遅れてまじすみませんでしたァ!!
───放たれたビームが、相手の機体のバズーカに突き刺さる。
爆散する武装を仇を打つように離れた緑色のビーム、肩に装備された大型ビームキャノン「シュラーク」を飛び去るウィンダムに向けたカラミティガンダムはそのまま光を放った。
それを空中で身を捻って避けたウィンダムは、離れたところで戦うAGE-1ルミナスを援護するようにビームライフルを放つ。
「ミツキっ、チェンジっ!」
「了解っ!」
ミツキ駆るAGE-1ルミナスはGN粒子の作用で滑るように目の前の機体──フォビドゥンガンダムから離れた。ルミナスとすれ違うようにして飛来したビームライフルはフォビドゥンの2枚ある盾には阻まれて四散する。
「グラハムっ!」
「ゆくぞガンダムっ!」
ユウトの呼びかけに合わせて、残りの一機のレイダーガンダムのドッグファイトを振り切ったグラハムことアイノ・コウスケ駆るユニオンフラッグカスタムは、巡航形態で機首を兼ねるリニアライフルをフォビドゥンに向かって撃つ。発射された実弾は掲げられたままのフォビドゥンの盾を貫いて爆発した。
フォビドゥンの盾はビームに対して絶大な防御力を発揮するが、逆に物理にはそれほど強くない。
リニアライフル弾の爆発に隠れて、ルミナスとウィンダムはそれぞれカラミティとレイダーに突進する。
ルミナスはカラミティを飛び越えるように動いて発射されたシュラークを避けると、直上からドッズライフルを放つ。それを左手の盾で防いだカラミティはお返しと言わんばかりにチャージしてあった胸のビーム砲"スキュラ"を発射した。
迫るビームをGN粒子特有の滑るような動きで躱したルミナスは続けて撃たれる盾内蔵のビーム砲"ケーファ・ツヴァイ"を盾で防ぎながらフラッグの様子を確認する。
フォビドゥンはビーム兵器を一切持たず、有効に防御を出来ないフラッグを驚異と断定し、バックパックから展開した二門のレールガン"エクツァーン"と、そのレールガンの砲塔に搭載された偏向機で起動を曲げて放つ大口径ビーム砲"フレスベルグ"を撃って牽制しているが、ブラックは巡航形態ですいすいとビームとレールガンを避けて翻弄している。
そんな中、レイダーは真っ直ぐに突っ込んでくるウィンダムに左手の大型の推進付き鉄球"ミョルニル"を放つが、ウィンダムはバレルロールでそれを速度を落とさずに回避すると、ビームライフルを腰にマウントしながらミョルニルのワイヤーに沿うように急接近。続いて向けられた右手の"2連装52mm超高初速防盾砲"の砲塔部分を掠めるようにシールドの先をレイダーの肩関節へ突っ込んだ。
レイダーの腕はウィンダムのシールドの外に流れ、防盾砲の弾が逸れる。そこにウィンダムはすかさず右手で右腰のビームサーベルを逆手抜刀。斜め起動で斬り上げ、レイダーの左腕とその奥の主翼、ビームをチャージしていた頭部ごと切断しサーベルを振り抜いた勢いで機体を回転させ、追撃の回し蹴りで海に叩き落とす。そしてトドメのビームライフルを打ち込まれたレイダーは海中で爆散した。
素早くレイダーを処理したウィンダムに周りの観客から声が上がる。
「流石ユウト。……よし、俺もっ!」
ミツキもルミナスを動かし、カラミティに接近した。放たれたスキュラをGN機特有の慣性を無視した横移動で躱し、盾で防ぎにくい右側からドッズライフルを打ち込む。それをステップで回避したカラミティは盾のケーファ・ツヴァイを撃ってくる。
連射する武装なので一発の威力はそれほどでもない。ルミナスは迫る弾幕に盾を前にして突撃をかました。GNスラスターを全快にしてビームを受け止めながらカラミティに迫る。
「……うおおッ!………そこっ!!」
突撃してくるルミナスを嫌がって、カラミティはバックジャンプで距離を離そうとする。スラスターを斜め前にして後ろ向きに飛んでいる関係上肩のシュラークが撃てず、スキュラをチャージし始めた。そこに肉薄したルミナスはビームサーベルではなく、持ったままのトッズライフルを接射する。
カラミティはビームサーベルを振られると思ったのか、盾を上げていたところに噛み合いドッズライフルが直撃。ドリル状のビームが盾の表面を削り、ケーファ・ツヴァイごと爆発した。
そこに、上空からフラッグが強襲する。自慢の機動力でフォビドゥンの弾幕を振り切り、横から急接近したフラッグは、得意のグラハム・スペシャルを発動。急制動しながらMS形態へ変形、プラズマソードを抜刀して真上から唐竹割りを叩き込んだ。
上空からの落下と振り下ろしが合わさった威力は凄まじく、躱しきれなかったカラミティのシュラークと右腕を叩き切る。駆けつけたフォビドゥンが援護しようとフレスベルグを放とうとするが、そこにウィンダムが立ちはだかった。
