマス」
もう1体眷獣、金剛石の大角羊を顕現し、自分の周囲を結晶で固め、守りに徹する。
その瞬間、脹相の赤血操術、苅祓が放たれるが、これを反射して迎撃。
「悪いけど、その程度の攻撃は効かないんだ。残念だったな」
「チッ」
脹相は舌打ちをしてからそのまま距離を取って次の一手を考えているらしい。が、少し考えた後、漏瑚の援護に行くことにしたらしい。まあそれが正解だよ。今の俺は一般人を霧化していてそっちに集中しないといけないから、戦闘なんてできないし。
それから五条先生と漏瑚の戦闘を見守る。現状は五条先生が有利に見えるが、漏瑚は領域展延で五条先生の無下限呪術を破ろうとしているらしい。が、1体でそれをしてもたいした効果は見込めないだろう。原作では花見がいたから五条先生は一度術式を解いて呪力操作と体術で戦ったが、漏瑚のみならわざわざ術式を解く必要はない。より強く術式を発動すればいい。
それから五条先生と漏瑚の術式がぶつかり合う。その度に渋谷駅のホームが破壊されていくけど、物のついでにそちらも霧化して修復していく。
「くそう、せめて花御がいたらもう少し楽ができたものをッ!」
「ああ、あの雑草? 優弥に祓われたらしいね。しかもたったの2撃で」
「何? あそこにいる小僧に花御が祓われたのか。なら先にあの小僧を殺す! 花御の仇だ!」
「いやいや、行かせるわけないじゃん、僕を差し置いて自由に動けると思うなよ? というか次はお前が祓われる番だろ、火山頭」
そして五条先生と漏瑚の戦いがさらに激化していく。そしてたまに脹相が赤血操術で援護している。ホームは一般人を霧化しているため霧がそれなりに濃く、視界はあまり良くないはずなのに五条先生は全て見えているかのように漏瑚に攻撃し、腕を千切り、投げ飛ばし、どんどん弱らせていく。が、今も生きているのは領域展延を解いていないからだろう。そして地味に厄介な脹相がいるからか。
そして漏瑚が戦法を変え始めた。今度はヒット&アウェイで常に走り回って五条先生を攪乱しようとしている。
「脹相! 協力しないのであれば貴様から殺すぞ! もっと援護をせいッ!」
「はいはい」
そう言って脹相が五条先生に向けて穿血を放つが、無下限によって阻まれる。それからも五条先生は漏瑚を追い詰めていき、そろそろ祓うかと思ったその時。
『8両編成で参ります。黄色い線のブロックの内側でお待ちください。ホームドアから手や顔を出したり、もたれかかるのはおやめください』
いきなりそんなアナウンスが流れたと思ったら電車が渋谷駅に到着する。
「来たな!」
漏瑚が嬉しそうに言い、そしてドアが開き、中から出てきたのは──大量の改造人間だった。
あれ? 渋谷全域封鎖したはずでは? ……いや、渋谷の外から帰宅途中の人たちが狙われたのか。あとは規制を無視した馬鹿どもがやられたっぽいな。
「なに考えてやがる……」
五条先生もこれには驚いたらしく、愚痴を漏らしている。
そして最後に真人が出てきて、
「漏瑚ー!」
真人は一度深呼吸し、
「いやー空気が美味しいね。恐怖が満ちて……ない? あれ、全然人間いないじゃん、どういうこと?」
「今はそんなことどうでもいいわッ! お前も五条悟を倒すのを手伝えッ!」
「オッケー」
その瞬間、真人も五条先生へ向けて攻撃を開始する。これで改造人間を除けば実質1対3。五条先生は無下限術式があるから無敵だが、厄介なのが増えたことに変わりはない。
「タッハハ、マジで当たんない!」
真人の無為転変で生み出した刃が五条先生を襲うが、それも無下限に阻まれる。そして五条先生の反撃を躱して距離を取る。
そして改造人間を五条先生にぶつけ、五条先生の体力を少しずつ奪っていく。これによって若干呪霊側が優勢になったのだろう。呪霊側が勢いづいて攻めの姿勢に入った。脹相は改造人間もお構いなしに穿血で五条先生を狙い、漏瑚と真人でヒット&アウェイで攻撃してきて相当うざいのだろう。
そして五条先生は、その場で数舜止まり、その直後、領域展開の構えを見せた。その瞬間、脹相は漏瑚や真人を見捨てて逃げた。そして俺は、
やばいッ! 巻き込まれる! 俺は即座に自分も霧化して領域展開対策をする。その直後。
「領域展開・無量空処」
五条先生の領域展開が発動し、その場にいた全員の動きが止まる。漏瑚の動きと真人の動きが止まり、霧化している俺や一般人は無事だが動けない。そんな中動けるのは五条先生ただ1人。
そして最初に改造人間を殺し、その足で漏瑚のもとまで行き無下限呪術で完全に祓った。これで漏瑚が原作とは違い、両面宿儺と対面することなく消えていったのだった。
そして真人。こいつは魂の輪郭を自覚していない術師の攻撃が効かない。つまり五条先生の攻撃も効かないわけだが、五条先生は真人もボロボロのバラバラにしてから無量空処を解いた。それに合わせて俺も実体化する。
五条先生は戦闘は終わったと思ったのだろう。だが、五条先生がはっとした表情をする。その正面には呪符が貼られまくった小さな正方形の箱が置いてあった。
そして獄門彊が開門される。獄門彊の有効射程範囲内にまだ五条先生が残っている。が、五条先生は自分を獄門彊に封印するための作戦だと事前に聞いていたため即座に射程範囲外に出る。
「ああ、やっぱり失敗したか。この前ダムで会ったのが失敗だったみたいだね」
そう言って夏油が出てくる。どこかで俺たちの行動を見ていたらしい。
「で、結局のところ誰だよお前」
「夏油傑だよ。忘れたのかい? 悲しいねえ」
「肉体も呪力も、この眼に映る情報はお前を夏油傑だと言っている。だが。俺の魂がそれを否定してんだよッ! さっさと答えろ! お前は誰だッ!」
五条先生が夏油の肉体を操る何者かに吠える。すると夏油は頭の縫い目から糸を引っ張り出し、頭の中を見せながら、
「キッショ、なんで分かるんだよ」
とニヤニヤしながら答えるのだった。
「そういう術式でね、脳を入れ替えれば、肉体を転々とできるんだ。もちろん、肉体に刻まれた術式も使えるよ。彼の呪霊操術と獄門彊に封印された五条悟って状況が欲しかったんだけど、失敗してしまったみたいだね。君さ、夏油傑の遺体の処理を家入硝子にさせなかっただろう? 変なところで気を遣うね。おかげで楽にこの体が手に入った。あと君、強すぎるんだよね。僕の計画に邪魔だから獄門彊に封印したかったんだけど、そこの少年のせいで全て失敗に終わってしまった」
「ああ、確かに優弥のおかげで俺はお前を事前に見れたし、お前たちの作戦を事前に知ることができた。確かに優弥のおかげだろうな」
なんて話をしている間に真人が起きてしまった。そしてバラバラになった自分の体を集合させて元に戻している。取り敢えず五条先生の封印回避は成功した。ここから先は、俺にも展開が読めない。
どうなる、渋谷事変──