ストブラの第四真祖の能力を持って呪術廻戦の世界に転生した話 作:蒼凪 渚
真人を探して上空を飛んでいると、同じく上空から近づいてくる存在に気付いた。敵か、と思ったがよく見たらほうきに乗ってる西宮先輩だった。
「暁君! どうしてここに?」
「ちょっと敵を探しに。それとさっき補助監督狙いの呪詛師1人討伐しましたよ。持ちてが人の手になってる剣を持ってる呪詛師です」
「ありがとう、助かるわ。暁君はこの後どうするの?」
「このまま敵を探します。僕の術式は攻撃力高いから戦闘になったら役に立ちますし」
「そっか。分かった、頑張ってね」
そう言ってお互い別れて再び真人探しを始める。と、その時、かなり大きな呪力を使った反応に気付いた。その方向へ向かって移動すると、そこは領域展開されているらしく、領域のへそがあった。この場所、多分陀艮と誰かが戦ってるな。原作なら七海さん、真希さん、直毘人だけど今はもう原作通りの動きをしていない。早めに対処した方がいいだろう。とりあえず領域展開を外側から破壊するか。
「疾くあれ、アル・メイサ・メルクーリ」
アル・メイサ・メルクーリに陀艮の領域展開を外側から喰い破ってもらい破壊する。すると領域から出てきたのは、直毘人、真希さん、釘崎の3人だった。全員関わりない人たちじゃん……。そして領域の主はやっぱり陀艮だったようだ。しかも完全体になってる。面倒だからこのままアル・メイサ・メルクーリに喰わせるか。
「アル・メイサ・メルクーリ、そのままそいつを喰い殺せ」
指示通りにアル・メイサ・メルクーリが動こうとするが、領域を喰い破る時は動かずに済んだがここは一応建物の中。アル・メイサ・メルクーリには狭すぎて飛べないから陀艮についていけない。
俺は諦めてアル・メイサ・メルクーリを虚空に帰す。
「なんじゃ、十種影法術の上位互換はもう見せてくれんのか」
「……どこでそれを知った?」
「これでも禪院家の当主なんでな。情報はいくらでも仕入れることができるわい」
知らん間に禪院家に術式ばれてた。でも五条家の庇護下にいるから大丈夫なはず。あんなやばいところには行かずに済むはず。そしてこの建物内で眷獣は使えないと分かったので呪力を纏った体術で祓うことにした。
俺が陀艮に攻撃を始めると、直毘人や真希さんも合わせて攻撃してくれる。3人の攻撃で陀艮も反撃が中々できず、さきほどから攻撃を喰らってばかりだ。これならそう遠くない内に祓えるだろう。釘崎は中・遠距離タイプだから戦いに参加できていない。が、釘崎の術式も使えれば強力なので活用したい。
俺は体術から剣術に切り替え、刀を抜いて陀艮の腕を斬り落とす。そしてその腕を釘崎の方に蹴り飛ばす。あとは釘崎がやることをやってくれるだろう。
そのまま3人で陀痕を攻撃するが、ようやく陀艮も避ける隙を見つけたらしく、宙に逃げられた。すぐに追ってもいいが、一度様子を見たい。
そう思った瞬間、後ろから「共鳴り!」という声が聞こえてきた。釘崎の術式が発動し、陀艮の内側から杭が生えてくる。その攻撃は陀艮にとっても想定外だったらしく、そのまま地面に落ちてくる
グシャ、という音を立てながら落ちたものの、まだ払えていない。が、既に死に体。あと何回攻撃に持ちこたえられるか、といった具合だ。
再び俺たちは攻撃をしかけ、連携して陀艮を追い詰めていく。そして留めは真希さんの1撃で胸中央を貫いた。
それから陀艮はゆっくりと塵に還っていく。その姿が完全に塵になるのを確認してから俺は再度真人を探しに行こうとすると、
「まあ待てよ、暁1級術師」
禪院直毘人に呼び止められた。
「なんですか、禪院特別1級術師」
「何、ちょっと話があってな。五条家から禪院家に乗り換えんか? 今なら真依をくれてやるぞ?」
「おいジジイ!」
「話になりませんね。五条先生の庇護下を抜ける気はありませんので。では」
想像した通りの話だったので早々に切り上げて真人の捜索を再開する。そういえば夏油派閥の呪詛師もいたはずだけどそっちは対処任せてしまって大丈夫か? いや、別に全ての術師が生き残る必要はないしそれは難しい。そして俺は全ての術師を助けられるわけじゃない。だからこれでいい。
