ストブラの第四真祖の能力を持って呪術廻戦の世界に転生した話   作:蒼凪 渚

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ストブラの第四真祖の能力を持って呪術廻戦の世界に転生した話IV

 その日、五条悟は庵歌姫に電話をかけていた。内容は最近の1年のクラス事情に関してである。

 

『もしもし歌姫? ちょっと頼みがあるんだけど』

『五条が私に頼み? 何かの嫌がらせじゃなくて?』

『いやいや、マジな頼みだって』

『……何よ』

『東京校の1年生を1人引き取ってくれない?』

 

 五条のいきなりの話に戸惑う歌姫。流石に生徒を1人引き取れと言われて戸惑わないわけがない。それも理由も話さずいきなり言われてもなんとも言えない。

 

『どういうこと?』

『いやーそれがさ、僕が転校生に恵たちの仲良くなるちょっとした秘訣を教えたら逆効果どころか後まで引きずっちゃってさ、今東京校の1年のクラス学級崩壊してるんだよね』

『はぁっ!? 学級崩壊? アンタ何してんのよ』

『今回ばかりは本当に何してるんだろうねー僕。まさかあそこまで1年全員頑固だと思わなくてさ』

 

 確かに1年のクラスの仲違いの原因は五条だが、その後の仲違いの修復は1年全員が頑固だったため未だになっておらず、挙げ句の果てに学級崩壊。もう目も当てられない。そして授業すらまともに行えず、未だに3人で実技の授業を受けたことがなく、実技の時間になると暁だけどこかへいってしまう。

 

『それでさー、うちの1年の転校生が他の呪術高専があるならそっちに行きたいって言っちゃって』

『それで京都校で引き取れと?』

『京都校ってたしか今年の1年いなかったでしょ? ちょうどいいと思って引き取ってくれない? 性格は頑固だけど術式は超強力だから。今は2級術師だけど術式に頼れば特級と変わらない戦力になるよ』

『学級崩壊させるような子を引き取るの嫌なんだけど?』

『いやいや、学級崩壊させたのは僕、その子に悪いところはないよ。それじゃあそういうことでよろしく♪』

「あ、コラ五条! ……切られた」

 

 こうして暁優弥の転校が内々に決まっていくのだった。

 

 翌日。京都校にて。

 

「えー、みんなにお知らせがあります。東京校から1人、1年生が転入してくることになりました」

「東京校から転入? それはまたどうしてですか?」

「……五条のせいで東京校の1年、学級崩壊したそうなの。それで転校生が他の高専に行きたいって言ったみたいでうちで引き取ることになったわ」

 

 その言葉を聞いて誰もが沈黙する。それはそうだろう。学級崩壊して転校してくる転校生に今から良い印象を持てるかと言われたら誰もがノーと答えるだろう。歌姫だって正直なところ不安が大きい。そしてそれは加茂たちもそうだった。唯一東堂は気にしていない様子だが、三輪や西宮は不安そうにしている。

 

「先生、その、学級崩壊した原因ってなにか聞いてますか?」

 

 西宮がおずおずと歌姫に質問する。

 

「ええ、なんか五条が余計なことを転校生に吹き込んだらしくて、それを転校生がそのまま自己紹介で話したら1年が転校生に武器で攻撃したらしくて」

「うわぁ……」

「それから転校生も転校生で完全に仲間意識を無くしたみたいでね、未だに1年の実技の時間は全員揃うことがないらしいわ」

「……酷い状態ですね」

 

 加茂がそう纏める。実際に酷い状態だからそう言われてもしかたないが、本当に酷い状態である。そんな状況を聞いて京都校の面々がいい顔をするはずもなく。

 

「先生、その1年生、うちで上手く馴染めるんでしょうか……」

 

 三輪の言葉に歌姫は言葉を詰まらせる。なんせ歌姫も性格が頑固としか聞いていないのだ。あとは術式が強力ということくらいだろうか。それだけの情報しかない生徒を転入させるのは歌姫としても危険があると思わざるを得ない。

 

「今のところ分からない、としか言いようがないわ」

「その生徒、追い返すことってできないのかしら?」

 

 禪院真依の言葉に三輪は可哀そうだけどごめんね、と心の中で未だ見たことの無い転入生に呟く。

 

「それがもう楽厳時学長のもとにも話がいってるみたいで、確定事項だと思ってもらっていいわ。それに昔の五条と比べたらマシでしょうし」

 

 その言葉を聞いて京都校の面々は渋面を作る。学級崩壊したクラスの生徒なんて面倒見たくないというのが本音だろう。

 

「まあまだ会ってもいないんだ。対応は会ってから決めても遅くないだろう」

 

 メカ丸の言葉に東堂以外の全員が頷き、面倒な人が来ませんように、と祈るのだった。

 

 

 

 

 その頃、東京校にて。

 

「優弥」

「はい」

 

 廊下を歩いていると五条先生に後ろから呼び止められて振り向く。

 

「優弥、学長に転校の話したんだってね、恵たちとは仲良くなれそうにない?」

「無理ですね。あれは敵です。少なくとも俺は背中を預けられない」

「……そっか、昨日ね、京都の呪術高専の教師に話を通しておいたから。来週から優弥は東京校じゃなくて京都校に通うことになるよ。でも何かあったらいつでも相談に乗るから気軽に連絡してね」

「分かりました、ありがとうございます」

 

 そして2人で1年の教室に向かう。そのまま教室に入り、凍てつく空気感の中、座学が始まるのだった。

 その座学でも五条先生は最後まで俺たちを仲良くさせようと踏ん張っているが、完全に無視されてちょっとへこんでいる。伏黒たちも容赦ないなぁ。

 

 そんな座学をこなし、実技も剣を振って過ごし、夜は荷造りをしながら今週を終えるのだった。

 

 そして土曜日、五条先生と夜蛾学長に挨拶をしてから東京校を出て、新幹線で京都へと旅立った。

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