フォビドゥンは構わず、フレスベルグを撃ち込む。この威力のビームはそうそう防げるものではない。……しかし、この量産機に乗ってるのは変態である。当然、これもユウトが撃つように仕組んだもの。
次の瞬間、観客から歓声が上がった。
ウィンダムが盾を構え、ビームの側面を叩くようにして防いだのだ。ビームの威力に負けて盾は壊れたが、軌道が逸れて誰にも当たることなく地面に着弾する。ウィンダムは盾が壊れて空いた左手で腰のビームサーベルを逆手抜刀。振られたニーズヘッグを受け止める。
「カバーっ!」
「おうっ!」
「承知ッ!」
そんな鍔迫り合いの最中、ユウトの声とともにウィンダムとフォビドゥンの両側面に回り込むのはルミナスとフラッグだ。ルミナスはGNスラスターを使った慣性を無視した素早いターンで、フラッグはハイGターンで最短距離を飛び抜けて変形。それぞれの格闘兵装で、フォビドゥンの両盾を斬り飛ばした。
後方へ抜けたルミナスは、振り返ってドッズライフルを精密射撃モードに切り替える。バレルが回転しせり出たフォアグリッブを握りしめ、ビームを弾く盾が無くなったフォビドゥンへ狙いをつける。
後方から狙いをつけられたフォビドゥンは鍔迫り合いを弾くと、真上に飛び上がった。
「トドメっ!」
「コウスケっ!」
ユウトがコウスケの名前を呼ぶと同時に、ドッズライフルからビームが打ち出される。きちんとマニュアルで狙ったビームがフォビドゥンの上昇先へ飛んで行き、機体の腹部を貫いた。
ミツキはそのまま残るカラミティへ向き直ろうとして───────。
カラミティは、横から飛んできたリニアライフルとビームライフルに貫かれて爆散した。一見ナイスカバーだが、あと一歩遅かったらシュラークがルミナスへ直撃していた射線だ。
爆散して落ちていくカラミティを尻目にルミナスを味方の2機を向けさせたミツキは、無言で見つめてくる2人に目を逸らしながら口を動かした。
「ラスト、油断したろ」
「……ナイスカバーっ」
「順調、って言いたいところだけど…、反省点はあるな」
「あ、あはは…。気をつけまーす」
「でも、ナイスだったよ2人とも」
目立った損傷がなく1回戦を乗り切った3人は、店の横のメンテスペースに座って補修兼反省会を開く。補習と言っても壊されたウィンダムのシールドを新しくするだけなので、ユウトは予備のシールドを取り付けながら店内を見回した。
2回戦この前砂漠の虎に居たあの3人組が戦うはず。次に当たることになるのはこの2回戦目の勝者なので、出来れば戦い方を見ておきたい。
「まぁとりあえず動きはすごい良かったぞ?ちゃんと連携取れてたし、昨日あんだけやって正解だった」
「1人が鍔迫り合いしたところに2人で両脇から強襲、だったよね?綺麗に決まって良かったよ」
「やっぱGNドライヴのターンはズルいな。普通あの速度て飛んだら横Gで潰れるぞ?」
「ハイGターン決めてるグラハムはにはコメントないの?」
「グラハムならあんくらいやるだろ?…な、コウスケ」
「そりゃあねぇ」
もうツッコむのも諦めたミツキがため息を吐く。新しいシールドをつけたウィンダムを手に持ったユウトは「じゃ、今の試合を見に行こうぜ」と立ち上がったその時。
『試合終了ー!』
「え?」
「は?」
「ん?」
店内に響いた試合終了の声に3人は固まる。時計を見るとまだ始まってから数分しか経っていないはずだ。
ミツキたちは顔を見合せて、筐体に歩き寄る。騒然している人だかりの中を覗くと、勝ったのはやはりと言うべきか、砂漠の虎に居たあの3人組だ。
「あー、やっぱり次の相手はあの人たちだね」
「……ああ、そうみたいだけど…」
「どうしたの?」
ミツキは素直に決着が早いなぁと感心している様子だ。
買った3人組も女の子が男の子2人にハイタッチを迫っていて、片方は普通に応じ、もう片方ははいはいと仕方なさげに手を合わせている。
その3人と目が合ったミツキは、次はよろしくお願いしますっと会釈した。女の子が「よろしくお願いしますっ!」と返してくれるのを見ながらユウトとコウスケを見ると、何やらじっと負けたチームに回収されていくガンプラを見ている。
そんな中、神妙な顔になったユウトは2人に手招きをした。
「…俺たちの番まであと二試合あるし、作戦会議しようか」
「ユウト、どうかしたの?」
「なぁ、アレ見てちょっと思う事ないか?」
「思うこと?」
もう一度補習スペースに戻ってきた3人は作戦会議を開いた。2人が聞き返すとユウトは真剣な顔で話し出す。
「さっきの試合、いくらなんでも決着が速すぎる」