そう判断して真人の捜索に戻る。真人をどうにかしないと地下5階に閉じ込めてる一般人を解放できないんだよなあ。
なんて思ったその時、再び大きな爆発音が響く。空を飛んで爆発音の聞こえた方へ向かうと、まだ五条先生と夏油が戦っていた。そして決着はまだついていないらしい。五条先生相手によく粘るな、夏油。しかも場所がスクランブル交差点。大きなクレーターができている。
と思っていたらその近くで真人を見つけた。運良く周囲には誰もいない。絶好の機会だからそれを逃さないように真人のもとへ直行する。
「やあ、真人。また会ったな」
「げっ、お前、あの龍の使い手じゃん。嫌だなあ、俺相手したくないんだけど」
「そんなこと言うなよ、またボコしてやるよ」
「やだね。だから最初から本気で行かせてもらうよ」
そしてお互い領域展開の構えをする、
「領域展開・焔光之宴」
「領域展開・自閉円頓裹」
俺と真人の領域の押し合いになった。流石に俺も今真人の領域に囚われたら術式が焼き切れた直後だから死ぬ。この領域の押し合いは本当に命懸けの押し合いになっている。が、呪力量は圧倒的に俺が多い。それを考えたら負ける理由はない。時間が掛かってもいいから確実に領域を展開しよう。
じわじわと、ゆっくりだが俺の領域が真人の領域を押し始めた。このまま着実に行く!
「お前呪力量どうなってるんだよ、おかしくない?」
「真人こそ呪力量どうしたんだよ、呪霊の割に少なくない?」
「はあ? まだ本気出してないだけだし。あんま調子乗るなよ?」
そう言いながら真人が領域に注ぐ呪力量を増やし始めた。それを感じ取った俺も領域に注ぐ呪力量を増やす。そうすることで均衡を保ち、そしてじわじわと俺の領域を押していく。このままいけばあと数分で真人の領域を押しつぶせる。
が、流石にこれほどまで呪力を消費したことはなかったため流石にきつい。今日は何度も眷獣を使役しているし一般人を馬鹿ほど霧化しているから呪力の消費が激しいのだ。
それを押して今、領域展開をしているが、ようやく真人の領域をあとちょっとで押しつぶせるところまできた。そして留めとばかりに呪力を注いで完全に俺の領域で真人の領域を押しつぶし、領域を閉じた。
領域内は燃える街、鳴り続ける鐘の音が聞こえる。この鐘の音を持って、真人への鎮魂歌としよう。
「さようなら、真人」
その瞬間、真人から記憶を根こそぎ奪い、俺の呪力に変換していく。今日消耗した呪力量と比べるとたいした回復量ではなかったが、それなりに回復はしたからまだ戦えるだろう。そして真人は完全に廃人と化した。
「ぁ、ぁ……」
言葉も満足に話せないのならもう人間もなく呪霊でもない。生きているとは言えず、かといって死んでいるとも言えない。そんな状態だ。
俺は領域を解き、真人を眺める。これでもう抵抗はできないから後は夏油が取り込むのを待てばいい。そうすれば渋谷事変はほぼ終わり、次の死滅回遊へストーリーが進む。
とりあえず真人はもう無力化したし、帳は解くことにした。
その時。
「やあ、それ以上真人をいじめるのはやめてあげてくれないかな?」
「……夏油、いや、羂索と言ったほうがいいのかな?」
「……君、本当に何者なんだい?」
「ただの高校生だよ。ちょっと不思議な力を使う、ね」
「ただの高校生は私の名を知らないと思うんだがね」
そう言いながら羂索は真人を呪霊操術で宝玉のようなものに変えて取り込む。その姿を俺は何をするでもなく眺めていた。
「優弥! 大丈夫かい?」
「五条先生、僕は大丈夫ですよ。それより、夏油は手強いですか?」
「うん、手強いね。優弥、呪力あとどのくらい残ってる?」
「ざっとあと5割ってところですかね」
「僕も似たような感じ」
だがさっきの大きな破壊音で術師はみんなこちらに向かっているはず。そのうち術師が集まって総力戦になるだろうからあまり不安はない。
さあ、渋谷事変クライマックスだ。