「…そんだけ相手が強いってことじゃん?」
「そうなんだけど、ちょっと妙なんだよ」
「妙?……………あっ…」
コウスケはさっきの画面を思い出してある事に気がついたようだ。なんもわかってないミツキは目をぱちくりとさせる。
「コウスケ、気づいたか?」
「…僕の気のせいだったらあれだけど、……3機とも、なんかすごい離れた位置でやられてない?」
「…あっ、確かに」
言われてみれば、とミツキも思い出す。
敗北した相手の3機のガンプラはそれぞれバラバラの位置で撃破されていた。それだけだと各個撃破かと思うところだが、あの速度で終わった試合でこのやられ方は確かに不可思議。
「…たしか、試合時間って…」
「…2分ちょっとだったよね。そのスピードで決着が着いて、しかもあんなにバラバラの場所でやられてるって考えると…」
コウスケは顎に手を当てて考える。それを見たユウトは2人を見回しながらいくつかの仮説を立てた。
「…ありうる可能性は、まず超高速機3機で速攻仕掛けて、攻めの勢いでの分断からの各個撃破。次に全員スナイパーで同時狙撃、もしくは隠れて1機ずつ順に狙撃くらいだけど…。あー、ちゃんと試合見とくんだった」
「まぁ、あんなに早く終わるとは思わなかったし、仕方ないよ」
そんな中、3試合目が終わったようだ。休憩時間も合わせて1時間近くはあるが、相手が何をていたのかが分からないミツキ達に特にできることがない。コウスケは「それならさ…」と声をあげる。
「…他の観客に聞いてみる?」
「…うーん…」
「ま、だよな」
コウスケの提案に渋い顔をして腕を組むミツキと同感の様子のユウト。
「やっぱり、そういうのはなんか違うよね」
「ね」
「プレイヤーとしては正しいんかもだけど、その前に俺たちガノタだし」
「初見殺しくらいドンと来いだよね」
「…ちなみに、それで負けたらどうすんの?」
「初見殺しに対応できん俺らが悪い。この先こういうチームとも当たるだろうし、もともとこの大会も腕試しで来てるからな」
3人の方向性としては、相手チームの戦法を見逃した自分たちが悪い。というものに決まった。ただ対策をしないとは言っていない。
「とりあえず、いちばん考えられるのは3機とも高速機。次にスナイパーだな」
「スナイパーって、大抵どれくらいいるものなの?」
「公式大会の5対5でも、今日の3対3でも大抵は1機だよ」
「それはどうして?」
コウスケの疑問にユウトが答える。
「スナイパーっていうのは、基本隠れて味方と戦ってる敵を撃つ役目だから。隠れてる間はその分人数不利になって前衛に負担がかかるだろ?だから採用しても1人なんだよ」
「なるほど…。じゃあ、スナイパー3人ってかなり変ってことなんだ」
「まぁな。でもたまにいるんだよなぁ」
「ユウト、スナイパーがいる時ってなにか対処法ないの?」
もし、次の相手が3人ともスナイパーなら近づくまでにこっちが蜂の巣になってしまう。ミツキが質問すると「俺の場合はだけど」と前起きしてユウトが答える。
「一発避ける。で、位置割り出してそこに全員で射撃」
「………」
「ユウト…」
「いや、ほんとだぞ?…あ、盾で受けるのは最終手段な。基本一発で盾持ってかれて、中途半端に受けるとそのままぶち抜かれるから」
GPDのスナイパーライフルは、ガンプラの出来次第で変動はするが基本的に超威力だ。ユウトたちのガンプラの盾では間違いなく一撃で破壊、運が悪ければそのまま貫かれるだろう。
「だから、狙われた時には直線的な動きは控えろ。ルミナスの挙動は当てにくいと思うけど、フラッグの直線的な飛行は危ないな」
「うーん、わかった。気をつけてみるよ」
「俺はどうすればいい?」
「ミツキは…、ま……、頑張れ」
「ちょっとぉ!?俺だけ雑じゃね?」
実際、言うことはそんなにないらしい。ユウトが話をまとめると、丁度4試合目が終わった。ここから30分のメンテ時間があり、その後にミツキ達の試合だ。
「…とりあえず、話はまとまったな。あとの時間はメンテに当てよう」
「うん、頑張ろうね」
ミツキもコウスケも、気合いは十分のようだ。各々で機体のチェックを行いながら、残りの時間を過ごすのだった。
戦闘描写、どうですか?
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文を読んで想像しやすい。
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ガンプラの動きや戦法がかっこいい
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ちょっとわかりにくかった……